生理は女性にとって健康状態のバロメーターでもあります。
生理の基礎知識や、生理中でも快適に過ごすためのセルフケアをご紹介。
生理痛がひどい場合は病院に行くべき?受診する目安や診察内容を解説!
毎月の生理痛がひどく、普段の生活に支障が出ている場合は、早めに受診するべきサインです。
「学校や仕事を休んでしまう」「市販薬が効かない」というほどの痛みは、子宮内膜症や子宮筋腫といった婦人科疾患が隠れている可能性があります。
病院へ行く目安や受診の流れ、検査内容や事前に準備しておくべきポイントを紹介しますので、「この程度で行ってもいいのかな…」と迷っている方も、ぜひ参考にしてみてくださいね。
治療によって痛みを軽減し、毎月のつらさを和らげられる場合もありますので、ひどい生理痛を我慢しすぎず、医師に相談してみましょう。
もくじ
生理痛がひどい場合に病院を受診する目安は?
毎月やってくるつらい生理痛…学校や仕事など普段の生活に支障をきたすほどの痛みを抱えて苦しんでいる女性は少なくないですよね。我慢しないと動けないほどの痛みや、市販の痛み止めが効かないほどの痛みがある場合は、医療機関を受診したほうがよいサインです。
ひどい生理痛に不安を抱えている方は、受診の目安を確認して、自身の状態と照らし合わせてみてくださいね。
病院へ行くレベルのひどい生理痛の症状とは
どれくらいの痛みで病院に行くべきなのか分からず、不安に感じている方も多いと思います。ここでは、日常生活への影響を基準に、受診の目安を紹介します。
| レベル | 痛みの状態 | 日常生活への影響 | 受診の目安 |
| 低度 | 下腹部の鈍い痛み | 通常通り過ごせる
(痛み止め不要) |
基本は様子見 |
| 中程度 | 強い痛みがあり横になりたい | 学校・仕事に支障あり
(痛み止め使用) |
治療によって改善する可能性があるため、受診を検討したほうが良い |
| 高度 | 立っていられない
動けない |
学校・仕事を休むレベル | 早めの受診が必要 |
「高度」に当てはまる場合は、日常生活に支障が出ている状態ですので、早めに婦人科を受診してください。「中程度」の痛みでも、治療によって症状が楽になり、毎月をより快適に過ごせる可能性があります。気になる場合は、早めの受診を検討してみましょう。
また、たとえ痛みが軽くても、以下の症状が一つでも当てはまる場合は、痛みのレベルに関わらず受診をおすすめします。
・痛みの変化:生理のたびに痛みが強くなってきた、年々出血量が増えてきた
・痛み止めが効かない:市販の鎮痛薬を飲んでも改善しない
・ほかの不調をともなう:吐き気、下痢、不正出血(生理以外の出血)、貧血症状
・生活への影響:通勤、通学や家事ができないほど痛い、寝込んでしまう
こうした症状は、子宮内膜症や子宮筋腫など、婦人科疾患が隠れている可能性があります。無理に我慢せず、早めに受診しましょう。
生理痛で受診するなら「生理中」と「生理後」どっちが良い?
症状がひどい場合、生理中でも遠慮せず受診して問題ありません。痛み止めが欲しいときや、出血がなかなか落ち着かないときも、我慢せずに相談しましょう。痛みに加えてふらつき、めまいがある場合は貧血の可能性もあるので、早めに受診するのが安心です。
一方で、子宮頸がん検査など一部の検査は、生理中だと正確に行えない場合があります。検査を希望する場合は、生理が終わってから受診するのがおすすめです。不安な場合は、事前に病院に電話で「生理中でも受診可能か」を確認しておくと、安心して受診できるでしょう。
生理痛がひどくなる原因
生理痛がひどくなる原因はいくつかありますが、主な原因はプロスタグランジンというホルモンの過剰分泌です。これは、経血を体外に押し出すために子宮が強く収縮しすぎたり、血管を収縮させて血行を悪くしたりすることで、下腹部や腰に陣痛のような痛みをもたらします。
また、生理痛には以下のようなさまざまな要因が関わっています。
・子宮の出口が狭い:経血が流れにくくなり、子宮の収縮が強まって痛みやすくなる
・冷えや血行不良:体が冷えると血流が悪くなり、痛みが強くなる
・精神的・身体的ストレス:ホルモンや自律神経のバランスが乱れ、痛みが増す
・器質性月経困難症:子宮筋腫や子宮内膜症などの病気が原因で痛みが起こることも
生理痛の原因を知ることで、少しでも自分に合ったケアの方法を考えやすくなります。無理に我慢せず、必要に応じて受診も検討してみましょう。
生理痛がひどい原因は月経困難症かも?
