低用量ピルのデメリット|副作用と副効用を紹介

ピル
更新日:2024.06.12

低用量ピルは継続的な服用によって高い避妊効果、生理痛軽減などの効用が見込める医薬品です。一方で、吐き気、眠気などの副作用が生じる場合もあります。低用量ピルは太る、がん発症リスクが上がるなどの情報を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。この記事では、低用量ピルを服用するデメリット、副作用について解説します。

低用量ピルとは?(経口避妊薬/OC)

低用量ピルは使用目的によって2つの種類に分けられます。
1つ目は”避妊目的で服用するピル”でOCと呼ばれる、保険適用外の低用量ピルです。
女性ホルモンの働きを利用した経口避妊薬で、経口避妊薬の英訳であるOral Contraceptivesの頭文字をとって”OC”と呼ばれています。
あくまで避妊効果を目的としたピルであり、毎日正しい方法で服用することで確実な避妊効果が得られます。
副作用の発生を抑えるためにホルモン量を避妊効果が得られる最低限の量にしてあるため、低用量ピルと呼ばれています。
避妊効果だけでなく、生理周期の安定などの副効能も持っています。
2つ目は”月経困難症や子宮内膜症の治療目的で服用するピル”でLEP(Low dose Estrogen Progestin)と呼ばれる、保険適用の低用量ピルです。

低用量ピルの副作用

低用量ピルの副作用には、眠気や吐き気、気分の落ち込み、むくみ、乳房の張り、頭痛、下腹部痛、不正出血などがあります。飲み始めた時期には副作用が現れやすいですが、服用を続けることで2〜3ヶ以内でおさまることがほとんどです。副作用の多くは低用量ピルによってホルモンバランスが一時的に安定しなくなることが主な原因です。

吐き気

副作用として吐き気の症状が生じる割合は5%以上であり、比較的起こりやすい副作用とされています。低用量ピルに配合されている卵胞ホルモンが吐き気の原因になると考えられており、飲み始め当初に副作用が生じるケースが一般的です。多くの場合、低用量ピルの服用を3ヶ月ほど続けることで吐き気の副作用は弱まってくるとされています。

対処法としては、低用量ピルと吐き気止めを併せて服用する方法が推奨されています。低用量ピルを服用した後に嘔吐があった場合、成分が適切な形で吸収されない可能性があるため、副作用には吐き気止めの薬を用いて対処することが望ましいです。目安として、服用から3時間以内に嘔吐があった場合には低用量ピルを1錠分追加で服用することが推奨されています。

眠気

低用量ピルの副作用として、約0.1%~5%未満の割合で眠気の症状が生じる場合があります。低用量ピルに配合されている黄体ホルモンが眠気を引き起こす原因と考えられており、飲み始めた時期に現れやすい副作用のひとつです。プロゲステロンという黄体ホルモンが体内で分解されると眠気を引き起こす物質に変わるため、服用後に眠気を覚える場合があります。

また、低用量ピルを飲み始めた時期には体内のホルモンバランスが不安定になり、基礎体温の調整が適切に行えなくなっている場合があります。低用量ピルの服用を1ヶ月~3ヶ月ほど続けることで体内のホルモンバランスが整えられると、眠気の副作用は治まります。

眠気の副作用に関しては、生活習慣に合わせて充分な睡眠をとることで軽減できる場合があります。充分な睡眠を取りづらい場合、日中に20分程度の仮眠を取ることが効果的な対処法です。

服用開始後は体内のホルモンバランスが安定しない場合があり、自律神経が不安定になって寝つきが悪くなるパターンもあります。3ヶ月ほど服用を続けていると副作用が治まってくることが一般的ですが、服用後の眠気が続く場合は処方を受けた医師に一度相談しましょう。

イライラ感

低用量ピルには2種類の女性ホルモンが配合されており、服用することで体内のホルモンバランスに影響を及ぼします。服用後にイライラ感がある場合、体内のホルモンバランスが安定していないことが考えられます。服用者の5%未満に現れる副作用とされており、服用直後に発生しやすい副作用のひとつです。

3ヶ月ほど低用量ピルの服用を続けていると副作用が治まることが一般的ですが、副作用が続く場合は服用している低用量ピルの種類が合っていないことが考えられます。低用量ピルの服用後にイライラ感が続く場合、処方を受けた医師に一度相談しましょう。

むくみ

低用量ピルを服用した後には、約0.1%から5%未満の割合でむくみ、体重増加の副作用が現れる場合があります。低用量ピルに含まれている黄体ホルモンには水分をため込む作用があり、むくみの原因になりやすい女性ホルモンの一種とされています。

