生理は女性にとって健康状態のバロメーターでもあります。
生理の基礎知識や、生理中でも快適に過ごすためのセルフケアをご紹介。
生理がうつるのは本当?家族や友達とかぶるのはなぜ?周期の乱れを放置するリスクも解説
「生理はうつる」という話を聞いたことがある人も多いでしょう。
親しい友人と生理周期がぴったり重なったりすると、「やっぱり誰かからうつったのかな?」なんて、なんだか不思議に感じてしまいますよね。では、実際に生理が人にうつることはあるのでしょうか?
ここでは、「生理はうつる」という噂の真実から、友達や同僚と生理のタイミングが似る理由、そして生理不順を放置するリスクなどをわかりやすく解説します。気になる生理のうわさや体の不調の原因について、不安を解消できるよう、一緒に確認していきましょう。
生理はうつるのか?
「友達と生理のタイミングが同じになった」「一緒に過ごし始めたら周期が似てきた」など、生理が「うつった」ように感じる瞬間はありますよね。特に思春期の頃は、周りの友達との会話や情報から、こうした疑問を感じやすいものです。
ここでは、生理がうつることはあるのかどうかについて見ていきましょう。
性感染症ではないためうつらない
結論から言うと、生理が人から人へ「うつる」ことはありません。生理とは、女性の体の中で起こる自然な現象で、子宮内膜が剥がれ落ちることによって起こります。生理の血は、感染症のように病原体を介して他者に伝染するものではないため、他の人に接触しても、その人のホルモンバランスに影響を与えたり、体内に転移したりすることはありません。そのため、使用済みの生理用品を適切に処理し、衛生管理に十分気をつけていれば、衛生的な問題が起こる心配もありませんので、安心してくださいね。
「うつる」と生理のシンクロ現象を感じる理由
「一緒にいる友達と生理が重なった!」という経験をした方も多いでしょう。これは生理が感染したわけではなく、シンクロ(同調)現象と呼ばれています。
この現象が起こる背景には、いくつかの理由が考えられます。まず、単純な確率の問題として、生理の期間は平均5日〜7日程度あるため、月の約4分の1は生理期間にあたり、偶然重なる可能性も低くはありません。
また、同じ職場や学校に通い、食事や睡眠のサイクルが似ている女性同士は、次第に生理周期が同調しやすくなることも考えられます。さらに、「シンクロした」経験のみが印象に残りやすいため、シンクロしない場合よりも記憶に残り、実際よりも頻繁に起きていると感じることがあるでしょう。
生理周期を乱す「うつる」以外の主な原因
生理周期が不安定になるのは、ホルモンバランスの乱れによるものが多いです。ここでは、生理不順を引き起こす生活習慣について解説します。
ストレス
仕事や学業、人間関係など、強いストレスは生理周期を乱す原因のひとつです。私たちの体は、ストレスを感じると脳が自律神経やホルモンバランスを調整する機能に影響を与えるため、排卵のタイミングがずれたり、出血が長引いたりすることがあります。
これは体の防御反応ともいえるもので、心身に負担がかかっている状態では妊娠に適した状態ではないと体が判断するからです。忙しい時期こそ、意識的に趣味の時間やリラックスできる時間を作り、心と体を休ませてあげましょう。
無理なダイエット、急激な体重変化
過度な食事制限による無理なダイエットや、短期間での急激な体重の増減は、生理不順の原因となります。女性ホルモンは脂肪組織とも深い関わりがあり、体脂肪率が極端に減ったり、痩せすぎたりすると、脳が「体が飢餓状態だ」と判断します。すると、生命維持に直結しない生理の仕組みを抑制してしまうため、生理が止まったり(無月経)、周期が不安定になったりするのです。
生理が止まる状態を放置すると、女性ホルモンが不足し続け、将来的に骨がもろくなる(骨粗しょう症)リスクが高まったり、不妊の原因になったりする可能性があります。健康的な食生活と適度な運動を心がけ、無理のない体型維持を目指しましょう。
低用量ピルの服用や中止
低用量ピルは、避妊や月経困難症の治療などに用いられるホルモン剤ですが、その服用開始や中止によって生理周期が変化することがあります。ピルは人工的にホルモンバランスを調整するため、服用中は規則正しい周期になりますが、中止すると体が自然なホルモン調整に戻るまでしばらく時間がかかることがあるのです。ピル中止後に最初の生理が遅れたり、不正出血があったりすることは珍しくありません。これは体が元の状態に戻ろうとする過程で起こるもので、しばらく様子を見ることで自然と安定することがほとんどです。
