生理は女性にとって健康状態のバロメーターでもあります。
生理の基礎知識や、生理中でも快適に過ごすためのセルフケアをご紹介。
低用量ピルで生理を遅らせる飲み方は?何日前から準備が必要?最大日数や避妊効果も解説
旅行や大切な予定と生理が重なりそうで、今飲んでいる低用量ピルで生理を遅らせられないかと考えたことはありませんか?
低用量ピルを服用中の方なら、休薬期間をとらずに実薬を飲み続けることで生理を遅らせられる場合があります。また、現在ピルを飲んでいない方でも、中用量ピルなどを使って調整する方法があります。
この記事では、ピルのタイプに応じた正しい飲み方をはじめ、いつから準備すべきか、遅らせられる限界の日数、途中で出血したときの対処法まで分かりやすく解説します。大事な日を安心して快適に過ごすために、ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
低用量ピルで生理を遅らせることはできる
低用量ピルを飲んでいる方なら、休薬期間を調整することで生理を遅らせられる場合があります。ただし、今ピルを飲んでいるかどうかで方法も準備にかかる時間も変わるため、まずは自分がどのパターンにあてはまるのかを確かめてみましょう。
すでに低用量ピルを服用している場合
低用量ピルを服用中なら、休薬期間をとらずに実薬を飲み続けることで生理(消退出血)を遅らせられる場合があります。
低用量ピルを飲んでいるときに起こる生理のような出血は、休薬期間や偽薬(プラセボ)の期間に入り、体内のホルモンが減ることで起こります。たとえば旅行の日程に休薬期間が重なりそうなときは、休薬に入らず次のシートの実薬へ続けて進む方法がとられます。ただし、どの錠剤をどのくらい続けて飲むのかは薬の種類によって異なるため、自己判断でシートの飲み方を変えず、処方元の医師に相談してくださいね。
低用量ピルを服用していない場合
現在ピルを飲んでいない場合、低用量ピルで遅らせるには「1つ前の生理」からの服用が必要なため、予定直前であれば中用量ピルを使う方法もあります。
中用量ピルはエストロゲン(卵胞ホルモン)の含有量が多く、遅らせたい生理予定日の5〜7日前から飲み始め、生理を避けたい日まで1日1錠を毎日同じ時間に飲み続けます。飲むのをやめると2〜3日程度で生理がきます。予定の直前に思い立った場合は、中用量ピルを選択肢として医師に相談することになります。
i生理を「早めたい」場合
予定の日に生理を終わらせておきたいときは、事前に生理を早める方法をとります。
低用量ピルの場合、ずらしたい生理の1つ前の生理が始まってから5日目までに飲み始め、10〜14日間ほど1日1錠を毎日同じ時間に飲みます。飲むのをやめると2〜3日後に生理が来る流れです。低用量ピルを14日以上続けて飲むのが難しいときには、中用量ピルを10日間ほど飲む方法がとられることもあります。どちらを選ぶかは体質や予定によって変わるため、医師と相談しながら決めていきましょう。
低用量ピルで生理を遅らせる手順と飲み方
低用量ピルで生理(消退出血)を遅らせたい場合は、事前準備とピルのタイプ(21錠・28錠・三相性)に応じた正しい飲み方を把握しておくことが大切です。
遅らせたい生理の1つ前から準備を始める
生理を遅らせたい予定が決まったら、できるだけ早めに医師へ相談しましょう。遅くとも休薬期間に入る前、できれば予定の1週間以上前を目安にすると安心です。実薬を続けて飲むには新しいシートが必要になるため、休薬直前では準備が間に合わないことがあります。
i生理を遅らせたいときの流れ
- 1.スケジュールの確認:遅らせたい期間と生理予定日を確認する
- 2.医師への相談:休薬期間に入る前に相談し、必要なシートを準備する
- 3.実薬の連続服用:医師の指示に従い、次のシートの実薬を続けて飲む
