生理は女性にとって健康状態のバロメーターでもあります。
生理の基礎知識や、生理中でも快適に過ごすためのセルフケアをご紹介。
生理前に起きる吐き気の原因と対処法は?PMSと妊娠の違いについても解説
生理前に吐き気を感じるのはなぜ?実は、ホルモンバランスの変化によるPMSが原因かもしれません。この記事では「生理前 吐き気」の主な原因と対処法、妊娠初期症状との違いについて詳しく解説します。
もくじ
生理前に吐き気がする原因
生理前に「なんだか気持ちが悪い」「吐き気がする」と感じることはありませんか?この不快な症状の背景には、体の中で起きているホルモンの変化や、腸の状態の変化が関係していることがあります。ここでは、生理前に吐き気が起こる主な原因を解説します。
黄体ホルモンの分泌量が増えるため
生理前の「黄体期」には、体内で黄体ホルモンが増加します。このホルモンは妊娠を維持するために必要なものですが、消化器官の働きを鈍くしたり、自律神経に影響を与えることで吐き気を引き起こすことがあります。また、ホルモンバランスの乱れによりPMS(月経前症候群)が悪化すると、吐き気の症状が強まることもあります。
腸の壁に水分が溜まるため
黄体ホルモンの影響で、腸の壁に水分が溜まりやすくなることも吐き気の原因のひとつです。この状態になると腸の動きが鈍くなり、便秘や胃もたれ、吐き気といった不快な症状が起こりやすくなります。
妊娠している可能性があるため
生理前の吐き気は、妊娠初期のつわりによるものかもしれません。特に、吐き気が強く、生理予定日を過ぎても出血がない場合は、妊娠している可能性があります。基礎体温が高いまま下がらない場合も、妊娠のサインとなることがあります。
生理前に吐き気を引き起こすPMS(月経前症候群)とは?
PMS(月経前症候群)とは、生理が始まる約3〜10日前から現れる、心身の不調を指します。ホルモンの変動によって自律神経や神経伝達物質に影響が及び、吐き気をはじめとするさまざまな症状が現れることがあります。
PMS(月経前症候群)で見られる主な症状
PMSの症状には個人差がありますが、代表的なものとして吐き気のほかに、頭痛・めまい・眠気・イライラ・乳房の張り・腰痛・集中力の低下などがあります。これらの症状は、生理が始まると自然におさまるのが特徴です。
PMS(月経前症候群)の主な原因
PMSの原因は完全には解明されていませんが、女性ホルモンの急激な変動が関係していると考えられています。黄体ホルモンの分泌が増えることによって、脳内のセロトニン量が減少し、気分の落ち込みや吐き気などの症状が出るとされています。
生理前に吐き気がするときの5つの対処法
つらい生理前の吐き気は、日常生活にちょっとした工夫を取り入れることで和らげられることがあります。ここでは、すぐに取り入れられる5つの対処法を紹介します。
体を温める
体を温めて血行を促進すると、胃腸の動きが活発になり、吐き気が軽減されることがあります。湯船にゆっくり浸かったり、温熱パッドやカイロを使うなどして、体を冷やさないようにしましょう。
食事内容や栄養バランスに気をつける
吐き気があるときは、胃腸に負担をかけない消化の良い食べ物を選ぶことが大切です。アルコールやカフェインなどの刺激物は避けましょう。また、カルシウムやビタミンB群を含む食事はPMS症状の緩和にも役立ちます。
適度に体を動かす
ウォーキングや軽いストレッチなどの有酸素運動は、血行を促し、ホルモンバランスを整える効果が期待できます。気分転換にもなるので、無理のない範囲で体を動かしてみましょう。
市販薬や漢方を服用する
PMSの吐き気がつらいときは、市販の胃腸薬や漢方薬を活用するのもひとつの方法です。漢方では、ホルモンバランスを整えたり、体の冷えを改善する処方が使われることが多く、薬局でも手に入るものがあります。
低用量ピルを服用する
PMSの治療の1つとして、低用量ピルの服用があります。ピルは排卵を抑えることでホルモンバランスの変化を一定にし、PMS症状を軽減する効果が期待できます。婦人科で相談のうえ、処方を受けましょう。
生理前の吐き気に関する気になるQ&A
ここでは、生理前の吐き気に関してよくある疑問をQ&A形式で解説します。
PMS(月経前症候群)と妊娠の吐き気の違いは?
PMSと妊娠初期の吐き気は似ているため、見分けるのが難しいこともあります。違いを判断するためには、基礎体温をつけたり、市販の妊娠検査薬を使うことがおすすめです。生理予定日を過ぎても生理が来ず、基礎体温が高いまま続く場合は妊娠の可能性があります。
生理前にいつもより気持ち悪いのはなぜ?
毎月のホルモンバランスの変動や、ストレス、生活習慣の乱れなどが重なると、PMSの症状が強く出ることがあります。特にホルモンの変化が大きい黄体期には、気分の落ち込みや吐き気が悪化しやすくなります
生理前の吐き気はいつから?
吐き気などのPMS症状は、生理が始まる3〜10日前から現れることが一般的です。症状の出始めの時期や強さには個人差がありますが、生理が始まると自然におさまるケースが多いです。
生理前に吐き気があるときは何を食べたらいい?
吐き気があるときは、温かくて消化のよい食事を選びましょう。ビタミンB6やカルシウム、大豆イソフラボンを含む食材は、ホルモンバランスを整える効果があるとされています。たとえば、バナナ、豆腐、味噌汁、白湯などがおすすめです。
生理前の吐き気がひどいときは何科を受診したらいい?
吐き気が強く日常生活に支障がある場合は、婦人科または産婦人科を受診しましょう。近くにクリニックがない場合でも、オンライン診療サービスを利用して相談することが可能です。放置せず、早めの対応が大切です。
つらい生理前の吐き気は、原因と対処法を知って乗り越えよう
生理前に吐き気が起こるのは、多くの場合ホルモンバランスの変動によるものです。PMSの一環として現れることが多く、日常の工夫や適切な対処で症状の軽減が期待できます。もし日常生活に支障をきたすほどつらい場合は、無理をせず医師への相談や治療も視野に入れましょう。
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