ピルの服用でなぜ不正出血が起こる?続くときの解決策や注意点を解説【医師監修】

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更新日:2025.05.15
ピルの服用でなぜ不正出血が起こる?続くときの解決策や注意点を解説【医師監修】

ピルの服用中に不正出血を経験し、不安を感じたことがある方も多いのではないでしょうか。服用初期の不正出血は、ほとんどの場合は自然に収まります。この記事では、ピル服用中に不正出血が起こる原因や対処法、注意点について詳しく解説します。ピルと不正出血に関するQ&Aも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

ピルの服用中に不正出血が起きても大丈夫?

不正出血は、正式には「不正性器出血」と呼ばれます。ピルの服用初期(1〜3か月程度)に比較的多い副作用です。
ピルの服用を始めて1〜3か月程度の場合、不正出血は比較的多く見られます。不正出血は、ピルを服用している女性の約2〜3割に見られる副作用の一つです。

通常は服用を継続していくことで自然に治まるため問題ありませんが、「不正出血の継続期間が長い」「不正出血以外にも症状が見られる」などの場合は、別の原因が隠れているケースもあります。このような場合は、医師に相談しましょう。

ピルの服用中に見られる不正出血の特徴

・出血量は比較的少量
・色は黒〜茶色、ピンク色などのケースが多い

ピル服用中の不正出血は個人差はあるものの、比較的少量である場合が多く、その色は黒~茶色、ピンク色などさまざまなケースがあります。不正出血の色が黒〜茶色になるのは、出血して体内で少し時間が経ち酸化するためです。おりものに混ざってピンク色に見える場合もあります。

おりものシートで対応できる程度なら過度に心配する必要はありません。そのまま服用を止めず様子を見てもいいでしょう。

【なぜ】ピルの服用中に不正出血が起こる原因

ピルの服用中にどうして不正出血が起こるのか、その原因について詳しく説明します。

・ホルモンバランスの変化
・ピルの飲み忘れ
・薬やサプリメントの飲み合わせ
・下痢症状など胃腸の不調
・ストレス
・妊娠に関わるもの
・子宮の問題
・卵巣の問題
・性感染症

ホルモンバランスの変化

ピルの服用中の不正出血でもっとも一般的な原因は、ホルモンバランスの変化です。ピルには、卵胞ホルモンと黄体ホルモンという女性ホルモンが含まれており、服用によって体内のホルモンバランスが調整されます。

ピルの服用し始めや別のピルに変更したばかりの時期は、身体が新しいホルモンバランスに適応できず、不正出血が起こりやすくなります。これは一時的なもので、通常は時間とともに落ち着きますが、気になる場合は医師に相談しましょう。

【ピルによるホルモンバランスの変化が起こるケース】

・ピルを飲み始めたばかりの場合
・ピルの種類を変えた場合 など

ピルの飲み忘れ

ピルは必ず毎日同じ時間に服用することで効果を発揮する薬です。ピルを飲み忘れたり服用時間が日によって大きくずれたりすると、女性ホルモンが適切に補充されず、体内のホルモンバランスが乱れます。

結果、ホルモンバランスの乱れにより子宮内膜の一部が剥がれ落ち不正出血を引き起こします。定時服用は、不正出血を防ぐだけでなく避妊効果を維持するためにも重要です。

卵巣の問題

ピルの服用と関係なく、卵巣の問題によっても不正出血が起こることがあります。たとえば、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)や卵巣機能不全、卵巣腫瘍などの疾患が原因となる場合です。

これらの疾患は、ホルモンバランスを乱し、月経生理周期に影響を与えることがあるため、不正出血を引き起こします。症状が続く場合は医師に相談してください。

【不正出血の原因となりうる卵巣の疾患】

疾患名 特徴
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS) 卵胞が正常に成長せず、卵巣内に嚢胞がとどまる疾患 変更:卵胞が正常に成長せず、定期的な排卵が起こらない疾患
卵巣機能不全 卵巣の機能が上手く働かなくなり、女性ホルモンが十分に分泌されなくなる疾患 変更:分泌されなくなる状態
卵巣腫瘍 卵巣に良性または悪性の腫瘍が形成される疾患

子宮の問題

子宮や子宮頸管に何らかの問題がある場合も、不正出血の原因の一つです。具体的には、子宮筋腫や子宮内膜症、子宮頸がん、子宮体がんなどが挙げられます。これらの疾患がある場合、ピルの服用による副作用ではなく、疾患による不正出血と考えるのが通常です。

