生理は女性にとって健康状態のバロメーターでもあります。
生理の基礎知識や、生理中でも快適に過ごすためのセルフケアをご紹介。
生理前のおりものはいつから変わる?色・量・においの変化と受診目安
生理前になると、おりものの量が増えたり、色が変わったり、においが強くなったりして「これって正常?」と不安になることはありませんか?生理前のおりものは、一般的に排卵後の黄体期から変化が始まり、生理予定日の3〜5日前ごろに最も変化が現れやすいとされています。
この記事では、生理周期によるおりものの変化の仕組みから、色・状態ごとの見分け方、妊娠初期との違い、婦人科受診の目安まで、まとめて解説します。自分の体のリズムを知ることで、毎月の変化に安心して向き合えるようになりますよ。
もくじ
おりものとは
おりものは女性の体調やホルモンバランスを映し出す、大切なバロメーターです。主な役割は、腟の中を酸性に保つことでバイ菌が繁殖するのを防ぐ「自浄作用」と、排卵期に精子が子宮に入りやすくする「受精のサポート」の2つです。
つまり、おりものが出ていることは、あなたの体が正常に機能している証拠でもあります。体調や生理周期に合わせて、量、色、においが変化するのは自然なことなので、まずは自分の「いつもの状態」を知っておくことが、健康管理にも役立ちます。
生理前のおりものはいつから変わる?
生理前のおりものの変化は、排卵が終わったあとの黄体期から始まります。一般的には生理予定日の3〜5日前ごろから変化が現れやすく、白く濁ったネバネバとしたおりものになるのが特徴です。生理周期に伴うおりものの変化を順を追って確認しましょう。
生理周期によるおりものの変化
おりものは生理周期に合わせて、約1か月かけて量や質感・色が変化します。自分の周期のなかでどの時期にどんなおりものが出るかを知っておくと、体調の変化に早く気づけるようになりますよ。
| 時期 | おりものの特徴 |
|---|---|
| 生理直後〜卵胞期 | 量が最も少なく、サラっとしている。色は透明〜白っぽい |
| 排卵期 | 量が増え、透明でよく伸びる「生卵の白身」のような質感 |
| 黄体期(排卵後〜生理前) | 白く濁ってネバネバし、量が少しずつ落ち着いてくる |
| 生理直前 | 再び量が増え始め、白濁・ドロッとする。少し酸っぱいにおいがしやすい |
おりものの変化は、生理周期に伴う正常な体の働きによるものです。普段のおりものは無色透明〜白濁色ですが、生理直後は残った経血が混ざって茶色っぽく見えることがあります。
また、生理直前にもごく少量の経血が混ざり始めることで、ピンク色や茶色っぽく見えることがあります。いつもの状態と大きく異なる変化が続く場合は、婦人科への相談を検討しましょう。
生理直前のおりものが変わるメカニズム
生理前におりものが変化するのは、排卵後に分泌されるプロゲステロン(黄体ホルモン)の影響です。プロゲステロンは子宮内膜を整えて妊娠を維持しやすい環境をつくるために分泌され、これによっておりものも粘り気が強い白濁した状態に変化します。
妊娠が成立しない場合、生理予定日の3〜5日前ごろからプロゲステロンの分泌が急激に下がります。このホルモンの低下に伴っておりものの量や質感が変わり、生理が始まる直前には量が増えたり、少量の経血が混じってピンクや茶色がかることがあります。
生理前のおりものの色・状態別の見分け方
「白い」「黄色っぽい」「水っぽい」「茶色い」など、生理前のおりものの状態は人によって、またその日によって異なります。色や性状だけでなく、かゆみや悪臭、期間なども合わせて確認することが、正常と異常を見分けるポイントです。
白い・乳白色(黄体期の正常な変化)
生理前に白っぽく濁ったおりものが出るのは、黄体期のホルモン変化によるもので、正常なサインです。排卵後に分泌が増えるプロゲステロンの影響で、透明から白〜乳白色に変化します。ネバネバとした質感になりやすく、下着につくと乾いて少し黄色みがかって見えることもありますが、かゆみや悪臭がなければ心配ありません。
ただし、白くても「カッテージチーズのようにポロポロしている」「強いかゆみを伴う」という場合は、カンジダ腟炎などの感染症の可能性もあります。気になる症状が続く場合は産婦人科を受診してみてくださいね。
透明でよく伸びる(排卵期の特徴)
透明でよく伸びる「生卵の白身」のようなおりものは、排卵前後に現れる正常なサインです。
「生理前なのに伸びる透明なおりものが出た」と感じる場合、それは排卵期の変化が重なっている可能性があります。このおりものは精子が子宮内へスムーズに到達するのを助ける役割があり、排卵が終わると徐々に白濁してネバネバした質感に変わっていきます。
