ピルの服用でニキビが悪化する?原因や対処法を紹介

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更新日:2025.12.08
ピルの服用でニキビが悪化する?原因や対処法を紹介

「ピルでニキビが悪化することはある?」「ピルで肌荒れ改善ができると聞いたけど本当?」そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。ピルはホルモンバランスを整えることで、ニキビや肌荒れの改善効果が期待できます。
繰り返す大人ニキビや生理前の肌荒れに悩んでいる方のなかには、ホルモンバランスの乱れが原因となっているケースも少なくありません。そんななか、「ピルを飲み始めてからニキビが減った」という声もあり、ピルの服用を検討する方が増えています。

この記事では、ピルが肌に与える影響や、ニキビ改善に選ばれやすいピルの種類、服用時の注意点をわかりやすく解説しています。肌トラブルに悩む方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

ピルを服用することでニキビが改善する?

ピルには女性ホルモンを補う働きがあり、避妊以外にも生理不順や生理痛の改善、そしてニキビなどの肌荒れにも効果が期待されています。特にホルモンバランスの乱れが原因でニキビが悪化している場合、ピルの服用によって改善が見込めることもあります。そのため、皮膚科や婦人科でニキビ治療薬としてピルが処方されるケースもあるのです。

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ピルに期待できるニキビの改善効果

ホルモンバランスの乱れによるニキビに対して、ピルの服用は治療の一環になります。ここでは、ピルがどのようにニキビ改善に役立つのかを詳しく見ていきましょう。

ホルモンバランスが整う

ピルには卵胞ホルモンと黄体ホルモンが含まれており、これらの女性ホルモンを体内に取り入れることで、ホルモンバランスを整える効果があります。ホルモンの乱れによって悪化するニキビに対して、安定したホルモン状態を保つことで肌のコンディションを整え、ニキビをできにくくする環境を整えます。

皮脂の過剰分泌が減少する

男性ホルモンは皮脂の分泌を促す働きがあるため、過剰に分泌されると毛穴が詰まりやすくなり、ニキビの原因になります。ピルを服用することで女性ホルモンのバランスが整い、特にデソゲストレルの含まれた第三世代のピルやドロスピレノンの含まれた第四世代のピルでは、男性ホルモンが抑えられるため、皮脂の過剰分泌も抑制され、結果としてニキビの改善につながります。

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ピルの服用でニキビが悪化するケースも…

ピルを飲み始めた直後は、体内のホルモンバランスが急激に変化するため、一時的にニキビが悪化したり、肌荒れを起こすことがあります。ただし、服用を続けることでホルモンバランスが安定し、肌の状態が落ち着いてくるケースがほとんどです。もし症状が長引いたり悪化したりする場合は、早めに医師に相談するようにしましょう。

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ピルを飲み続けてもニキビが改善しない場合

低用量ピルを飲み始めてもニキビが改善しなかったりひどくなったりする場合、まずは3シート(3か月)ほどは飲み続けて様子を見るのがおすすめです。多くの場合、ホルモンバランスが整うにつれてニキビは自然に落ち着いてきます。
しかし、3か月以上経っても症状が改善しない場合は、ピルが体質に合っていない可能性が考えられます。ピルの種類を変更することでニキビが改善することがあるため、自己判断せず、医師に相談しましょう。
また、ホルモン以外の原因も考えられるため、皮膚科を受診してニキビの根本原因を調べることも大切です。

ピルによるニキビの改善はどんな人におすすめ?

ピルによるニキビ改善は、ホルモンバランスが原因で肌荒れを起こしやすい人に特に向いています。とくに生理前や生理中にニキビが悪化する傾向がある方は、ピルのホルモン調整作用によって肌状態が安定しやすくなるでしょう。
また、ストレスや睡眠不足、生活リズムの乱れによってもホルモンバランスが崩れやすく、ニキビが悪化する場合があります。そのため、スキンケアだけでは改善しにくいニキビに悩んでいる方にとって、ピルは体の内側からホルモンバランスをサポートできる方法のひとつといえるでしょう。

ニキビ改善のためにピルを服用する際の7つの注意点

ピルを正しく使うことでニキビ改善が期待できますが、注意すべきポイントもあります。以下の点に気をつけながら服用しましょう。

改善までに3~6か月ほどかかる

ホルモンバランスが整うまでには時間がかかるため、ピルの効果が現れるのは早くても3か月程度とされています。また、肌のターンオーバー周期を考慮すると、改善の実感には3〜6か月かかることもあります。

ニキビ跡は改善しない

ピルは新たなニキビの発生を抑える効果はありますが、すでにできてしまったニキビ跡や、真皮までダメージが及んでいるような深い炎症には効果がありません。跡の改善には別の治療が必要です。

自己判断で服用を中止・再開しない

体調の変化があった場合でも、自己判断でピルの服用をやめたり再開したりするのは避けましょう。副作用やホルモンバランスの乱れを招く可能性があるため、不安がある場合は必ず医師に相談してください。

