ヤーズフレックスとヤーズの違いは?飲み方・メリット・副作用・飲み忘れの対処法

ピル
更新日:2024.10.29

ヤーズフレックスの服用を考えている方は、詳しい効用や副作用が気になるのではないでしょうか。また、ヤーズフレックスは他のピルと用法が異なる部分があるので、長期服用によるメリット・デメリットも存在します。こういったポイントも、服用を始める前にぜひ把握しておきたいところです。

この記事では、ヤーズフレックスの概要と基本的な用法、服用することのメリット・デメリット、便利なオンライン処方サービスを詳しくご紹介します。

ヤーズフレックスって聞いたことはあるけど、実際何?

ヤーズフレックスは超低用量ピルの一種で、有効成分として卵胞ホルモンと黄体ホルモンが配合されています。低用量ピルと比較して卵胞ホルモンの含有量が少なく、長期間服用できる混合ホルモン剤として製造、処方されている薬です。

ヤーズ配合錠と何が違うの?

配合されている成分はいずれも同じですが、ヤーズ配合錠は続けて服用できる期間と服用方法がヤーズフレックスと異なります。

ヤーズ配合錠は1シート28錠で構成されており、4錠はプラセボ(偽薬)です。1日1錠を服用し、25錠目から28錠目の4日間はプラセボを服用します。1シートを使い切ったら翌日から新しいシートに移って服用を継続できます。

ヤーズフレックスも1シート28錠で構成されていますが、28錠全てに有効成分が含有されていることが特徴です。1日1錠を服用し、最長120日まで服用を毎日継続できます。ただし、25日目以降に3日間連続で出血があらわれた場合、もしくは120日継続して服用した場合には、その翌日から4日間休薬する必要があります。

なお、ヤーズフレックスは月経困難症および子宮内膜症の治療を目的とする場合に、保険適用の対象になります。一方ヤーズ配合錠は月経困難症の治療を目的とする場合にのみ、保険適用の対象です。両者は用途に応じて使い分けできるようになっているのです。

ヤーズを服用し続けるとヤーズフレックスと同じ効果が期待できる?

ヤーズとヤーズフレックスに含まれている成分はどちらも同じです。そのため、ヤーズのシートに入っている実薬だけを服用し続けると、ヤーズフレックスを服用している時と同じ効果を得られると言えます。

ヤーズフレックスのメリットは?

ヤーズフレックスの主なメリットは、子宮内膜症の痛み軽減、月経困難症およびPMSの改善などです。また、ホルモンバランスを調整することで、肌荒れやニキビを改善する効果も見込めます。以下で詳しくみていきましょう。

PMSなど女性特有の悩みが軽くなる!

ヤーズフレックスの有効成分には、子宮内膜の増殖抑制や月経周期の調整を行う作用があります。各種作用によって、子宮内膜症に伴う痛みの軽減や月経困難症に伴う下腹部痛・腰痛、PMSの症状を軽減する効果が見込めます。

肌荒れやニキビが減って、綺麗になる!

月経前の肌荒れやニキビは、ホルモンバランスの乱れが原因の場合があります。ヤーズフレックスの有効成分にはホルモンバランスを調整する作用があり、肌の乾燥や皮脂の増加による肌荒れ、ニキビを減少させる効果が期待できます。

ヤーズフレックスのほかにも肌荒れ、ニキビの改善効果があるピルは複数ありますが、症状や利用目的に応じて医師が処方を決めることが一般的です。

なお、ピルによる美肌作用はホルモンバランスが原因である場合に効果が見込めるものです。生活習慣を理由とする肌荒れ、ニキビである場合、ピルの服用によって改善する可能性は低くなります。

また、服用を開始した直後は一時的に肌荒れやニキビが悪化する場合がありますが、服用を継続することで改善されることがほとんどです。服用を継続しても改善が見られない場合は、医師に相談しましょう。

ヤーズフレックスの主な副作用

ヤーズフレックスの服用期間中には副作用が生じる場合があり、重篤な副作用として血栓症を発症することが稀にあります。副作用についてもしっかりと理解したうえで服用を開始しましょう。

