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生理痛と一緒に起こる吐き気の原因は?対処法を紹介

生理
更新日:2026.07.03
生理痛と一緒に起こる吐き気の原因は?対処法を紹介

生理が始まると、生理痛だけでなく吐き気や胃のむかつきに悩まされる方もいるでしょう。
生理中の吐き気は、子宮を収縮させるプロスタグランジンやホルモンバランスの変化、自律神経の乱れなどが原因で起こることがあります。

また、症状が強い場合は子宮内膜症や子宮筋腫などの婦人科系疾患が関係しているケースも少なくありません。

この記事では、生理痛と一緒に吐き気が起こる原因や考えられる病気、症状を和らげる方法について詳しく解説します。ぜひ参考にしてみてください。

生理中の吐き気は生理痛とともに現れることがある

生理中の吐き気は、胃のむかつきや吐きそうな感覚として現れます。人によっては実際に嘔吐してしまうこともあります。

また、 吐き気だけでなく、生理痛(下腹部痛・腰痛)、頭痛、下痢、めまい、眠気などの症状と同時に起こることも少なくありません 。症状の強さや現れ方には個人差がありますが、生理1〜2日目の経血量が多い時期に強くなる傾向があります。

生理痛と吐き気が同時に起こる4つの原因

生理中に吐き気が起こる背景には、主に以下に挙げる4つの要因が関係しています。

1.プロスタグランジンによる胃腸の収縮

不要になった子宮内膜を経血として体外へ排出させる際、体内で「プロスタグランジン」という物質が分泌されます。この物質が過剰に作られると子宮の収縮が強くなり、激しい生理痛を引き起こします。
さらに プロスタグランジンには、子宮だけでなく胃や腸の平滑筋まで収縮させる作用があるため、胃のむかつきや差し迫った吐き気、下痢を誘発する大きな原因となります

2.ホルモンバランスの変動にともなう自律神経の乱れ

生理周期に伴い、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量は急激に変動します。この急激なホルモンの変化は、心拍や消化機能をコントロールしている自律神経のバランスを乱す引き金となります。 自律神経が乱れて胃腸の働きが低下することにより、吐き気や食欲不振、胃の不快感が生じやすくなります

3.貧血

生理中は経血の排出により、一時的に鉄欠乏性貧血を起こしやすくなります 。特に経血量が異常に多い方(過多月経)はリスクが高く、血液中のヘモグロビンが減少して全身や脳へ十分な酸素が行き届かなくなります。その結果、脳や胃腸の機能が低下し、吐き気やめまい、強い立ちくらみを感じることがあります。

4.ストレスや身体的疲労の蓄積

精神的なストレスや体力の消耗は、自律神経の乱れをさらに悪化させ、胃腸の不調を招く直接的な要因となります 。特に生理期間中は、腹痛や頭痛などのつらい身体症状そのものが大きなストレスとなるため、体が緊張状態に陥り、胃粘膜の減少や不快感、吐き気を引き起こしやすくなります。

生理痛や吐き気がひどい場合に考えられる婦人科系の病気

生理中の吐き気が毎回強く現れる場合や、痛みが日常生活に支障をきたす場合は、婦人科系の病気が隠れている可能性もあります。

子宮内膜症

子宮内膜に似た組織が、子宮以外の場所(卵巣や腹膜など)で増殖・剥離を繰り返す病気です 。激しい下腹部痛や腰痛、性交痛、排便痛が主な症状ですが、周囲の組織と癒着を起こしたり、プロスタグランジンが大量に産生されたりすることで、強い吐き気を伴うケースが多くみられます。10〜20代の若い世代でも増加傾向にあるため注意が必要です。