- 4.服用の中止:生理を起こしたいタイミングの2〜3日前を目安に服用を中止する
オンライン診療を利用する場合は、薬の配送にかかる日数も考慮して、余裕をもって相談しておきましょう。なお、服用方法や中止するタイミングはピルの種類によって異なるため、自己判断で調整せず、医師の指示に従ってください。
21錠タイプ:休薬期間をとらずに次のシートの実薬へ進む
21錠タイプはすべて実薬で構成されています。通常は21錠を飲み終えたあとに7日間の休薬期間をとりますが、生理を遅らせたいときは休薬期間を挟まず、そのまま次のシートの実薬を続けて服用します。生理を起こしたいタイミングで服用を中止すると、2〜3日程度で消退出血が始まります。
28錠タイプ:偽薬をスキップして次のシートの実薬へ進む
28錠タイプは、21錠の実薬と7錠の偽薬(プラセボ)で構成されています。偽薬を飲んでいる間は休薬期間と同じ状態になり生理が起こるため、生理を遅らせたいときは偽薬7錠を飲まずに(またはスキップし)、次のシートの実薬へ進みます。飲まなかった偽薬や残った実薬の扱いについては、医師の指示に従いましょう。
i三相性のピル:後半の実薬を続けて飲む
ピルにはホルモン配合量が一定の「一相性(マーベロン・ファボワールなど)」と、3段階に変化する「三相性(トリキュラー・ラベルフィーユ・アンジュなど)」があります。
三相性で生理を遅らせる場合は、次のシートの1錠目からではなく、ホルモン量が多い第3相(後半の錠剤)を続けて飲むのが一般的です。どの色の錠剤を何錠使うかは医師の判断によるため、自己判断せず必ず指示を受けてから服用を始めましょう。
※参考:添付文書「トリキュラー錠21、トリキュラー錠28」
添付文書「ラベルフィーユ21錠、ラベルフィーユ28錠」
資料名添付文書「アンジュ21錠、アンジュ28錠」
ピルの種類で異なる「生理を遅らせる」ときの注意点
低用量ピルには「避妊目的」のものと「病気の治療目的」のものがあり、目的によって生理を遅らせる際の手順や注意点が異なります。
まずは自分が飲んでいるお薬のタイプを確認し、適切に対処しましょう。
| ピルのタイプ | 主な薬 | 生理を遅らせたいときの考え方 |
|---|---|---|
| 避妊目的のピル | トリキュラー、ラベルフィーユ、マーベロン、ファボワール など | 自分で休薬(偽薬)を挟まずに、次のシートの実薬を続けて飲む |
| 治療目的のピル | フリウェル、ルナベル、ヤーズ、ドロエチ など | 治療ルールがあるため自己変更はNG。あらかじめ医師へ相談する |
| 連続服用タイプ | ヤーズフレックス ドロエチフレックス など | 最大120日連続で飲めるため、すでに生理の回数を減らせるしくみになっている |
| 中用量ピル | プラノバール | 遅らせたい生理予定日の5〜7日前から飲み始める |
避妊目的のピル:次のシートの実薬を続けて飲む
トリキュラーやマーベロンなどの避妊目的のピルは、生理を遅らせるために休薬期間を調整する方法があります。ただし、ピルには実薬のホルモン量が一定の「1相性」と、段階的に変化する「2相性・3相性」があり、種類によって適切な調整方法が異なります。自己判断で服用順や休薬期間を変更せず、あらかじめ医師に確認しましょう。
治療目的のピル:自己判断で飲み方を変えず医師に相談する
フリウェルやドロエチなどの月経困難症の治療で飲んでいるピルは、治療計画に基づいて服用スケジュールが決まっています。自己判断で休薬期間をずらすと治療効果に影響が出たり体調を崩したりするため、必ず処方医に「生理をずらしたい」と事前に相談してください。
連続服用タイプ:あらかじめ生理の回数を減らせる
ヤーズフレックスなどの連続服用タイプは、最長120日間実薬を飲み続けられるため、最初から「生理の回数を極力減らす」ことができる薬です。ただし、服用途中で3日以上連続して出血があった場合は休薬に入るなど独自のルールがあるため、決まった服用方法を守りましょう。
