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月経困難症に効くピルの種類と費用は?保険適用のLEPと避妊用OCの違いも解説【医師監修】
生理のたびに強い腹痛や吐き気で動けなくなり、「みんな我慢しているから」と一人で抱え込んでいませんか?毎月のつらい不調は我慢するものではなく、治療できる「月経困難症」かもしれません。
月経困難症の治療では「ピル」が広く使われていますが、「どのような仕組みで効くの?」「保険適用や費用はいくら?」「避妊用ピル(OC)と治療用ピル(LEP)の違いは?」など、疑問や不安も多いはずです。
この記事では、月経困難症にピルが効果的な理由をはじめ、薬の種類や費用の目安、服用開始のタイミングからピル以外の治療法まで分かりやすく解説します。40代の方の注意点やピルをやめたあとの疑問も整理していますので、つらい生理痛から解放される第一歩として、ぜひ参考にしてくださいね。
もくじ
月経困難症とは
「生理中の不調は我慢するのが当たり前」と思っていませんか?月経困難症とは、生理の時期にあわせてあらわれるさまざまな体調不良のことで、無理せず医療機関で治療を受けるべき状態を指します。
まずは、生理痛との違いや月経困難症の種類について確認しましょう。
月経困難症の定義と症状
月経困難症とは、生理期間中に起こる痛みや吐き気、頭痛など、生理に伴う病的な症状を指します。
「生理痛」は生理中の痛みそのものを表す言葉ですが、「月経困難症」は、原因となる病気の有無にかかわらず、治療が必要となる症状を含めた疾患名です。
症状は下腹部痛や腰痛だけでなく、吐き気、頭痛、疲労感、脱力感、イライラなどさまざまです。
「日常生活に支障がないなら月経困難症ではない」と思われがちですが、必ずしもそうとは限りません。症状が続いたり、毎月つらいと感じたりする場合は、産婦人科へ相談することをおすすめします。
月経困難症の種類
月経困難症は、「機能性月経困難症」と「器質性月経困難症」の2種類に分けられます。
機能性月経困難症は、子宮や卵巣に病気が見つからないにもかかわらず、生理に伴う症状が強くあらわれる状態です。
一方、器質性月経困難症は、子宮内膜症や子宮筋腫などの病気が原因となって起こります。原因となる病気を放置すると症状が悪化したり、将来の妊娠に影響したりすることもあるため、早めの治療が大切です。
なお、器質性月経困難症かどうかは、診察や検査を受けなければ判断できません。生理のたびに強い痛みや不調が続く場合は、早めに婦人科を受診しましょう。
i婦人科を受診する目安
生理痛には個人差がありますが、次のような症状がある場合は月経困難症の可能性があります。

これらの症状があるからといって、必ずしも月経困難症とは限りません。しかし、生理痛がつらいと感じている場合は、我慢する必要はありません。原因を確認し、自分に合った治療を受けるためにも、気になる症状があるときは早めに産婦人科へ相談しましょう。
月経困難症にピルが用いられる理由
月経困難症の治療では、痛み止めだけで十分な効果が得られない場合に、ピル(LEP製剤)が選択されることがあります。ピルは女性ホルモンの働きを調整することで、生理痛や経血量を軽減し、月経困難症の症状を改善することが期待できます。
生理痛や経血量の軽減
生理痛には、「プロスタグランジン」という子宮内膜で作られる物質が深く関わっています。プロスタグランジンが多く作られるほど、子宮の収縮が強くなり、生理痛や吐き気などの症状が起こりやすくなります。
LEP製剤を服用すると排卵が抑えられ、子宮内膜が厚くなりにくくなります。その結果、経血量が減るだけでなく、プロスタグランジンの産生も抑えられるため、生理痛や吐き気などの症状の軽減が期待できます。
子宮内膜症の進行抑制
器質性月経困難症では、子宮内膜症が原因となっていることも少なくありません。
