生理前に体温が上がるのはなぜ?PMSや妊娠初期症状などの原因、対処法を解説

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更新日:2026.01.23
生理前に体温が上がるのはなぜ?PMSや妊娠初期症状などの原因、対処法を解説

生理前に体温が上がり、なんとなく体がだるい、イライラする。それはPMS(月経前症候群)が関係しているかもしれません。基礎体温とホルモン変化には密接な関係があり、体温の変動はPMSのサインとして現れることも。
ここでは、生理前に体温が上がる理由やPMSとの関係、妊娠との見分け方、生理前に体温が高いときの対処法までをわかりやすくまとめました。
「これって普通?」「病院に行くべき?」と悩んだときの目安として、ぜひ参考にしてみてください。

生理前の体温:ホルモンが影響する理由

生理前は、排卵後から生理開始前にかけて黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が増えることで、体温が0.3~0.6℃程度上昇する「高温期」に入ります
黄体ホルモン(プロゲステロン)は体温を上げる作用があるだけでなく、自律神経や感情にも影響を与えます。

体温が上がることで以下のような変化を感じることがあります。

  • ・だるさ、疲れやすさ
  • ・眠気、集中力の低下
  • ・軽い微熱のような感覚

これらはPMSの一因でもあり、「体温の変化=体の不調」と感じる人も少なくありません。

体温のサイクル

正常な排卵が行われている健康な女性の基礎体温は、「低温期」と「高温期」の二相に分かれ、一定のサイクルを繰り返します。この変化は、自分のカラダの状態を知るためのとても大きな手がかりになります。

体温のサイクルのイメージ

【生理期7日間(低温期)】
妊娠が成立しなかった場合、ホルモン分泌が急激に減少して生理が始まります。生理が始まると体温が下がり、ここから約2週間は低温期が続きます。

【卵胞期約14日間(低温期)】
卵胞が成長し、エストロゲン(卵胞ホルモン)の働きで子宮内膜が厚くなっていく時期です。心もカラダも比較的好調に過ごせる時期といえます。

【排卵期1〜2日間(移行期)】
エストロゲンの分泌がピークに達して排卵が起こります。この時期を境に、基礎体温は低温期から高温期へと移行していきます。

【黄体期約14日間(高温期)】
排卵後、プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌によって基礎体温が0.3~0.6℃ほど上昇します。この高温期は次の生理前まで約10~14日間続きますが、妊娠している場合はそのまま高温期が継続します。

2週間以上たっても高温期が続き、生理が来ない場合は妊娠の可能性があります。逆に、体温が上がらず低温期が続く場合は、排卵が起きていないサインかもしれません。まずは、この大きな流れをおさえておくことから始めましょう。

妊娠との違いは?PMSと高温期の見分け方

生理前の高温期と妊娠初期は、どちらも体温が高い状態が続くため、区別が難しいことがあります。以下が判断の目安です。

特徴 PMS 妊娠の可能性
高温期の期間 約12~14日 16日以上続く※1
その他の症状 イライラ、頭痛、眠気
乳房のはり、だるさ
吐き気、乳房の張り、だるさ
生理の有無 体温が下がると開始 生理がこない

※1:女性の健康推進室 ヘルスケアラボ

基礎体温を記録しておくと、生理周期のパターンを把握しやすくなります。
カレンダー機能やアプリなどを使用して、記録する習慣をつけるとよいでしょう。

PMSとは?生理前に起きる心と体の不調の具体例

PMS(Premenstrual Syndrome:月経前症候群)とは、生理の3〜10日前※から始まる心身の不調のことで、10〜50代の多くの女性が経験しています。主に以下のような症状が挙げられます。

PMSに起きやすい心と体の不調のイメージ

ここでは、代表的な症状についてそれぞれ見ていきましょう。

※参考:日本産婦人科学会 月経前症候群(premenstrual syndrome : PMS)

