生理は女性にとって健康状態のバロメーターでもあります。
生理の基礎知識や、生理中でも快適に過ごすためのセルフケアをご紹介。
低用量ピルの避妊率は?正しい服用方法やいつから効果が出るのか解説
避妊や生理のトラブルなど、自分の体のことで一人で悩んでいませんか?
自分らしい毎日を安心して送るための選択肢として、多くの女性に選ばれているのが低用量ピルです。正しく服用することで非常に高い避妊率を発揮するため、WHO(世界保健機関)でも推奨されている信頼性の高い薬です。
しかし、飲み忘れや間違った服用方法により避妊効果が落ちてしまうことも。この記事を読んで低用量ピルの正しい知識を身につけましょう。
もくじ
そもそも低用量ピルとは何?
低用量ピルとは、高い避妊効果が認められている薬です。そのほかに排卵痛や月経痛の緩和、PMS(月経前症候群)やPMDDの改善、生理周期の改善、経血量の減少などが期待できます。世界中では1億人以上の女性が自分自身の体やライフスタイルに合わせて取り入れており、WHO(世界保健機関)でも確実な避妊法の1つとして推奨しています。コンドームなどの外的な避妊方法と異なり、女性の体の内側からアプローチできる避妊方法の1つです。

低用量ピルにはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という2種類の女性ホルモンが配合されており、ホルモンバランスを調整することでこれらの効果が期待できます。
出典:「Contraceptive Use by Method 2019」(United Nations)
i低用量ピルで避妊ができる仕組み
低用量ピルを服用すると体内の女性ホルモンが一時的に変化し、排卵が抑えられるため、避妊へとつながります。
排卵が止まることに加え、子宮内膜が厚くなるのを抑えて着床しにくくさせる効果も期待できます。低用量ピルは高い確率で妊娠を防ぐサポートをしてくれますが、飲み忘れなどがあると効果が低下する可能性があるため、医療機関で指示された服用方法に従って服用しましょう。
低用量ピルの避妊効果は99.7%
低用量ピルは、1日1錠、飲み忘れることなくスケジュールどおりに正しく服用することで、99.7%(※)の避妊効果があるといわれています。飲み忘れや間違った服用方法によっては効果は下がるとされています。
※参考:「OC・LEPガイドライン2020年度版」(日本産科婦人科学会/日本女性医学学会)
※この数値はあくまで一般的なデータであり効果を保証するものではありません。
正しく服用した場合の種類別の避妊率
低用量ピルは正しく服用することで、どの種類でも99%以上の高い避妊効果を発揮します。(※臨床試験のデータによって細かな数値が異なる場合がありますが、薬の優劣を示すものではありません。) それぞれの種類と特徴は以下のとおりです。
| 低用量ピルの種類 | 避妊率 |
|---|---|
| ファボワール | 99.9% |
| ラベルフィーユ | 99.6% |
| マーベロン | 99.9% |
| トリキュラー | 99.6% |
| アンジュ | 99.7% |
| シンフェーズ | 99.2% |
※シンフェーズは、メデリピルでの取り扱いはありません。
※参考:
添付文書「ファボワール錠21、ファボワール錠28」
添付文書「ラベルフィーユ21錠、ラベルフィーユ28錠」
添付文書「マーベロン21錠、マーベロン28錠」
添付文書「トリキュラー錠21、トリキュラー錠28」
添付文書「アンジュ21錠、アンジュ28錠」
添付文書「シンフェーズT28錠」
※ラベルフィーユやトリキュラーにおける妊娠された方はいずれも3錠以上の飲み忘れがあった場合を含んで算出。アンジュは「676人(9,375周期)中、妊娠された方は2人」という臨床結果より算出。
飲み忘れや間違った服用方法の避妊率
飲み忘れや間違った方法で服用してしまった場合、飲み忘れを含め一般的に使用した場合の避妊率は92%とされています。先述のとおりラベルフィーユやトリキュラーの効能を確かめる臨床試験において妊娠された方は、いずれも「3錠以上の飲み忘れがあった方」でした。
飲み忘れ以外にも、飲み始めて日が浅く低用量ピルの効果がまだ出ていない場合や、飲み合わせの悪い薬を併用したときなども避妊率が下がる恐れがあります。
また、激しい下痢や嘔吐があった場合も薬の成分が体に吸収されず、十分な効果が得られない場合があります。万が一飲み忘れてしまった際や、服用方法に不安があるときは、医師や薬剤師に相談し、指示された服用方法に従いましょう。
低用量ピル以外の避妊率
低用量ピル以外にも、さまざまな避妊方法があります。
| 避妊方法 | 正しく使用している場合の避妊率 | 一般的に使用した場合の避妊率 |
|---|---|---|
| アフターピル | 24時間以内:95% 48時間以内:85% 72時間以内:58% |
— |
| コンドーム | 98% | 85% |
| ミレーナ | 99.80% | — |
| 殺精子剤 | 82% | 71% |
| リズム法 | 91~99% | 75% |
| 女性避妊手術 | 99.50% | 99.50% |
| 男性避妊手術 | 99.90% | 99.85% |
| 避妊なし | 15% | 15% |
※参考:「緊急避妊法の適正使⽤に関する指針」(日本産科婦人科学会)
※一般的なデータであり効果を保証するものではありません。
避妊方法として一般的なコンドームは性感染症の予防に役立ちますが、破れたり外れたりする失敗のリスクが考えられます。一方、ピルは女性自身で高い避妊対策ができる点がメリットです。自身のライフスタイルに合った選択をするためにも、避妊率を参考にしつつ気になる点があれば医師に相談するのが良いでしょう。
低用量ピルの効果が出始めるのはいつ?