ただし、長い間生理が来ない場合は、単なる周期のずれではなく、婦人科の病気など別の原因が隠れていることもあります。気になるときは、ひとりで悩まずに早めに医師に相談しましょう。
生理不順を放置するリスク
生理周期の乱れは、単に生活のリズムに影響するだけでなく、放っておくと将来の体や心の健康にも影響することがあります。ここでは、生理不順を放置するリスクについて見ていきましょう。
貧血が改善されにくくなる
生理不順や月経過多を放置すると、鉄分の喪失が増え、貧血のリスクが高まります。生理周期が乱れると、生理期間が長引いたり、出血量が多かったりする過長月経や過多月経の状態になることも。その結果、体から出ていく血液量が増え、鉄欠乏性貧血が改善されにくくなります。
貧血になると疲労感、めまい、立ちくらみ、倦怠感、集中力の低下などの症状が現れ、学業や仕事のパフォーマンスが低下してしまいます。また、一度貧血になると、鉄分の蓄積が追いつかないまま次の生理が来てしまい、症状が悪化することもあります。
ニキビや肥満の症状に悩みやすくなる
ホルモンバランスが乱れている状態を放置すると、男性ホルモンの割合が相対的に高くなり、皮脂の分泌が増えてニキビができやすくなります。
また、女性ホルモンの一種であるエストロゲンは、脂肪の代謝や分布に関わっているため、代謝が不安定になることで肥満やむくみの症状に悩みやすくなったりします。このように、肌や体型の悩みも、生理不順が原因となっている可能性があるのです。
希望のタイミングで妊活しにくくなる
生理が不規則だと、体の排卵リズムもバラバラになりやすいため、将来的に妊娠を希望する場合に問題となる可能性があります。排卵日が予測しにくいため、妊活のタイミングを合わせづらくなってしまうのです。
また、生理不順の原因によっては、排卵そのものが起こっていない「無排卵月経」の可能性もあります。将来的に妊娠を希望している方で、長期的な生理不順がある場合は、早めに婦人科を受診するようにしましょう。
骨粗しょう症になりやすくなる
女性ホルモンのエストロゲンは骨の健康を維持するうえで重要な役割を果たしています。生理不順でエストロゲンの分泌が少ない状態が続くと、骨密度の低下が進み、将来的に骨粗しょう症のリスクが高まる可能性があります。
特に10代後半から20代前半は骨量が最も増加する時期であり、この時期にホルモンバランスが乱れると、最大骨量が本来よりも低くなることがあるのです。これは、後の人生での骨折リスク増加につながります。将来の健康のためにも、若いうちから生理周期を整えることが大切です。
精神的に不安定になりやすくなる
生理不順があると、情緒不安定やイライラ、不安感などの精神症状が強く現れることがあります。これは、ホルモンバランスの乱れが脳内の神経伝達物質、特に幸福感や気分の安定に関わるセロトニンに影響するためです。
また、生理のタイミングが予測できないことで「いつ来るかわからない」という不安が強まり、ストレスも増えやすくなります。
正常な生理周期
そもそも自分の生理周期って、正常なのかな?と気になることもありますよね。自分の体のリズムを知ることは、健康を守るうえで大切なことです。ここでは、生理の周期や期間の目安を簡単にチェックできるポイントを紹介するので、一緒に確認してみましょう。
周期の乱れがあるかどうかのチェックリスト
ここでは、生理周期・生理期間・出血量など、生理の状態を知るためのポイントを表でまとめています。自分の体のリズムを知るきっかけにしてみてくださいね。
| チェック項目 | 正常な状態 | 乱れのサイン |
| 生理が来る間隔 | 25〜38日くらいで安定している | 明らかに間隔が短すぎる、または長く空いてしまう |
| 生理が来ない期間 | 毎月1回前後ある | 2〜3か月以上、生理がまったく来ない状態が続く |
| 周期のリズム | 毎月だいたい同じ間隔 | 前回と今回で周期の幅が極端に違う(例:先月と比べて大幅にずれる) |
| 生理が続く日数 | 3〜7日ほどで落ち着く | 2日以内で終わってしまう、 または1週間以上だらだら続く |
| 出血量 | 普段のナプキンで対応できる程度 | 夜用でも漏れが心配になるほど多い、またはおりもの程度で終わってしまう |
生理には個人差があるため、1回程度の乱れなら心配しすぎなくても大丈夫です。