LEP製剤はエストロゲン(卵胞ホルモン)の働きを抑えることで、子宮内膜症の病変が進行するのを抑えたり、痛みを軽減したりする効果が期待できます。
ただし、すべての方に同じ効果が得られるわけではありません。症状や原因に応じて適した治療法は異なるため、医師の診察を受けたうえで服用することが大切です。
月経困難症の治療に使われるピルとは
月経困難症の治療では、主にLEP製剤(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤)が使用されます。まずは、避妊目的のOCとの違いを確認しておきましょう。
OCとLEPの違い
「ピル」とひとくちにいっても、避妊を目的としたOC(経口避妊薬)と、月経困難症や子宮内膜症の治療を目的としたLEP(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤)があります。
| OC(経口避妊薬) | LEP(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤) | |
|---|---|---|
| 主な目的 | 避妊 | 月経困難症・子宮内膜症の治療 |
| 保険適用 | なし(自由診療) | ある |
| 費用 | 全額自己負担(数千円/月が目安) | 約3割負担 |
| 処方の条件 | 避妊目的での受診 | 月経困難症等の診断が必要 |
含まれる成分は似ていますが、使用する目的や保険適用の有無が異なります。月経困難症の治療では、主にLEP製剤が用いられ、保険が適用されます。一方、OCは避妊を目的とした薬のため、自由診療となります。
月経困難症の治療に使われるLEP製剤の種類
LEP製剤にはいくつかの種類があり、服用方法や特徴が異なります。症状やライフスタイルに合わせて、医師が適した製剤を選択します。
ルナベル・フリウェル
ルナベル(LD・ULD)と、その後発医薬品(ジェネリック医薬品)のフリウェル(LD・ULD)は、月経困難症や子宮内膜症の治療に使用されるLEP製剤です。医師の診断により、保険が適用される場合があります。
「LD(低用量)」と「ULD(超低用量)」は、含まれるエストロゲンの量の違いを表しています。LDは35μg、ULDは20μgで、ULDのほうがエストロゲン量が少ない超低用量タイプです。
一般的には、21日間毎日1錠ずつ服用し、その後7日間休薬するサイクルで服用します。服用方法は医師の指示に従いましょう。
ヤーズ・ヤーズフレックス
ヤーズ配合錠は、エストロゲン20μgを含む超低用量のLEP製剤です。1シート28錠で、最後の4錠は有効成分を含まないプラセボ錠(偽薬)となっています。毎日1錠ずつ、順番どおりに服用します。
ヤーズフレックスは、最長120日間連続で服用できるタイプです。生理の回数を減らしたい方に選択されることがあります。
連続服用中に25日目以降で3日以上続く出血があった場合、または120日間連続で服用した場合は、4日間休薬してから再び服用を開始します。服用スケジュールは自己判断せず、医師の指示に従いましょう。
ジェミーナ
ジェミーナは、最長77日間連続で服用できるLEP製剤です。生理の回数を減らしたい方の選択肢の1つで、ヤーズフレックスより短い間隔で生理をコントロールできます。
服用方法にはいくつかのパターンがあり、最長77日間連続で服用した後、7日間休薬する方法などが選択されます。症状や治療方針によって服用方法が異なるため、医師の指示どおりに服用することが大切です。
アリッサ配合錠
アリッサ配合錠は、天然型のエストロゲンを含むLEP製剤です。月経困難症や子宮内膜症の治療を目的として使用され、ドロスピレノン3mgとエステトロール15mgを含みます。
ヤーズ配合錠と同じ有効成分を使用しているため、同様の治療効果が期待できます。
※アリッサ配合錠はメデリピルでは取り扱いがありません。
月経困難症のピルはいつから飲む?費用はいくら?
