生理は女性にとって健康状態のバロメーターでもあります。
生理の基礎知識や、生理中でも快適に過ごすためのセルフケアをご紹介。
ピル服用中に予定より早く生理がきた!どうすればいい?原因や注意点をチェック!
ピル服用中に予定より早く生理がきた!どうすればいい?原因や注意点をチェック!
低用量ピルの服用中に、予定より早く生理が来ると不安になるものです。そもそもピルの服用中に、生理が来るかどうかわからない人もいるでしょう。この記事ではピル服用中に発生する「消退出血」と、それ以外の期間に生じる「不正出血」について説明します。ピルの仕組みを理解して、安心して服用を継続しましょう。
もくじ
ピル服用中の生理(出血)の原因は大きく2つ
低用量ピルの服用中はホルモンバランスが調整されるため、毎月安定したタイミングで生理がきます。しかし初めて低用量ピルを服用した月は予定よりもやや生理が早く来ることもあります。
これは厳密には、生理とは別の理由で起こった出血です。
出血は大きく2つの原因に分けられます。ピルの休薬期間中に起こる「消退出血」と、それ以外の期間に起こる「不正出血」です。
消退出血│ピル服用中の生理(出血)の原因①
低用量ピルは、女性ホルモンのエストロゲンやプロゲステロンを摂取することで排卵を抑制する薬です。
ピルを服用していない場合、排卵に向けて子宮内膜は厚くなり妊娠しやすい体を作ります。しかしピル服用中は排卵が行われないため、着床する必要のない子宮内膜は薄い状態が保たれます。
低用量ピルには休薬期間が設けられており、休薬期間に薄い子宮内膜が剥がれることで微量の出血が起こります。この出血を「消退出血」といいます。
消退出血は、ピルの服用中であれば基本的に起こる現象ですから心配はいりません。また出血が起こっても排卵は抑制されており、妊娠の可能性はほとんどありません。
消退出血はいつ起こる?
消退出血は、低用量ピルの休薬期間に起こります。
休薬期間とは、低用量ピルの服用サイクルの中でピルを服用しない、もしくはプラセボ(偽薬)を服用し有効成分を摂取しない期間のことをいいます。
個人差はありますが、休薬期間が始まってから約2〜3日で消退出血は起こります。
またプラセボを含んだ28錠タイプの低用量ピルを服用している場合は、21錠の有効成分を含むピルを摂取した後、22日目から28日目の期間はプラセボを服用します。
プラセボを2〜3錠服用したタイミングで、消退出血が起こります。
消退出血が続く日数は、通常の生理と同じくらいの5日間ほどが一般的です。もちろん個人差はありますが、出血量が少ないためそれより短い期間で終了することもあります。
予定より早く生理(消退出血)がきたら?
正しくピルを服用していても、予定より早く生理が来ることもあります。
休薬期間であれば個人差の範囲にとどまることもありますが、休薬期間以外に出血が起こった場合は、不正出血の可能性があります。
不正出血の理由に心当たりがなければ、産婦人科医に相談することをおすすめします。特に、痛みや体調不調をともなう場合は早めに受診しましょう。
不正出血│ピル服用中の生理(出血)の原因②
低用量ピルの服用中で、かつ休薬期間よりも早く生理が来た場合は「不正出血」の可能性があります。
不正出血にはさまざまな原因があり、出血が起こっただけではその原因を特定できません。
ここでは、ピル服用中の不正出血の原因として考えられるものを3つ紹介します。
ピルの副作用
ピルの副作用のひとつとして、不正出血が現れることがあります。
副作用による不正出血は、ピルを初めて服用する女性の約20%にみられることが報告されています。
ピルに含まれる黄体ホルモンを内服することによる、ホルモンバランスの一時的な変化が原因とされています。
その後はピルの服用を継続することでホルモンバランスが安定し、不正出血は次第にみられなくなります。
そのためピルの服用を始めたばかりに起こる不正出血が一時的で軽度であれば、あまり気にする必要はありません。
しかし不正出血が2週間以上続いたり、痛みなどの症状を伴ったりする場合は、医師に相談しましょう。
妊娠
妊娠の初期症状として、不正出血が起こることがあります。
「ピルの服用中に妊娠することってあるの?」と驚く人もいるでしょう。低用量ピルの避妊効果は99.7%と非常に高いため、正しい服用をしている場合は妊娠の可能性はほとんどありません。
しかし飲み忘れや他の薬との飲み合わせによっては、ピルの避妊効果が落ちることがわかっています。