ヤーズフレックスの主な副作用には、不正出血や悪心、頭痛、眠気、腹痛、抑うつ気分などがあります。副作用は服用開始から短期間で発生しやすく、ホルモンバランスが一時的に乱れることが主な原因です。服用を継続する間に副作用は軽減、解消されることが一般的ですが、副作用が長期間改善しない場合には医師に相談しましょう。

ヤーズフレックスの服用後に不正出血があった場合、服用開始から24日目までは症状の有無にかかわらず服用を続けて問題ありません。ただし、通常時と比較して出血量が多く、持続日数が長い場合には医師に相談してください。

血栓症のリスク

血栓症とは、血管内に血の固まりが詰まることで引き起こされる病気です。ピルを服用していない場合の発症率は年間1万人当たり1~5人とされていますが、低用量ピルを服用している場合の発症率は年間1万人当たり3~9人とされています。

ヤーズフレックスは超低用量ピルに分類される薬ですが、静脈血栓症の発症リスクに関しては、類似した作用を持つ薬品と同等であるとした調査結果も存在します。ヤーズフレックスの服用期間中に以下のような症状が現れた場合には、服用を中止して救急医療機関を受診してください。

実際に救急医療機関を受診する際には、ヤーズフレックスを服用していることを医師に伝え、適切な診断を受けられるようにしましょう。

・急激な足の痛みや腫れ
・手足の脱力やしびれ
・突然の息切れ
・胸部の痛み
・激しい頭痛や舌のもつれ
・突然の視力障害

ヤーズフレックスの飲み方

ヤーズフレックスを初めて服用する場合、月経の第1日目から服用を開始します。

服用するにあたって、以下の項目に該当する人は副作用のリスク増加、持病悪化などの問題に注意が必要です。

・子宮筋腫がある
・40歳以上である
・乳がんの既往歴がある
・血縁者に乳がんになった人がいる
・喫煙している(35歳以上で1日15本以上喫煙している人は使用不可)
・肥満に該当する
・血縁者に血栓症になった人がいる
・前兆のない片頭痛がある
・軽度の高血圧である
・糖尿病または耐糖能に異常がある
・ポルフィリン症である
・心疾患に罹患または既往歴がある
・肝障害がある
・腎障害がある
・てんかんである
・テタニーである

ヤーズフレックスはどれくらい飲み続けられる?

ヤーズフレックスを服用する際は、最長120日継続服用する方法と28日周期で服用する方法のどちらにするかを医師が決定します。最長120日継続服用する場合、毎日1錠を決まった時刻に服用します。

服用期間が継続120日になった、もしくは25日目以降に服用を中断した際は、4日間の休薬期間を設けた後に服用を再開する必要があります。28日周期で服用する場合は24日目まで毎日1錠を服用し、25日目から28日目まで服用を止めた後に服用を再開します。

ヤーズフレックスの休薬期間は?

基本的には服用期間が24日もしくは120日になるごとに4日間の休薬期間を繰り返すことがヤーズフレックスの用法とされています。例外として、服用開始から25日目以降に3日間連続で出血があった場合には翌日から4日間の休薬期間を設ける必要があります。

24日目までは出血の有無にかかわらず服用を継続して問題ありませんが、血栓症が疑われる症状が現れた場合には服用を中断して医療機関へ相談しましょう。

飲み忘れたらどうすればいい?

飲み忘れがあると不正出血の危険性が増加するため、基本的に飲み忘れはないように注意が必要です。もし飲み忘れてしまった場合は、ケースごとに以下のように対応しましょう。

1日飲み忘れた場合

1日飲み忘れた場合は、飲み忘れに気づいた時点で1錠服用します。その後、普段の服用時刻になったら、その日の分を1錠服用しましょう。もし飲み忘れに気づいた時点で普段の服用時刻が迫ってきている場合は、まとめて2錠服用するようにしてください。

