生理は女性にとって健康状態のバロメーターでもあります。
生理の基礎知識や、生理中でも快適に過ごすためのセルフケアをご紹介。
ピルの仕組みをわかりやすく解説!【産婦人科医監修】避妊効果や種類別の違いも
低用量ピルは、体のホルモンバランスを整えながら、高い避妊効果を発揮するだけでなく、生理痛やPMSの軽減、生理周期の安定、肌トラブルの改善など、毎日の生活を少しラクにしてくれる嬉しい効果もある んです。
この記事では、低用量ピルの仕組みや種類ごとの効果、正しい服用のポイントなどをわかりやすくお伝えします。ピルを上手に活用し、あなたの体を守る選択をしていきましょう。
ピルはどういう仕組み?避妊効果が得られる3つの理由
ピルを飲むと避妊効果が期待できるのは、体の中で3つのバリアが働くからです。ただ排卵を止めるだけでなく、3つの段階で妊娠の成立を防ぐ仕組みになっています。

1.排卵の抑制
低用量ピルには、黄体ホルモンの「プロゲステロン」と卵胞ホルモンの「エストロゲン」が配合されています。これらの女性ホルモンは脳内の視床下部から下垂体や卵巣内分泌系に働きかけ、卵胞の発育や排卵を促す役割を持つ卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)を減少させます。
つまり、 体内に十分な量のホルモンがあると脳が勘違いすることで、排卵の命令が出されなくなるのです 。これにより、卵胞の発育と排卵を抑制することができます。
2.精子の子宮内への侵入阻止
低用量ピルに含まれるプロゲステロンは子宮頚管粘液(おりもの)の粘度を変化させます 。これにより精子の通過性が変わり、子宮内への侵入を阻止することができます。
この作用は、ピルが持つ排卵を抑える仕組みや子宮内膜を変化させる仕組みと同時に働き、複数の働きが力を合わせることで、99%以上の高い避妊効果を発揮します。
※参考:「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン(改訂版)」(日本産科婦人科学会)
3.受精卵の子宮内膜への着床阻止
ピルに含まれるエストロゲンとプロゲステロンの働きによって、子宮内膜が通常よりも薄い状態に保たれます。本来、排卵直前〜着床期(生理周期の12〜20日目頃)にかけて子宮内膜は妊娠に備えてふかふかのクッションのように厚くなりますが、ピルを飲むことでこの準備をあえて抑えるのです。
受精卵が根付くためのベッドとなる内膜が十分に厚くならないことで、受精卵が運ばれてきたとしても着床しにくい環境を作ります 。
生理周期と女性ホルモンの関係
女性ホルモンとは、体のリズムや生理周期を整える働きをもつホルモンで、主にエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類があります。生理周期は、この2つのホルモンによって調整されています。
まず、エストロゲンが分泌されて卵子の成長と排卵を促し、その後、プロゲステロンが子宮内膜を厚くして妊娠に備えます。妊娠が成立しなかった場合は、これらのホルモンが減少し、子宮内膜が剥がれ落ちて「生理」として排出されます。
つまり、生理はこれらのホルモンの増減によって起こる仕組みです。 ピルは、このホルモンの変動を人工的にコントロールすることで、排卵や子宮内膜の変化を抑え、生理周期に影響を与えます 。
iピルで排卵しない仕組みとは?
毎日決まった時間にピルの服用を続けることで、血中のホルモン濃度が一定に保たれます。すると脳は、新しく卵子を育てるための指令をお休みさせるようになり、結果として排卵が起こらなくなるという仕組みです。