毎月のつらい生理痛が、日常生活に支障をきたすほどひどい場合、それは月経困難症かもしれません。月経困難症には、病気が原因のタイプと、病気ではないタイプの2種類があります。自身の痛みがどちらに該当するのかを知るために、まずはそれぞれの特徴を見ていきましょう。
機能性月経困難症
機能性月経困難症は、原因となる病気が子宮や卵巣に見つからないにもかかわらず、強い生理痛などのつらい症状が起こるタイプです。これは、子宮を収縮させるプロスタグランジンという物質が過剰に分泌されたり、子宮の出口(子宮口)が狭く経血がスムーズに排出されないことが主な原因です。また、ストレスや冷えも痛みを悪化させる要因となります。治療は、プロスタグランジンの産生を抑える低用量ピルや漢方薬が中心となります。
器質性月経困難症
器質性月経困難症は、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症などの病気が原因で引き起こされるタイプの生理痛です。これらの病気は、放置してしまうと鎮痛剤が効かないほどの激しい痛みや、出血による貧血などの症状を引き起こします。重症化すると、不妊の原因になったりする可能性があるため、早めに病院を受診し適切な治療を受けることが重要です。
月経困難症の主な治療法とは?
月経困難症のタイプによって、病院に行った際の治療法も異なります。ここでは2つの月経困難症の治療法をそれぞれ確認していきましょう。
機能性月経困難症の治療法
治療方法としては、子宮内膜を薄くすることでプロスタグランジンの産生を抑制し、痛みを軽減する低用量ピルや、症状を和らげる漢方薬を服用することが挙げられます。機能性月経困難症は、原因となる病気はないにも関わらず、機能性月経困難症の方は生理中につらい症状が出るタイプです。主な原因として考えられるのは、プロスタグランジンの過剰分泌です。これにより激しい痛みを伴う生理痛が引き起こされるといわれており、鎮痛剤が効く場合は、まずは市販の鎮痛剤を服用して痛みに対処することもできます。
また、ストレスも生理痛の大きな原因とされているので、適度なエクササイズや入浴でリラックスすることも対処法としておすすめできます。
器質性月経困難症の治療法
器質性月経困難症の場合は、痛みの原因となっている病気を特定し、その病気に合わせた治療を行います。器質性月経困難症で考えられる病気には、子宮内膜症、卵巣嚢腫、子宮筋腫、子宮腺筋症、頸管狭窄など先天性のものや、クラミジア感染症による癒着などが挙げられます。治療方法としては、低用量ピルの服薬やホルモン療法、場合によっては手術が考えられます。
一方で、子宮内膜症や子宮腺筋症などが軽症の場合は、投薬治療を行い、症状の進行に合わせて治療を行います。しかし、重症であったり病巣部がはっきりわかっている場合は、手術で取り除くこともあります。これらの病気を放置しておくと、将来不妊の原因になることもあります。
ひどい生理痛で病院に行くときの受診内容は?
「病院に行くのはちょっと怖い」「内診はしたくないな…」と不安な方もいるでしょう。ですが、ひどい生理痛を放置すると、痛みや日常生活の不便が続いたり、病気が進行してしまう可能性があります。
ここでは、病院での受診内容や検査の流れ、かかる費用の目安など、事前に知っておくと安心な情報をまとめたので、一緒に見ていきましょう。
生理痛で受診する場合は何科?