においは基本的に強くなく、かゆみも伴いません。透明で伸びるおりものが長期間続く場合や、悪臭・かゆみを伴う場合は、感染症の可能性もあるため産婦人科に相談しましょう。
茶色・ピンク色
生理の2〜3日前ごろから、ピンク色や茶色のおりものが出ることがあります。これは子宮内膜の一部が剥がれ、少量の経血がおりものに混じることで起こるもので、生理が始まるサインの1つです。
同様に、排卵期に少量の出血が混じる「排卵出血」や、妊娠の兆候である「着床出血」も、ピンク〜茶色っぽいおりものとして現れることがあります。これらは通常1〜3日程度で自然に落ち着きます。
ただし、次のような場合は注意が必要です。
- ・茶色いおりものが3日以上続く
- ・生理予定日を過ぎても本格的な生理が始まらない
- ・量が多く、強いにおいや下腹部痛を伴う
こうした症状が続く場合は、ホルモンバランスの乱れや子宮の病気(ポリープ・がんなど)の可能性も考えられるため、婦人科への受診をおすすめします。
黄色っぽい
生理前のおりものが下着についたあと、乾燥して黄色くなるのは、おりものが酸化したもので正常範囲です。生理前は乳酸菌の働きでおりものが酸性になりやすく、空気に触れることで色が変わりやすくなります。
一方、下着についたときからすでに鮮やかな黄色や黄緑色をしていて、強い臭いやかゆみを伴う場合は、細菌性腟症や性感染症(トリコモナス腟炎など)の可能性があります。
水っぽい・サラサラ
生理前に水っぽいおりものが増えても、多くはホルモン変化による一時的なものです。ただし、以下のような場合は感染症のサインである可能性もあります。
- ・においが強く、生臭い
- ・出てきたとき(下着につく前)からすでに黄色っぽい
- ・量が多い状態が長期間続く
クラミジア感染症は自覚症状が少ないため、気になる状態が続くようであれば産婦人科で相談してみましょう。
生理前と妊娠初期のおりものの違い
生理前と妊娠初期のおりものは、どちらもホルモンの影響で変化するため、よく似ている部分があります。ただし、妊娠が成立すると生理前とは異なり女性ホルモンの分泌が保たれるため、おりものの量が多い状態が続きやすくなります。
妊娠初期のおりものの特徴
妊娠すると女性ホルモンの分泌が保たれるため、生理前とは異なり、おりものが多い状態が続きやすくなります。見た目は生理前のおりものと似ていますが、いくつか特徴があります。
妊娠初期のおりものは、乳白色〜クリーム色で、水っぽいものから少しとろみのあるものまでさまざまです。量が増えることが多く、生理予定日を過ぎても「いつもと違う状態」が続くことが1つの目安です。
ただし、おりものだけで妊娠を判断することはできません。生理予定日を過ぎても生理が来ない、体が熱っぽい、胸の張りや眠気、腰痛や軽い下腹部痛などの症状がある場合は、妊娠検査薬を使用し、必要に応じて産婦人科を受診しましょう。
生理前と妊娠初期の見分け方
おりものだけで妊娠を確定することはできませんが、以下を参考に、ほかの体の変化もあわせて確認してみてください。

ただし、おりものの状態だけで妊娠しているかどうかを判断するのは難しいため、ほかの体の変化にも目を向けるのが大切です。生理が予定どおり来ない、体が熱っぽい、胸の張りや眠気が続く、腰痛や軽い下腹部痛があるといった変化が重なる場合は、妊娠検査薬を使ったうえで、必要に応じて婦人科を受診しましょう。
病気の可能性があるおりものの特徴
おりものは体調や生理周期によって変化するのが自然ですが、なかには病気のサインが隠れているケースもあります。「色や量」の変化だけよりも、「かゆみ・悪臭・痛み」などほかの症状が伴うかどうかが、正常・異常を見分けるうえで重要な判断基準です。

白くポロポロ(カンジダ腟炎の可能性)
おりものが白く濁り、カッテージチーズや酒かすのようにポロポロとした塊状になっている場合は、「カンジダ腟炎」の可能性があります。
これは、体調不良やストレスで免疫力が落ちたときに、もともと腟内にいる菌が増殖して起こるものです。おりものの変化だけでなく、外陰部に強いかゆみや熱いような刺激を感じるのが特徴です。薬での対処が必要なため、症状がある場合は早めに受診しましょう。
グレーがかって生臭い(細菌性腟症の可能性)
おりものの量がいつもより増え、色が全体的にグレーがかって見えるときは、「細菌性腟症」が疑われます。大きな特徴としては、魚が腐ったような生臭いにおいがすることです。
寝不足や過度なストレス、あるいはデリケートゾーンの洗いすぎによって腟内の細菌バランスが崩れることで起こります。外陰部にかゆみやピリピリとした刺激を感じることもあり、放置すると炎症が広がることもあるため注意が必要です。
黄緑色・泡状(性感染症の可能性)
おりものの色が黄色や緑色に近く、鼻をつくような嫌なにおいがする場合は、「淋菌(りんきん)染症」や「トリコモナス腟炎」の恐れがあります。