低用量ピルの効果が出始める時期は、服用を開始するタイミングによって異なります。生理が始まってから5日目までに服用を開始した場合は、服用の初日から避妊効果が得られるといわれていますが、確実性を求めるなら実薬を7日間連続で服用した後からとすると良いでしょう。
一方で、生理5日目以降に内服を開始した場合、連続7日間ピルを服用した後に避妊効果が発揮されるため注意が必要です。効果が安定するまではコンドームなどほかの避妊方法を併用するか、性交渉を控えるのが良いでしょう。
低用量ピル服用の主なリスクと原因
低用量ピルは高い避妊効果や生理に伴うトラブルの緩和が期待できる薬ですが、服用にあたって知っておきたいリスクや注意点がいくつかあります。
飲み忘れると効果が薄れる
低用量ピルは、毎日決まった時間に服用を続けることで、避妊効果を発揮します。ただし、飲み忘れると、体内のホルモンバランスが乱れ、避妊効果が低下する可能性があるため注意しましょう。
1日分であれば、気づいた時点ですぐに忘れた分の1錠を服用すれば、避妊効果は基本的に維持されます。ただし、2日連続して服用を忘れた場合、避妊効果が大きく落ちています。そのシートで服用を続けても避妊効果は低下すると考え、次の7日間連続で正しく飲むまでは性交渉を控えるか、コンドームなどほかの避妊法を必ず併用しましょう。
副作用が起こる可能性がある
低用量ピルの服用を始めたばかりの時期は、体調の変化や副作用が起こることがあります。具体的な症状としては、吐き気や頭痛、乳房の張り、軽度の不正出血などがあげられますが、これらは服用を数か月と続けるうちに徐々に治まっていく場合がほとんどです。ただし、激しい頭痛やふくらはぎの痛みなど、重い症状の兆候が見られる場合は注意が必要です。少しでも気になる症状があるときは無理をせず、医師に相談して判断を仰ぎましょう。
性感染症はピルでは防げない
低用量ピルは高い避妊効果を期待できる薬ですが、性感染症を予防することはできません。ピルは排卵を抑えるなどして妊娠を防ぐ仕組みであり、ウイルスや細菌などの感染を物理的に遮断する機能は持っていないためです。
望まない妊娠を防ぐことと、感染症から自分の体を守ることは、それぞれ別の対策が必要です。たとえば、クラミジアや淋菌、HIVなどの性感染症から身を守るためには、ピルの服用とは別にコンドームを正しく使用する必要があります。
低用量ピルと超低用量ピルの避妊効果の違い
日本国内において、低用量ピルと超低用量ピルでは、避妊目的での使用に明確な違いがあります。低用量ピルは、正しく服用すれば99.7%という高い避妊効果が期待できる医薬品であり、避妊を主な目的として使われます。一方で、超低用量ピルは月経困難症や子宮内膜症などの「治療薬」として位置づけられています。日本国内では避妊目的での使用が承認されておらず、避妊効果に関する臨床試験も行われていません。そのため、避妊を希望する場合は、必ず避妊薬として承認されている低用量ピルを処方してもらう必要があり、超低用量ピルを避妊目的で服用することは適していません。
また、この2つのピルの主な違いは、有効成分の量にもあります。低用量ピルはホルモン量が30〜40μg含まれているのに対し、超低用量ピルはさらに少ない20μg台に抑えられているのが特徴です。ホルモン量が少ない超低用量ピルは、吐き気や頭痛といった副作用がより出にくい傾向があるため、ピルを初めて服用する方や副作用が心配な方に選ばれています。
i避妊目的で飲めるピル(OC)と飲めないピル(LEP)
ピルは、その服用目的によってOC(Oral Contraceptives:経口避妊薬)とLEP(Low dose Estrogen Progestin:低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤)の2種類に明確に分けられます。OCは避妊を目的とするピルです。 そのため、避妊を目的とした処方には保険が適用されず、全額自己負担の自由診療となります。避妊を目的として処方されるOCは、毎日服用することで排卵を抑制し、高い避妊効果が期待されるでしょう。
一方で、LEPは月経困難症や子宮内膜症などの治療を目的とするピルです。 治療目的であることから、保険が適用される場合は、OCよりも安価に手に入ります。ただし、LEPは避妊を目的として処方されることはありません。避妊目的でピルを探す際は、必ずOCを選び、治療目的で症状の改善を目指す場合はLEPが適切な選択肢といえます。どちらのピルを選ぶにしても、服用を開始する前には必ず医師の診療を受け、自分の体や目的に合ったピルを見つけることが大切です。