ただし、こうしたサインが毎月のように続く場合は、ホルモンバランスの変化や体調の乱れが関係していることもあります。生理日の記録を続けつつ、気になることがあれば、早めに婦人科で相談してみましょう。
生理中にしても問題ないこと
生理の日は、普段どおりに過ごしていいのか不安になったり、「これはやっても大丈夫?」と迷うこともありますよね。ここでは、生理中にしても問題ない日常の行動についてお伝えします。
お風呂に入ること
生理中でも、湯船にゆっくり浸かって問題ありません。38〜40℃ほどのぬるめのお湯でゆっくり温まることで血流が良くなり、体のこわばりや冷えの改善、生理痛の軽減につながります。
ただし、お湯から上がった直後は経血が出やすく、入る前に軽くシャワーで経血を洗い流したり、浴室や脱衣所を汚してしまうことがあるので注意しましょう。
温泉や銭湯など公共の施設で生理中の入浴を控えるよう指定されている場合は、ルールに従いましょう。経血量が多い日は無理せず、どうしても入りたい場合はタンポンや月経カップを使うと安心です。体調に合わせて、安心してリラックスできる入浴時間を楽しんでくださいね。
公衆トイレを利用すること
生理中に公衆トイレを使うことも問題ありません。生理はうつりませんが、トリコモナスなどの一部の性感染症や、ノロウイルスのように感染力の強いウイルスは、便座やドアノブなどを介して感染する可能性がごくまれにあります。
過度に神経質になる必要はありませんが、便座に消毒液や除菌クリーナーが備え付けられているトイレなら、使用前に拭き取るとさらに安心できます。また、ナプキンやタンポンを交換した後は、手をしっかり洗うことも忘れないようにしましょう。
生理中に注意すること
生理中は体の状態がいつもと違うため、普段通りの行動が負担になる場合もあります。ここでは、生理中に避けたほうがよいことや、注意しておきたいポイントをまとめました。
激しい運動をすること
生理中の適度な運動は問題ありませんが、激しい運動には注意が必要です。特に、経血量が多い日や、生理痛がひどい日に激しい運動をすることは、貧血や体調不良を悪化させる原因にもなります。
ただし、軽い有酸素運動やストレッチは血行を促進し、生理痛の緩和にもつながります。ウォーキングやヨガ、ピラティスなど、無理のない範囲で体を動かしてみましょう。自分の体調と相談しながら運動量を調整することが大切です。
血が手や衣類に付着した場合、しっかり洗うこと
生理の出血は病原菌によるものではないため、感染症を引き起こしたり、他の人にうつるものではありませんが、放置すると細菌が繁殖する可能性があります。生理の血が手や衣類についた場合は、早めに洗剤で洗い流しましょう。
また、血液はタンパク質を含んでいるため、お湯で洗うと固まってしまい、汚れが落ちにくくなります。下着や衣類が汚れた場合は、冷たい水で予洗いした後、専用の洗剤などで優しく手洗いするのがおすすめです。
周期の乱れが気になったらピルがおすすめ
生理周期の乱れに悩んでいる場合、低用量ピルの服用を検討してみるのも、ひとつの選択肢です。
ピルは、避妊だけでなく、生理不順の改善にも効果があります。低用量ピルに含まれる女性ホルモンが体内のバランスを整え、生理周期を安定させてくれるのです。さらに、生理痛の軽減、経血量の減少、肌荒れの改善といった効果も期待できます。
ただし、ピルは必ず医師の処方が必要な薬です。副作用のリスクもあるため、まずは婦人科を受診し、自身の体質や生活スタイルに合わせてピルを選びましょう。ピルを上手に取り入れることで、生理のトラブルを改善できる可能性があります。自分の体と向き合い、無理なく周期を整える方法として検討してみてくださいね。
まとめ
生理は自然な現象であり、感染症ではないため、誰にもうつることはありません。出血が多い日も、安心して過ごしてくださいね。
一方で、生理周期が乱れている場合は、体からのSOSかもしれません。生理不順を放置すると、貧血やニキビの悪化、将来の妊活や骨粗しょう症のリスク増加など、さまざまな影響が出る可能性があります。生理周期の乱れがある場合は、生理日の記録をつけて自分の周期を把握したり、必要に応じて低用量ピルの服用を検討するなど、適切な対処法を見つけましょう。
不安なことや気になることがあれば、一人で抱え込まず、婦人科で相談してくださいね。自分の体を大切にして、焦らずゆっくりケアしていきましょう。
監修者
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