2日飲み忘れた場合

2日飲み忘れた場合は、飲み忘れに気づいた時点で飲み忘れ分のうち1錠を服用します。その後、普段の服用時刻になったら、その日の分を1錠服用しましょう。

3日以上飲み忘れた場合

3日以上飲み忘れた場合は、服用サイクルの初めに戻ってやり直す必要があります。一度ピルの服用を中止してシートを破棄してから、自然に次の生理がくるまで待ちましょう。生理がきたら、いつものように新しいピルシートの1錠目から飲み始めます。

その他のピルの種類

ピルには、ヤーズフレックスのような超低用量ピル以外にもいくつか種類があります。以下でそれぞれのピルを紹介します。

中用量ピル

中用量ピルは、エストロゲン配合量が1錠50μg(マイクログラム)のピルのことです。エストロゲンの配合量が多く効果が強く出るため、生理日移動の際に使用されることが多いです。ただし効果が強い分、吐き気や頭痛などの副作用も強く出る可能性があります。

低用量ピル

低用量ピルは、エストロゲン配合量が1錠50μg未満(30〜35μg)のピルのことです。避妊や生理痛軽減、月経困難症の改善など、多くの目的で服用されており、毎日正しく服用すれば99%以上の避妊効果があるとされています。

超低用量ピル

超低用量ピルは、エストロゲン配合量が1錠30μg未満のピルのことです。月経困難症や子宮内膜症の治療で使用されることが多いです。低用量ピルよりもエストロゲンの量が少ないため、比較的副作用が見られにくいとされていますが、不正出血しやすくなる可能性があります。

アフターピル

アフターピルは、避妊に失敗した性交渉後に、望まない妊娠を防ぐために服用する緊急避妊薬です。日本で唯一承認されたアフターピルであるノルレボ(レボノルゲストレル)錠の場合、避妊失敗から72時間以内に服用することにより、約85%の確率で妊娠を防げるとされています。服用後は、まれに吐き気などを感じる可能性があります。

ミニピル

ミニピルは、エストロゲンを含まず、黄体ホルモンのみを含んだピルのことです。血液凝固作用を持つエストロゲンを含んでいないため、ピルの副作用である血栓症のリスクがほぼなく、ピルを服用できない高齢の方や喫煙者の方なども服用が可能になります。

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よくある質問

ヤーズフレックスは超低用量ピルの一種で、ピルの中で唯一、最大120日間連続服用することが可能なピルです。ほかの超低用量ピルとは飲み方が一見異なるため、はじめて服用する方は不安なことも多いのではないでしょうか。ここではヤーズフレックスにまつわる、よくある質問について説明していきます。

ヤーズフレックス服用後に不正出血がある場合は?

飲み始めから、服用24日目までは不正出血があっても飲み続けて問題ありません。服用25日目以降に3日連続で出血があった場合は、4日間休薬する必要があります。この場合の出血量は少量です。おりものシートで対処できるくらいの量を目安としてください。不正出血は服用を続けていくと治まるケースが多いですが、出血量が多かったり、長引く場合には医師に相談するようにしてください。また、血栓症が疑われる症状が出ている際は直ちにピルの服用を中止し、早めに病院を受診してください。

・休薬期間中に起こる出血
休薬期間の出血は消退出血と呼ばれるものです。ヤーズフレックスを一定期間服用してから中止すると体内のホルモンバランスが変化します。これにより、子宮内膜がはがれて出血が起こるという仕組みです。4日間の休薬期間が終了したら、出血が続いていても服用を再開してください。出血が起きない場合は、薬の作用で子宮内膜が薄くなっているか妊娠しているか2つの可能性が考えられます。2回連続で消退出血がない場合は、市販の妊娠検査薬で確認をし、陽性反応がでた際には病院を受診して医師の診察を受けましょう。

ヤーズフレックスを服用すると太る?