生理痛に関する悩みを病院で相談する場合は、産婦人科(婦人科のみ含む)を受診するようにしましょう。産婦人科では生理痛以外にも、妊娠や更年期症状、子宮関連のがんなど、女性の体に関する様々な悩みを取り扱っています。産婦人科で相談することによって、辛い生理痛の裏に隠れている原因がわかる可能性があります。
生理痛で病院を受診する際の主な検査・診察内容
ひどい生理痛で病院を受診すると、まずは症状や痛みの程度を把握するために問診が行われます。その後、必要に応じて身体の状態を確認するための内診や各種検査が実施されます。初めての受診だと不安に感じる方もいるかもしれませんが、可能な範囲で負担の少ない検査に調整してもらえる場合もあるので、医師に相談してみるのも良いでしょう。
・問診
痛みの場所や強さ、出血量、生活への影響を確認
・血液検査
採血で貧血やホルモンバランス、腫瘍マーカーをチェック
肝臓や腎臓の状態も確認することがある
・内診(膣内の診察)
診察器具や指で子宮や膣内を確認(おりものや組織の一部を採取する場合もある)
性交渉経験がない場合は行わず、経腹・経直腸超音波で確認
・超音波検査(経腹・経直腸・経腟)
子宮や卵巣の状態をチェック
経腹はお腹の上から、経直腸は肛門から器具を入れて行う
・その他の検査(必要に応じて)
尿検査で妊娠や感染症をチェック
MRI・CTで子宮や卵巣の異常を詳しく調べることもある
このように、生理痛の診察は段階的に進められます。疑問や不安は医師に相談しながら、あなたにとって最適な治療を見つけましょう。
生理痛がひどい場合に病院でかかる費用の目安
生理痛がひどい場合、月経困難症や子宮内膜症といった病気の可能性もあるため、診察や検査は健康保険が適用(3割負担)されます。そのため、費用は比較的安価に抑えられるでしょう。
初めて受診する場合の目安
| 項目 | 費用の目安(3割負担) | 内容 |
| 初診料 | 約850〜1,000円 | 診察の基本料金 |
| 超音波検査 | 約1,500〜1,600円 | 子宮・卵巣の状態確認 |
| 血液検査 | 約1,000〜2,000円前後 | 貧血やホルモン、腫瘍マーカーの確認 |
| その他検査 | 追加費用あり | 必要に応じて性感染症検査、MRI・CTなど |
薬代の目安
| 薬 | 費用の目安(3割負担) | 補足 |
| 保険適用の低用量ピル(LEP) | 約2,500〜2,700円/1シート | 処方箋料は別途必要 |
| 漢方薬 | 約1,500〜2,500円 | 症状に応じて処方 |
このように、初診・検査・薬代を含めても、初めての受診で3,000〜5,000円程度が目安です。保険が適用されるので、費用を心配して我慢せずに、まずは受診してみましょう。
なお、上記はあくまで一般的な目安です。実際にかかる費用は、病院によって異なることがありますので、事前に電話で確認したり、病院のWebサイトに記載がある場合はチェックしておくと安心です。
生理痛で病院を受診する際のポイント
生理痛がひどい場合には、基本的に産婦人科を受診します。しかし、産婦人科に行ったことがあまりないという方は不安になりますよね。ここでは、生理痛で病院を受診する際に知っておくと安心なポイントや服装について見ていきましょう。
受診をスムーズにするための事前準備
診察をスムーズに進めるために、症状や体の状態を整理したメモを用意しておきましょう。健康保険証を忘れると保険適用がされず全額自己負担になってしまうため、忘れずに持参してくださいね。
【事前に準備、持参しておくと安心な内容】
・症状の詳細:痛みがいつから始まったか、どんな痛みか、不正出血やおりものの状態など
・生理周期:直近の生理開始日(最終の生理日)やおおよその周期、出血量、血の塊の有無
・過去の病歴:婦人科系の病気にかかったことがあるか、現在服用中の薬やサプリメントの有無
・基礎体温の記録(あれば持参)
【当日持参する持ち物】
・健康保険証
・お薬手帳(お持ちの方)
・他院からの紹介状や各種検査結果(お持ちの方)
・生理用ナプキン(内診や検査後にわずかに出血する可能性があるため、念のためあると安心)
このように、事前に準備しておくと、当日緊張していても必要な情報を漏れなく医師に伝えられ、適切な診断に繋がります。
受診当日の服装のポイント