これらは性感染症のひとつで、泡のようなおりものが出たり、下腹部の痛みや発熱を伴ったりすることもあります。女性は自覚症状が出にくいケースも多いのですが、パートナーと一緒に治療しないと再感染を繰り返すため、自分だけで悩まずに検査を受けることが大切です。
茶色・血が混じる(不正出血・子宮の病気の可能性)
生理の始まりや終わり以外の時期に、茶色や赤褐色のおりものが続く場合は、不正出血の可能性があります。不正出血の原因としては、子宮頸管ポリープや子宮頸がん、子宮体がんなどの病気が隠れていることもあります。
特に、性交渉のたびに出血する場合や、ピンク色・茶色のおりものを繰り返す場合は、早めに婦人科を受診して原因を確認しましょう。
デリケートゾーンのケア
おりもののにおいや汚れが気になるとき、つい「念入りに洗わなきゃ」と思いがちですが、実は「洗いすぎ」が肌トラブルやにおいを悪化させているケースが少なくありません。
デリケートゾーンの皮膚は、顔と同じくらい繊細です。体を洗うボディソープで強くゴシゴシ擦ると、刺激が強すぎてかゆみを引き起こしたり、腟を守る大切な菌まで洗い流したりしてしまいます。
その結果、本来備わっている「自浄作用(バイ菌を防ぐ力)」が弱まり、逆におりものの異常を招くこともあるのです。洗うときは、ぬるま湯や低刺激の専用ソープを使い、指の腹で優しく包み込むように洗うだけで十分です。
また、下着選びやおりものシートの使い方も見直してみましょう。通気性の良い綿素材のものを選び、シートはこまめに交換して「蒸れ」を防ぐことが清潔を保つポイントです。顔にしないことはデリケートゾーンにもしないという意識を持って、日々のケアを見直してみてくださいね。
生理前のおりもののまとめ
生理前のおりものは、排卵後の黄体期から変化が始まり、生理予定日の3〜5日前ごろに最も変化が出やすくなります。白く濁ってネバネバとした質感になるのが正常なサインで、体が生理に向けて準備を進めているリズムの現れです。
色や量・においの変化に過度に不安になる必要はありませんが、「かゆみ・悪臭・痛み」などが伴う場合や変化が長く続く場合は、感染症や子宮の病気が隠れているサインかもしれません。気になる症状があれば、一人で抱え込まず産婦人科に相談してみてくださいね。
おりものの悩みや生理のつらさを改善したい方には、低用量ピルという選択肢もあります。ピルを服用するとホルモンバランスが安定し、一般的にはおりものの量が減りやすくなります。
ただし、感染症や子宮の病気が原因の場合は、ピルを服用していても改善しないことがあります。「においや色がいつもと違う」と感じたときは早めに婦人科を受診してくださいね。
生理前のおりものに関するよくある質問
ここでは、生理前のおりものに関する質問にお答えします。ぜひ参考にしてみてください。
生理前のおりもので、何日後に生理が来るか分かる?
おりものだけで、生理が何日後に来るかを正確に予測することはできません。
ただし、白く濁って粘り気が増えたり、量が少し増えたりする変化は、生理が近づいているサインのひとつです。一般的には、このような変化がみられてから3~5日程度で生理が始まることが多いですが、個人差があるため目安として考えましょう。
生理前に水っぽいおりものが増えるのは病気なの?
生理前に水っぽいおりものが増えても、多くはホルモンバランスによる正常な変化です。かゆみや痛み、強いにおいがなければ、過度に心配する必要はありません。ただし、生臭いにおいがする、血が混じる、量が多い状態が続く場合は、早めに婦人科を受診しましょう。
生理前におりものが減ったら妊娠の可能性はないの?
生理前におりものが減っても、妊娠の可能性がないとはいえません。妊娠するとおりものが増える方が多い一方で、変化が少ない方もいます。おりものだけで妊娠の有無は判断できないため、生理の遅れや基礎体温の高温期が続く場合は、妊娠検査薬で確認しましょう。
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監修者
日本医科大学武蔵小杉病院 助教
2015年日本医科大学医学部卒業後、2年間の初期研修を経て、2017年より日本医科大学産婦人科学教室に入局。
大学病院、市中病院、クリニックなど幅広く勤務を経験。
日本女性医学会、日本生殖医学会、日本周産期・新生児学会に所属し、日々最新の知識を習得し、現在は日本医科大学武蔵小杉病院にて助教を務める。
2026年1月に医学博士取得。
2024年にメデリピルにてオンライン診療によるピル処方を開始し、2025年からmederi magazineの記事監修を担当。
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