微熱

生理前は、排卵後に分泌が増える黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響で体温が上がります。前述のように、基礎体温は低温期より0.3〜0.6℃ほど高くなり、37℃前後になることも珍しくありません。そのため「熱っぽい」「微熱がある」と感じる方も多く、生理が始まると自然に体温は下がっていきます。

眠気・だるさ

生理前の強い眠気やだるさは、体温が高い状態で安定してしまうことが主な原因です。通常、睡眠中は体温が下がることで眠りの質が高まりますが、黄体期は体温が下がりにくく、眠りが浅くなりがちです。その結果、日中に疲れや眠気を感じやすくなります。

腹痛・腰痛

生理前にも下腹部や腰に痛みを感じることがあります。これは、子宮内膜で作られる「プロスタグランジン」という物質が増え、子宮の収縮や痛みを引き起こすためです。生理前から違和感や鈍い痛みを感じるのは、珍しいことではありません。

頭痛

生理前の頭痛は、エストロゲン(卵胞ホルモン)の急激な低下が関係しています。エストロゲンが減ると、血管を安定させるセロトニンも減少し、脳の血管が拡張しやすくなります。その影響で、ズキズキとした痛みが続く頭痛が起こりやすくなります。

吐き気

生理前に吐き気や胃の不快感を覚える方もいます。これもプロスタグランジンの影響で、子宮だけでなく胃や腸の筋肉が刺激されることが原因と考えられています。胃腸が過剰に収縮することで、ムカムカした感覚が起こりやすくなります。

食欲アップ

生理前に甘いものや炭水化物が欲しくなるのは、プロゲステロンの影響です。この時期は血糖値が不安定になりやすく、急に空腹を感じることがあります。強い食欲はホルモン変化による自然な反応といえるでしょう。

体重の増加・むくみ

生理前に体重が増えたように感じる主な原因は、脂肪ではなく水分です。プロゲステロンには体内に水分を溜め込む作用があり、むくみが起こりやすくなります。加えて便秘や食欲増進が重なることで、体重増加につながることもあります。

おりものの色やにおいの変化

生理前は、おりものの量が増え、白く濁ったり粘り気が強くなったりします。下着につくと黄色っぽく見えることもあり、においが強く感じられる場合もあります。また、少量の経血が混ざることで、茶色やピンク色に見えることもあります。

情緒不安定さ

生理前のイライラや気分の落ち込みは、女性ホルモンの急な変動が影響しています。特にエストロゲンの減少により、精神を安定させるセロトニンが減ることで、感情のコントロールが難しくなりやすい時期です。

胸の張り・痛み

生理前に胸が張ったり痛みを感じたりするのは、プロゲステロンの作用で乳腺が刺激され、血流が増えるためです。この張りは生理が近づいているサインのひとつで、生理が始まると徐々に和らぐことが多いです。

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生理前に体温が高いときの対処法

生理前に体温が高くなるのは、黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響によるものです
ただし、ほてりや微熱、だるさが強いと、日常生活がつらく感じることもあります。無理に我慢せず、体の変化に合わせたケアを取り入れることが大切です。

  • ・深呼吸やストレッチなどのリラックス法を取り入れる
  • ・十分な睡眠と栄養をとる
  • ・カフェインやアルコールの摂取を控える
  • ・室温調整や通気性の良い服装を選ぶ

それでも不快感が続く場合は、婦人科で相談し、PMS対策として漢方や低用量ピルなどを検討するのもひとつの方法です。自分の体調を知り、無理のない付き合い方を見つけていきましょう。

体温が上がらない・下がるときに考えられること

体温の乱れは、ホルモンバランスや生活習慣、体調の影響が関係していることがあります。ここでは、体温が上がらない、または下がるときに考えられる主な原因について、見ていきましょう。