「婦人科には何を着ていくのがいいのだろう?」と悩まれる方もいるかもしれませんが、基本的に普段通りの服装で構いません。ただし、診察や検査がスムーズに進むよう、脱ぎ着しやすい服を選ぶのがおすすめです。
・トップス:採血や注射などで腕を出すことがあるため、袖をまくりやすいものが便利
・スカートの場合:内診台に座るときは腰までたくし上げる必要あり
・ズボンの場合:ズボンと下着を脱いで内診を行う
・靴下や膝下のストッキング:そのままで問題なし
ボトムスはスカートでもパンツでも問題ありませんが、内診の際はショーツとストッキングを脱ぐ必要があるため、脱ぎ着しやすくシワになりにくいものが安心です。
また、内診はカーテンで仕切られることが多く、医師と顔を合わせることはほとんどありません。診察でも、いきなり指や器具を挿入することはなく、必ず事前に説明があります。痛みや不安があれば遠慮せず医師やスタッフに伝えましょう。
生理痛がひどいときの対処法
生理痛がひどく、市販の痛み止めを飲んでも痛みがおさまらない場合は、ただの生理痛ではなく子宮や卵巣に異常が起きている可能性もあるため、医師に相談してみましょう。
また、痛みの根本にアプローチできる方法として、低用量ピルの服用も選択肢のひとつです。ピルは2種類の女性ホルモンが含まれた薬で、毎日服用することでホルモンバランスが安定します。子宮内膜が分厚くなるのを防ぐ作用もあるため、生理の際の経血量も減少し、痛みの原因物質であるプロスタグランジンの分泌量も抑えることができます。
ただし、年齢・BMI・既往歴などによっては、ピルの服用について慎重に検討しなければいけない場合もあるため、まずは婦人科・産婦人科を受診し、ピル服用希望の旨を相談してみましょう。
ひどい生理痛は放置せずに医師へ相談しよう
今回は、生理痛で病院に行くタイミングや受診内容、治療方法についてお話しました。毎月やってくるつらい生理痛を「いつものこと」と我慢しても、残念ながら症状はなかなか良くなりません。むしろ、放っておくと病気が進行してしまうこともあります。
つらい気持ちをひとりで抱え込まずに、まずは勇気を出して病院で医師に相談してみましょう。初めての婦人科が不安な方は、信頼できる人に付き添ってもらうのも安心です。あなたの日々の生活が少しでも快適に過ごせるように、私たちと一緒に一歩を踏み出しましょう。
ピルをはじめるならメデリピル

産婦人科医が100%診療
専門的な知識を持った現役産婦人科医が診療を担当をするので、生理やカラダに関する不安や疑問を安心して相談することができます。
再診料がずっと無料だから何度でも医師に相談できる
ピル飲み始めの不安や疑問、副作用などについて気軽に相談できます。
副作用について心配な方は副作用緩和薬も同時に処方可能です。希望する場合は診療時に医師へお伝えください。
低用量ピルなら初月ピル代無料
低用量ピルの定期便プランなら5種類のピルが初月無料※対象!
まずは試してみたい方にもおすすめです。
※低用量ピルは、3シート目お受け取りまで解約は不可となります(種類変更はいつでも可能です)
月経移動ピル・アフターピルなら送料無料
生理日を移動する際の中用量ピルや、アフターピルは送料無料!
また、低用量ピルと同時処方で診療代も無料になります。
最短当日発送だから、お薬をすぐに服用したい方も利用しやすい◎
東京23区内にお住まいであれば「当日お届けプラン」※もお選びいただけます。
希望する方は診療時に医師へお伝えください。
※別途送料3,850円(税込)、診療時間によって、当日中にお届けが出来ない場合もあります
※お住まいの地域によってはお届けまでに数日かかる場合があります
予約から診療までオンラインで完結
公式LINEから24時間いつでも診療予約OK!スマホから診療・処方後は自宅までピルをお届けするため、忙しい方にもおすすめです。
※メデリピルは医療機関とユーザーを繋ぐプラットフォームです
※診療やピルの処方等は保険適用外・自由診療であり、医療機関に所属する医師が行います
※医師の診療は必須となり、薬が処方された場合に発送いたします
監修者
カテゴリ一覧
漫画
こんな経験”あるある!”と思わず頷いてしまう?mederiユーザーからの体験談に基づいた、mederiオリジナル漫画シリーズです。生理やピル・女性の健康に関して、楽しく学んでみましょう!
予約に進む
