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ピルでPMSは改善する?種類ごとの違いと効かないときの対処法
生理前になると気持ちが落ち込んだり、体の不調が続いたりして、つらいとお悩みではありませんか?こうしたPMS(月経前症候群)の症状を和らげる方法として選ばれているのが、低用量ピルです。ピルを服用することで女性ホルモンの急激な変動が抑えられ、心身の不調を穏やかに整えられます。
この記事では、ピルがPMSに働きかけるしくみや用いられるピルの種類、飲んでいるのに症状が変わらないと感じるときの原因と対処法を紹介します。一人で我慢せず、あなたに合う方法を見つける参考にしてみてください。
もくじ
PMSの症状緩和に用いられるピル(低用量ピル)とは
ピルは、PMS(月経前症候群)の原因となる排卵とホルモンの急激な変動を抑えることで、症状の改善が期待できます 。
ただし効果の感じ方には個人差があり、飲み始めてすぐに変化を実感できるわけではありません。
まずは、PMSが起こるしくみと、ピルが働きかける流れから見ていきましょう。
PMSが起こるしくみ
PMSは、排卵のあとにプロゲステロン(黄体ホルモン)が増える生理周期の変化が、原因の1つと考えられています 。
生理の3〜10日ほど前から、イライラや気分の落ち込み、頭痛、むくみ、乳房の張りといった症状があらわれ、生理が始まると落ち着いていくことが多いといわれています。
症状の出方や強さは人によって異なり、月によって変わることもあります。生理がある間はPMSが起こる可能性があるため、毎月のことだからと我慢せず、つらいときは産婦人科に相談してみてくださいね。
ピルがPMSの症状に働きかけるメカニズム
PMSのさまざまな不調を引き起こす「女性ホルモンの急激な変動」がピルによって抑えられることで、イライラや気分の落ち込みなどの症状を緩和できるとされています 。

ピルには、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲスチン※(黄体ホルモン)という2種類の女性ホルモンが含まれています。ピルを毎日決まった時間に服用することで、体内の女性ホルモンの変動を抑えて一定に保つことができるため、生理前のイライラや気分の落ち込みなどのPMS症状がやわらぐとされています。
※黄体ホルモンのうち、ピルに含まれる人工・合成型のものはプロゲスチンと呼ばれます(体内にある黄体ホルモンはプロゲステロン)。
ただし個人差があるため、すべての方に同じ効果が得られるわけではありません。
※参考:「OC・LEPガイドライン2020年度版」(日本産科婦人科学会/日本女性医学学会)
ピルの効果を感じるまでの期間の目安
低用量ピルによるPMSの改善効果は、個人差はありますが服用開始から約1〜3か月のうちに実感し始めることが多いです 。
ピルを服用することでホルモンバランスが一定に保たれ、痛みの原因物質であるプロスタグランジンの分泌や、イライラを引き起こす急激なホルモン変動が抑えられるため、心身の不調が徐々に和らいでいきます。
まずは焦らずに様子を見て、自分の体調の変化を観察することが大切です。3か月以上続けても効果が不十分な場合は、医師に相談してピルの種類や飲み方を調整していきましょう。
PMSの症状緩和に用いられるピルの種類
PMS(月経前症候群)の症状緩和には、低用量ピルや超低用量ピルが選択肢になります。
同じ低用量ピルでもホルモンの配合設計が異なり、体に合うかどうかは人によって変わります 。
ここでは、種類ごとの目的と特徴を整理していきます。

低用量ピル
低用量ピルは、エストロゲン(卵胞ホルモン)の含有量が0.05mg未満のピルで、避妊とあわせて生理にともなう症状の緩和にも用いられます。
PMSの緩和は副次的な効果として知られており、生理痛の緩和や生理不順の改善、肌荒れの改善なども期待できます 。
避妊を目的に自由診療で処方される場合はOC(経口避妊薬)、月経困難症などの治療を目的に処方される場合はLEP(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤)として扱われ、費用の考え方も異なる点に注意しましょう。
世代によって含まれるプロゲスチン(黄体ホルモン)の種類が異なるため、副次的な効果の出方にも違いが見られます。
