生理は女性にとって健康状態のバロメーターでもあります。
生理の基礎知識や、生理中でも快適に過ごすためのセルフケアをご紹介。
ピルの6つの効果とは?効き始めるタイミングや作用機序を解説
「生理痛やPMS、肌荒れがつらい…」とお悩みの方の中には、「ピルって避妊以外にも効果があるの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。低用量ピルは、女性ホルモンのバランスを整えることで、避妊はもちろん生理痛の緩和や肌荒れの改善など、女性の体に嬉しいさまざまな効果を発揮します。
この記事では、ピルの効果や効き始めるタイミング、生理やホルモンへの影響、注意点を分かりやすく解説します。自分に合ったケアを見つけるヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
ピルの6つの効果
「ピルは避妊薬」という印象が強いかもしれませんが、ピルには生理痛の緩和やホルモンバランスへの作用など、女性の体に関わるさまざまな効果があります。自分の悩みに合った使い方を知るために、まずはピルの主な効果を整理してみましょう。
避妊効果
ピルを正しく服用すると、99.7%(※)の高い避妊効果が期待できます。これは、ピルに含まれるエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲスチン(黄体ホルモン)が脳への信号を調整することで、排卵を抑制するためです。さらに、子宮頸管粘液の変化で精子の侵入を抑えたり、子宮内膜を薄くしたりする作用もあります。

「予期せぬ妊娠をしたらどうしよう」と不安な方も、正しい服用を続けることで安心感につながるでしょう。
※一般的なデータであり、効果を保証するものではありません。
※参考:「OC・LEPガイドライン2020年度版」(日本産科婦人科学会/日本女性医学学会)
生理痛・月経困難症の緩和
ピルを服用することで、つらい生理痛が和らぐ場合があります。ピルの服用によって子宮内膜が薄くなると、子宮を収縮させる物質(プロスタグランジン)の産生が抑えられるためです。生理痛がひどく日常生活に支障をきたす月経困難症の緩和を目的として処方される場合は、LEP(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤)が保険適用になることもあります。適切に活用することで、毎月の負担を軽減しやすくなるでしょう。
PMS(月経前症候群)の改善
ピルでホルモンの変動をコントロールすることで、PMS(月経前症候群)の症状緩和が期待できます。PMSとは、生理前にあらわれるイライラや気分の落ち込み、体のだるさといったホルモンバランスの変化に起因する不調のことです。生理前になるたび「感情がコントロールできなくてつらい」と感じている方は少なくありません。ピルを服用しホルモン状態を一定に保つことで、そうした心身の揺らぎを穏やかに整えやすくなるでしょう。
生理不順・過多月経の改善
ピルの服用は、生理周期の安定や過多月経の改善に効果的です。ホルモンバランスが一定に整うことで生理周期が不順な方も安定しやすくなり、子宮内膜が薄く保たれることで経血量自体を減らせます。ナプキンがすぐにあふれたり生理の量が多くて貧血気味だったりといったお悩みを持つ方にとって、ピルを使用することで経血量が抑えられ、日常生活を快適に過ごしやすくなるでしょう。
肌荒れ・ニキビの改善(男性ホルモンの抑制作用)
ピルに含まれる成分の働きによって、肌荒れやニキビの改善が期待できる場合があります。ニキビや脂っぽい肌に悩んでいる場合、男性ホルモン(テストステロン)の影響が関係していることがあります。特に第4世代の黄体ホルモン(ドロスピレノン)を含むピルは男性ホルモンを抑える作用があり、ニキビや多毛の改善が期待できる場合があります。
子宮内膜症・卵巣がんリスクへの効果
ピルで排卵や子宮内膜の増殖を抑えることは、子宮内膜症の症状緩和や卵巣がんのリスク低減につながる可能性があります。排卵を休ませることで卵巣への負担が軽減され、がんリスクの低下が期待できるとの報告があるためです。また、子宮内膜の増殖を防ぐ作用により、子宮内膜症の症状緩和を目的としても活用されています。ただし効果には個人差があるため、治療方針は医師と相談して決めることが大切です。
iピルの目的・種類によって医師への相談が大切
ピルにはさまざまな効果があり、避妊目的であるOC(経口避妊薬)と、月経困難症などの治療目的で用いられるLEP(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤)では、選ぶ種類や保険適用の有無が異なります。また、体の状態や既往歴によって服用できない場合もあります。自分に合うピルを選ぶためにも、服用前には必ず医師に相談しましょう。
ピルの効果はいつから出る?