子宮筋腫

子宮の筋肉にできる良性の腫瘍です。主な症状は過多月経や強い生理痛、それに伴う重度の貧血ですが、 筋腫が大きく成長したりできた場所が悪かったりすると、胃や周辺の臓器を圧迫して消化不良や不快感を招きます 。また、子宮筋腫があることでプロスタグランジンの分泌量が増加し、胃腸の収縮による吐き気を強める原因にもなります。

iこんな症状は要注意!婦人科を受診する目安

生理痛や吐き気はよくあることと放置されがちですが、以下のような症状がある場合は、早めに婦人科を受診しましょう。

・市販の鎮痛薬を飲んでも効果がないほど痛む・吐き気が強い
・吐き気や腹痛が原因で、仕事や学校を休むなど日常生活に支障が出ている
・経血量が異常に多く、ナプキンが1時間もたない、レバーのような塊が混ざる(過多月経)
・生理の時期ではないのに、不正出血がある
・痛みが年々ひどくなっている、または吐き気がおさまらない

子宮内膜症や子宮筋腫などの婦人科系疾患が原因となっていることもあるため、「生理だから仕方ない」と我慢せず、気になる症状があれば医師に相談しましょう

生理前の吐き気はPMS(月経前症候群)や妊娠の可能性も

生理が始まる前(数日前〜1週間前など)から胃のむかつきや吐き気を感じる場合、生理前の不調である「PMS(月経前症候群)」や、あるいは「妊娠初期のサイン」である可能性が考えられます。

PMS(月経前症候群)による吐き気

PMSは、生理前の3〜10日ころから現れる心身の不調の総称です 。女性ホルモンの変動によって自律神経や脳内の神経伝達物質のバランスが乱れることで、吐き気や食欲不振、頭痛、むくみなどの体症状が現れることがあります。

また、イライラや気分の落ち込み、不安感などの精神症状を伴うことも特徴です。こうした症状は生理が始まると軽快または消失する傾向があります。

生理_PMS(月経前症候群)に起きやすい心と体の不調のイメージ

※精神的な症状が特に強い場合は、PMDD(月経前不快気分障害)の可能性もあります。

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i生理前の吐き気(PMS)と生理中の吐き気の違い

自身の吐き気がどちらによるものかは、症状が現れる「時期」で見分けることができます

・生理前の吐き気:生理の3〜10日前から始まり、生理開始とともに軽快・消失するのが特徴
主な原因は「急激な女性ホルモンの低下」

・生理中の吐き気:生理の1〜2日目の経血量が多い時期にピークを迎える。
主な原因は子宮を収縮させる「プロスタグランジン」

妊娠初期症状による吐き気

生理前だと思っていた時期の吐き気が、実は妊娠初期症状(つわり)である場合もあります 。妊娠するとホルモンバランスが大きく変化するため、吐き気や眠気、だるさ、胸の張りなどの症状が現れることがあります。

また、生理がきたと思っていても、実際には着床出血だったというケースもあります。経血量がいつもより少ない、生理の様子が普段と違うと感じる場合は、妊娠検査薬で確認してみましょう。

生理中の吐き気を和らげる方法

生理中の吐き気は、日常生活の工夫によって和らぐことがあります。 症状が軽い場合はセルフケアを試してみましょう 。ただし、症状が強い場合や改善しない場合は、無理をせず婦人科を受診することが大切です。

・胃腸にやさしい食事を心掛ける
・刺激の強い飲食物を控える
・体を温めて血流を良くする
・十分な睡眠と休息をとる
・ツボ押しを試してみる

生理痛や吐き気がつらい場合は婦人科でケアできる

ケアを続けても吐き気や生理痛が改善しない場合は、婦人科でのケアも1つの選択肢です 。症状の原因や体質に合わせて対処法を選ぶことで、日常生活への影響を軽減できる可能性があります。

低用量ピルによるケア

低用量ピルは、生理痛や吐き気の原因となるプロスタグランジンの分泌を抑える効果が知られています 。子宮内膜は妊娠に備えて厚くなりますが、低用量ピルにはその増殖を抑え、子宮内膜を薄く保つ作用があります。内膜が薄く保たれることで、経血の排出時に必要となる子宮の収縮も穏やかになるため、生理痛や吐き気の改善が期待できます。

また、排卵を抑制してホルモンバランスの変動を穏やかにするため、PMS(月経前症候群)の症状緩和にも有効です。服用を中止すれば排卵は再開するため、不妊につながる心配はありません。

