生理は女性にとって健康状態のバロメーターでもあります。
生理の基礎知識や、生理中でも快適に過ごすためのセルフケアをご紹介。
生理の血が少ない原因は?病気の可能性や対処法、受診の目安
みなさんは経血量に悩みを持たれたことはありますか。量は比較できるものではないから自分の経血量に疑問を持ったことがない。中には不安はあるが、人には聞きづらい悩みだから、そのままにしてしまっているという方もいらっしゃるかもしれません。しかし、経血の急な変化には病気が隠れていることもあります。今回の記事では、経血量別の解決策から経血から見て分かる体調変化について解説していきます。一緒に新たな知識を身につけて、快適な生理期間に変えていきましょう。
もくじ
生理の血が少ないのは過少月経や過短月経の可能性
突然ですが、みなさんの経血量は多めですか?少なめですか?経血量は誰かと比べることができないからこそ、普通の経血量が分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。個人差はありますが、正常の経血量は、1回20~140mlといわれています。これを例えると、大さじ2程度(20ml)からヤクルト2本分くらい(140ml)の量です。では、経血量が多い場合と少ない場合はどのように判断すればよいのでしょうか。
生理の量が少ないのは過少月経
経血量が20mlより少ない場合は「過少月経」といわれています。
量が少ない方の目安として、
・血液というよりは汚れ程度の出血しかなく終わってしまう
・10日程度、ダラダラと茶色い経血が続く
などがあります。
以上のような事項が当てはまる場合は、過少月経が疑われます。骨・血圧・脂質代謝など一生の健康に影響を及ぼす可能性もあります。しかし、初経まもなくや閉経周辺の場合は様子を見ていただいて大丈夫です。
生理の期間が短いのは過短月経
過短月経とは、生理が2日以内に終わってしまうような状態のことを指します。一般的に経血量が少なくなる過少月経と併発する場合が多いとされています。一時的な過短月経の場合はしばらく様子を見てみても大丈夫ですが、生理が毎回2日以内に終わってしまう場合には注意が必要です。症状を放置していると不妊症などに繋がる可能性もあるため、症状が長期間続く場合は一度、病院を受診してみましょう。
生理の経血量はなぜ変わるの?
急に経血の量が多くなったり、少なくなったりすると不安になりますよね。生理の経血量が月によって変化するのは、ホルモンの状態が関係しています。毎月体の状況は変化しています。女性ホルモンは環境の変化やストレスに左右されやすいものです。すると、経血量にも変化があり、同じ人でも経血量の多い月や少ない月があるのです。
生理の経血量は個人差がある
生理の経血量は、個人差があります。自分が多い方なのか少ない方なのかは、判断が難しいところです。そういった場合は、どんなに経血量に悩みを持っていても、病院を受診することに迷いを感じますよね。しかし、経血量の問題は最悪の場合は病気につながる可能性もあります。経血量は個人差があるものと思い、少しでも異常を感じた場合は放置せず、まずは産婦人科医に相談してみましょう。
過少月経・過短月経の原因は?
過少月経や過短月経の原因には、環境の変化や不規則な生活リズムなどもありますが、ほかにもいくつかの原因があります。以下でそれぞれ解説します。
ホルモン状況の変化
季節によって体の変化が見られるように、女性ホルモンの状況も毎月変化していきます。女性ホルモンには、卵巣から分泌される卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2つがあります。月経のある女性の心と身体の状態は、これらのホルモンの影響を受け、約1ヶ月の周期で変動するものです。女性ホルモンのバランスはとても繊細なものです。不規則な生活や睡眠不足、過度なダイエットなどが原因でホルモンバランスが崩れてしまう場合もあります。良い生活習慣を維持することで、女性ホルモンを整えて健康的な生活を送っていきましょう。
ピルを服用中
生理痛や月経不順の治療でピルを服用している場合は、経血量が減ることがあります。これは、ピルに子宮内膜を薄く保つ作用があるためです。生理では子宮内膜が剥がれ落ちて出血が起こりますが、ピルを飲むと剥がれ落ちる子宮内膜が少なくなるため、経血量も通常より少なくなることが多いです。
子宮・卵巣・甲状腺ホルモンの病気
