ピルを飲むには血液検査が必要?血液検査が大事な理由や病院での流れを説明

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更新日:2026.02.06
ピルを飲むには血液検査が必要?血液検査が大事な理由や病院での流れを説明

ピルを安全に飲み続けるためには、定期的な血液検査を受けることがとても大切です。
ピルは正しく使えばとても心強い薬ですが、まれに血栓症や肝機能への影響といった副作用が起こることもあり、「自分は大丈夫かな…」と不安になる方も少なくありません。
この記事では、なぜ血液検査が重要なのか、検査によって何がわかるのか、他に受けるべき検査はあるか、などの疑問を解消していきます。安全にピルを服用を行うために、必要な検査についてしっかりと確認しておきましょう。

ピルの処方・服用中に採血(血液検査)は必要?

これからピルの服用を希望する場合や、現在ピルを服用中の場合は、定期的な血液検査が必要となります。なぜこの血液検査が重要かというと、ピルの副作用のひとつに肝臓や血液凝固の異常があるためです。ピルに含まれる女性ホルモンは肝臓で分解されますが、まれに肝臓に負担がかかり、肝臓の機能や血が固まりやすくなる異常が起こることがあります。1年に1回程度血液検査を受けることで、肝臓の異常を早期発見し、その後の適切な治療へつなげることができます。

血栓症のリスクを早期に発見・予防するため

ピルは、生理の悩みや避妊などに役立つ便利な薬ですが、体質や持病、年齢、生活習慣によっては注意が必要な場合もあります。特に、まれではあるものの「血栓症」という重い副作用のリスクがあるため、服用前には安全に使えるかどうかをきちんと確認することがとても大切です。
以下のような項目に当てはまる場合は、ピルの処方ができない、または慎重な判断が必要になります。

【ピルの処方ができない(禁忌)に該当する例】

  • ・50歳以上、または閉経後
  • ・肥満(BMI35以上)
  • ・35歳以上で1日15本以上たばこを吸う
  • ・妊娠中、授乳中、または分娩後1か月以内
  • ・過去に本人または家族が血栓症になったことがある
  • ・高血圧(収縮期160mmHg以上、拡張期100mmHg以上)
  • ・乳がん
  • ・血管病変を伴う糖尿病
  • ・前兆を伴う片頭痛
  • ・重い肝障害がある

【慎重に経過を見ながら使う必要がある例】

  • ・40歳以上
  • ・肥満(BMI30以上)
  • ・喫煙習慣がある
  • ・家族に乳がんの既往がある
  • ・軽度の高血圧がある

これらの条件に当てはまるかどうかを事前に確認し、必要に応じて検査や定期的なチェックを行うことで、血栓症などの重い副作用を早めに防ぐことにつながります。

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肝機能や脂質代謝への影響を確認するため

「35歳以上か」「タバコを吸うか」といったリスクは問診でわかりますが、目に見えない肝臓の状態や血液中の脂質(コレステロールなど)への影響は、採血をしてみないとわかりません。ピルに含まれる女性ホルモンは肝臓で分解されるため、体質によっては肝機能の数値(AST・ALTなど)に負担がかかることがあります。
また、ピルの影響でコレステロール値が上昇し、それが血栓症のリスクにつながるケースもゼロではありません。「自分では元気だと思っていても、実は肝臓に負担がかかっていた」という事態を避けるためにも、血液検査は重要です。定期的に数値をチェックすることで、薬が自分の体に合っているかどうかを正しく判断し、安心して服用を続けることができます。

ピルの処方・服用中に採血を行う頻度やタイミング

ピルを安全に飲み続けるためには、定期的な体のメンテナンスが欠かせません。
ここでは、「いつ」「どのようなタイミング」で検査が必要なのか見ていきましょう。

初めての処方時(服用前)の検査

ピルを飲み始める前のタイミングは、その薬が「体に合っているか」「安全に服用できる状態か」を確認しておくことが大切です。そのため、通常はピルの処方を受ける前の「初回受診時」に、必要に応じて検査を行います。安心して服用を始めるための、いわば事前チェックのようなものだと考えておくと良いでしょう。

オンライン診療の場合

オンライン診療でピルを処方してもらう場合、毎回必ず血液検査を受けなければならないわけではありません。まずは問診を通して、今の体の状態や生活習慣を確認し、安全に服用できそうかを判断します。そのうえで、特に問題がなければ検査なしで始められることもあります。
また、対面での採血ができない代わりに、過去1年以内の健康診断結果の提出や、自宅に届く血液検査キットの活用などで安全性を確認する場合もあります。

服用開始後の定期検査のタイミング

服用が始まった後は、薬による体への影響が出ていないかを確認するため、1年に1回程度を目安に定期検査を受けることが推奨されています。ただし、血栓症のリスクが少し高い方や、医師が必要と判断した場合には、半年に1回など頻度を上げて様子を見ることもあります。

生理中や生理前でも採血は受けられる?