妊娠の可能性

生理予定日を過ぎても高温期が続き、生理のような出血があっても体温が下がらない場合は、妊娠の可能性があります。この時期の出血は「着床出血」のケースもあり、妊娠が成立するとホルモンの働きで高温期が維持されるためです。胸の張りや吐き気など、初期症状に心当たりがある場合は早めに妊娠検査薬で確認しましょう。

排卵が起きていない可能性

高温期になるべき時期に体温が上がらない、あるいは上がってもすぐに下がってしまう場合は、排卵が正常に行われていない「無排卵月経」の疑いがあります。生理が来ていても、基礎体温が低温期と高温期の二相に分かれないときは、一度産婦人科を受診してホルモンバランスをチェックすることをおすすめします。

ストレスや生活習慣の影響

睡眠不足やストレスは、ホルモン分泌をつかさどる脳の視床下部に影響し、排卵や体温変化を妨げることがあります。その結果、排卵のリズムが乱れ、体温の変化がわかりにくくなることがあります。
規則正しい生活を心がけ、心と体をしっかり休ませることは、安定した体温サイクルを保つうえでとても大切です。

体調不良による発熱

生理が始まっても体温が高いままの場合、女性ホルモンの変動とは別に、風邪などの感染症で発熱している可能性も考えられます。咳や喉の痛み、倦怠感といった風邪特有の症状があるときは、無理をせず医療機関を受診しましょう。基礎体温の記録があれば、それがホルモンによるものか病気によるものかを判断する材料になります。

PMSの症状を和らげるには?セルフケアと治療法

PMSはセルフケアや医療の力を上手に取り入れることで、症状を和らげることができます。
ここでは、日常生活でできる対処法や、婦人科で相談できる治療法を紹介します。

食事・睡眠・ストレスケア

まずは、毎日の過ごし方を少しだけ見直してみましょう。生理前はむくみやすくなるため、塩分は控えめを意識すると安心です。イライラや不安感を強めやすいカフェインやアルコールも、この時期は少し控えめにしましょう。食事では、神経の働きを助けるビタミンB6やマグネシウムを意識して取り入れるのがおすすめです。そして、しっかり睡眠を取りましょう。生活リズムを整えるだけでも、心と体の緊張がゆるみ、PMSのつらさを感じにくくなります。

基礎体温を記録する

基礎体温をつけることで、排卵や生理前の体調変化を把握しやすくなります。
「この時期に不調が出やすい」と分かるだけでも、無理を避けたり早めにケアしたりすることができます。婦人科を受診する際にも役立つ場合があるため、生活のなかに取り入れてみるのもおすすめです。

産婦人科での相談・薬物療法(ピルの服用)

PMSの薬物療法には、低用量ピルなどがあります。低用量ピルは排卵を抑えることでホルモンバランスを安定させ、PMS症状を軽減する効果が期待できます。ほかにも、漢方療法などが挙げられます。医師と相談しながら自分に合った対処法を見つけましょう。

漢方

「薬の副作用が心配」「体質から改善したい」という方には、漢方療法という選択肢もあります
血の滞りは頭痛や腹部の張り、水分バランスの乱れはむくみや吐き気、気の乱れはイライラや不安感につながると考えられています。体質や症状に合わせて処方される漢方薬により、これらのバランスを整え、無理なく不調の緩和を目指しましょう。

対症療法

PMSの治療では、対症療法が選ばれるのが一般的です。頭痛や腹痛には鎮痛剤、吐き気や胃の不調には胃薬や整腸剤、むくみが強い場合には利尿作用のある薬を用いて、今出ているつらい症状を和らげます。精神的な不調が目立つ場合には、状態に応じて抗不安薬などを検討することもあります。無理に我慢せず、症状に合わせて医師と相談しながら適切な治療を行いましょう。

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生理前の体温に関するQ&A

ここでは、生理前の体温についてよくある疑問を見ていきましょう。体のサインを正しく理解し、必要以上に不安にならずに過ごすためのヒントとして、ぜひ参考にしてみてくださいね。

生理前に体温が下がると妊娠しない?