超低用量ピル
超低用量ピルは、低用量ピルよりもエストロゲンの量が少ないLEP製剤で、月経困難症や子宮内膜症の治療を目的に用いられます。
ホルモン量が少ない分、PMSの緩和を期待して選ばれることもありますが、避妊薬としては承認されていない点に気をつけてください 。
種類によっては連続して服用することで生理の回数を減らせるものもあり、生理にともなう不調の回数自体を抑えたい方の選択肢になります。
服用方法は薬によって異なるため、医療機関の指示にしたがって正しく服用しましょう。
i一相性ピルと段階型(三相性)ピルの違い
一相性ピルはすべての実薬に含まれるホルモン量が一定で、段階型(三相性)ピルはホルモン量が段階的に変化する設計です 。
一相性ピルは実薬のホルモン量が変わらないため、実薬部分の飲む順番を気にしなくて良い設計になっています。段階型(三相性)ピルは自然なホルモンの分泌に近づけた設計で、実薬の色や順番が決められています。
どちらが優れているというものではなく、体質や症状、飲みやすさによって向き不向きが変わります。PMSの症状に合う設計かどうかは医師が判断するため、気になることは診療のときに伝えてみてください。
ミニピル(エストロゲンを含まないピル)
ミニピルは、エストロゲンを含まずプロゲスチン(黄体ホルモン)のみを含むピルです。 エストロゲンによる血栓症のリスクを避けたい場合の選択肢となり、不正出血や無月経の治療、月経困難症改善にも用いられることがあります 。
一方で、排卵を完全に抑えられない場合があり、不正出血が起こりやすい点は知っておきたいところです。PMSの緩和を主な目的とした薬ではないため、目的に合うかどうかは医師に相談しましょう。
iアフターピルはPMSの緩和を目的とした薬ではない
アフターピル(緊急避妊薬)は、避妊できなかった性交渉のあとに妊娠を防ぐ目的で服用する薬で、PMSの緩和を目的としたものではありません 。
継続して服用する低用量ピルとは、目的も飲み方も異なります。服用後は不正出血や生理の時期のずれが起こることがあり、そのタイミングと重なって「PMSがひどくなった」と感じることもあるかもしれません。
体調の変化が続くときや、次の生理がこないときは、自己判断せず産婦人科に相談しましょう。
「ピルを飲んでもPMSが変わらない」と感じる主な原因
ピルを続けているのにPMS(月経前症候群)が変わらないと感じる背景には、飲み始めの時期や薬の種類、生活環境など複数の要因が考えられます 。
体質やピルが合っていないことだけが理由とは限りません。ここでは、考えられる主な原因を順番に見ていきましょう。
飲み始めで体が順応していない
低用量ピルを飲み始めてから1〜3シート目(およそ3か月間)のうちは、体が新しいホルモンバランスに慣れようとしている段階のため、PMSへの十分な改善効果を実感しきれていない可能性があります 。
ピルが体に馴染み、効果が安定してあらわれるまでの期間には個人差があります。
3か月以上服用を続けても症状が緩和されない場合は、我慢せずに受診を検討しましょう。処方されているピルの種類をあなたの体質や症状に合うものへ変更することで、効果がスムーズにあらわれるケースもあります。また、早めに医師に相談することは、不調の陰に隠れた別の病気を早期発見することにもつながります。
ピルの副作用があらわれている
ピルの服用中に感じる体調不良や気分の落ち込みは、PMSが治っていないのではなく、実はピルの「副作用」としてあらわれている可能性があります 。
服用開始初期には、下腹部痛や乳房の張り、頭痛、むくみ、食欲の変化、眠気、抑うつといった症状が報告されています。

これらの副作用が出ている間は「薬が効いていない?」と感じがちですが、多くの場合、体がホルモンバランスの変化に慣れて副作用が落ち着いてくると、本来のPMS改善効果を実感し始めます。副作用は一時的なものであることが多いものの、あまりにも症状がひどい場合や日常生活に支障が出る場合は、決して無理をせず、処方を受けた病院へ早めに相談しましょう。
また、下肢の痛みや腫れ、突然の胸の痛みや呼吸のしにくさ、激しい頭痛、視覚の異常、強い腹痛などは、血栓症の兆候として知られています。あらわれた場合は服用を中止し、速やかに受診してください。
服用中のピルの種類が合っていない