多くの場合、3ヶ月程服用を続けることで副作用は治まる場合が多い傾向です。低用量ピルの服用を続けても副作用が治まらない場合は、服用している低用量ピルの種類が合っていないことが考えられます。むくみ、体重増加の副作用に関する悩みがある場合、低用量ピルの処方を受けたクリニックなどの医師に相談しましょう。

足のむくみの症状と合わせて強い頭痛、腹痛などがある場合には血栓症の初期症状であることが考えられるため、処方を受けた医師に早い段階で相談しましょう。

乳房の張り

低用量ピルの副作用として乳房の張り、痛みが症状として現れる割合は約0.1%から5%未満です。低用量ピルには少量の黄体ホルモンが配合されており、飲み始めた時期には副作用の原因になることがあります。副作用として乳房の張りが生じた場合、3ヶ月程服用を続けることで治まることが一般的です。

服用を続けても副作用が治まらない場合は、むくみの症状と同様に低用量ピルの種類が合っていないことが考えられます。この副作用に関しても、処方を受けたクリニックなどに相談して低用量ピルの変更を検討しましょう。

頭痛

低用量ピルを服用した後、副作用として頭痛の症状が現れる割合は約0.1%から5%未満です。体内のホルモンバランスが不安定になることが主な原因であり、飲み始めた時期に起きやすい副作用のひとつです。多くの場合、低用量ピルの服用を続けることで頭痛の副作用は治まってきます。

頭痛の副作用に対処する方法として、ある程度の睡眠時間を確保する、肩こりを緩和する対策を行うなどが挙げられます。頭痛の副作用が治まらない場合、医師もしくは薬剤師に相談して頭痛薬の使用を検討しましょう。アセトアミノフェンが含まれている鎮痛剤は、低用量ピルと併用すると鎮痛剤の効用が低下し、低用量ピルの効用が増強する可能性があります。

頭痛の症状が治まらない場合は片頭痛など副作用以外の理由、もしくは血栓症の初期症状などが考えられるので、かかりつけの婦人科などに一度相談しましょう。

下腹部痛

低用量ピルの副作用として下腹部痛が現れる割合は、約0.1%から5%未満です。体内のホルモンバランスが崩れることが主な原因になっており、基本的には低用量ピルを3ヶ月程服用することで副作用が治まります。服用を続けても下腹部痛が治まらない、生活に影響があるほどの痛みがある場合などには低用量ピル以外が原因の可能性もあるため医療機関に相談しましょう。

不正出血

低用量ピルを飲み始めた時期には、3割程度の方が不正出血を経験すると言われています。低用量ピルを飲み始めた時期に現れやすい副作用のひとつで、一般的には3ヶ月ほど継続的に服用することで副作用は治まります。不正出血は低用量ピルを飲み忘れた際に起きる場合もあるので、服用開始からの期間、状況に応じて判断することが必要になります。

3ヶ月ほど正しく服用を続けても不正出血の副作用が治まらない場合、低用量ピルの処方を受けたクリニックなどに相談しましょう。低用量ピルの飲み忘れ、飲み遅れが不正出血の原因になっているパターンもあるので、適切な対応を行うには正しい用法、用量で服用する必要があります。

だるさ・むくみ・動悸

低用量ピルを服用した場合、”むくみ”を感じる方も一定数います。その原因はピルに含まれているホルモンのひとつである、プロゲステロン(黄体ホルモン)です。プロゲステロンには水分を溜め込む作用があります。それによって太ったと感じる方もいますが、実際にはむくみによって体形の変化や体重に影響を及ぼしていることがほとんどです。
また、軽いだるさ(倦怠感)や動悸を感じる方もいますが3か月を過ぎると落ち着いてくる場合が多いです。服用開始から3か月経過したあとも、症状が続く場合や症状が重い場合には必ず病院を受診してください。

ピルを副用する際の注意事項

ピルを服用していく上で注意しなければならないことがいくつかあります。
まず”タバコ”です。喫煙は血栓症のリスクを高めます。低用量ピルの中では一番重篤な副作用といわれる”血栓”が相乗効果で増加するものなので、ピルを服用する際には禁煙をしましょう。
また、片頭痛持ちの方はピルの処方を受けられない可能性があります。
動脈血栓である血栓性脳卒中(脳梗塞)のリスク因子として片頭痛が挙げられていますので、前兆のある片頭痛を持っている場合、ピルの処方は難しくなります。