生活習慣を整えスキンケアも怠らない

ピルの効果を高めるためには、規則正しい生活や適切なスキンケアも欠かせません。十分な睡眠、バランスの良い食事、丁寧な洗顔・保湿を心がけましょう。

ピルの副作用が出ることがある

ピルは体質によって、副作用として吐き気、めまい、不正出血、乳房のはり、むくみなどが現れることがあります。症状が気になる場合は、医師に相談して他のピルに切り替えることも検討できます。

ピルをやめると服用前の症状が現れる可能性がある

ピルの服用をやめると、それまで薬によって安定していたホルモンバランスが、服用前の状態に戻ろうとします。そのため、ピルを飲むことで改善していたPMS(月経前症候群)や重い生理痛、ニキビや肌荒れといった症状が、再び現れてしまう可能性があります。
これは、病気が再発したわけではなく、体が元のホルモンバランスに戻ったために起こる現象です。体調の変化を再確認し、必要に応じて漢方やサプリメントなど、ピル以外の方法で症状をケアすることも検討しましょう。

低用量ピルでのニキビ治療は保険適用にならない

低用量ピルにはニキビの改善効果が期待できますが、ニキビ治療を主な目的とする場合は、保険適用にはなりません。保険が適用されるのは、月経困難症や子宮内膜症といった病気の治療目的で処方された場合のみです。ニキビ治療を目的としてピルを処方してもらう場合は、避妊目的と同様に全額自己負担(自由診療)となります。費用について事前に確認し、医師と相談したうえで、自身に合ったピルを選んでください。

そもそもニキビができる原因とは?

ニキビは、さまざまな要因が絡み合って発生します。主な原因としては、皮脂の過剰分泌、毛穴の詰まり(角栓)、アクネ菌の増殖が挙げられます。これらが重なることで、肌のターンオーバーが乱れ、毛穴が詰まりやすくなってニキビができるのです。

また、ホルモンバランスの乱れも大きな要因のひとつです。特に体内で生成される黄体ホルモンには皮脂の分泌を促す作用があるため、生理前などにホルモンが変動するとニキビが悪化しやすくなります。

ニキビの改善効果が期待できるピルの種類

ニキビ改善を目的としてピルを選ぶ場合、ホルモンの配合や種類によって効果が異なるため、適切なピルを選ぶことが大切です。ここでは、ニキビ改善に効果があるとされる代表的なピルをご紹介します。

マーベロン

第三世代のマーベロンは、男性ホルモンの分泌を抑える働きがあるピルで、特にホルモンバランスの乱れが原因のニキビに対して高い改善効果が期待されます。主成分のデソゲストレルには、男性ホルモンの作用を抑える効果があり、皮脂の分泌をコントロールすることでニキビの予防や改善につながります。

ファボワール

同じく第三世代のファボワールは、マーベロンと同じ有効成分・成分量を含むジェネリック医薬品です。主成分が持つ男性ホルモンの作用を抑える効果によって、肌の余分な皮脂分泌をコントロールし、ニキビの改善効果が期待されます。効果はマーベロンと同等ですが、価格を抑えて服用を続けられるのが大きなメリットです。そのため、初めてピルを試す方や、費用を抑えたい方に適しています。

ヤーズフレックス

ヤーズフレックスは、ホルモン量を抑えた第四世代の超低用量ピルです。本来は月経困難症などの治療薬ですが、ニキビ改善にも効果があります。エストロゲンの含有量が少ないため、吐き気や頭痛といった副作用が比較的少ないのがメリットです。
また、最長120日間連続投与が可能で、年間の生理回数を減らせます。これにより、ニキビの悪化しやすい生理前のホルモン変動の回数自体を減らす効果も期待できます。さらに、利尿作用があるため、むくみに悩む方にもおすすめです。

ピルでホルモンバランスを整えて、ニキビのない肌を目指そう

ピルにはホルモンバランスを整える作用があり、ホルモンの乱れが原因のニキビに対して改善効果が期待できます。特に、生理前にニキビが悪化しやすい人にはおすすめの方法です。ただし、効果が現れるまでには時間がかかり、副作用が出ることもあるため、医師と相談しながら無理のない形で取り入れることが大切です。生活習慣やスキンケアにも気を配り、体の内外から美肌を目指しましょう。

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監修者

六本木レディースクリニック医師
波羅 友里恵
2013年杏林大学医学部卒業後、慶應義塾大学病院で研修。 愛育病院、国立成育医療センターを経て、 2018年より六本木レディースクリニックで不妊治療を行う。 現在は六本木レディースクリニック非常勤。 2024年よりメデリピルにてオンライン診療によるピル処方や、mederi magazineの記事監修を担当。 不定期で企業講演を行う。主に卵子凍結や、体外受精、治療に対する会社のサポートについて発信。

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