ピルには多くの種類があり、含まれるホルモン成分の種類や配合量が異なります。
ピルがPMSに効かないと感じる場合、服用しているピルが自分のPMS症状に対して適していない可能性があります 。
ピルには、低用量ピル・超低用量ピル・中用量ピル・アフターピルなど、エストロゲンとプロゲスチン(黄体ホルモン)の配合量が異なるものが存在します。服用するピルの特性とホルモンバランスの関係で、体への作用や副作用の出方も変わることがあります。
そのため、症状に合う設計のピルへ変更することで、変化を感じられることもあります。
服用する時間やタイミングがそろっていない
ピルの服用時間が毎日バラバラだったり、飲み忘れが多かったりすると、血中のホルモン濃度が一定に保たれず、PMSへの効果を十分に実感できないことがあります 。
低用量ピルは毎日決まった時間に服用することでホルモンバランスを安定させ、排卵を抑えるしくみです。飲み忘れを防ぐために「就寝前」や「朝食後」など、自分の生活リズムに合わせて時間を固定し、アラームなどを活用して習慣化するのがおすすめです。
ストレスや生活習慣が症状に影響している
強いストレスや不規則な生活習慣は女性ホルモンのバランスを乱す原因となり、ピルの効果が十分に発揮されないことがあります 。
特に仕事や人間関係のプレッシャーが強い時期は、PMSの症状が強く出る可能性があります。また、睡眠不足や不規則な食事、運動不足なども女性ホルモンの分泌に悪影響を与え、PMSを悪化させる原因の1つです。ピルだけに頼るのではなく、生活習慣全体の見直しが必要となるかもしれません。
さらに、カフェインやアルコールの過剰摂取、喫煙なども症状を悪化させる要因となります。特にカフェインは、ピルとの相互作用により動悸や頭痛などの過敏症状が出やすくなったり、ピルによるPMSの緩和効果を十分に得られなくなったりする可能性も否定できません。
また、カフェインやアルコールの過剰摂取によって体調を崩したり吐き気をもよおしたりすると、薬の成分が十分に吸収されないおそれがあります。摂取量は控えめにおさめ、ピルの服用から3時間ほど間隔をあけて楽しむのがおすすめです。
PMDD(月経前不快気分障害)の可能性がある
精神的な症状が特に強いときは、PMDD(月経前不快気分障害)の可能性も考えられます 。
PMSに比べて、より精神的な症状が重くあらわれるのが特徴です。主な症状には、抑うつ状態のような気分の低下、感情がコントロールできなくなるほどの怒りを感じる、イライラ、不安などが挙げられます。
PMS同様に原因は解明されていませんが、女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)の変動や、セロトニンという神経伝達物質の変動が悪影響を及ぼしていると考えられています。
通常のピルを服用していても十分な変化を感じられないことがあるため、つらさが続くときは産婦人科や心療内科に相談してみましょう。
PMS以外の病気が隠れている可能性がある
ピルがPMSに効かないと感じる場合、実はPMS以外の疾患が原因かもしれません 。
たとえば貧血、甲状腺機能障害や自律神経失調症、うつ病なども、PMSと似た症状を引き起こすことがあります。これらの疾患がある場合、ピルを服用してもPMSの症状が改善しないこともあります。このような場合は、内科や精神科、心療内科の受診がおすすめです。
産後でホルモンや生活環境が変化している
産後は女性ホルモンの分泌が大きく変わる時期で、以前よりPMSがつらく感じられることがあります 。
睡眠のとりにくさや育児による疲れ、生活リズムの変化が重なることも、症状の感じ方に影響すると考えられます。また、授乳中はエストロゲンを含むピルの服用が推奨されないため、選べる薬が限られる点にも気をつけてください。
再開できる時期は出産後の経過や授乳の状況によって変わります。自己判断せず、産婦人科で相談してから決めていきましょう。
ピルを飲んでもPMSがつらいときの対処法
ピルを飲んでもPMS(月経前症候群)のつらさが変わらないと感じるときは、我慢を続けるのではなく、相談・記録・種類の見直しといった具体的な方法があります。
ここでは、今日からできることを紹介します。一人で抱え込まず、医師に相談してくださいね。
産婦人科やオンライン診療でピルの種類について医師に相談する