ピルの効果はすべてが一斉にあらわれるわけではありません。避妊効果や生理痛・PMS(月経前症候群)の緩和効果など、それぞれの効果によってあらわれるタイミングが異なります。ここでは、それぞれの効果が出るタイミングについて解説します。
避妊効果は服用開始のタイミングで変わる
低用量ピルの避妊効果が出るタイミングは、飲み始める時期によって変わります。生理開始から5日目までに飲み始めた場合、服用初日から避妊効果が期待できます。ただし、より確実性を求めるのであれば、実薬を7日間連続で服用したあとからとするのが一般的です。
一方で、生理5日目以降に飲み始めた場合は、7日間連続で服用したあとに避妊効果が期待できるようになります。
※参考:「OC・LEPガイドライン2020年度版」(日本産科婦人科学会/日本女性医学学会)
生理痛・PMS改善の効果はいつから出る?
生理痛やPMSの改善効果は、避妊効果とは異なりすぐには実感しにくいことがほとんどです。多くの場合、2〜3か月ほど服用を続けることで変化が実感しやすくなるとされています。ただし効果のあらわれ方には個人差があり、効果が感じられない場合や副作用が続く場合は、自己判断でやめずに医師に相談しましょう。
ピルの避妊効果はいつまで続く?飲むのをやめたらどうなる?
ピルの避妊効果は、正しく服用している間は継続します。ただし、2日以上連続して飲み忘れると避妊効果が下がる可能性が高くなります。また、1日の飲み忘れであっても、服用しているシートの飲み始めや飲み終わりのタイミングでは避妊効果に影響が出やすいため、毎日同じ時間に服用するルーティンが大切です。
飲み忘れてしまったときの対応方法は、製剤・経過時間によって異なります。低用量ピルの場合は、以下の図のように、気づいたタイミングで服用の仕方が異なります。

なお、休薬期間(偽薬期間)中も避妊効果は継続されています。ただし、ピルには性感染症を予防する効果はないため、感染を防ぐためには必ずコンドームを併用しましょう。
服用をやめると、一般的に1〜3か月ほどで排卵が再開し、本来の生理が戻る場合がほとんどです。
ピルを飲むと生理はどうなる?
ピルを飲み始めると、生理の経血量や周期に変化が見られることがあります。ここでは、「ピルを飲むと生理が止まってしまうの?」「生理中から飲んでも良い?」といった疑問について順番に分かりやすく解説します。
生理は止まる?「消退出血」について知っておこう
低用量ピルを服用していても、休薬期間(偽薬期間)中に「消退出血」という生理のような出血が起こります。これは排卵を伴わない出血であり、通常の生理と比べると経血量が少なく、期間も短く済むケースが多い傾向にあります。また、ピルの種類によっては、生理の回数を減らせるものもあります。
出血が普段と違ったり、「消退出血がない」「出血が続く」など気になることがあれば、自己判断せずに医師に相談しましょう。
生理期間中にピルを飲み始めるタイミング
低用量ピルは、原則として生理開始から5日目までに飲み始めることが推奨されています。生理が来ている間から飲み始めること自体は問題ありませんが、開始するタイミングによって避妊効果があらわれ始める時期が異なります。
生理不順などで飲み始めるタイミングが分かりづらい場合は、受診時に適切な開始タイミングを確認しておきましょう。
ピルのホルモンへの作用
ピルに含まれる成分が体内でどのように働くかを知ることで、ピルが「ホルモンバランスを整える」とされる理由や効果への理解が深まります。ここでは、プロゲスチン(黄体ホルモン)や男性ホルモンに対するピルの具体的な作用について分かりやすく解説します。
黄体ホルモンの効果と役割
ピルに含まれるプロゲスチンは、子宮内膜が厚くなるのを抑えたり、排卵を抑制したりする働きに関わっています。プロゲスチンの種類はピルの世代によって異なり、副次的な効果にも違いがあります。たとえば、第1世代のノルエチステロン系は月経痛の緩和や経血量の減少に、第4世代のドロスピレノン系はPMS(月経前症候群)やニキビの改善への効果が期待されています。
ピルが男性ホルモンを抑える仕組みとニキビ・多毛への効果
低用量ピルの服用によって男性ホルモン(テストステロン)の働きが抑えられ、ニキビや多毛の改善につながる場合があります。ピルを服用すると、成分中のエストロゲンの作用によって、血液中の男性ホルモンを捕まえて働きを抑えるタンパク質(SHBG)が増加します。これにより男性ホルモンの影響が弱まり、ニキビや多毛の改善につながるしくみです。 改善の程度には個人差がありますが、第4世代のプロゲスチンを含む低用量ピルなどは男性ホルモンを抑える作用が強く、ニキビや多毛の改善が期待できる場合があります。
※参考:「OC・LEPガイドライン2020年度版」(日本産科婦人科学会/日本女性医学学会)
更年期障害へのピルの効果
更年期に近い40代前後や更年期の初期症状が気になる場合、ホルモン変動を安定させるために低用量ピルなどが使われることがあります。
ただし、40歳以上の方は血栓症のリスクが高まるため、低用量ピルよりもHRT(ホルモン補充療法)が選択されるケースが多いです。すでにピルを服用中の場合は、いつHRTに切り替えるかも含めて医師とこまめに話し合っていくと安心です。