中用量ピル:短期間で生理を移動させたいときに使う薬
普段ピルを飲んでいない方や、一時的に生理をずらしたい場合に使われるのが「中用量ピル」です。遅らせたい生理予定日の5〜7日前から服用を開始し、生理を避けたい期間中飲み続けることで予定をずらすことができます。
低用量ピルで生理を遅らせられる期間の目安
低用量ピルで生理を遅らせられる期間は、「1週間〜長くても2週間程度」が目安です。
実薬(効果のある薬)を飲み続けている間は生理を止められますが、伸ばす期間が長くなるほど体への負担やリスクが高まります。
長くても2週間程度にとどめる
生理を遅らせる期間は1週間程度が最も成功しやすく、長くても2週間程度にとどめるのが一般的です。薬を飲み続けて生理を無理に引き延ばすと、途中で子宮内膜が崩れ、予定外の出血(不正出血)が起こりやすくなります。旅行や大事なイベントなど「避けておきたい日数」をあらかじめ整理し、必要最小限の期間で調整しましょう。
1週間程度の移動でも予定より早く出血がくることがある
生理をずらせる日数には個人差があり、思ったとおりに移動できないこともあります。「1週間だけ遅らせる」という場合でも、体質や体調によっては狙いどおりにいかず、実薬を飲んでいる最中に血が混ざったり生理が始まってしまったりすることがあります。
もし予定より早く出血が始まってしまった場合は、自己判断でピルを飲むのをやめず、まずは医師や薬剤師に連絡してどう対応すべきか指示を受けましょう。
服用中に気をつけたい症状や副作用など
休薬のタイミングをずらすと、不正出血や体調の変化があらわれることがあります。あらかじめ起こりうる変化を知っておくと、予定当日も落ち着いて過ごせるでしょう。
不正出血
実薬を続けて飲むと子宮内膜が不安定になり、予定していない出血(不正出血)が起こることがあります。茶色いおりものや下着に少しつく程度の出血であれば、服用を続けながら様子をみて問題ないことが多いでしょう。
一方、生理と同じくらい出血する、ナプキンを頻繁に交換するほど出血量が多い、何日も出血が続くといった場合は、自己判断で服用を中止せず、処方元の医療機関に相談してください。
吐き気や頭痛などのマイナートラブル
実薬の服用期間を延ばすと、ピル開始時と同様に吐き気や頭痛、むくみ、胸の張りなどを感じることがあります。こうした症状は一時的なことが多く、服用を続けるうちに落ち着いていく場合がほとんどです。
症状がつらい場合は、自己判断で服用を中止せず、医師や薬剤師に相談しましょう。必要に応じて吐き気止めや鎮痛薬などを使用することもあります。
重大な副作用(血栓症)の初期症状
低用量ピルで特に注意したい副作用の1つが、血管の中に血の塊ができて血管を詰まらせる「血栓症」です。発症することはまれですが、早く対処することが大切です。次の症状があらわれた場合は、すぐに服用を中止して医療機関を受診してください。

i避妊効果は保たれる
生理を遅らせるために実薬の服用期間を延ばしても、毎日正しく服用していれば避妊効果は維持されます。
ただし、服用期間を延ばしている間に飲み忘れがあったり、激しい下痢や嘔吐によって薬が十分に吸収されなかったりすると、避妊効果が低下する可能性があります。生理を遅らせている期間も、毎日決まった時間に忘れず服用することが大切です。
生理の移動が失敗しやすいケース
思ったとおりに生理をずらせなかった場合は、開始するタイミングや服用方法などに原因がある可能性があります。ここでは、生理を遅らせるときに特に注意したいポイントを紹介します。
生理予定日を正確に把握できていなかった
生理を遅らせるには、次の生理がいつごろ来るのかを把握しておくことが大切です。予定日がずれていると薬を飲み始めるタイミングもずれてしまい、生理をうまく遅らせられないことがあります。