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漢方薬によるケア

生理痛や吐き気、冷え、むくみなどの症状に対しては、漢方薬が処方されることもあります 。体質や症状に応じて、加味逍遥散(かみしょうようさん)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)などが用いられます。

漢方薬は体質改善を目的として処方されるため、西洋薬とは異なるアプローチで症状の緩和を目指せる点が特徴です。

子宮内システム(ミレーナ)によるケア

生理痛や過多月経に悩む方には、子宮内システム(ミレーナ)も選択肢の1つです
ミレーナは、子宮内に小さな器具を装着し、黄体ホルモンを持続的に放出する方法です。子宮内膜が厚くなるのを抑えることで経血量を大幅に減らし、生理痛や過多月経による貧血の改善が期待できます。
また、プロスタグランジンの産生も抑えられるため、生理に伴う吐き気の軽減にもつながります。効果は最長5年間持続します。

生活習慣の改善

婦人科では薬によるケアだけでなく、生活習慣の改善についてアドバイスを受けることもできます
十分な睡眠や適度な運動を心がけるほか、栄養バランスの整った食事を意識することで、ホルモンバランスや自律神経の乱れが改善することがあります。
また、自分の生理周期や症状を記録しておくと症状の傾向を把握しやすくなり、より適切なケアにつながります。

生理痛と吐き気に関するよくある質問

ここでは、生理痛と吐き気に関する質問にお答えします。ぜひ参考にしてみてください。

生理痛が激痛で、吐き気や冷や汗、下痢が止まらない…救急車を呼んでもいい?

意識が遠のく、身動きが取れない、周りに人がいない、移動手段がどうしてもない場合は、救急車を呼ぶことも検討しましょう
生理痛だけでなく、子宮内膜症などの病気や痛みによるショック反応が起きている可能性があります。動ける場合は体を温めて楽な姿勢で安静にし、できるだけ早く婦人科を受診してください。

生理中にひどい吐き気があるとき、何を食べたらいい?

おかゆやうどん、スープなど消化の良いものを少量ずつ食べるのがおすすめです
空腹が続くと胃酸の刺激で吐き気が悪化することがあります。反対に、カフェインやアルコール、脂っこい食事、冷たい飲み物は胃腸への負担となるため、生理中はできるだけ控えましょう。

生理痛や吐き気に加え、微熱やズキズキする頭痛、便秘が起こるのも生理のせい?

生理に伴うホルモンバランスの変化によって、吐き気以外の症状が現れることもあります
自律神経の乱れや血管の拡張により頭痛や微熱が起こったり、胃腸の働きが低下して便秘になることもあります。更年期はホルモン変動が大きくなるため、こうした不調が強く出ることがあります。

つらい生理痛や吐き気は我慢せず医師に相談しよう

生理中の吐き気は、子宮を収縮させるプロスタグランジンの影響やホルモンバランスの変化、自律神経の乱れなどによって起こります 。多くは生理に伴う症状ですが、子宮内膜症や子宮筋腫などの婦人科系疾患が隠れている場合もあります。

また、生理痛や吐き気が強い場合は、低用量ピルや漢方薬などによるケアも選択肢の1つです。
吐き気や痛みが強い場合や、症状が年々悪化している場合は一人で悩まず、婦人科を受診しましょう。適切なケアを受けることで、毎月のつらい症状を軽減できる可能性があります。

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監修者

海渡 由貴

2015年日本医科大学医学部卒業後、2年間の初期研修を経て、2017年より日本医科大学産婦人科学教室に入局。
大学病院、市中病院、クリニックなど幅広く勤務を経験。

日本女性医学会、日本生殖医学会、日本周産期・新生児学会に所属し、日々最新の知識を習得し、現在は日本医科大学武蔵小杉病院にて助教を務める。

2026年1月に医学博士取得。

2024年にメデリピルにてオンライン診療によるピル処方を開始し、2025年からmederi magazineの記事監修を担当。

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