たとえば、子宮筋腫は子宮内の腫瘤が原因で出血を引き起こし、子宮内膜症は内膜が異常な位置に存在することで不正出血を伴います。これらの疾患は早期発見が重要であり、気になる症状があれば、病院で診療を受けることをおすすめします。

【不正出血の原因となりうる子宮の疾患】

疾患名 特徴
子宮筋腫 子宮内で良性の腫瘤が形成される疾患
子宮腺筋症 子宮内膜組織が子宮の筋層内で増殖し、子宮筋層が分厚くなる疾患
子宮内膜ポリープ/子宮頸管ポリープ 子宮内膜、または子宮頸部にポリープができる疾患
子宮内膜増殖症 子宮内膜が異常に厚くなる疾患
子宮体がん

子宮頸がん

子宮体部または子宮頸部に悪性腫瘍ができる疾患

また、子宮膣部びらんは疾患ではないものの、不正出血の原因となる可能性があります。

性感染症

性感染症も不正出血の一因となることがあります。クラミジアや淋病、トリコモナスなどに感染すると、子宮頸部や子宮内膜に炎症を引き起こし、不正出血を伴う場合があります。

また、ピルは避妊効果が期待できるものの、性感染症の予防効果はありません。そのため、性感染症を防ぐには、コンドームを正しく使用することが重要です。不正出血があり、性感染症のリスクに心当たりがある場合は早めに婦人科を受診しましょう。

その他

・薬やサプリメントの飲み合わせ
・下痢症状など胃腸の不調が見られる
・妊娠に関わるもの
・ストレス など

不正出血の一因には、薬やサプリメントとピルとの飲み合わせが影響する場合があります。

一部の抗生物質やセイヨウオトギリソウを含むサプリメントなどは、ピルの効果を弱めるといわれています。ピル以外にも薬などを服用する場合は飲み合わせがいいか確認が必要です。

また、胃腸の不調により薬の吸収が悪くなると、ホルモンバランスが崩れ不正出血につながるケースも見られます。

さらに、妊娠初期の着床出血や流産、過度なストレスによるホルモンバランスの乱れも不正出血の原因となります。症状が続く場合は、医師に相談しましょう。

ピルによる不正出血が続くときの解決策

・【ピルを飲み始めたばかりの場合】服用を続けて様子を見る
・【不正出血が続く・他の症状がある場合】病院を受診する

実際にピルによる不正出血が続くときは、どのように対処すれば困る方も多いでしょう。「飲み始めたばかりの場合」と「不正出血が続く・他の症状がある場合」に分けて説明します。

【ピルを飲み始めたばかりの場合】服用を続けて様子を見る

・ピルを飲み始めて1〜3か月程度の人
・出血量が少ない人

ピルは人工的にホルモンを取り入れるものであるため、ピルを飲み始めたばかりのときはまだ体が慣れていない状態です。ピルによって体内のホルモン環境が変わることで、子宮内膜が不安定になり不正出血が起こるのは珍しいことではありません。

ピルを飲み始めたばかりであれば、3か月を目安に毎日決まった時間に服用を続けることで、身体が徐々に適応し、不正出血が落ち着く場合が多いです。ただし、大量出血や強い痛みを伴う場合は、早めに病院を受診して医師に相談しましょう。

【不正出血が続く・他の症状がある場合】病院を受診する

・不正出血が2週間以上と長く続いている人
・不正出血以外に、強い腹痛など他の症状がある人
・出血量が多い人

不正出血が2週間以上続く、強い腹痛など他の症状がある、または出血量が多い場合は、病院を受診してください。病院を受診して医師に相談の上で、ピルの服用をやめたり、ピルを別の種類に変えたりするなどの適切な対処を行いましょう。

ピルは人によって体質に合うもの・合わないがあるため、自己判断での服用中止は避け、専門家の指導を受けることが重要です。症状を放置せず早めに受診しましょう。

ピルを服用するときの4つの注意点

ここでは、ピルを服用する際の4つの重要な注意点について説明します。ピルを安全かつ効果的に服用するための参考にしてみてください。

・自己判断でピルの服用をやめない
・飲み忘れないように正しく服用する
・副作用の症状にも気をつける
・定期的な検査を受ける

自己判断でピルの服用をやめない

ピル服用中に不正出血が発生した場合でも、自己判断で服用をやめるのは避けましょう。服用を止めると、ホルモンバランスがさらに乱れ不正出血が続きかねません。避妊目的で服用している場合、途中でやめると排卵機能が徐々に回復し、避妊効果が失われます。