過短月経の原因として、病気が隠れている可能性もあります。卵巣機能不全・黄体機能不全や、先天的な子宮の発育不全などになっている場合は、生理期間が短くなることがあります。また、甲状腺ホルモンは卵胞の成長や黄体機能に必要なものであるため、甲状腺ホルモンの異常が過短月経の原因となっている場合もあります。
経血量が少ない時の対処法
生理がきているはずなのに、ナプキンを変える必要ないほどの出血量だと不安になりますよね。経血量が少ない状態が続いたり、量が急に減ったりするなどの変化は体が異常を知らせてくれているサインかもしれません。「生理が軽くなっただけ」と放置するのではなく、経血量が少ない場合に考えられる症状と対処法について知っておきましょう。
ストレスによる卵巣機能の低下の可能性がある
ナプキンを変えなくてもいいほど量が少ない場合は、ホルモンの分泌量が減り、卵巣の働きが悪くなっている可能性があります。こうした卵巣機能低下のおもな原因はストレスです。40歳〜50歳辺りに月経が停止することを閉経といいます。閉経とは別に年齢不相応に卵巣機能の低下は、将来的に不妊の原因につながる場合があります。なるべくストレスをためない生活を心がけましょう。
忙しい毎日の中でも、自分を愛でる時間やアイテムを取り入れることが大切です。また、深呼吸は最も簡単なストレス解消方法ともいわれています。ぜひ日常に取り入れてみてはいかがでしょうか。
基礎体温をつける習慣をつける
経血量が少ない人は、気づかないうちに無月経になっている可能性があります。無排卵になっているかは経血量だけでは判断しづらいものです。そのため、基礎体温をつけてみましょう。体温の変化にはホルモンが影響しているため、記録から女性ホルモンがきちんと分泌されているかが分かります。まずは最低でも2〜3ヶ月続けて測定したうえで傾向をみることが必要です。基礎体温は婦人体温計を使って毎日ほぼ同じ時間に測ります。他にも、4時間以上の睡眠・目覚めてからすぐに測定となかなか習慣化することが難しく感じることもあるでしょう。習慣化には、記録アプリの活用もおすすめです。
婦人科を受診する
婦人科・産婦人科を受診するか判断する上では、確認すべきポイントがいくつかあります。
まず、初潮を迎えたばかりの方や、40〜50代などで閉経が近づいている方は、ホルモンバランスが不安定なため経血量が少なくなることがあります。このような場合は体に異常が起きているわけではないため、しばらく経過観察をしてみましょう。一方で、これまでは特に何ともなかったのに、突然、経血量が減少した場合や、経血量が少ない状態が長期間続く場合、下腹部に痛みがある場合などは、病気が隠れている可能性もあるため注意が必要です。気になる症状が見られた場合は、早めに病院を受診するようにしましょう。
経血の色や量の変化から発見できる病気
実は、経血量の変化から病気を発見することができます。経血量や生理痛の痛みには個人差があるものです。しかし、場合によっては治療が必要な場合があります。経血量や生理痛に異常を感じたり、少しでも気になる症状がある場合は、軽く考えずに産婦人科の受診を検討しましょう。
経血量(生理出血量) | その他の症状 | 考えられるおもな病気 |
多くなった | 痛みが強い | 子宮内膜症
子宮筋腫 骨盤のうっ血など |
生理期間が長くなった | 痛みが強い | 子宮内膜症
子宮内筋症 子宮筋腫 骨盤のうっ血など |
痛みをともなうこともある | 子宮筋腫など |
レバーみたいな血の塊が出る場合
生理の経血の中に混じっているレバーみたいな血のかたまりの正体は、実は溶かしきれなかった経血なのです。経血は不要になった子宮内膜がはがれ落ち、血液と排出されたものです。経血が体内にある時にはかたまりがあります。そのかたまりは子宮内膜にある「酵素」の働きによって液体の状態で排出されます。しかし、まれにはがれ落ちた子宮内膜が多いと酵素の処理が追いつかず、レバーみたいな血のかたまりとして出てきてしまうことがあるのです。少量の場合は問題ありませんが、血のかたまりが多く、5㎝以上の大きさの場合は注意が必要です。子宮筋腫や子宮内膜症といった病気の可能性が考えられるため、早めの産婦人科の受診を検討しましょう。
血の色がいつもと違う場合
経血の色は濃いめの赤が一般的です。色の目安としては、傷口から出る血液の鮮明な赤色と比べると、少しくすんで見えます。逆に経血の色が薄く朱色になっている場合は、血液の赤色の元となるヘモグロビンが足りていない可能性があります。貧血になっている可能性も考えられます。一方、茶色の経血や黒色の経血は古くなった経血です。スムーズに体外に排出されない間に血液が酸化し、色が変わった自然なことのため心配しなくて大丈夫です。
生理の途中で血が止まってしまう場合