ピルのデメリット・リスクとは
ピルには多くの効果がある一方で、副作用やリスクも存在します。「知らなかった」ということがないよう、リスクや対処法についてもあらかじめ確認しておくことが大切です。ここでは副作用の種類や注意点について順番に解説します。
よくある副作用(吐き気・頭痛・不正出血など)
ピルを飲み始めた直後は、ホルモンバランスの変化により一時的な副作用があらわれることがあります。主な症状には次のものがあります。

これらの症状は服用を続けるうちに軽減する場合が多いとされています。ただし、症状が続く・強くなる場合は自己判断でやめず、医師に相談してください。
特に注意したい副作用「血栓症」
ピルの副作用で特に注意が必要なのは、血管内に血栓ができ血流を妨げる血栓症です。ピルの服用によりVTE(静脈血栓塞栓症)のリスクがわずかに上昇するとされています。以下のような初期症状があらわれた場合は、服用を中断してただちに受診してください。

ピルを飲めない方(禁忌・慎重投与)
持病や体質、年齢などによっては、低用量ピルを服用できない場合があります。血栓症の既往がある方や、閃輝暗点(せんきあんてん:チカチカする光が見える症状)などの前兆を伴う片頭痛がある方、35歳以上で1日15本以上喫煙している方、重度の高血圧がある方などは原則服用できません。また、40歳以上の方や肥満の方、喫煙者なども血栓症リスクが高まるため慎重な対応が必要です。
自分は飲んでも大丈夫なのか分からず不安になりますよね。服用の可否は医師が診察のうえで判断するため医師に既往歴を伝え、自己判断で服用を始めることは避けましょう。
ピルの効果に関するよくある質問
ここでは、ピルの効果に関するよくある質問に回答します。
ピルは市販で買える?
日本では低用量ピルは市販されておらず、購入するには医師の処方が必要となります。ドラッグストアや薬局での店頭販売は行われていないため、ピルを始めるには診察を受けることが不可欠です。
「市販で買えたら良いのに」と購入の手間や受診へのハードルを感じてしまう方もいるかもしれません。そのようなときは、最近ではオンライン診療を活用するのがおすすめです。オンライン診療では、自宅やお好きな場所にいながら産婦人科医の診察を受け、ピルを処方してもらえます。通院が難しい方や気軽に相談したい方にとって便利な選択肢となるでしょう。
ピルって男にも効果があるの?
男性がピルを服用しても避妊効果を得ることはできません。ピルは女性の排卵を抑えるしくみに基づいて作用するため、男性の体には機能しないためです。それどころか、ピルには女性ホルモンが含まれており、男性が服用した場合に女性化乳房などの健康被害や副作用があらわれる恐れがあります。
ピルを飲み始めたら生理が完全に止まるの?
低用量ピルを服用していても、休薬期間(偽薬期間)中に消退出血と呼ばれる生理様の出血が起こります。通常の生理と比べて出血量が減ったり期間が短くなったりすることはありますが、出血自体が完全になくなることは少ないとされています。
消退出血が止まった場合や出血が続く場合は、自己判断せずに医師に相談しましょう。
効果が実感できないときはどうしたら良い?
生理痛やPMS(月経前症候群)への効果は、服用を開始してから2〜3か月ほど経過して実感し始めるケースが多いとされています。ただし、個人差があります。3か月程度経っても効果が感じられない場合や副作用が続く場合は、自己判断でやめずに医師に相談してみましょう。ピルの種類を変更することで改善するケースもあるため、気になる点があれば一度受診時に尋ねてみるのがおすすめです。
※参考:「OC・LEPガイドライン2020年度版」(日本産科婦人科学会/日本女性医学学会)
更年期にはピルとHRT(ホルモン補充療法)どちらが向いてるの?
40代以上の場合、血栓症リスクが高まるため、低用量ピルよりHRT(ホルモン補充療法)が選ばれるケースが多いとされています。ただし個人の体の状態や症状によって最適な治療が異なるため、自己判断せずに医師と相談しながらご自身に合う方法を選んでいきましょう。
まとめ
ピルには避妊効果をはじめ、生理痛やPMS(月経前症候群)の緩和、肌荒れの改善など、さまざまな効果が期待できます。ただし、避妊目的であるOC(経口避妊薬)と治療目的のLEP(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤)では選択肢や保険適用の有無が異なるため、目的に合わせた服用が大切です。
また、飲み始めの副作用や血栓症のリスクもあるため正しい知識を持つことが重要です。「自分に合うピルが分からない」とお悩みの方は一人で抱え込まず、産婦人科医へ相談しましょう。
メデリピルでは、スマートフォンから産婦人科医によるオンライン診療でピルの処方が受けられます。「まずは話を聞いてみたい」という段階からでも、気軽に相談してみてくださいね。
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