ピルの服用中にPMSやPMDDの症状があってつらい場合は、専門医に相談しましょう。体質や目的に合う別のピルへの変更(異なる種類やホルモン含有量の調整)を提案してもらえることがあります。 自分に合うピルが見つかれば、ホルモンの変動が落ち着き、PMSやPMDDの症状が和らぐことも期待できます 。
つらさを我慢せずに自分の状態を正直に伝えることが、次の改善へのステップにつながります。
通院の時間をとりにくいときは、オンライン診療という選択肢もあります。mederiのオンライン診療では、産婦人科医の診療を受けたうえで処方を受けられます。
厚生労働省の指針により、カメラをオンにしたビデオ通話での受診がルールとなっているため、プライバシーに配慮できる静かな場所から受けられるよう準備しておきましょう。なお、医師の判断によりピルを処方できない場合もあります。
※参考:「オンライン診療について 国民・患者の皆様へ」(厚生労働省)
i受診前に整理しておきたいこと
ピルを飲んでもPMSやPMDDの症状を感じるときは、日々の体調や症状を記録しておくのがおすすめです。 日々の気分の変化や体調、特にピルの摂取による影響を詳細にメモすることで、パターンや傾向が明らかになります 。具体的には、以下のような項目を記録しておくと診療時に役立ちます。
- ・症状が出る時期とつらさの程度
- ・服用しているピルの種類と、飲んでいる時間
- ・飲み忘れの有無と、続けている期間
- ・日常生活で特に困っている場面
また、記録を続けることで自分の体への理解が深まり、「いつから、どのように体調が良くなってきたか」という自身の体調変化を客観的に振り返ることもできます。自分の状態を把握できていれば、医師への相談もスムーズになり、より自分に合った対処法やピルの調整を見つけやすくなるでしょう。
生活習慣を見直す
生活習慣を整えることも、PMSのつらさを和らげる助けになります 。
健康的な食事、十分な睡眠、適切な運動を取り入れることで、体と心のバランスが整い、症状が和らぐ可能性があります。ストレスや疲労はPMSやPMDDの症状を悪化させる要因ですが、リラクゼーション法を取り入れることでストレスを軽減できます。
また、カフェインやアルコールの摂取を控えることも、PMSやPMDDの症状を緩和する手段として有効です。
カフェインの摂取をできるだけ控える
もし日常的にカフェインを摂取する習慣がある場合、生理前のみコーヒーや紅茶に含まれるカフェインを控えてみるのがおすすめです。
カフェインには血管を収縮させる働きがあるため、過剰に摂取すると血行が悪くなり、PMS特有の冷えや痛みを悪化させてしまうことがあります 。
また、神経を興奮させる作用もあるため、ピルで調整しようとしている繊細なホルモンバランスに影響を与え、情緒不安定さを助長してしまう可能性も否定できません。生理前はハーブティーやルイボスティーなどのノンカフェインの飲み物を選び、心身を穏やかな状態に保てるよう意識してみましょう。
影響が気になる場合は、ピルを飲んでから2〜3時間の間隔をあけてカフェインを摂取することをおすすめします。
糖分を摂り過ぎないように気をつける
生理前はついつい甘いものが欲しくなりますが、糖分の摂り過ぎはPMSの症状を重くしてしまう原因になります。
砂糖をたくさん含んだお菓子やジュースを摂ると、血糖値が急激に上がり、その後に急低下する「血糖値の乱高下」が起こります 。
これが自律神経を乱してしまい、ピルを服用していても気分の落ち込みや強い眠気、倦怠感を引き起こしやすくするのです。また、糖分は体内で分解されるときに大切なビタミンやミネラルを消費してしまうため、体の回復力も低下してしまいます。甘いものが食べたいときは、ナッツや果物など自然な甘みのものを選んで、血糖値を安定させる工夫をしてみてくださいね。
入浴やストレッチで体を温めリラックスする
ピルが効きにくいと感じる原因の1つに、日々のストレスや体の冷えが関係していることがあります 。
特に生理前は血の巡りが滞りやすく、心身ともに緊張しやすい時期です。ぬるめのお湯にゆっくり浸かり、骨盤まわりを意識して温めることを心掛けてみましょう。
お風呂上がりに、無理のない範囲で軽いストレッチを取り入れるのもおすすめです。強く緊張して固まった筋肉がほぐれ、自然とリラックスしやすくなります。
漢方薬などほかの選択肢を医師に相談する
ピルの服用だけではPMSの改善が不十分に感じる場合、漢方を選択肢に加えることも1つの方法です。