生理前に体温が下がった場合は、一般的に妊娠していない可能性が高いといえます。妊娠が成立しなかったときは、体温を高く保つプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が急激に減少するため、生理直前から開始日にかけて体温がガクンと下がるのが自然な流れです。
ただし、測定ミスや一時的な変動の可能性も否定できません。数日経っても生理が来ない場合や、再び体温が上昇するようなことがあれば、妊娠検査薬を使用し、場合によっては婦人科を受診しましょう。

生理前に体温が37度を超えるとだるい気分になる…これってよくあること?

生理前に体温が上昇し、体がだるく感じるのは、ホルモンバランスの変化によって、多くみられる症状です。排卵後の高温期はプロゲステロンの働きで基礎体温が0.3~0.6℃ほど上がり、人によっては37℃近い微熱を感じることもあります。
また、この時期は寝ている間も体温が下がりにくく、睡眠が浅くなりがちです。そのため、日中に強い眠気や倦怠感が出やすくなります。体からのサインと受け止め、無理をせず、しっかり休息と栄養をとることを意識しましょう。

生理前に体温が下がるのはだいたい何日前から?

基礎体温が下がり始めるのは、生理が始まる直前〜当日が一般的です。約2週間続いた高温期が終わり、体が低温期(生理期)へ移行するサインと考えられています。
生理が始まっても体温が高いままの場合は、妊娠の可能性のほか、風邪などの体調不良や生活リズムの乱れが影響していることもあります。気になる状態が続くときは、早めに医師に相談しましょう。

生理前に体温が上がると妊娠可能性も高まる?

高温期になること自体は正常な排卵が行われたサインですが、それだけで妊娠の可能性が高まったとは言い切れません。妊娠を判断するうえで大切なのは、体温の高さよりも「高温期がどれくらい続いているか」です。
通常、高温期は10~14日ほどで終わり、その後に生理が始まります。もし生理予定日を過ぎても高温期が続き、21日(約3週間)以上継続している場合は、妊娠の可能性が高いと考えられます。
妊娠の可能性が気になるときは、生理予定日を1週間ほど過ぎてから妊娠検査薬を使用してみましょう。

体温変化は体からのサイン。気になるときは産婦人科へ

生理前の体温上昇は自然なホルモン変化によるものですが、不調が強いときはPMSのサインかもしれません。また、生理が始まったにもかかわらず、イライラや吐き気などPMSのような症状が続く場合は、PEMS(周経期症候群)や月経困難症の可能性があります。気になる症状がある場合は我慢せず婦人科で相談しましょう。

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月経前不快気分障害(PMDD)とは?

PMSと似た症状を持ちながら、より精神的な影響が強く現れるのが「月経前不快気分障害(PMDD:Premenstrual Dysphoric Disorder)」です。PMDDは、PMSの精神的症状が強い疾患で、次のような症状が特徴です。

  • ・強いイライラ・怒り
  • ・抑うつ気分や絶望感
  • ・人間関係に支障をきたすほどの感情の起伏
  • ・強い不安感や緊張状態
  • ・集中力の低下、倦怠感

PMDDは日常生活に大きな支障をきたす可能性があるため、PMSと区別して精神科や婦人科での治療が必要になることがあります。治療法としては、低用量ピルや抗うつ薬(SSRI)などの薬物療法、心理カウンセリングなどが用いられます。

「PMSだと思っていたけれど、気持ちの落ち込みが強くてつらい…」という方は、我慢せず精神科・心療内科・婦人科などの専門医に相談してみることが大切です。

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大学病院に入局したのちに、総合病院で勤務。産婦人科専門医・がん治療認定医・抗加齢学会専門医を取得。 2021年よりメデリピルにおいてオンライン診療によるピル処方や、mederiが主催するセミナーやイベントに登壇、mederi magazineの監修を担当など幅広く活動。

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