また、月経困難症や子宮内膜症などの治療のために服用している場合は、中止によって症状が悪化することもあります。不安がある場合は、必ず医師に相談し、適切なアドバイスを受けましょう。

飲み忘れないように正しく服用する

ピルの飲み忘れがあると、ホルモンバランスが乱れやすくなり、不正出血が起こる可能性が高まります。ピルの効果を最大限に引き出すためにも、毎日決まった時間に服用を続けることが大切です。

飲み忘れを防ぐためにアラームを設定する、日常のルーティンに組み込むなど工夫をするとよいでしょう。適切な服用で効果を維持してください。

副作用の症状にも気をつける

ピル服用に伴い、頭痛や吐き気、体重増加などの副作用が見られることがあります。多くの場合は軽度で一時的なものですが、まれに重い症状が現れる可能性もあります。

とくに血栓症には注意が必要で、激しい頭痛や目のかすみ、舌のもつれなどが生じた場合は、血栓症が疑われます。気になる症状が現れた場合はすぐに医療機関を受診してください。

【ピルの副作用の主な例】

・頭痛:軽いものから強いものまで、服用中に現れることがある
・吐き気:ピルの服用開始後に一時的に感じることがある
・体重増加:ピルによって脂肪が増えて太るわけではなく、むくみや食欲の変化で体重が増える場合がある

定期的な検査を受ける

ピルを長期間服用する場合、定期的な検査を受けることが大切です。ピルの服用から1か月・3か月を目安に婦人科を受診し、医師による問診・内診を受けましょう。ピルの飲み始めは不正出血など初期の副作用が起こりやすいため、病院で検査をうけることで、服用中のトラブルがないか等を相談できます。

また、血液検査(血栓症のリスクが高い場合)は半年ごと、子宮頸がん検診は1年ごとに受けることが推奨されています。

参照:日本産婦人科学会|低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤 ガイドライン(案)

ピルと不正出血に関するQ&A

・ピルによる不正出血はいつまで・何日続く?
・不正出血が起きてもピルを飲み続けてよい?
・不正出血を起こさないためにできることはある?

ピルと不正出血に関するよくある疑問点をまとめました。不安を解消してピルを安心して服用し続けられるようにしましょう。

Q.ピルによる不正出血はいつまで・何日続く?

A.多くの場合は1〜3か月程度で落ち着きます。

ピルの飲み始めに見られる不正出血は、多くの場合1〜3か月程度で落ち着くことが多いです。しかし、不正出血が長期間続く場合や他の症状が見られる場合は、別の原因の可能性もあります。その場合は早めに病院を受診し、医師に相談しましょう。

Q.不正出血が起きてもピルを飲み続けてよい?

A.服用初期(1〜3か月程度)であれば服用を続け、それ以外に長く続くなら医師に相談。

不正出血が起きても、自己判断でピルの服用を中止するのは避けましょう。ピルを飲み始めて1〜3か月程度であれば、そのまま服用を続け様子を見ます。不正出血が長く続く場合や気になる症状がある場合は、早めに医師に相談してください。

Q.不正出血を起こさないためにできることはある?

A.毎日同じ時間の服用を心がけることで、不正出血のリスクを減らせます。

不正出血の原因が、ピルの飲み忘れや飲み遅れである場合は、毎日同じ時間の服用を心がけることで不正出血のリスクを減らせます。ただし、副作用として現れる不正出血は個人差があり、完全に防ぐことはできません。気になる場合は医師に相談しましょう。

出血が続く場合は、早めに医師に相談しましょう

ピルの服用初期には、不正出血が起こりやすい傾向がありますが、多くの場合は1〜3か月で落ち着きます。飲み始めて3か月程度は決まった時間に服用を続け、体の変化を観察することを意識してください。ただし、不正出血が長期間続く場合や他に気になる症状がある場合は、早めに医師に相談しましょう。

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監修者

幸の鳥レディスクリニック 医師
平野 友美加
岡山大学卒業後、同大学産科婦人科教室・関連病院を経て、現在は幸の鳥レディスクリニックで、 不妊治療・生理トラブル・更年期など、幅広く女性ヘルスケアの診療を行う。 2023年にメデリピルにてオンライン診療によるピル処方を開始し、2025年からmederi magazineの記事監修を担当。

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