PMSがひどい人にはピルの処方が有効!おすすめのピルや治療法を説明

ピル
更新日:2024.10.25

生理前からさまざまなつらい症状が起こるのが「PMS(月経前症候群)」です。この症状がひどい方には、ピルを使うことで緩和することができます。この記事ではPMSとはなにか、どのような症状が出るのかといった、PMSの基本情報を解説します。またPMSがひどい人にピルがおすすめな理由も説明していきます。

PMS(月経前症候群)とは

PMSとは、生理が始まる3~10日前くらいから現れる、身体面や精神面の不調のことです。生理開始とともに症状が和らいだり、治ったりすることが特徴です。「月経前症候群」とも呼ばれます。

PMSの身体面や精神面の不調は、軽いものから重いものまで150種類以上あるといわれています。またPMSが起こる期間も個人差があり、生理の2週間前から調子が悪くなる人もいれば、2〜3日前に集中して症状が現れる人もいます。

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PMSの原因

PMSの原因は、はっきりとはわかっていません。一説によると、⽣理前に2つの女性ホルモンの分泌量が急激に変動し、脳の中枢(視床下部)がそれに対応しきれなくなって、PMSのさまざまな不調が起こるのではないかと考えられています。

月経困難症の違い

PMSと混同しがちなのが「月経困難症」です。月経困難症とは、下腹痛、腰痛、お腹が張る、吐き気、頭痛、疲労・脱力感、食欲不振、イライラ、下痢、憂うつといった症状が、月経が始まるとともに出る状態のことをいいます。PMSと症状が似ているため同じように思われがちですが、症状が出るタイミングが異なります。

PMSは月経前に症状が始まり、月経が来ると症状が落ち着いていきます。しかし月経困難症は、月経が始まるとともに症状が出ます。
また原因も異なります。PMSは明らかな原因となる病気がなく、多くの月経困難症では子宮内膜症や子宮筋腫といった婦人科系の病気が原因となっています。

PMDD(月経前気分障害)とは

「PMDD(月経前気分障害)」とは、月経1~2週間前から日常生活に支障をきたすレベルで、強い気分の落ち込み・意欲の低下・イライラや怒りっぽくなる・情緒不安定・集中力の低下・理由のない不安感や緊張感・睡眠過多や不眠・流涙などの精神的症状が出る状態のことを指します。月経が来れば、これらの症状が治まるのが特徴です。

PMSの精神面の不調と似ており、厳密に区別することは難しいですが、PMSでは身体面の不調も伴うことがある点が異なります。

PMSの症状

PMSの症状は、大きく3つに分けられます。過去3回の生理周期のうちで、生理前5日以内にいずれかの症状が1つ以上出ているとPMSと診断されます。いつ、どのような症状が出ていたのか、記録しておくことが重要になってきます。

身体的な症状

身体的な症状には、腹痛、頭痛、体のだるさ、むくみや体重増加、胸の張り、肌荒れ、便秘などがあります。また食欲が増す、食欲がなくなる、関節痛、筋肉痛、めまいなどが現れることもあります。

精神的な症状

精神的な症状の例は、抑うつ、イライラ、不安、集中力の低下などです。

社会的症状

社会的症状は、日常生活に支障が出るような症状がほとんどです。

・仕事がいつもどおりにできない
・何かするのが面倒になる
・人と口論になる
・家に引きこもる

PMSの治療法

PMSは、症状に合わせた治療法を行います。以下のような治療法によって、症状を緩和することが可能です。

カウンセリング

イライラ、不安、気持ちが落ち込む、集中力の低下といった精神面の不調は、カウンセリングによって軽減することが可能です。心理士やカウンセラーに相談しましょう。また、症状の記録をつけていれば、それに沿って対応策が見えることもあります。

生活習慣の改善

基本的な生活習慣を改善することで、PMSが改善することもあります。どれも取り入れやすいものが多いので、意識してみてください。

・アルコールの摂取量を減らす
・喫煙本数を減らす
・規則正しい生活リズムで、十分な睡眠を取る
・定期的な運動を行う

漢方

漢方医学では、人間の体は「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」の3つの要素で構成されており、このいずれかひとつでもバランスが崩れると不調が出ると考えられています。PMSも同様で、漢方によって「気」「血」「水」のバランスをよくし、症状を改善することができるとされています。

