生理は女性にとって健康状態のバロメーターでもあります。
生理の基礎知識や、生理中でも快適に過ごすためのセルフケアをご紹介。
低用量ピルの飲み方は?始めるタイミングや飲み忘れたときの対応を解説
低用量ピルは、避妊だけでなく生理痛やPMS(月経前症候群)の改善など、さまざまな目的で使用されている薬です。しかし、本来の効果を得るためには、正しい飲み方や飲み忘れ時の対処法を理解しておくことが欠かせません。
この記事では、低用量ピルの基本的な飲み方から種類ごとの服用方法、飲み忘れた場合の対処法、副作用や注意点まで詳しく解説します。これから服用を始める方や、現在服用中で不安や疑問がある方は、ぜひ参考にしてください。
もくじ
低用量ピルの正しい飲み方
低用量ピルは、毎日決まった時間に1日1錠を服用することで体内のホルモンバランスが一定に保たれ、本来の効果が発揮されます。自身の生活リズムに合わせて、夕食後や就寝前など「毎日無理なく続けられる時間」を決めることから始めましょう。
「いつから飲むの?」飲み始めるときの2つのタイミング
ピルをいつから飲み始めるかは、大きく分けて2つの方法があります。それぞれのライフスタイルや、いつから効果を得たいかによって選ぶことができますが、初めての方は医師と相談して決めるのが安心です。
代表的なスタート方法について、それぞれの特徴を見ていきましょう。
生理初日から飲む「Day1スタート」
Day1スタートは、生理が始まった日(出血開始から24時間以内)に低用量ピルの服用を開始する方法です。大きな特徴は、1錠目から避妊効果が期待できる点です。また、生理初日を基準にするため、服用開始日が分かりやすく、アプリなどで管理しやすいのもメリットです。
ただし、このタイミングを逃すと次の生理まで待つ必要があるため、飲み忘れには注意が必要です。
生理後の最初の日曜から飲む「Sundayスタート」
Sundayスタートは、生理が始まったあとの最初の日曜日から低用量ピルを飲み始める方法です。この飲み方のメリットは、消退出血(生理のような出血)が起こる曜日を、ある程度コントロールできる点です。一般的に消退出血は4週目の月曜日ごろに始まり、金曜日までに終わることが多いため、土・日曜日を避けてスケジュールを立てたい方に向いている方法と言えます。
ただし、服用開始から最初の7日間は避妊効果が十分でない場合があるため、いつも以上に徹底してコンドームなどほかの避妊法を併用する必要があります。
i生理日以外から飲み始めることはできる?
生理のタイミングを待たずに、受診したその日から低用量ピルの服用を始める方法(クイックスタートピル)もあります。「すぐに避妊したい」「次の生理を待たずに始めたい」という方に選ばれる方法です。
ただし、服用開始時に妊娠していないことが前提となるため、前回の生理以降に性交渉がある場合は注意が必要です。状況によってはクイックスタートピルが選べないこともあるため、必ず医師と確認しながら進めましょう。
種類別の低用量ピルの正しい飲み方と休薬期間
低用量ピルには、1つのシートが「21錠」で構成されているタイプと、「28錠」で構成されているタイプの2種類があります。
「21錠タイプ」の飲み方と休薬期間の過ごし方
21錠タイプは、シートにある21錠すべてが実薬です。毎日1錠ずつ21日間続けて服用し、その後の7日間は薬を飲まない「休薬期間」を設けます。
この休薬期間に入って2〜3日ほど経つと、生理のような出血(消退出血)が始まります。21日間、ピルを正しく服用できていれば、この休薬期間中も避妊効果は維持されます。
ファボワール28などの「28錠タイプ」の具体的な飲み方
28錠タイプ(ファボワール28やトリキュラー28など)は、21錠の実薬のあとにホルモン成分の入っていない7錠の偽薬(プラセボ)を服用するのが特徴です。そのため、21錠タイプのように途中で薬を休む期間を挟まず、毎日1錠ずつ28日間飲み続けます。
この7錠の偽薬を飲んでいる期間に、生理のような出血(消退出血)が起こります。休薬期間を設ける必要がないため服用習慣を維持しやすく、次のシートへの切り替え時の飲み忘れを防ぎやすいのが特徴です。
2シート目以降を飲み始めるタイミング
ピルを継続して服用する場合、前のシートを正しく終えたら、出血(生理)がまだ続いていたとしても次のシートへ進んでください。
21錠タイプの場合は、7日間の休薬期間が終了した翌日(8日目)に新しいシートの1錠目を飲み始めます。28錠タイプの場合は、28錠目の偽薬を飲み終えた翌日にそのまま新しいシートの1錠目をスタートさせます。
i超低用量ピルの飲み方は?低用量ピルとの違い
超低用量ピルは低用量ピルよりもエストロゲン(卵胞ホルモン)の配合量を抑えた薬で、主に月経困難症や子宮内膜症の治療に用いられます。
低用量ピルとの大きな違いは、連続服用できる期間です。低用量ピルは基本的に28日周期で服用しますが、ヤーズフレックスなど一部の超低用量ピルは最長120日間連続で服用できます。そのため、生理の回数を減らし、生理痛や生理に伴う不調を軽減できるのが特徴です。服用方法は薬の種類や治療目的によって異なるため、必ず医師の指示に従って服用しましょう。
ピルを飲み忘れたら?日数別の正しい対処法
低用量ピルは毎日服用することで効果が発揮される薬です。万が一飲み忘れた場合は、飲み忘れた日数によって対応が異なるため、慌てず適切に対処しましょう。