血液検査は生理中や生理前でも受けることができます。採血で調べる肝機能や血液凝固の数値は、基本的に生理の影響を大きく受けないため、タイミングを厳密に気にする必要はありません。
ただし、生理中は体調が優れなかったり、貧血気味になりやすかったりする方もいます。その場合は、無理をせず体調の良い日にずらしても問題ありません。日程に迷った場合は、医師に相談しながら決めると安心です。

血栓症とは

血栓症というのは、血の塊である血栓が体内にできることによって、さまざまな症状が生じることです。血栓症の兆候には、以下のようなものがあります。

血栓症の兆候の画像

上記のような症状が見られた場合、ピルの服用を一度中止して救急センターや循環器内科を受診しましょう。なお、痛みがあまりに強くて苦しかったり、突然皮膚の変色が見られたりした場合は、迷わず救急車を呼ぶようにしてください。

血栓症を疑うときの検査は何を見るの?

血液検査では、Dダイマーという物質の数値を指標に血栓症の有無を判断します。Dダイマーというのは、体内で血栓が溶かされたときに生じる物質です。このDダイマーの数値が高いと、それだけたくさん血栓が溶かされたということになるため、体内に多くの血栓ができている可能性が考えられます。ほかに、エコーで足の血管をみたり、点滴から造影剤を入れてCTの検査をおこない肺の血管に血栓がないかを確認することもあります。

ピル服用後に必要な検査項目(採血以外も含む)

ピルの服用中は、安全に服用を継続するために定期検査を受けるようにしましょう。以下で、定期的に受けた方が良い検査をいくつか紹介します。

血算・生化学検査(肝機能・脂質など)

赤血球や白血球などの血液成分のほか、肝臓や腎臓の働き、コレステロール値などを幅広く調べる検査です。ピルは肝臓で代謝されるため、数値の変化から肝臓への負担がかかっていないかを確認します。
また、脂質やコレステロール値が上昇すると血栓症のリスクを高める要因となるため、客観的な数値で安全性を評価します

凝固系検査

血液が「固まる力」がどの程度あるかを分析する検査です。主な項目にはプロトロンビン時間やフィブリノーゲンなどがあります。ピルの副作用である血栓症を防ぐため、血液が固まりすぎていないか、バランスが崩れていないかを専門的な視点からチェックします。

Dダイマー検査

体の中で「血栓(血の塊)」が作られ、それが溶け出したときに発生する物質の量を調べる検査です。いわば「血栓が作られた痕跡」を探す指標となります。
この数値が高い場合は、自覚症状がなくても体内のどこかで血栓が作られ始めている可能性が疑われます。血栓症は早期発見が何よりも大切なため、異常をいち早く察知するための非常に重要なチェック項目です。

採血以外に必要な定期検査

血液の状態を整えるのと同時に、女性の体をトータルで守るために以下の定期検査もセットで検討しましょう。

乳がん検診

乳房にしこりや異常がないかを調べ、乳がんの早期発見を目的とした検査です。ピルの服用と乳がんの関係については過度に心配する必要はありませんが、女性ホルモンの影響を受ける臓器だからこそ、定期的なチェックが大切です。自覚症状の有無にかかわらず定期的に検査を受けておくことで、万が一の変化にも早く気づくことができます。

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子宮頸がん検診

子宮の入り口(子宮頸部)にがんや前がん病変がないかを調べる検査です。初期の子宮頸がんはほとんど自覚症状がないため、定期的な検診で見つけることがとても重要です。ピルを飲んでいる・いないにかかわらず、すべての女性にとって定期的に受けておきたい基本の婦人科検診のひとつです。

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性感染症検査

クラミジアや淋菌など、気づかないうちに感染していることも多い性感染症がないかを調べる検査です。自覚症状がないまま放置すると、不妊や子宮・卵管の炎症につながることもあります。ピルは避妊はできますが、性感染症は防げないため、定期的にチェックして自分の体を守ることが大切です。