なお、処方されるおもな漢方には、

・当帰芍薬散料(とうきしゃくやくさんりょう)
・加味逍遙散料(かみしょうようさんりょう)
・桂枝茯苓丸料(けいしぶくりょうがんりょう)
・桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
・温経湯(うんけいとう)

などがあります。

ピルなどの薬物療法

婦人科などでは、まずカウンセリングや生活指導、運動療法などが行われることが一般的です。ただし薬物による治療が必要と医師に判断された場合には、低用量ピルや超低用量ピルといったホルモン療法薬で症状を緩和します。

精神症状が強い場合は精神科や心療内科での治療が必要となることもあります。また抑うつ症状が強く出ている場合には、「SSRI」という抗うつ剤・レクサプロが処方されることもあります。

PMSがひどい場合はピルの服用が有効

PMSがひどく悩んでいる人には、ピルの服用がおすすめです。

PMSにピルがいい理由

PMSのおもな原因と考えられているのは、排卵および生理が起こることによって身体の中の女性ホルモンの値が大きく変わることです。よってピルを服用することで排卵を抑制し、女性ホルモンの値を一定に保つことで、PMSの症状を緩和する効果が期待できます。

ひどいPMSにおすすめのピルの種類

基本的に、ピルを服用することで身体的な不調を改善することは可能です。PMDDなどの精神的な不調であれば、唯一超低用量ピルであるヤーズ、ヤーズフレックス、ドロエチが効果が認められています。生理痛や生理不順、子宮内膜症、月経困難症など、PMSのほかにも改善したい症状がある場合は、それらに合わせたピルを提案してもらうことも可能です。

PMSがひどいのに、ピルが効かなくなった原因は?

ピルを服用している人のなかには、PMSがひどいのに効かなくなったと感じる人もいるようです。そのときに考えられる原因について解説していきましょう。

処方されたピルが自分に合っていない

低用量ピルには種類がたくさんあります。そのため処方されたピルが自分に合っていないと、3か月以上服用しても改善されないことがあります。その場合は、ピルの種類を変更することで改善されることがあります。

PMS以外の病気の可能性

PMS以外の病気であれば、ピルが効かないこともあります。たとえば、PMSと似た症状が出る甲状腺機能異常や更年期障害、うつ病、妊娠などです。3か月以上服用しているのに改善されない場合は、PMSではなくほかの病気を疑いましょう。

嗜好品がPMSを悪化させている

PMSを悪化させるといわれているものに、コーヒーやアルコール、タバコなどの嗜好品があります。これらを多く摂取していることで、PMSを悪化させ、ピルが効かなくなっている可能性もあります。

PMSがひどいならピルの服用を検討してみませんか

ひどいPMSの症状は、ピルの服用によって軽減できる可能性があります。またPMS以外にも、低用量ピルを服用することでさまざまな副効用が得られます。生理トラブルから開放されることでQOLの向上が期待できるでしょう。一度医師に相談して、ピルの服用を検討してみてはいかがでしょうか。

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※診療やピルの処方等は保険適用外・自由診療であり、医療機関に所属する医師が行います

監修者

産婦人科専門医、がん治療認定医、mederiドクター
mederiドクター
産婦人科専門医、がん治療認定医 女性のヘルスケアアドバイザー(女性医学会認定)、F U S E certificated personnel(米国内視鏡外科学会認定)、JOHBOC研修終了(日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構) 大学病院に入局し高度周産期センター、婦人科腫瘍専門施設で研修・修練後、総合病院で良性疾患の腹腔鏡手術や、不妊治療、女性内分泌・更年期障害など幅広く女性診療を行う。米国への留学を経て、現在はmederiドクターとして、メデリピルのオンライン診療や体調相談を担当している現役産婦人科医。

※1 初月無料は低用量ピルのみ対象となり、別途送料550円(税込)かかります

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