コンドームが外れた場合どうすればいい?妊娠の危険性とその後の対処法

ピル
更新日:2024.10.07
コンドームが外れた場合どうすればいい?妊娠の危険性とその後の対処法

コンドームが外れた場合どうすればいい?妊娠の危険性とその後の対処法

コンドームを使用して、しっかりと避妊対策を行っていたのにもかかわらず、ふとしたタイミングでコンドームが外れることがあります。この記事ではコンドームが外れる原因と、外れたときの正しい対処方法について解説しています。また、より効果的な避妊方法も紹介しています。

コンドームが外れたり破れてしまう原因は?対処法はある?

コンドームは日本で最も用いられている効果的な避妊方法ですが、正しく使用していないと外れたり破れてしまうことがあります。
では、コンドームはなぜ外れたり破れたりしてしまうのでしょうか?そうなったときの対処方法とともに解説します。

なぜコンドームは外れることがあるの?

コンドームは性行為中に外れたり、破れてしまうことがありますが、それは主に誤った使用方法が原因です。
コンドームが外れる原因となる使用方法を一覧にしました。

・装着方法が誤っている
・サイズが合っていない
・射精後の抜き方が誤っている
・耐用年数の切れたものを使用してしまう
・2回以上繰り返し使用してしまう

コンドームには正しい装着方法があり、先端の膨らんでいる部分をつまみ、空気を抜きながら装着します。
中に空気が入ってしまうと、破裂の原因になります。
射精後は、コンドームの避妊効果を高めるためになるべく早めに抜くのが正しい使い方です。
射精から時間が経つと男性器は萎んでしまい、コンドームとの間に隙間ができて外れる原因になります。
同じ理由で、合っていないサイズのコンドームを使用したり、性行為中に男性器が萎えたりすると外れやすくなります。
またコンドームにはメーカーごとに耐用年数が定められており、耐用年数を過ぎたものは破裂や外れるリスクが高まります。

外れた場合の正しい対応方法

万が一コンドームが外れたり破れてしまった場合でも、焦らずに対処することが大切です。
避妊が失敗した後に可能な避妊方法には、IUDの装着とアフターピルの服用があります。
アフターピルは、避妊が失敗したときに使用される緊急避妊薬です。
日本で承認されている、レボノルゲストレルを主成分とするレルノボ錠24時間から72時間以内に服用することで、一定の避妊効果を得られます。
IUDは避妊リングとも呼ばれる、子宮内に取り付ける女性用の避妊具です。機器から発生する銅イオンの効果で、受精卵の生成を妨げ、着床を防ぐ効果があります。
一度装着すると数年に渡って使用できるので、通常は長期の避妊を目的として使用されます。
避妊に失敗した後に取り付ける場合は、120時間以内に医師によって装着される必要があります。
どちらも有効な方法ですが、100%の避妊を保証するものではないことも知っておきましょう。
ただIUDは一度装着すると、取り外すには医師の処置が必要で、緊急の避妊方法としてはあまり用いられません。
そのため、コンドームが外れたり破れてしまった場合は一般的にはアフターピルを使用します。
また、避妊が失敗した後にシャワーで腟内を洗浄すると避妊できるという情報もありますが、それは誤りです。
シャワーでは子宮内に侵入した精子を除去できませんし、反対に雑菌が侵入してしまう可能性があります。
また、性交渉後のIUDの装着やアフターピルの服用では性感染症は予防できません。
しかし、コンドームを着用することで性感染症予防にもなり避妊効果も得ることができます。
1つの方法として、普段から低用量ピルを服用しコンドームを併用することによって性感染症も予防でき、避妊効果も高めることができます。

コンドームが外れた場合の妊娠のリスク

コンドームは、理想的な使用方法を行えば98%の確率で避妊が可能です。
しかし、コンドームが外れたり破れてしまうことで妊娠のリスクは高まります。

性行為後の妊娠の可能性

コンドームの避妊率98%という値は、理想的な使用を前提とした避妊の確率です。
通常の使用においては、コンドームを使用したにもかかわらず妊娠する男女のペアは全体の15%ほど存在します。この確率には、性行為中にコンドームが外れたケースも含まれています。
また20代前半の男女が何も避妊具を使用しないで性行為を行った場合、妊娠の確率は30〜50%だといわれています。

生理周期との関係

妊娠の可能性は、生理周期にも影響を受けます。
最も妊娠する可能性が高まるのは排卵から6日前からで、排卵日の2日前が最も妊娠する可能性が高いタイミングです。
排卵のタイミングは、基礎体温を用いて予測することができますが、正確な予測は基礎体温だけでは不可能です。
女性の体は生理周期の中で、体温の低い低温期と体温の高い高温期を繰り返します。排卵が起こると低温期から高温期に移り変わります。
基礎体温を、日常的に計測しておくことである程度の排卵日の予測が可能ですが、生理周期のいずれのタイミングであっても妊娠の可能性は0ではありません。
もし、妊娠の希望がない場合には性交渉の際に、常に避妊が必要になるので注意しましょう。

コンドームが外れた場合でも不安にならない避妊方法はある?

