生理は女性にとって健康状態のバロメーターでもあります。
生理の基礎知識や、生理中でも快適に過ごすためのセルフケアをご紹介。
生理痛はピルで改善できるって本当?ピルの効果を最大化するコツを紹介
世界で1億人の女性が飲んでいるピルには、生理痛をやわらげたり、生理不順を改善する効果もあります。
生理トラブルによって、勉強や仕事のパフォーマンスが落ちて全力が出せないのは悔しいですよね。低用量ピルをうまく使うことで、頑張るあなたの毎日をより快適にできるはず。
もくじ
生理痛はピルで改善できる
毎月起こる生理に伴う、つらい生理痛は低用量ピルの服用で改善できる可能性があります。
生理痛の原因のひとつはプロスタグランジンというホルモンが子宮を収縮させ、経血を排出する働きをして発生する痛みです。
低用量ピルはエストロゲンとプロゲステロンという2種類の女性ホルモンを配合した薬で、服用することによって体内のホルモンバランスを整えてプロスタグランジンの分泌を抑制する作用があることから生理痛を軽減させる働きをします。
生理痛で悩んでいる方は低用量ピルの服用も検討してみるとよいでしょう。
生理痛の治療方法
生理痛には痛み止め(鎮痛剤)が有効です。生理痛の原因のひとつにプロスタグランジンというホルモンによって引き起こされる痛みであり、痛み止めのなかでも非ステロイド性の抗炎症薬がプロスタグランジンに効果的とされる痛み止めになります。
ドラッグストアや薬局では、生理痛に効くさまざまな種類の痛み止めが販売されているので薬剤師に相談して、自分にあったものを見つけてみてくださいね。
ピルの種類は2種類
低用量ピルは使用目的によって2つの種類に分けられます。
避妊用 低用量ピル(OC)とは?
1つは”避妊目的で服用するピル”でOCと呼ばれる、保険適用外の低用量ピルです。
女性ホルモンの働きを利用した経口避妊薬で、経口避妊薬の英訳であるOral Contraceptivesの頭文字をとって”OC”と呼ばれています。
あくまで避妊効果を目的としたピルであり、毎日正しい方法で服用することで高い避妊効果が得られます。
副作用の発生を抑えるためにホルモン量を避妊効果が得られる最低限の量にしてあるため、低用量ピルと呼ばれています。
避妊効果だけでなく、生理周期の安定などの副効能も持っています。
生理痛用 低用量ピル(LEP)とは?
2つ目は、”月経困難症や子宮内膜症の治療目的で服用するピル”でLEP(Low dose Estrogen Progestin)と呼ばれる、保険適用の低用量ピルです。
低用量エストロゲン・プロゲスチン配合の錠剤で、OCと同様の成分になりますが別薬剤の扱いです。
また、LEPは保険適用となり、OC同様に排卵を抑制する効能も持つため避妊効果もありますが、日本では月経困難症や子宮内膜症の治療目的でしか処方が認められていません。
生理痛はなぜおこる?
生理痛が起こる原因は、プロスタグランジンというホルモンの分泌量が多いことです。これにより経血を排出する時に必要以上に子宮が収縮してしまうため、痛みが生じます。
ピルが生理痛に効果的な理由
ピルを内服することで、プロスタグランジンの分泌が減少するので、子宮が痛むほど収縮することを抑制してくれます。
また、ピルは子宮内膜の増殖を抑える働きもあるため、経血量の減少も期待できます。
ピルは生理不順にも効果的
ピルを用いても生理不順が改善しない場合は、子宮や卵巣の病気やその他の病気が関係していることがあるため、そのまま放っておかずに医師に相談しましょう。
個人差はありますが服用開始からだいたい2〜3ヶ月のうちに効果が出ると言われていますので、最低3ヶ月は様子を見るようにしてください。
※3ヶ月以降も効果がなければ医師に相談ください
低用量ピル服用時の注意点
低用量ピルは正しく服用することでさまざまな効果を発揮する薬です。
服用にあたって副作用の症状や飲み忘れが生じた場合について知っておきましょう。
副作用はある?
低用量ピルには副作用が出る可能性があります。
しかし、含まれるホルモン量が少ない上に、昔のものに比べると改善されてきているため心配しすぎなくても大丈夫です。
主な副作用としては、吐き気や頭痛、乳房の張り、不正出血、むくみ、下腹部痛などですが個人差があります。
おおよそ3か月ほどで治まってくることがほとんどですが、治まらない場合には医師へ相談してピルの種類変更をするか、漢方薬を服用するなど他の方法を選択するのも一つの手段です。また、副作用を悪化させないためにもピルとそのほかの薬やサプリメントの飲み合わせには気をつけましょう。
詳しい飲み合わせは、下記の記事でチェックしてみてくださいね。
飲み忘れた場合
低用量ピルを飲み忘れた場合には、避妊率が下がる可能性があります。
基本的に飲み忘れが1日(1錠)のみの場合は、気づいた時点で服用し、その日に通常通り服用する分も時間通り服用します。1日に計2錠まで服用する分には問題ありません。
しかし、2日(2錠)以上飲み忘れが発生した場合には一度服用を中止する必要があります。
その際には次回の生理が来てから新しいシートを服用するようにしてください。
ピル服用時に併用してはいけない薬
ピルを服用する際には飲み合わせに注意しましょう。
低用量ピルとの併用が禁止されているのは、C型肝炎の薬です。
また、互いに影響し合う可能性のある薬は以下の薬です。
薬効 | 薬剤名 |
てんかん治療薬 | フェノバルビタール、プリミドンフェニトイン、カルバマゼピン、トピラマート、オクスカルバゼピンなど |
結核治療薬 | リファンピシン |
解熱鎮痛薬 | アセトアミノフェン |
抗真菌薬 | フルコナゾール・ボリコナゾール、イトラコナゾールなど |
子宮内膜症治療薬 | Gn-RH誘導体、酢酸ブセレリン |
糖尿病治療薬 | 血糖降下剤、インスリン製剤、スルホニルウレア系薬剤、スルホンアミド系薬剤 、ビグアナイド系製剤 |
ステロイド内服薬 | プレドニゾロン、デキサメタゾンなど |
胃酸分泌抑制剤 | オメプラゾールなど |
抗うつ剤 | イミプラミン |
免疫抑制剤 | シクロスポリンなど |
パーキンソン病治療薬 | セレギリン塩酸塩など |
ぜんそく治療薬 | テオフィリンなど |
上記の薬をピルと併用してしまうと互いの薬の効能に影響が出てしまい、体に悪影響を及ぼす可能性がありますので気づいた時点で、低用量ピルを処方している医師に相談しましょう。
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