PMSの症状に対しては、以下のような漢方薬がよく用いられます 。
- ・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):冷え性でむくみが気になる方に
- ・加味逍遙散(かみしょうようさん):イライラ、のぼせ、情緒不安定さが強い方に
- ・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):のぼせや下腹部痛、肩こりがつらい方に
そのほか、精神的な落ち込みが強い場合には半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)、便秘傾向がある場合は桃核承気湯(とうかくじょうきとう)などが選ばれることもあります。
ピルとの飲み合わせも含めて、医師や薬剤師に相談してから始めてください。
PMSでピルを処方してもらう方法と保険適用
ピルは医師の処方が必要な薬で、産婦人科の受診またはオンライン診療で処方を受けられます。
保険が使えるかどうかは、処方の目的によって変わります 。受診のしかたと費用について整理しておきましょう。
産婦人科を受診して処方を受ける

産婦人科では、症状や既往歴、生活習慣を確認したうえで、服用できるかどうかを医師が判断します。
血栓症の既往や前兆のある片頭痛などがある場合は服用できないことがあるため、これまでの病気や飲んでいる薬は正確に伝えてください 。
初診では血圧の測定や問診が行われることが一般的です。場合によっては内診が行われることがあるため、着脱しやすい服装で行くことをおすすめします。生理痛の相談であれば生理中に受診しても問題ないことが多いため、つらい時期の状態をそのまま伝えてみるのも1つの手です。
オンライン診療で処方を受ける

オンライン診療は、スマートフォンなどのビデオ通話で産婦人科医の診療を受け、薬が処方された場合は自宅に配送される流れです 。
カメラをオンにしたビデオ通話で医師が顔色や表情を確認することで、声だけでは気づけない体調の変化を把握します。通院の時間をとりにくい方や、近くに産婦人科がない方の選択肢になるでしょう。なお、医師の判断により処方できない場合もあります。
保険適用になる場合と自由診療になる場合
PMS(月経前症候群)の症状だけでは原則として保険適用にならず、自費診療(自由診療)となることが一般的です 。
保険が適用されるのは、生理痛や過多月経などを含む「月経困難症」や「子宮内膜症」といった病気であると医師が判断した場合です。ただし、PMS(月経前症候群)に伴う下腹部痛や頭痛などの体の症状が重く、日常生活に大きな支障をきたしている場合は、医師の判断により月経困難症として保険適用のピル(LEP)が処方されることもあります。まずは診療時に、ご自身のつらい症状を詳しく相談してみることが大切です。
費用の目安
保険が適用される場合、窓口での自己負担は原則3割です。 自由診療の場合は医療機関ごとに費用が決められており、ピルの種類や配送料、診療費の扱いによっても変わります 。
目安として、メデリピルのオンライン診療で処方を受ける場合の料金は、低用量ピルの料金ページと超低用量ピルの料金ページで確認してみてください。
まとめ
低用量ピルは、排卵にともなうホルモンの変動をゆるやかにすることで、イライラや体調不良といったPMS(月経前症候群)の症状緩和が期待できる薬です 。
ただし効果を感じるまでには1〜3周期ほどかかることがあり、感じ方には個人差があります。「ピルを飲んでいるのに症状が変わらない」と感じるときは、飲み始めの時期や薬の種類、飲み方、生活習慣、PMDDやほかの病気の可能性など、いくつかの原因が考えられます。つらい症状が続く場合は症状を記録して医師に伝えれば、種類の変更など次の一手が見つかることもあります。
毎月のことだからと我慢せず、産婦人科やmederiのオンライン診療で相談してみてくださいね。
ピルとPMSに関するよくある質問
ここでは、ピルがPMS(月経前症候群)に効かないと感じたときの疑問や不安をQ&A形式でまとめました。今後の診療を考えるヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。
産後にPMSがひどくなった気がするけど、ピルを飲んでも良いの?