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血栓症の危険性がある場合の避妊方法

問診や血液検査等を行って血栓症リスクがあると判定された場合、ピルの服用ができなくなることがあります。そのような場合に行うべき避妊方法について、以下で紹介します。

コンドームを使用する

手軽にできる、最も一般的な避妊方法であり、ピルを服用しているかどうかに関わらず、性感染症予防の観点からも使用が推奨されています
また、ピルを服用しているかや、その理由を必ず相手に説明する義務はありません。大切なのは、どちらか一方に負担を寄せるのではなく、お互いがお互いの体と健康を守る選択肢を取ることです。コンドームの使用も、そのための大切な方法になります。

避妊リング(ミレーナなど)を入れる

避妊リングというのは、子宮内に装着する避妊具です。費用は自費負担の場合4万円程度、生理痛や過多月経があり保険適用になる場合1万円程度が相場です。一度装着すると約5年間避妊効果が持続します。ただし、装着後最初の生理時に外れてしまうことがあるほか、装着後にわずかな出血や下腹部痛を感じることがあります。

黄体ホルモン(プロゲステロン)配合の薬を服用する

ピルの副作用に血栓症があるのは、ピルに含まれる卵胞ホルモン(エストロゲン)に血液凝固作用があるためです。そのため、血栓症リスクが高い方であっても、黄体ホルモン(プロゲステロン)のみを含むホルモン製剤であれば服用可能とされています。このようなプロゲステロンのみを含むホルモン製剤はミニピルと呼ばれ、低用量ピルと同じように避妊効果があります。ただし、飲み始めの頃に不正出血が見られることがあるため、注意が必要です。

※オンラインピル診療・処方サービス「メデリピル」では、国内承認薬のミニピル「スリンダ」を取り扱っています。

【Q&A】ピルの採血に関するよくある疑問

ここでは、ピルの採血について多くの方が疑問に感じやすいポイントをQ&A形式でまとめました。
「食事はして行っていいの?」「費用はどれくらいかかる?」「検査で引っかかったらどうなるの?」など、気になるところから、ぜひチェックしてみてくださいね。

ピル処方の採血の前に食事をしても大丈夫?

基本的には食事制限なしで受けて問題ありません。婦人科の検査項目は食事の影響を受けにくいものが多いため、絶食するよう指示されることは稀です。
ただし、脂質や血糖値を詳しく調べる場合は「食後△時間は空けて」と指示が出ることもあります。受診前に、念のためクリニックの指示を確認しておくと安心でしょう。

ピルの採血の費用は保険適用になる?

生理痛や月経困難症などの「治療」としてピルを処方(LEP)されている場合は、検査も保険適用になるのが一般的です。一方で、避妊目的の自由診療(OC)として処方を受けている場合は、検査費用も全額自己負担となります。自費の場合は数千〜1万円程度と幅があるため、事前に確認しておきましょう。

もしピルを飲む前の採血の結果、引っかかったらどうなる?

項目や程度によりますが、処方を見送るか、別の種類を検討することになります。たとえば、血栓のリスクを示すDダイマーが高値だったり、重度の肝障害が見つかったりした場合は、安全を最優先して処方が制限されます。数値が少し高い程度なら、生活習慣の改善を条件に処方されることもあるため、医師とよく相談しましょう。

採血なしでピルを処方してくれる病院はある?

問診と血圧測定でリスクが低いと判断されれば、血液検査をしないで処方する病院もあります。ガイドラインに引っかからない方への検査は必須ではありません。
ただし、血液検査は「自分では気づけない肝機能の異常や血栓リスク」を数値で確認できる貴重な機会です。より安全に飲み続けるためには、年に1回程度の受診が推奨されます。

まとめ

今回の記事では、ピルを服用する際の血液検査について解説しました。ピルを服用する以上、血栓症のリスクは避けることができません。定期的な血液検査をすることで、肝臓の異常や血液凝固異常を発見でき、治療につなげることができます。安全にピルの服用を続けるためにも、ピル服用中は血液検査やほかの定期検査を受けるようにしましょう。

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監修者

六本木レディースクリニック医師
波羅 友里恵
2013年杏林大学医学部卒業後、慶應義塾大学病院で研修。 愛育病院、国立成育医療センターを経て、 2018年より六本木レディースクリニックで不妊治療を行う。 現在は六本木レディースクリニック非常勤。 2024年よりメデリピルにてオンライン診療によるピル処方や、mederi magazineの記事監修を担当。 不定期で企業講演を行う。主に卵子凍結や、体外受精、治療に対する会社のサポートについて発信。

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