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アフターピルを連続服用できる？リスクや服用後の性交渉はいつからできるか紹介
ピル
更新日：2025.12.09
避妊に失敗したときに頼れるアフターピルは、予期せぬタイミングでの妊娠を防ぐための緊急の避妊法です。基本的には「必要なときだけ服用する」のが原則ですが、服用後すぐに再び避妊が必要になった場合、連続して服用しても大丈夫なのでしょうか？
ここでは、アフターピルの連続服用の可否や効果の持続、身体への影響についてわかりやすく解説していきます。服用後の避妊成功の確認方法や注意点も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
もくじ
アフターピルを連続服用するケース
アフターピルを連続服用することは、ホルモンバランスが変化し、体に負担がかかるため注意が必要です。ここでは、アフターピルを連続服用する場合がある2つのケースについて、詳しく見ていきましょう。
避妊成功の確認前にもう一度服用する場合
アフターピルを連続服用するケースの1つ目は、1回目の服用後、まだ妊娠していないことが確定する前に再度服用する場合です。
たとえば、最初の服用から3週間後に妊娠検査や産婦人科での確認を行う前に、妊娠するリスクのある性交渉があった場合は、もう一度アフターピルを飲むことを検討するようになるでしょう。
アフターピルは排卵を抑えたり遅らせたりすることで妊娠を防ぐ薬ですが、排卵の直前・直後に性交渉があると、もう一度追加で飲んでも妊娠を防ぐ効果が十分に発揮されないことがあります。これは、排卵のタイミングによって、アフターピルの働きが間に合わない場合があるためです。
避妊成功がまだ確認できていない段階での再服用は、自己判断で行わず、医師に相談してもう1回飲んだほうがいいか確認しましょう。予期せぬタイミングでの妊娠を防ぐためにも、迷ったら早めに相談してくださいね。
避妊成功を確認した後に再度服用する場合
アフターピルを連続服用するケースの2つ目は、アフターピルを飲んでから約3週間後に、妊娠していないことが確認できたうえで、もし再び避妊が必要な性交渉があった場合に、このタイミングでもう一度服用することがあります。この場合、前回の服用歴があることで次の薬の効果を妨げることは基本的にありません。
しかし、アフターピルは排卵に影響を与える薬なので、短期間に何度も服用すると生理周期が一時的に乱れることがあります。
また、飲んですぐに完全な避妊効果が得られるわけではないため、再服用が必要かどうかや、服用するタイミングの判断は、医師に相談して決めましょう。
短期間にアフターピルを連続服用は推奨されていない理由
短期間でのアフターピルの連続服用は、体への負担が大きいため推奨されていません。
アフターピルの主成分は女性ホルモンの一種、黄体ホルモン（プロゲステロン）です。低用量ピルにも含まれますが、アフターピルはより多くのホルモンを一度に摂取するため、体内のホルモンバランスが大きく変化します。
もし服用後12時間以内に避妊に失敗した場合は、薬の効果がまだ続いているため、再服用は基本的に必要がないことが多いですが、念のため医師に相談して指示を仰ぎましょう。アフターピルは、複数回服用しても避妊効果が高まるわけではなく、むしろ、生理周期が乱れたり、体への負担が大きくなる副作用があるため、自己判断で連続服用することは避けましょう。
短時間で吐いてしまったら
アフターピルを飲んだあと、もし3時間以内に吐いてしまった場合、薬の成分が十分に吸収されず、避妊効果が十分に得られないことがあります。
また、服用後2時間以内に吐いてしまった場合は、効果がほとんど期待できないため、すぐに医師に相談し、追加で1錠服用すべきか指示を受けましょう。なお、この場合の服用は「連続服用」には当たりません。
アフターピル服用後は生理周期が乱れることがある
アフターピルは排卵を抑制し妊娠を阻止する薬であるため、服用によって次回の生理周期が一時的に乱れることがあります。
多くの方は、予定日より数日遅れて出血があり、ほとんどの場合は1週間以内に消退出血が起こります。その後の生理周期は通常どおりに戻るので、あまり心配しすぎる必要はありません。
ただし、過度な不安やストレスは女性ホルモンに影響を与え、生理周期を乱す原因となります。アフターピルを飲まなければならない状況自体が大きなストレスとなるため、服用後はなるべくリラックスして過ごすように心がけましょう。
アフターピル服用後の性交渉は避妊成功が確認できてから
アフターピル服用後の性交渉は、避妊成功が確認できるまでは行わないようにしましょう。
アフターピルは服用前の性交渉による妊娠を回避するものであり、服用後の性交渉における避妊はできません。服用から3週間以内に生理が来たことを確認し、妊娠検査薬で陰性が確認できてから性交渉を再開してください。なお、性交渉の際はコンドームや低用量ピルなどで避妊を行うようにしましょう。
参考：日本産婦人科学会 緊急避妊法の適正使用に関する指針（平成 28 年度改訂版）（７）妊娠が回避された後の避妊指導
アフターピルによる避妊の仕組みとは？
アフターピルは、ピルに含まれる多量のホルモンを一度に服用することで、排卵の抑制もしくは排卵の遅延をさせて着床を阻害して避妊を行います。一時的に体内のホルモンバランスが変化するものの、排卵の抑制期間は5〜7日といわれているため、服用後には徐々に元のホルモンバランスに戻ります。
参考：日本産婦人科学会 緊急避妊法の適正使用に関する指針（平成 28 年度改訂版）（１）緊急避妊法の作用機序
アフターピル服用後の避妊成功の確認方法
アフターピル服用後は、「本当に避妊できているかな？」と不安な気持ちになりますよね。アフターピル服用後は以下の方法で、避妊に成功したかどうか確認しましょう。
消退出血の有無