普段から生理開始日をアプリや手帳などに記録しておくと、予定日を把握しやすくなります。特に直近3か月ほどの記録があると、医師に相談するときにも役立ちます。
飲み忘れや嘔吐・下痢があった
生理を遅らせている途中で実薬を飲み忘れると、ホルモンの作用が弱まり、予定より早く出血することがあります。また、服用後に嘔吐した場合や激しい下痢が続いた場合も、薬の成分が十分に吸収されず、効果に影響する可能性があります。飲み忘れや嘔吐・下痢があったときは医師に相談しましょう。
相談するタイミングが遅すぎた
生理を遅らせたい予定が決まったら、できるだけ早めに医師へ相談しましょう。直前の相談では、必要なシートの準備や薬の配送が間に合わず、予定どおりに実薬を続けられないことがあります。
目安として、遅くとも予定の1週間以上前には相談しておくと安心です。特にオンライン診療を利用する場合は、薬が届くまでの日数も考えて、余裕をもって準備しておきましょう。
まとめ
低用量ピルを服用中であれば、休薬期間(偽薬期間)をとらずに実薬を飲み続けることで、大切な予定に合わせて生理を遅らせられる可能性があります。
21錠タイプはそのまま次のシートへ進み、28錠タイプは偽薬を飛ばして実薬へ進むのが基本ですが、三相性ピルや治療目的のピルは飲み方に独自のルールがあるため、自己判断せず医師の指示に従うことが大切です。
なお、生理を遅らせられる期間は長くても2週間程度が目安となり、途中で不正出血や吐き気などの副作用が起こることもあります。追加シートの手配や配送日数も考慮し、生理を遅らせたい予定が決まったら、遅くとも1週間以上前に相談しておくと安心です。
大切なイベントや旅行に向けて安心して生理をずらしたい方は、早めの医師相談をおすすめします。メデリピルのオンライン診療なら、産婦人科医に直接相談しながら、ご自身のピルの種類やスケジュールに合わせた最適な指導・処方を受けられます。ぜひ活用してみてください。
低用量ピルで生理を遅らせることに関するQ&A
ここでは、低用量ピルで生理を遅らせる場合についての質問にお答えします。ぜひ参考にしてみてください。
遅らせた生理は服用をやめてから何日で来る?
実薬の服用をストップしてから、通常2〜3日程度で生理(消退出血)が始まります。ただし、体調や体質によって1週間程度かかる場合もあります。もし服用をやめて1週間以上経っても出血が始まらない場合は、予期せぬ妊娠などの可能性も考えられるため、すみやかに医師へ相談してください。
生理を遅らせたあと、次のシートはいつから飲み始めればいい?
通常の休薬期間(7日間)を終えた翌日から新しいシートを飲み始めます。休薬期間を7日以上あけてしまうと避妊効果が落ちてしまうため注意が必要です。飲み始めるタイミングに迷った場合は、自己判断せず処方元の医師や薬剤師に確認しましょう。
生理を遅らせることで、将来の不妊や将来の生理周期に悪影響はある?
休薬をずらして一時的に生理を遅らせても、将来の妊娠や排卵機能に悪影響を与えることはありません。服用をやめれば数日で生理が来ますし、ピルの服用自体を終了すれば通常の生理周期に戻ります。ただし、移動を繰り返すと体調を崩しやすくなるため、必要なときだけに留めましょう。
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監修者
大学病院に入局したのちに、総合病院で勤務。産婦人科専門医・抗加齢学会専門医を取得。
2021年よりメデリピルにおいてオンライン診療によるピル処方や、mederiが主催するセミナーやイベントに登壇、mederi magazineの監修を担当など幅広く活動。
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