ピルには、どの種類でも共通する副作用として、食欲増進やむくみなどによって外見に変化が生じる場合があります。具体的には、ピルに含有される卵胞ホルモン、黄体ホルモンによってむくみが生じやすくなったりすることが要因です。

一時的に太ったように感じることはありますが、ヤーズフレックスをはじめとしたピルの服用を続けていくことで身体が慣れてくると副作用が起きることは少なくなっていきます。また、ヤーズフレックスには「抗ミネラルコルチコイド作用」があり、むくみにくいことが特徴とされているので、必ずしも外見に変化が起きるとも限りません。

ヤーズフレックスを服用するとニキビができる?

ヤーズフレックスなどの第四世代のピルには抗アンドロゲン(男性ホルモン)効果があるため、ホルモンバランスを整え、ニキビの改善がより期待できることがわかっています。

ヤーズフレックスは保険適用になる?

ヤーズフレックスは、国内で初めて連続服用が可能となったLEP(low dose estrogen-progestin)製剤です。卵胞ホルモン・黄体ホルモン配合錠剤で、卵胞ホルモンの含有量は20μgまで抑えられていることから、超低用量LEP製剤とも呼ばれています。卵胞の発育を抑えて排卵を起こさなくする働きから、月経困難症の治療に用いられます。治療目的のため、保険適用となります。ヤーズフレックスと同じく超低用量ピルである「ルナベルULD」「フリウェルULD」「ヤーズ」「ジェミーナ」「ドロエチ」も同様になります。あくまで治療目的であることから、月経困難症などの症状がない場合、避妊のみの目的での使用はできません。改善したい症状を医師に相談して決めましょう。

ヤーズフレックス服用中にコロナワクチンを接種しても大丈夫?

ヤーズフレックス服用中にコロナワクチンを接種する場合は、事前に医師に相談しましょう。現在使用されているワクチンの種類によっては、接種後に血栓症を発症した例が報告されています。低用量ピル、超低用量ピルの服用は血栓症のリスクを増加させます。どちらのリスクもごくわずかですが、身の安全のためにも必ず医師に相談してからワクチンを接種するかどうか判断してください。またワクチン接種前の事前問診の際、服用中の薬としてピルの記載を必ずするようにしてください。

ヤーズフレックスもメデリならオンラインで処方可能!

ヤーズフレックスを服用したくても、病院や薬局に行く時間をなかなかとれない方もいるでしょう。そんな方にはオンライン診療の利用がおすすめです。

メデリピルでは、超低用量ピル5種類、低用量ピル6種類、中用量ピル1種類、アフターピル2種類を取り扱っています。超低用量ピルは「ヤーズ」「ドロエチ」「ヤーズフレックス」「ルナベルULD」「フリウェルULD」の5種類が取り扱い対象です。なお、超低用量ピルは自由診療での処方になり、種類によって金額が異なります。処方を希望する場合は事前問診時にお伝えください。

メデリピルでは、超低用量ピルに限らず、ご自身に合ったピルを医師と相談しながら決めることができ、サービス利用期間中であれば診療代はずっと無料なので、服用中の不安なことや悩みを、いつでも医師に相談することができるサポート体制が整っています。
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※1 3シート目受け取りまで解約不可
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※メデリピルは医療機関とユーザーを繋ぐプラットフォームです
※診療やピルの処方等は保険適用外・自由診療であり、医療機関に所属する医師が行います

まとめ

ヤーズフレックスは超低用量ピルの一種であり、子宮内膜症や月経困難症に伴う痛みの軽減などに効果がある薬です。最長120日続けて服用できることが特徴ですが、他のピルと同様に副作用として不正出血や悪心、血栓症などの症状が現れる場合があります。

服用を検討する際は医師に相談し、適切な処方をしてもらうことで副作用のリスクを軽減できます。診療、処方をスムーズに進めたい方は、オンラインピル診療・処方サービス「メデリピル」のご利用をぜひご検討ください。

監修者

産婦人科専門医・がん治療認定医
郡 詩織
産婦人科専門医・がん治療認定医を取得。大学病院に入局したのちに、総合病院で勤務。 現在はmederiドクターとして、日々のオンライン診療や監修、セミナーやイベントに登壇。

※1 初月無料は低用量ピルのみ対象となり、別途送料550円(税込)かかります

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