卵子の数については、ピルを服用して排卵をお休みさせている間も年齢とともに少しずつ減少していきます。
ただし、ピルを飲んでいるからといって卵子が余計に減ってしまったり、将来の妊娠に悪影響を与えたりすることはありません。
【種類別】ピルによる避妊の仕組みと効果
一言でピルといっても、配合されているホルモンの量や種類によって、体への作用や効果、副作用の傾向が異なります 。
| 種類 | 主な避妊の仕組み | 特徴と効果 |
|---|---|---|
| 低用量ピル | 排卵の抑制 受精卵の着床阻止 精子の侵入阻止 |
避妊効果は避妊効果は99%以上 PMSや生理痛の改善、生理周期の調整も期待できる |
| 超低用量ピル | 排卵の抑制(一部) 受精の阻止 |
主に月経困難症や子宮内膜症の治療目的で処方される 低用量ピルに比べてエストロゲン配合量が少なく、体への負担が抑えられている |
| 中用量ピル | 排卵の抑制 ホルモン状態の調整 |
生理周期のコントロールや生理日の移動に使用される 低用量よりホルモン量が多く、一時的な服用が主 |
| ミニピル | 受精卵の着床阻止 精子の侵入阻止 |
黄体ホルモンのみを含む 精子の侵入阻止や子宮内膜への作用が主 血栓症のリスクが低く、授乳中や喫煙者も服用できる |
| アフターピル | 排卵を遅らせる | 避妊失敗から72〜120時間以内に飲む緊急避妊薬 排卵を遅らせて受精を防ぐが、妊娠成立後は効果がない |
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超低用量ピル
超低用量ピルは、エストロゲンの含有量が少ないことが特徴です 。超低用量ピルに含まれるエストロゲン量は20μg以下と定義されており、副作用のリスクを抑えつつ、つらい症状を改善できるよう設計されています。
従来のピルと比較して血栓症などの副作用が起こる可能性が低いため、多くの女性が安心して服用しやすい薬となっています。副作用のリスクを抑えつつ、主につらい生理痛や子宮内膜症の治療に使われるため、副作用が心配な方や、治療を目的にピルを飲みたい方に適しています。
ただし、飲み忘れや服用のズレによって不正出血が起きやすくなったり、薬の効果が十分に得られなくなったりする可能性があります。毎日時間を決めて、規則正しく服用を続けましょう。
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低用量ピル
低用量ピルは、エストロゲンの含有量が50μg未満のものを指し、現在、多くの人に選ばれている主流のピルです 。この薬は、エストロゲンとプロゲステロンという2種類の女性ホルモンを配合しており、毎日決まった時間に1錠服用することで、排卵を抑制し99%以上の高い避妊効果を得られます。
避妊効果のほかにも、ホルモンバランスが整うことで、生理痛の軽減、経血量の減少、生理周期の安定化といったメリットが得られ、月経困難症の改善や月経移動にも用いられます。
飲み忘れ防止のために偽薬がセットになった「28錠タイプ」と、実薬のみの「21錠タイプ」がありますが、効果は同じです。服用初期には吐き気やむくみなどの副作用が出ることもあるため、医師と相談しながら服用するピルの種類を決めましょう。
I
中用量ピル
中用量ピルは、低用量ピルよりもエストロゲンの含有量が比較的多いピルです 。
主に生理日の移動(月経移動)に用いられることが多く、旅行やイベントなど大切な予定と生理が重なった場合の調整に使われます。また、ホルモン量が多いため、緊急避妊薬(アフターピル)として使われることもあります。
中用量ピルは避妊効果もありますが、エストロゲン量が多いため、作用が強く、吐き気や頭痛、血栓症や高血圧などの副作用のリスクが高くなる傾向があります。そのため、日常的な避妊にはホルモン量が少ない低用量ピルが推奨されており、喫煙者や35歳以上の女性、血栓症のリスク因子がある方には慎重な判断が必要です。
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ミニピル
ミニピルはエストロゲンを含まず、プロゲステロンのみを含有している単独ホルモン剤です 。そのため、血栓症のリスクを最小限に抑えたい方や、BMIが高い方、喫煙者など、低用量ピルの服用が難しいとされている方でも利用できるのが特徴です。
毎日同じ時間に1錠を服用することで効果を発揮し、低用量ピルと同様に避妊効果が期待できるほか、プロゲステロンの作用で月経困難症の改善や子宮内膜症の治療にも使われます。
ただし、ほかのピルに比べて服用時間のズレに注意が必要であり、数時間の遅れが避妊効果に影響してしまうこともあります。スマートフォンのアラームを活用したり、毎日のルーティーンに組み込んだりと、自分に合った方法で飲み忘れを防ぎましょう。
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アフターピル(緊急避妊)
アフターピルは、避妊に失敗したあとに妊娠を防ぐために用いられる薬で、主に排卵を抑えたり遅らせたりすることで妊娠の成立を防ぎます 。避妊効果は服用のタイミングに左右され、性行為から24時間以内であれば95%の高い避妊効果が期待でき、時間が経つほど効果は低下していきます。