したがってピルの服用中であっても、妊娠の可能性が完全にゼロではなく、妊娠のサインとしての不正出血も起こりえます。
何らかの病気
ピルの服用中に不正出血が起きた場合、何らかの病気が関与していることも考えられます。痛みや出血量が多いなどの症状が伴うなら、なるべく早めに医師に相談しましょう。
・子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症
これらの病気は、子宮内の組織や筋肉に異常が生じることで不正出血を引き起こす可能性があります。
・子宮頸がんと子宮体がん
子宮頸がんは子宮の入り口に、子宮体がんは子宮の中にできるがんで、不正出血も症状のひとつです。早期の発見と治療が望まれます。またピルの服用が病気を進行させてしまう可能性もあり、服用を中止する必要があります。
このほかにも、性感染症や性行為でできた傷が原因であることも考えられます。
生理(出血)中のピルの飲み方
予定よりも早く生理がきてしまった場合「ピルを飲んでもいいの?」という疑問を持つ人も多いでしょう。ここでは、生理が来た後のピルの服用方法について解説します。
ピルの飲み始めの場合
原則、ピルの服用スタートは生理初日からです。毎日服用を継続して、避妊効果を継続させます。ただし生理不順や産後などで生理がなかなかこない場合は、生理を待たずに服用をスタートすることもあります。この場合は、7日間は避妊効果を得ることができません。
また初めてピルを飲む人は、副作用として不正出血を起こすこともあります。痛みなどの症状がない場合は、そのまま服用を続けます。
休薬期間中の飲み方
ピルの服用中は、休薬期間に生理が訪れます。これは偽薬を飲む場合と、ピルを服用しない場合の2パターンに分かれます。
1シート21錠のピルは21日間毎日飲み続け、7日間の休薬期間をもうけます。
1シート28錠のピルは21日間毎日実薬を飲み、その後の7日の間はプラセボと呼ばれる、飲み忘れを防止するための偽薬を服用します。
また、超低用量ピルのヤーズとドロエチは4日間のプラセボ錠(偽薬)が含まれています。
どちらの方法でも避妊効果は変わらず、生理中に偽薬を飲み忘れても避妊効果が落ちることもありません。
28日目からは新しいシートのピルの服用を開始します。
不正出血が起こった場合
ピルを正しく服用していて、副作用の心当たりがない不正出血が起こった場合は医師に相談することをおすすめします。病気などの原因が潜んでいる可能性もありますので、早めの対処が必要です。
ピルを飲んでいるときの生理(出血)中の注意点
ピルの服用中であっても消退出血が起こるため、出血が起こったからといって慌てる必要はありません。
ただし、いくつか注意することもあります。
飲み忘れに注意
生理は休薬(偽薬)期間中に起こりますが、休薬期間明けの飲み忘れに注意しましょう。飲み忘れに気づいたら、できるだけ早く飲み忘れた分のピルを服用してください。飲み忘れた日のピルと、通常の予定通りのピルを同時に服用します。
その後、通常のピル服用スケジュールに戻ります。また 飲み忘れると避妊効果が低下する可能性があるため、ピルを7日間連続で服用するまでは避妊具を使用することをおすすめします。
消退出血がない
休薬期間中の消退出血がない場合は、妊娠している可能性もあります。
消退出血では、経血が少量出血します。この量には個人差があります。
ただし妊娠している場合は出血が起こらないため、毎月一定量の消退出血があったにもかかわらず急に見られなくなった場合は、妊娠検査薬を使用するか、産婦人科医の診療を受けて確認しましょう。
痛みを伴う場合
不正出血と合わせて痛みなどの症状が起こった際は、早めに医師の診療を受けましょう。子宮頸がんや子宮体がんの初期症状として不正出血が起こることもあり、早めの治療が必要です。また子宮頸がんは症状が出た際は進行していることも考えられるため、2年に1回の子宮頸がん検診をおすすめします。
予定より早く生理がきた時は、心配なら産婦人科医の診療を
正しくピルを服用していても、予定より早く生理が来ることがあります。個人差の範囲の場合もありますが、不正出血の可能性もあります。判断がつかなくて心配な場合は、産婦人科医に相談することをおすすめします。
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