ピルを使った治療を検討する際、飲み始めるタイミングやお金の負担は気になるポイントです。服用を開始する時期と費用の目安について解説します。
服用開始のタイミング
薬を飲み始めるタイミングは、処方されるピルの種類や医師の指示によって異なります。
基本的には「生理が始まってから1〜5日目まで」の間に服用を開始することが一般的です。ただし、体調や薬によっては生理中以外のタイミングで開始する場合もあるため、必ず担当医の指示に従ってください。
なお、処方を受けるための受診は生理中であっても全く問題ありません。痛みが強くてつらい時期でも安心してご相談ください。
保険適用時の費用目安
月経困難症の治療目的でLEP(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤)が処方される場合、公的医療保険が適用されるため原則3割負担となります。
- ・LEP(治療用ピル):薬剤費の目安はジェネリック医薬品(後発品)で月500〜1,000円程度、先発品や超低用量ピルで月1,500〜2,500円程度
※上記は3割負担の場合で、別途、初診料・再診料や検査費用がかかります。
- ・OC(避妊用ピル):自由診療となるため保険は適用されず、全額自己負担で月2,000〜3,000円程度が目安となります。
同じような成分の薬であっても、治療目的のLEPであれば費用を抑えて治療を継続できます。詳しい費用については受診する医療機関や薬局で確認してみましょう。
ピル以外の月経困難症の治療薬・方法
「血栓症のリスクや年齢的にピルが飲めない」「毎日決まった時間に薬を飲むのが苦手」という方でも、ピル以外にさまざまな選択肢があります。ご自身の体質やライフスタイルに合わせて医師と相談してみましょう。
鎮痛薬(NSAIDs)
痛みの原因物質である「プロスタグランジン」の発生を抑える薬です。根本的な治療薬ではありませんが、今ある痛みを今すぐ和らげたい場合に用いられます。
痛みがピークに達してから飲むよりも、「痛みが出そう」「少し違和感がある」と感じた早い段階で服用することで、より高い効果を発揮します。
黄体ホルモン製剤
黄体ホルモン製剤は、黄体ホルモンの働きを利用して子宮内膜の増殖を抑え、生理痛や子宮内膜症による症状を改善する治療薬です。代表的な薬にディナゲストがあり、子宮内膜症を伴う月経困難症などで使用されます。
治療目的のLEP製剤(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤)とは異なりエストロゲンを含まないため、体質や持病などの理由でLEP製剤を使用できない方の選択肢となることがあります。服用方法や副作用には個人差があるため、医師の指示に従って継続することが大切です。
子宮内黄体ホルモン放出システム(ミレーナ)
ミレーナは、子宮内に装着する小さな器具(IUS)です。黄体ホルモン(レボノルゲストレル)を少しずつ子宮内に放出し、子宮内膜が厚くなり過ぎるのを防ぐことで、生理痛や経血量の軽減が期待できます。
過多月経を伴う月経困難症や子宮内膜症などの痛みの改善を目的に使用されることがあります。
一度装着すると数年間効果が持続しますが、装着・交換・抜去は産婦人科で行います。適応や使用期間は医師と相談して決めましょう。
漢方薬
漢方薬は、冷えや血流の滞り、体質の改善を目指しながら月経困難症の症状を和らげる治療法です。
代表的な漢方薬には当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)や桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)などがありますが、どの薬が合うかは体質や症状によって異なります。
病院で処方されるほか、市販薬として購入できるものもありますが、自己判断で選ぶよりも医師や薬剤師に相談するのがおすすめです。
また、漢方薬だけで月経困難症の原因を治療できるわけではありません。痛みが強い場合や症状が続く場合は、産婦人科で適切な診察を受けましょう。
月経困難症でピルを使えないケース
ピルは月経困難症の治療に広く用いられていますが、すべての方が服用できるわけではありません。また、40代以降は年齢や健康状態によって注意が必要になる場合があります。服用できるかどうかは自己判断せず、医師と相談して決めましょう。
ピルを使えない・注意が必要なケース
ピルには服用できない場合(禁忌)や、慎重に使用する必要がある場合があります。代表的な例は次のとおりです。
- ・血栓症にかかったことがある
- ・前兆(閃輝暗点など)を伴う片頭痛がある
- ・重度の高血圧がある
- ・35歳以上で1日15本以上喫煙している ※ミニピルは、処方可能な場合があります。
- ・妊娠中・授乳中である
- ・乳がん・子宮体がんに罹患している
これらはあくまで一例です。服用の可否は、対面診療・オンライン診療を問わず既往歴や健康状態などをもとに医師が総合的に判断します。

上記のように、対面診療で直接の検査(超音波検査や触診など)が必要と判断された場合や、対面での継続的な経過観察が必要なケースでは、オンライン診療でピルを処方してもらえないことがあります。