低用量ピルの避妊効果を最大化するポイント
低用量ピルで高い避妊効果を維持するには、正しい服用方法を守ることが重要です。避妊効果が下がる主な要因としては、服用時間のズレや飲み忘れがあります。毎日決まった時間に服用し、体内のホルモン濃度を一定に保つことが、避妊効果を持続させる上で不可欠といえます。
避妊効果を最大化するためにも、飲み忘れを防ぐための工夫をするのがおすすめです。たとえば、毎日のスマートフォンのアラーム設定や、目につきやすい場所にピルシートを置いておくことも効果的でしょう。また、ピルケースを活用して一週間分を事前に用意しておく、毎日の歯磨きや就寝前など、決まった習慣と結びつけてしまうのも有効な方法といえます。
低用量ピルを飲み忘れたときの対応方法
万が一飲み忘れてしまった場合は速やかに以下の対応をとってください。

I
1錠
飲み忘れた場合:気が付いた時点で飲み忘れた錠剤を服用し、その日の分も通常どおりに服用しましょう。
I
2錠
連続して飲み忘れた場合:同じ服用方法です。1日3錠以上は服用しないようにご注意ください。
※ピルの28錠タイプにセットされているプラセボは偽薬で薬の成分が入っていないため、飲み忘れても問題ありません。
※ピルを2日以上飲み忘れてしまうと避妊効果は下がるため、連続して7日実薬を飲むまではほかの避妊法を行ってください。
低用量ピルとアフターピルの併用は可能?
低用量ピルとアフターピルは併用しても問題ありませんが、低用量ピルだけで避妊効果があるため避妊効果は変わらないと考えられます。ただし、低用量ピルを2日以上飲み忘れて「コンドームなしで性交渉をしてしまった」「腟内に精子を出す性交渉をしてしまった」場合では、併用が有効です。
アフターピルを服用したあとに低用量ピルを飲み始める場合は、アフターピルを服用した翌日からか、または出血が起こるのを待ってから低用量ピルを開始します。 アフターピルの避妊効果をより高めるには、アフターピルを服用した翌日から低用量ピルを始めるのがおすすめです。出血を待ってから飲み始める場合、普段の生理とほぼ同様の出血量であれば、出血開始1~3日目から、低用量ピルを服用開始します。出血の量が少ない場合や、アフターピル服用後3週間経っても出血が起こらない場合は、妊娠している可能性があるので妊娠検査をおすすめします。
よくある質問
ここでは、低用量ピルに関するよくある質問に回答しています。
ピルはいつからコンドームなしで避妊できますか?
生理が始まった初日からピルを飲み始めた場合、その日から避妊効果が期待できます。しかし、生理開始日以外から飲み始めた際は、避妊効果が安定するまでに一般的に7日間程度かかるとされています。そのため、効果が安定するために必要な最初の7日間は、ほかの避妊方法と併用が必要です。また、性感染症予防の観点からも、ピル服用中であってもコンドームの併用は不可欠です。
低用量ピル服用中の腟内射精(中出し)はハイリスク?
低用量ピルは高い避妊効果が認められていますが、どのような避妊方法にも完璧なものはないため、その効果が100%発揮されるとは限りません。ピルは避妊効果が99%以上であるものの、飲み忘れや、ほかの薬との飲み合わせによって効果が弱まる可能性があります。妊娠を避けたい場合だけでなく、性感染症のリスクを避けるためにも、コンドームと併用することが大切です。
まとめ
低用量ピルは、毎日スケジュールどおりに正しく服用することで、99.7%という高い避妊効果が期待できる薬です。ただし、飲み忘れたり間違った方法で服用したりすると、避妊率が下がることがあるため注意しましょう。また、体調不良による下痢や嘔吐、飲み合わせの悪い薬の併用でも効果が十分に得られないことがあります。
万が一飲み忘れてしまったときや服用方法に不安があるときは、一人で抱え込まず医師や薬剤師に相談しましょう。
また、ピルには性感染症を防ぐ効果はないため、安全な性交渉には常にコンドームとの併用が大切です。服用開始のタイミングやアフターピルとの併用など、不安な点は専門医師に相談しましょう。
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監修者
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