なお、アフターピルは通常の低用量ピルとは目的が異なり、毎回の避妊として継続的に使う薬ではありません。ホルモン量が多く体への負担もあるため、あくまで万が一のときの緊急手段と考えておきましょう。日常的な避妊には、低用量ピルやコンドームなど、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
iカラダへの影響は?
ピルは排卵を一時的に抑えて卵巣を休ませる働きがあり、避妊だけでなく体調面にもさまざまな良い変化が期待できます 。
- ・ホルモンバランスが安定する
- ・生理痛やPMS(月経前症候群)の緩和
- ・肌荒れの改善
- ・子宮体がんや卵巣がんのリスク低下が期待できる
一方で、飲み始めの時期は体がホルモンの変化に慣れていないため、吐き気や不正出血、胸の張りなどの不調が出ることがあります。これらは一時的なもので、3か月ほどで落ち着くことがほとんどです。
ただし、強い足の痛みや激しい頭痛など血栓症が疑われる症状がある場合は、早めに医師へ相談しましょう。

低用量ピルの「世代別」による違い
低用量ピルは、配合されているホルモンの種類や開発された時期によって、第1世代から第4世代まで4つのグループに分類されています。世代ごとにホルモンの特徴が異なり、生理痛やニキビへの作用、不正出血の起こりやすさなどに違いがあります。

第1世代(ノルエチステロン)
日本で最初に承認された世代で、黄体ホルモンに「ノルエチステロン」を使用しています。出血量を抑える力が強く、生理痛の改善効果が高いのが特徴です。経血の量が多くて困っている方や、強い生理痛に悩んでいる方に適しています。
第2世代(ノボノルゲストレル)
広く普及しており、避妊の安定性に定評がある世代です。ホルモンバランスを一定に保つ力が強いため、服用中の不正出血が起こりにくく、生理周期を安定させたい方に適しています。
第3世代(デソゲストレル)
男性ホルモンの影響を抑える作用があるため、皮脂の分泌をコントロールして肌を整える効果が期待できます。生理前に肌荒れしやすい方や、ニキビ治療を兼ねたい方に適しています。
第4世代(ドロスピレノン)
最新の成分により、体に水分を溜め込みにくいのが特徴です。生理前の気分の落ち込みやイライラ、PMS、体のむくみが気になる方に適しています。主に月経困難症の治療目的で処方されます。
ピルの仕組みに関するよくある質問
ここでは、ピルの仕組みに関する質問にお答えします。ぜひ参考にしてみてください。
ピルを飲むと生理はどうなる?仕組みは?
ピル服用中の出血は「消退出血」と呼ばれ、内膜が厚くなりすぎないため、量や痛みが軽くなるのが一般的です 。周期が整い、その結果として、旅行や仕事などの先々の予定が立てやすくなるという良さもあります。
ピルを飲むとエストロゲンは減る?増える?
ピルを服用すると、体内のエストロゲンのバランスは、ピルに含まれる成分によって一定にコントロールされるようになります。 自分の卵巣から分泌される量は抑えられますが、薬によって必要な分が補われるため、全体として極端に不足することはありません 。更年期のような状態になる心配はなく、むしろホルモンバランスが安定することで肌荒れやイライラが落ち着く方もいます。
ピルを飲むと太るって本当?
ピルそのもので太るということはありませんが、飲み始めに一時的なむくみや食欲増進を感じる場合もあるため、太ったと感じる方もいるようです 。
これらの症状の多くは服用を続けているうちに徐々に落ち着きます。体質による差もあるため、気になる場合は医師に相談し、自分に合った種類を選びましょう。
まとめ
ピルの仕組みを知っておくことで、自分の体の変化にも落ち着いて向き合いやすくなります。 高い避妊効果という安心感はもちろん、生理痛や肌荒れの悩みから解放されることは、あなたが明日をもっと笑顔で、軽やかに過ごすための力になってくれるはずです 。毎日決まった時間に飲むという服用方法も、慣れてしまえば「自分をケアする大切な習慣」に変わっていきます。
今のあなたにぴったりの方法を味方につけて、もっと自由で、もっとあなたらしく過ごせる時間を増やしていきましょう。
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監修者
目黒ウェルネスクリニック院長
大学病院に入局したのちに、総合病院で勤務。産婦人科専門医・がん治療認定医・抗加齢学会専門医を取得。
2021年よりメデリピルにおいてオンライン診療によるピル処方や、mederiが主催するセミナーやイベントに登壇、mederi magazineの監修を担当など幅広く活動。
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