オンライン診療を検討している方は、事前に「どのような場合に対面受診が必要になるか」を確認しておくと安心です。
40代でピルを使用するときの注意点
40代になると、加齢とともに血栓症のリスクが高くなるため、ピルを使用する際はより慎重な判断が必要になります。特に、喫煙・高血圧・肥満などのリスクがある場合は、服用できるかどうかを医師が確認します。
また、閉経が近づく年代では、治療の継続や薬の変更を検討することもあります。40代で月経困難症の治療を始める場合や継続する場合は、定期的に診察を受けながら、自分に合った治療を続けていくことが大切です。
月経困難症のピルをやめるとどうなる?服用を中止するときの注意点
「ピルを一生飲み続けなければいけないの?」「やめたら症状が戻る?」と不安に思う方もいるかもしれません。ここでは、ピルをやめたあとに起こりやすい変化と、服用を中止するときの注意点を紹介します。
症状が再び現れることがある
服用中に和らいでいた生理痛や経血量の増加などの症状は、ピルをやめると再び現れることがあります。特に、子宮内膜症などの器質性月経困難症が原因の場合は、原因となる病気が残っているため、服用を中止すると症状が戻りやすいとされています。
また、服用中の消退出血はなくなり、本来の生理周期に戻ります。妊娠を希望して服用をやめた場合は、多くの方で数か月以内に排卵や生理が再開しますが、時期には個人差があります。
服用を中止したい場合、自己判断で行わない
ピルをやめるタイミングは、妊娠を希望するときや、副作用が気になるとき、治療方針を見直すときなど、人によって異なります。

このように中止のきっかけはさまざまですが、自己判断で急に服用をやめてしまうと、月経困難症の症状が再発・悪化したり、適切な治療のタイミングを逃してしまったりすることがあります。
特に40代以上の方や持病がある方は、安全に服用を継続・中止するために医師による総合的な判断が欠かせません。
服用の終了や変更を考えた際は勝手に中断せず、必ず事前に医師へ相談したうえで判断しましょう。
まとめ
月経困難症は生理に伴う痛みや吐き気、頭痛などの症状によって日常生活に影響を及ぼす疾患です。原因となる病気がない「機能性月経困難症」と、子宮内膜症や子宮筋腫などが原因となる「器質性月経困難症」があり、原因に応じた治療を受けることが大切です。
治療には、LEP製剤(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤)をはじめ、鎮痛薬や黄体ホルモン製剤、ミレーナ、漢方薬などさまざまな選択肢があります。症状やライフスタイル、妊娠希望の有無などを踏まえて、自分に合った治療法を医師と相談しながら選びましょう。
「生理痛だから仕方ない」と我慢する必要はありません。毎月つらい症状が続く場合や、市販の鎮痛薬では十分に改善しない場合は、一度産婦人科に相談してみてください。早めに原因を確認し、適切な治療を始めることが、症状の改善につながります。
オンラインピル診療・処方サービス「メデリピル」では、産婦人科医によるオンライン診療を受けながら、月経困難症の治療に用いられるLEP製剤について相談できます。通院が難しい方や受診に不安がある方は、オンライン診療を活用するのも1つの方法です。
月経困難症とピルに関するよくある質問
ここでは、月経困難症とピルに関する質問にお答えします。ぜひ参考にしてみてください。
月経困難症のピルはいつから飲み始めればいい?
LEP製剤は、生理開始から1〜5日目までを目安に服用を始めることが一般的です。
ただし、飲み始めるタイミングは製剤の種類や症状によって異なるため、必ず医師の指示に従ってください。不安な点があれば、診察時に確認しておくと安心です。
避妊目的のピル(OC)から治療用のLEPへ変更できる?
月経困難症と診断された場合は、避妊目的のOCから治療用のLEP(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤)へ切り替えられることがあります。
現在OCを服用していても、生理痛や経血量の多さなどの症状があれば治療の対象となる可能性があります。診察では、現在服用している薬や症状について医師に伝えましょう。
ピルを飲み始めたら、どれくらいで効果が出る?
服用を始めて2~3か月後から、生理痛や経血量の改善を実感する方が多いとされています。
ただし、効果の現れ方には個人差があり、症状が安定するまでに数か月ほどかかることもあります。十分な効果を感じられない場合でも自己判断で中止せず、まずは医師に相談しましょう。
休薬期間中(プラセボ服用中)も避妊効果や治療効果は続く?
正しく服用できていれば、休薬期間やプラセボ服用中も効果は維持されます。
休薬中も排卵は抑えられた状態が続くため、避妊効果や治療効果が急になくなることはありません。ただし、休薬前後に飲み忘れがあると効果が低下する可能性があるため、決められたスケジュールどおりに服用することが大切です。
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