低用量ピルを服用しておくことで、コンドームが外れたり破れてしまった場合でも妊娠したかもしれないと焦ることがなくなるでしょう。ただし、妊娠は防ぐことができても性感染症は防ぐことはできません。
ここでは、コンドームと併用することで理想的な避妊効果を発揮する、低用量ピルについて解説します。

低用量ピルの服用の効果

低用量ピルは、毎日服用することで効果を発揮する薬です。
避妊以外にも、月経困難症の治療や生理痛の改善にも用いられます。
避妊方法としてもコンドームに次いで普及しており、正しく服用した場合の妊娠率は0.3%ほどです。
低用量ピルには卵胞ホルモンと黄体ホルモンという2つの女性ホルモンが含まれており、ホルモンを調整することで子宮内膜の成長を抑制します。
子宮内膜を成長させないことで、着床を起こりにくくし避妊します。
また、排卵を抑制する働きがあるため、こちらも同様に避妊効果を発揮します。
初めて服用を始めた際には、不正出血や頭痛、吐き気、倦怠感などの副作用が起きることもありますが、体が薬に慣れることで徐々に改善されていきます。
また、ホルモンバランスが一定に保たれることで、肌荒れの改善にも効果が期待できます。

低用量ピルの正しい服用方法について

低用量ピルには、1シート28錠と21錠のものがあります。
初めて低用量ピルの服用を開始するときは、生理の初日から5日以内に服用をスタートします。
21錠タイプのピルは、21日間毎日決まった時間に服用し、7日間の休薬期間の後に新しいシートの服用をスタートします。
28錠タイプのピルは、21日の服用期間の後に偽薬(プラセボ)を7日間服用します。
偽薬は服用の習慣を忘れないためのもので、有効成分は含まれていません。
そのため、どちらのタイプを選んでも避妊の効果に違いはありません。
また、飲み始めてすぐや正しい服用方法が守れていない場合には避妊効果が落ちてしまう可能性もあるので、飲み方について不明点がある場合は処方してもらった医師に相談しましょう。

コンドームが外れた場合のアフターピルでの緊急避妊方法を知ろう

低用量ピルを服用しておらず、コンドームが外れたり破れてしまった場合は、アフターピルを用いて避妊を行うことができます。
先ほど説明したIUDよりも一般的な緊急避妊方法として用いられることが多い方法です。

アフターピルとは?

アフターピルは、避妊が失敗したときに使用される緊急避妊薬です。低用量ピルとは異なり、1錠の錠剤を飲むだけで避妊効果が得られます。
通常、妊娠が成立するためには、子宮内で精子と卵子が合わさり受精卵となったのち、子宮内膜に着床する必要があります。
アフターピルを排卵前に服用することで排卵を抑える効果があります。
もし排卵した後に服用しても、子宮内膜の成長を抑制することで受精卵の着床を防ぎ、避妊することが可能です。

アフターピルの効果と注意点

アフターピルはなるべく早めに服用する必要があり、時間の経過とともに避妊の成功率は下がっていきます。
いくつか種類がありますが、レボノルゲストレルを主成分とするレルノボ錠は、72時間以内に服用することで高い避妊効果を得られます。
日本では認可されていませんが、エラ錠は120時間以内に服用することで避妊効果を発揮します。
しかし性行為から120時間以上を過ぎると、どのアフターピルでも避妊効果を得ることができません。
またアフターピルは副作用が現れる可能性があるため限られた薬局でしか購入ができず、基本的には処方には医師の診療が必要です。
副作用には、吐き気、頭痛、倦怠感などがあり、もし服用後3時間以内に嘔吐してしまうと、薬の成分も一緒に吐き出され、十分な効果が得られないので注意が必要です。

コンドーム以外の避妊方法の選択肢

コンドームは広く普及している避妊方法ですが、コンドーム単体では外れたり破れてしまう可能性もあり、避妊方法として万全とはいえません。
そのほかの避妊方法も合わせて取り入れることで、効果的な避妊が可能です。

信頼できる避妊方法って?

普及しているいくつかの避妊方法のうち、避妊効果が高いのは低用量ピルです。
低用量ピルを正しく服用した場合の避妊が成功する確率は99.7%と非常に高く、ほとんど妊娠する可能性はありません。
ただし性感染症を防ぐことはできないため、コンドームと組み合わせて使用することをおすすめします。
コンドームによって避妊と性感染症の予防を行い、万が一外れたり破れてしまったときに備えて低用量ピルを服用します。
また、コンドームを理想的な方法で使用した場合の避妊確率は98%ですが、低用量ピルと組み合わせることで、妊娠する確率を可能な限り低下させられます。

コンドームが外れた場合は早めの医師への相談が大切

コンドームが外れたり破れてしまった場合、低用量ピルを服用していなければ、アフターピルの処方が必要になります。
アフターピルは医師から処方してもらう必要がありますが、時間経過とともに避妊効果が失われていきます。
そのためコンドームが外れたり破れてしまった際には、可能な限り早めに病院を受診しましょう。

コンドームが外れた時を想定して対策をしておこう

コンドームが外れたり破れてしまう原因と、対処方法について解説してきました。
コンドームは手軽に使用でき、広く普及している避妊方法ですが、その避妊効果は100%ではありません。
また、外れたり破れてしまった場合、避妊に失敗することも十分考えられます。
外れたり破れてしまった際にはなるべく早くアフターピルなどの緊急避妊を行う必要があります。事前に低用量ピルを服用しておけば、万が一コンドームが外れたり破れたときも焦ることはないでしょう。

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監修者

産婦人科専門医、がん治療認定医、mederiドクター
mederiドクター
産婦人科専門医、がん治療認定医 女性のヘルスケアアドバイザー(女性医学会認定)、F U S E certificated personnel(米国内視鏡外科学会認定)、JOHBOC研修終了(日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構) 大学病院に入局し高度周産期センター、婦人科腫瘍専門施設で研修・修練後、総合病院で良性疾患の腹腔鏡手術や、不妊治療、女性内分泌・更年期障害など幅広く女性診療を行う。米国への留学を経て、現在はmederiドクターとして、メデリピルのオンライン診療や体調相談を担当している現役産婦人科医。

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