1錠(24時間未満)飲み忘れた場合の対処法
1日分飲み忘れてしまったときは、気づいたタイミングですぐに前日分の1錠を服用してください。その日の分もいつもどおりの決まった時間に通常どおり服用します。
結果的に「1日に2錠」を飲む形になりますが、問題ありません。自己判断でスキップせず、気づいた時点で早めに対処しましょう。
2錠以上(48時間以上)飲み忘れた場合の対処法
2日間続けて飲み忘れてしまった場合は、気づいた段階で直近の飲み忘れ分(昨日分)の1錠をすぐに服用します。さらに、その日の分もいつもの時間に通常どおり服用してください(この日も合計2錠を飲むことになります)。
それよりも前の飲み忘れ分(一昨日分など)に関してはそのまま破棄し、翌日からは再びシートのスケジュール通りに1錠ずつ服用していきましょう。
3錠以上飲み忘れた場合の対処法
3日以上続けて服用が空いてしまった場合は、体内のホルモンバランスが変化するため、ピル本来の避妊効果や治療効果を維持することが難しくなります。
また、途中で生理のような出血(不正出血)が始まってしまうことも珍しくありません。この場合は一度そのシートの服用をストップし、次の生理が来るのを待ってから、新しいシートで最初からリスタートするのが一般的です。判断に迷ったり不安があったりするときは、一人で悩まず、かかりつけの医師や薬剤師に相談してみましょう。
偽薬(プラセボ)を飲み忘れたとき
偽薬(プラセボ)にはホルモン成分が入っていないため、万が一飲み忘れてしまっても効果に影響はありません。
ただし、飲み忘れた錠剤は破棄するのが安心です。シートに残したままにすると、休薬期間が何日目なのか分かりにくくなり、休薬明けに新しいシートへ切り替えるタイミングを間違える原因になります。飲み忘れた分は「服用したもの」として扱い、その後のスケジュールどおりに服用を続けましょう。
飲み忘れないための工夫
スマートフォンのアラームや、ピル管理アプリ、リマインダー機能を活用するのがおすすめです。
また、「起床直後」「歯磨きの後」「就寝前のスキンケア時」など、毎日必ず行うルーティンと服用を紐づけると習慣化しやすくなります。シートの置き場所を枕元や洗面所など必ず目に入る場所に定めたうえで、急な外出や外泊に備えてバッグやポーチに予備のシートを常備しておくとより安心です。
服用前に知っておきたい注意点(副作用)と対処法
飲み始めの時期は、体がホルモンバランスの変化に慣れようとして、軽い吐き気や頭痛、乳房の張りなどを感じることがあります。これらは「マイナートラブル」と呼ばれ、多くは2〜3か月飲み続けるうちに自然と落ち着いていきます。

なお、吐き気がつらい場合は服用のタイミングを就寝前に変更すると、就寝中に症状のピークが過ぎるため不快感を軽減できます。症状がつらかったり、長く続いたりして不安なときは、我慢せずに処方を受けた医師に相談してみましょう。薬の種類を変えることで、自分にぴったりのものが見つかる可能性もあります。
i併用を避けるべき薬やサプリメント
一般的な風邪薬や整腸剤、鎮痛薬はピルと併用できますが、一部の薬やサプリメント、飲食物には注意が必要です。
特に、サプリメント成分のセントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)や、一部の抗生物質、抗てんかん薬は、ピルの成分を分解し、避妊効果を弱めるリスクがあります。反対に、市販の解熱鎮痛薬に含まれるアセトアミノフェンは、ピルの作用を強め副作用が出やすくなります。
また、お茶やコーヒーに含まれるカフェインやタンニンも薬の吸収に影響するため、ピルは水かぬるま湯で服用してください。新しい薬やサプリを使う際は、事前に医師や薬剤師へ相談しましょう。

低用量ピルに関するよくある質問
ここでは、ピルの服用に関するよくある質問にお答えします。ぜひ参考にしてみてください。
避妊効果はいつから出る?
低用量ピルは生理初日から5日以内に飲み始めれば当日から、それ以外の時期なら7日間連続で服用した後に効果が出ます。服用時期がずれるとホルモンが体に満ちるまで時間がかかるため、開始から1週間は効果が確実ではありません。効果が安定するまでは特に注意してコンドームを併用しましょう。
服用中の飲酒はOK?
適量の飲酒であれば、基本的にピルの避妊効果に影響はありません。ただし、飲酒によって服用時間を忘れたり、服用後すぐに嘔吐したりすると、十分な効果が得られない可能性があります。飲酒する際も、毎日決まった時間に服用する習慣を守ることが大切です。
飲み続けて妊娠しにくくならない?
ピルの服用を長期間続けても、将来の不妊リスクが高まることはありません。ピルは服用している期間だけ一時的に排卵を休ませる薬です。そのため、妊娠を希望して服用を中止すれば、通常は数か月以内に本来の生理周期と排卵が回復し、妊娠可能な状態に戻ります。
まとめ
低用量ピルは、正しいタイミングで服用を開始し、毎日継続して飲むことで本来の効果を発揮します。21錠タイプ・28錠タイプなど種類によって服用方法が異なるため、自分が使用しているピルの飲み方を理解しておくことが大切です。
また、飲み忘れや飲み遅れがあった場合は、日数に応じて適切に対処することで効果を維持しやすくなります。服用中に気になる症状が現れたり、飲み方に不安があったりする場合は医師や薬剤師に相談しましょう。正しい知識を身につけ、自分のライフスタイルに合った方法で無理なく続けることが大切です。
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監修者
大学病院に入局したのちに、総合病院で勤務。産婦人科専門医・がん治療認定医・抗加齢学会専門医を取得。
2021年よりメデリピルにおいてオンライン診療によるピル処方や、mederiが主催するセミナーやイベントに登壇、mederi magazineの監修を担当など幅広く活動。
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