生理中に1度経血が止まった後、再び出血があるという症状に悩みを持ったことはありませんか。これは子宮後屈の人によく見られる症状です。子宮の形状には前屈と後屈があります。子宮が後ろに傾いている子宮後屈の場合は、生理が始まって2日、3日くらいで一旦経血がほぼでなくなります。その後中休みに入り、また普通経血が出るということが多いです。子宮後屈は病気ではないため、安心してくださいね。
経血量が多すぎる場合は病気の可能性も
経血量には個人差はありますが。しかし、多すぎる経血量には病気が隠れている場合があります。「1〜2時間に1回、夜用ナプキンを取り替えなければならないくらいの出血が続く」このような経験がある方は要注意です。
10代の出血過多
10代の頃は、子宮や卵巣の働きがまだ十分出ないため、出血量が安定しない場合があります。しかし、子宮内膜が通常よりも厚い、あるいは子宮そのものが大きくなって経血量が増えてしまっている場合もあります。すると「過多月経」の疑いも考えられますが、10代の過多月経は、貧血さえ気を付けていれば特に心配はありません。
20代~30代の出血過多
20代、30代と年齢を重ねるごとに経血量が増えてきた場合は「子宮筋腫」「子宮腺筋症」などの病気が隠れている可能性があるため、病院を受診して治療につなげることが大切です。どちらも進行すると、生理のたびに日常生活を送ることが困難になるばかりか、将来的に不妊や流産の原因になることもあります。定期的な検診によって早期発見することが大切です。1年に1度の婦人科検診を心がけましょう。
経血量が多い時の対処法
経血量が多い時、何かと気にかけることが多くありますよね。憂鬱な生理期間こそ、ストレスフリーに過ごしたいですよね。どうしたら、少しでも快適に過ごすことができるでしょうか。生理時の注意点も含めご紹介しますね。
経血量にあったナプキンを選ぶ
まず確認したいのは、ナプキンの「長さ」です。量が多い日は座っているだけでも、経血が前後に広がりやすいですよね。その場合は、約25~30cm程度の長さがあると安心です。ナプキンを選ぶもう一つのポイントが「厚さ」です。経血量が多めで、いつも不安を感じているという方は、夜間でなくても夜用を選ぶのもありです。ズレが気になる場合はプラス羽根つきをを選ぶとなおよいでしょう。経血量が少ない場合は、できるだけゴワゴワ感が少なく動きやすいスリムタイプを選ぶとよいでしょう。シーンに合ったナプキン選びが、快適な生活にも繋がります。
貧血に注意する
経血量が多い方は、貧血になるリスクが高いため注意する必要があります。以下のような症状がある場合は、貧血の可能性があります。
- 動悸、息切れ、めまいがある
- 頭が重い、疲れやすい、だるい
- 顔色が悪いとよく言われる
- 首、肩が凝りやすい
- 氷を無性に食べたくなる
- 爪の色が白い、爪の先が反り返っている
- 口内炎や口角炎ができやすい
- 髪の毛がパサパサで抜けやすい
貧血予防には、食事からしっかりと鉄など必要な栄養素を摂ることが大切です。日本人成人女性(20~49歳)が1日の食事から摂取する必要のある鉄の量は、10.5mg(月経がない女性:6.5mg)が推奨されています。実際に10.5mgの量の鉄を含む食事の例としては、「レバニラ炒め」「あさりとほうれん草のパスタ」「かつおのたたき」「ひじきと大豆の煮物」が挙げられます。これらすべてを1日で摂取しなくては、推奨摂取量を達成することができないのです。この食事を毎日続けることは、簡単なことではないですよね。普段の食事だけでは十分に鉄を補えないという方には、サプリメントを活用するのも一つの手です。
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まとめ
今回の記事では、経血量の目安や悩みの対処法と注意点について詳しく解説していきました。経血量は人と比較できるものでもなければ、個人差があるものだからこそ判断基準がなく、余計に不安になってしまいますよね。そんな時こそ、1つ1つの悩みを解決していくことによって、生理期間も変化していきます。また、正しい知識と適切なケアを選ぶことができれば、生理期間でも快適に過ごすことができます。ぜひ悩みに合わせたケアを取り入れてみてください。
身体は正直だからこそ、経血量にも変化が現れます。できるだけストレスをためない生活を心がけましょう。そして、忙しい毎日でも自分を愛でる時間を持ち穏やかな日々を送れるとよいですね。
監修者
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