生理は女性にとって健康状態のバロメーターでもあります。
生理の基礎知識や、生理中でも快適に過ごすためのセルフケアをご紹介。
ピルで太るのは本当?理由は?太らない対策
「ピルが気になるけれど、太るのが不安」という方も多いのではないでしょうか。ピル自体に太る作用がないことは立証されていて、別の要因が体重増加を引き起こしているとされています。この記事では、ピルを飲んでも太らないことや、ピルを飲むと太ると言われている理由、太らないための対策についてご紹介します。
もくじ
ピルを飲むと太るといわれている理由は副作用
ピルに関して「飲み始めたら太った」「やめたら痩せた」という声を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ピルを飲むと太る、やめたら痩せたなどの声を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
ピルの服用を検討しているけど、太るなら飲みたくない…と思ってしまいますよね。
結論、ピルを服用しても太るということはありません。安心してください。
太ると思われる要因は、ピルの副作用のひとつでもある「むくみ」や「食欲増進」が関係しているといわれています。
ピルに含まれる黄体ホルモンには水分を溜め込む作用があり、むくみが起きるとされています。同様に黄体ホルモンの種類によっては男性ホルモンの活性化を促す作用もあるため、必要以上に食事をとってしまうなどの副作用が起きるのです。
しかし、このような副作用は続けることで症状は落ち着いてくるものなので3か月を目安に続けてみましょう。
過去に使われていたホルモン量の多いピルは、副作用により太るといわれていましたが、現在はホルモン量が少ない低用量ピルが主流となっています。また英国の「コクラン・レビュー」によると低用量ピルと体重増加との因果関係は立証されていません。つまり、ピルの服用だけが原因で太ることはないといえます。
報告されている副作用 | 報告されている発症頻度(%) |
浮腫(むくみ) | 1.0~3.2 |
体重増加 | 0.8~2.2 |
ニキビ | 0.1~2.9 |
下腹部痛 | 0.1~6.9 |
乳房緊満感 | 0.1~20.0 |
乳房痛 | 1.0~12.3 |
乳房増大 | 0.2~1.4 |
悪心・嘔吐 | 1.2~29.2 |
下痢 | 0.6~4.0 |
食欲不振 | 0.1~1.9 |
腹痛 | 0.1~1.5 |
頭痛・偏頭痛 | 3.4~15.7 |
けん怠感 | 0.7~1.7 |
眠気 | 0.3~1.2 |
イライラ感 | 0.2~1.8 |
性欲減退 | 0.2~1.3 |
参照:低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン(改訂版) 日本産科婦人科学会編
低用量ピルを飲むと太ると言われるのは何故?
前述のとおり、低用量ピルと体重増加との因果関係は立証されていません。それにもかかわらず低用量ピルを飲むと太ると言われるのには、下記の理由が挙げられます。
食欲亢進による食べすぎ
低用量ピルの服薬を始めることで食欲亢進の傾向が見られる場合があります。低用量ピルに含まれる黄体ホルモンの1つ「レボノルゲストレル」が男性ホルモン活性を高めて、食欲を増進する作用があるとされています。この作用によって必要以上に食事を摂ってしまい、体重増加することがあるのです。しかし、服用開始から1~2ヶ月程度すれば食欲亢進はほとんど落ち着いてきます。服用を始めたてのときは食欲が増しても食べ過ぎないように注意しましょう。
保水作用によるむくみ
低用量ピルを服用した人は、むくみの副作用が約0.1%から5%未満の割合で生じます。低用量ピルに配合されている黄体ホルモンには体内に水分をためる作用があり、むくみの症状が起きるという仕組みです。副作用は一時的なものですが、全身がむくんでいる状態では太ったように感じるかと思われます。副作用によってむくみが生じている場合、低用量ピルを1ヶ月から3ヶ月ほど服用することで副作用は治まってくるケースが一般的です。
ピルの副作用は自分で対策できる
食欲増進やむくみなど、低用量ピルの服用による体重増加は一時的であって、1〜2か月程度服用を続ければ次第に見られにくくなります。低用量ピルの服用を始めてからどうしても太りたくない方は、以下の方法を試してみましょう。
・塩分とアルコールを控える
・カリウムを含む食べ物を食べる
・体を温める
・適度に体を動かす
・よく噛んで食べる
・野菜から食べるようにする
・おやつは糖質の少ないものを選ぶ
・1回の食事量を減らして食事回数を増やす
ピルを飲む上で注意すること
ピルには、むくみや食欲増進のほかにも副作用として症状がでる場合もあります。
主に、吐き気・頭痛・下痢・肌荒れ・乳房の痛みや張り・下腹部痛などが挙げられます。
しかし、多くの副作用は飲み始めたばかりの頃に症状が現れることが多いため、飲み続けることで症状が落ち着いていきます。
はじめは少しつらい場合もあるかもしれませんが、日常生活に支障がなければ3か月は様子を見てみるとよいでしょう。
個人差はあるものですので、3か月過ぎても症状が続く際には処方元の医師に相談してピルの種類を変更するなど、適切な処置を取るようにしてください。
自分に合うピルを見つけるということは非常に大切で、ピルの種類は1つだけではないため副作用がつらい、日常生活に支障をきたしている場合には無理して続けることはありません。
自分の体質に合うピルを服用することで、避妊だけでなくさまざまな副効用を得ることができるのです。
処方元の医師に相談して、ピルの服用をプラスにしていけるようにしましょう。
参照:低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン(改訂版) 日本産科婦人科学会編
自分に合う低用量ピルを見つける
1~2ヶ月以上ピルの服用を続けても食欲亢進やむくみがおさまらない場合や症状が強い場合は、服用しているピルとの相性が良くない可能性も考えられます。低用量ピルには多くの種類があるので、自分に合ったものを服用することが大切です。自分に合ったピルを選ぶためにも、産婦人科医に相談してみましょう。
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