アフターピルによる避妊が成功すると、服用から2〜3日程度に消退出血と呼ばれる出血が起こることがあります。これは、アフターピルの作用によって、避妊が成功した場合に子宮内膜が剥がれ落ちたものが出血となって排出されるものです。とはいえ、出血期間や量には個人差があるため、基本的には服用から3週間以内に生理があるかどうか、妊娠検査薬で陰性かどうかで判断しましょう。
生理の再開
アフターピル服用後に、次回の生理が予定通り来ることも避妊が成功したサインになります。また、アフターピルの服用による影響でホルモンバランスに変化があることから生理が遅れる可能性もあります。しかし、生理予定日から1週間を過ぎても生理が来ない場合には妊娠していることも視野に入れて、妊娠検査薬で確認または産婦人科を受診するようにしましょう。
妊娠検査薬による確認
アフターピル服用から3週間後を目安に、妊娠検査薬を使用して確認する方法は正確性が高いといえます。妊娠検査薬は薬局やドラッグストアで購入することができます。もし心配な場合には、産婦人科でも検査をすることができるため受診可能な場合は医師の診療を受けると安心です。
アフターピル以外の避妊方法
アフターピルは、あくまで緊急避妊薬であり、服用後の生活では別の避妊方法を採用する必要があります。
コンドームを使用する
薬局やドラッグストアで手軽に入手できる避妊方法として、コンドームが挙げられます。
男性主体の避妊方法であり、副作用はありません。正しく使用した場合は高い避妊効果が期待でき、性感染症の予防にもなります。ただし、破れたり外れてしまう危険性もあるため注意しましょう。
低用量ピル・ミニピルを服用する
低用量ピル（OC）は女性ホルモンである卵胞ホルモンと黄体ホルモンが含まれている経口避妊薬です。毎日同じ時間に1錠服用することで高い避妊効果を期待することができます。ただし、低用量ピルに含まれる卵胞ホルモンには血栓症の発症リスクが僅かにあり、血栓リスクのある人は処方ができない場合があります。この場合は、黄体ホルモンのみ配合されたミニピルが選択肢のひとつです。いずれも薬局やドラッグストアでの購入はできず、医師の処方が必要となります。
いずれも薬局やドラッグストアでの購入はできず、医師の処方が必要ですが、ピルは性感染症（STI）の予防効果はありません。そのため、避妊と感染症予防の両方のために、必ずコンドームも併用しましょう。
アフターピル服用後の注意点
アフターピルは緊急時の避妊に役立ちますが、服用後すぐに効果が十分に出るわけではありません。ここからは、服用する際に気をつけたいポイントを順に確認していきましょう。
アフターピル服用後の性交渉には避妊効果がない
アフターピルは、避妊に失敗した後に服用する緊急避妊薬であり、薬の効果が及ぶのは、あくまで服用前の性交渉のみです。
そのため、「アフターピルを飲んだから、その後は避妊しなくてもいい」という考えは間違いです。アフターピルには、服用後の性交渉に対する避妊効果は無いため、必ずコンドームや低用量ピルなどを活用して避妊をするようにしてください。
複数錠を飲むのは危険
アフターピルは1錠で十分に避妊効果を発揮します。不安だからといって、自己判断で複数錠を服用するのは大変危険です。体内のホルモン量が過剰になり、吐き気や嘔吐といった副作用を強く引き起こす可能性があります。あなたの体を守るためにも、必ず医師の指導に従ってくださいね。
アフターピルの服用に関するよくある質問
ここでは、アフターピル服用後のよくある質問について回答していきます。ぜひ参考にしてみてください。
アフターピルの服用後、生理はいつ来る？
服用したタイミングによって個人差はありますが、多くの場合、服用から3週間以内を目安に生理（消退出血）が来ます。
アフターピルは排卵を抑制することで避妊しますが、ほとんどの場合は1週間以内に消退出血が起こります。この出血は避妊が成功したサインのひとつですが、もし服用から3週間以上経っても生理が来ない場合は、妊娠の可能性も考えられます。自己判断せず、必ず妊娠検査薬で確認し、必要に応じて速やかに婦人科を受診してください。
アフターピルを服用しても避妊に失敗することはある？
アフターピルは服用したからといって必ずしも避妊に成功するわけではありません。ノルレボ（レボノルゲストレル）の場合の避妊率は、性交渉から72時間以内の服用で約84％、72〜120時間以内の服用で約63%です。120時間を超えると避妊率は下がる一方となります。
時間にもよりますが避妊率は100%ではないため、繰り返しアフターピルをのむ場合は今後低用量ピルを検討しましょう。
また、医師の処方無しで通販サイト等で入手したアフターピルは模造品の可能性もあるため購入は控えるようにしてください。ほか、飲み合わせの悪い薬やサプリメントにも注意しましょう。
アフターピル服用後は避妊成功が確認できるまでは性交渉を控えよう
ここまで、アフターピル服用後の気になる疑問の1つである「性交渉の再開タイミング」について解説してきました。アフターピルは、あくまで緊急で避妊を行うための薬であることから、避妊が確認できるまでは性交渉を控えることが大切です。服用したからといって100％避妊ができるというわけではありません。避妊成功後も、妊娠を希望しない場合はコンドームや低用量ピルなどを活用して避妊を行うようにしましょう。
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監修者
六本木レディースクリニック医師
波羅 友里恵
2013年杏林大学医学部卒業後、慶應義塾大学病院で研修。 愛育病院、国立成育医療センターを経て、
2018年より六本木レディースクリニックで不妊治療を行う。 現在は六本木レディースクリニック非常勤。
2024年よりメデリピルにてオンライン診療によるピル処方や、mederi magazineの記事監修を担当。
不定期で企業講演を行う。主に卵子凍結や、体外受精、治療に対する会社のサポートについて発信。
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