血栓症の発症

低用量ピルに配合されているエストロゲン(卵胞ホルモン)には血液凝固作用を活性化する働きがあり、副作用として血栓症の発症リスクがあります。静脈血栓症は1万人あたり1人から5人の割合で発症しますが、低用量ピルを服用した場合は1万人あたり3人から9人の割合で発症するとされています。ちなみに、妊娠中の静脈血栓症リスクは「1万人に5〜20人」であり、ピルの服用よりもリスクが上がることが分かっています。低用量ピルを飲み始めてから3か月以内は、静脈血栓症を発症するリスクが比較的高くなると考えられています。

血栓症の初期症状が現れた場合はすぐに服用を中止し、血栓症の診断もしくは治療に対応した医療機関を受診してください。血栓症の治療は症状にもよりますが、血管外科、循環器内科、脳神経外科などに相談することが一般的です。メデリピルご利用者で血栓症の疑いがある方は、こちらより、症状の詳細についてご相談ください。

下記項目に該当する人は低用量ピルによる血栓症のリスクが高いので、低用量ピルの服用を検討する際は医師に相談しましょう。

喫煙者/高血圧の人/糖尿病の人/肥満体型の人/40歳以上の人/片頭痛持ちの人

低用量ピルで太ることはあるか

一部では低用量ピルを服用することで太るという声がありますが、低用量ピル自体に体重を増加させる作用はありません。医師向けの資料である「低用量経口避妊薬,低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬ガイドライン 2020年度版」には『服用と体重増加との間に因果関係はない』と記載されています。

低用量ピルの長期服用によるがん発症リスク

がんの種類 長期服用による発症リスク
乳がん ・わずかながら発症リスクを増加させる可能性がある
・中止後10年で増加は見られなくなる
子宮頸がん ・長期間の服用で発症リスクを増加させる可能性がある
卵巣がん ・発症リスクを低下させ、服用期間が長いとリスクはより低下する
子宮体がん ・発症リスクを低下させ、服用期間が長いとリスクはより低下する

参照:低用量経口避妊薬,低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬ガイドライン 2020年度版

インターネット上では「低用量ピルを長期間服用しているとがんになる」という言説もみられます。低用量ピルの服用によって発症リスクが上昇する可能性があるがんはありますが、発症リスクが低下するがんもあるのです。

さらに、低用量ピル(OC)の服用を中止した後も、卵巣がんは10年、子宮体がんは20年にわたって発症リスクの低下効果が持続することが分かっています。

一方で、乳がんと子宮頸がんに関しては発症リスク増加の可能性が確認されました。乳がんのリスク増加はあったとしても小さいものとされており、中止後10年で低用量ピルによるリスク増加は見られなくなります。対して子宮頸がんでは、低用量ピルの服用期間が長いほどリスクが増加し、中止後10年でリスク増加は見られなくなります。ただ、子宮頸がんは、HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染により発症する病気であり、HPV感染予防ワクチン接種、及びコンドームの着用が予防策として挙げられます。

なお、低用量ピルによる乳がんの発症リスク増加はあっても小さいとされていますが、乳がんを発症している、もしくは既往歴があって発症後5年以内に再発がある人には低用量ピルの処方が禁止されています。低用量ピルの服用を検討、又は服用中の人は乳がんの検診を定期的に受診し、既往歴がある場合は忘れずに婦人科へ申告しましょう。

低用量ピルを飲み続けるメリット

低用量ピルには副作用や一部疾患のリスク上昇などのデメリットがありますが、正しい用法で服用し続けることで、避妊効果の他にもさまざまなメリットがあります。

低用量ピルには体内のホルモンバランスを調整する作用があり、継続的な服用によって月経周期の調整やPMS改善、肌荒れ改善といった効用が見込めます。服用期間中は子宮内膜の増殖や排卵を抑制する作用があるので、月経困難症改善・月経量軽減・鉄欠乏性貧血改善などの効用も見込めます。

さらに各器官への負担を軽減することで、子宮体がんと卵巣がんのリスク軽減、子宮内膜症予防効果が見込めます。低用量ピルに配合されているエストロゲンには大腸がんのリスク軽減、更年期症状の緩和効用があることも特徴のひとつです。

低用量ピルの効用を適切な形で得るには、正しい用法、用量で服用を続けることが大切です。低用量ピルを扱う婦人科などで定期的に相談を行うようにすると、状況に適した形で低用量ピルを服用しやすくなります。

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監修者

成城松村クリニック院長
松村 圭子
1995年広島大学医学部卒。広島大学医学部産科婦人科学教室へ入局し、2010年に成城松村クリニックを開院。 『10年後もきれいでいるための美人ホルモン講座』(永岡書店)、『女性ホルモン 美バランスの秘訣』(大泉書店)をはじめとする多くの著書を執筆。

※1 初月無料は低用量ピルのみ対象となり、別途送料550円(税込)かかります

※2 低用量ピル/超低用量ピルのみ対象となります

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