産後にピルを飲めるかどうかは、出産後の経過や授乳の状況によって変わります。
授乳中はエストロゲンを含む低用量ピルの服用が推奨されないため、選べる薬が限られます。エストロゲンを含まないミニピルもありますが、メデリピルでは授乳中の方への処方はしていません。
産後は睡眠不足や生活リズムの変化も重なりやすい時期です。つらさを一人で抱えず、産婦人科で相談してみてくださいね。
そもそもピルを飲めない人もいるの?
健康状態や生活習慣によっては、ピルの服用を控えるべき方や、慎重な判断が必要な方がいます。
具体的には、35歳以上で毎日15本以上の喫煙習慣がある方、血栓症や心疾患、重度の高血圧などの持病がある方は、血管トラブルのリスクが高まるため服用できないケースが一般的です。また、前兆を伴う片頭痛がある方、妊娠中・授乳中の方も注意が必要です。過去に強い副作用を経験したことがある方も含め、安全に服用できるかどうか、まずは医師に正確な既往歴や体質を伝えて相談しましょう。
※喫煙習慣があっても、ミニピルであれば服用できることがあります。
ピルをやめたら、またつらいPMSの症状が出てくる?
基本的には、ピルの服用を中止すると再び排卵が始まり、ホルモン変動も元に戻るため、PMSの症状が再開する可能性は高いといえます。
ピルはPMSを根本から完治させるものではなく、服用している期間のホルモンバランスを一定に保つことで、症状を上手に「コントロール」するための薬だからです。
ただし、服用中に十分な休息や食生活の改善を並行して行い、心身のベースを整えておくことで、服用を止めたあとの不調が以前よりも穏やかになる場合もあります。
PMSの治療でピルを飲んでいるときも、避妊効果は得られるの?
ピルの種類によって、承認されている目的が異なります。
月経困難症などの治療に用いられるLEP(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤)は、排卵を抑える作用があるため正しく服用していれば避妊効果も期待できるとされています。ただし、LEPは国内においてあくまで「月経困難症を改善する目的の薬」として承認されており、「避妊薬」としての承認は受けていません。避妊を主な目的とする場合は、避妊薬として国内承認されているOC(経口避妊薬)を医師に処方してもらう必要があります。また、超低用量ピルも月経困難症などの治療のみ承認されており、避妊薬としては国内で承認されていません。
飲み忘れが続くと避妊効果は不安定になります。PMSの改善とあわせて避妊も目的にピルを服用したい場合は、どのピルが合うか診療のときに医師へ伝えましょう。
なお、PMSの治療でピルを飲んでいる場合でも、避妊効果は100%ではないこと、また性感染症は予防できないことから、コンドームの併用を推奨します。
ピルを飲んでるのにPMSがつらいのは、妊娠のしにくさと関係があるの?
ピルを服用しているのにPMSが改善されないことと、将来的な「妊娠のしにくさ」に直接的な関係はありません。
ピルは服用中のみ排卵を一時的に抑える薬で、中止すれば多くの場合、自然な排卵周期に戻るため、妊娠しやすさに悪影響を与えることはないとされています。
ただし、ピルを飲んでも症状が強く出る場合、PMS以外の原因が隠れていることもあります。子宮内膜症など一部の婦人科疾患は、将来の妊娠に影響する可能性があるため、気になる症状が続くときは自己判断せず、早めに医師へ相談することが大切です。
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大学病院に入局したのちに、総合病院で勤務。産婦人科専門医・抗加齢学会専門医を取得。
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