ピルによるニキビ・肌荒れ治療|効果はある?タイミングは?

ピル
更新日:2024.10.07

日頃からスキンケアや栄養たっぷりの食事を心がけているのに、なかなかニキビが治らないとお悩みの方はいませんか? ニキビの要因はさまざまですが、生理前や生理中にひどくなるという方はピルの服用で効果があらわれることもあります。

ただし、ピルであれば何でも良いというわけではありません。この記事では、ニキビや肌荒れに効果があるとされているピルの特徴や服用方法、そして副作用などについて詳しく解説しています。

ピルによるニキビ治療とは?

ピルは「経口避妊薬」とも呼ばれることから、一般的に避妊目的で服用するイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし、ホルモン量を調整してニキビの改善を促す作用のあるピルもあります。ピルは黄体ホルモンと卵胞ホルモンを人工的に含有させたもので、服用することで双方のホルモン量をコントロールすることができます。

具体的には、男性ホルモンの作用を持つ「黄体ホルモンの分泌を抑制」し、「卵胞ホルモンを増加」させることによって皮脂の過剰分泌を抑え、ニキビのできづらい環境をつくるというものです。卵胞ホルモンは肌にうるおいをもたらしてくれる効果もあり、結果として肌のバリア機能が保たれ、ニキビをはじめとして肌荒れが起こりにくい状態を維持しやすくなります。

また、年齢を重ねることでも男性ホルモンが優位になりやすくなる現象がおこります。このため、「思春期にはニキビに悩まされることはなかったのに、大人になってからニキビができるようになった」というケースもホルモンバランスが原因のひとつと考えられます。

逆にピルでニキビが悪化する可能性も?

低用量ピルは2種類の女性ホルモンを配合している薬で、服用することで体内のホルモンバランスが一時的に変化します。
そのため、ホルモンバランスが安定するまでは服用前よりニキビが悪化してしまう可能性もあります。
しかし、一時的な症状のため、服用を継続していくことで次第に改善していきます。肌荒れが悪化したからとすぐに服用断念することなく最低でも3か月は様子をみてみましょう。

ニキビ・肌荒れの原因

ニキビは刺激などの外的要因によるものから食生活の乱れが原因となることもありますが、女性の場合はホルモンバランスが関係していることも少なくありません。特に生理という現象は、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)が減少することにより、剥がれ落ちた子宮内膜と血液が排出されるものです。

黄体ホルモンは妊娠に必要となる栄養素や水分をため込むことで、卵胞ホルモンとともに安定した妊娠を手助けする作用があります。ただし、ホルモン分泌量が増加すると過剰にため込んだ栄養素による作用として、皮脂量の増加がみられることがあります。これが、肌荒れやニキビを引き起こす原因の一つとなってしまう可能性があるのです。

一般的に排卵後から生理前は卵胞ホルモンより黄体ホルモンの分泌量が多く、生理後から排卵が近づくにつれて卵胞ホルモンの分泌量が上昇するサイクルになっています。そのため、「生理前に特に肌の調子が悪くなる」という人は、この2つのホルモンの影響が大いに関係していると思われます。

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ピルによるニキビ治療に向いている人は?

低用量ピルはホルモンバランスを整えることができるのでニキビの改善に有効的とされています。
そのため、ホルモンバランスの乱れによるニキビや肌荒れが気になる方には向いているといえます。
しかし、飲み忘れてしまうと効果を充分に得ることができなくなるため気をつけましょう。
一方で生活習慣が不規則で乱れているという方の場合は低用量ピルでは対処できないため、まずはバランスの良い食事や規則的で質の高い睡眠をとったり、禁煙することが大切です。

ピルによるニキビ改善の効果はいつから?

低用量ピルの服用によるニキビ改善効果は、服用開始から2~3ヶ月程度で感じられることがほとんどです。長期的に経過を見るようにしましょう。毎日きちんと服用を続けることで、ホルモンバランスを整え、ニキビの原因となる皮脂の過剰分泌を抑制してくれます。ただし、服用途中でニキビが悪化したり、改善効果があまりみられなかったりする場合は、処方先の医師に必ず相談ください。

また、肌には炎症が癒えてから新たに再生するまでに一定の時間がかかります。肌の代謝のことを「ターンオーバー」と呼ぶこともありますが、肌の奥深くで新しい細胞が生まれ、それが表皮にあらわれ垢となって排出されるまで約4週間程度かかるといわれています。このターンオーバーが繰り返されることではじめて「ニキビのない肌」が出来上がるようになるため、目に見えて効果を実感できるようになるには時間がかかることを覚えておきましょう。

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ニキビの改善に効果的なピル

一般的に、ニキビや肌荒れ改善を目的として処方される低用量ピルは以下のものが挙げられます。

マーベロン

マーベロンの発売以前に開発された低用量ピルのなかには、不正出血の抑制や生理周期コントロールに優れている代わりに、使われている黄体ホルモンの影響で男性ホルモン活性が高いものがありました。そこで、マーベロンの開発時には男性ホルモン活性の低い黄体ホルモンを配合し、ニキビや肌荒れ改善のほか、多毛症、避妊などに効果のあるピルが開発されました。

1相性とよばれる、ホルモン量が常に一定の状態で服用するタイプのピルであり、錠剤の飲み分けに注意する必要がなく、初めてピルを服用する人にもわかりやすいことも特徴です。

ファボワール

マーベロンのジェネリック薬であるため、基本的な処方内容はマーベロンと同一です。

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ピルでニキビが悪化したときは?

ニキビの改善に効果があるとされているピルを服用していても、なかなかニキビが治らないというケースもあります。この場合、いくつかの理由が考えられます。

ピルの飲み始めの時期

低用量ピルを初めて服用した直後は大きな効果の改善が見込めないか、もしくは副作用が一時的に強くあらわれる可能性があります。体外からホルモンを投与することで、ホルモンバランスに乱れが生じるためです。ホルモンバランスの乱れは、継続的にピルを服用することで落ち着くため、すぐに「この薬は合わないから止めよう」と判断するのではなく、ある程度続けることをおすすめします。

ピルを正しく服用できていない

基本的にピルは休薬期間以外は毎日服用することが求められます。そのため、飲み忘れてしまう日があるとなかなかホルモンバランスが整わず、適切な効果が出るまでに時間がかかることがあります。1日飲み忘れてしまった場合は、気づいた時点でまず1錠服用し、その後に普段服用している時間帯にもう1錠を服用する、という流れになります。

生活習慣や他にニキビの原因がある

ホルモンバランスの乱れは体質的なものだけではなく、不規則な生活やストレスの多さによってももたらされることがあります。生活習慣など環境的要因がある場合、ピルを服用し続けても改善されないことがあります。

専門医に相談する

低用量ピルを服用後、しばらく経ってもニキビが悪化したままであったりほかにも不調が出ている場合は処方元の医師やニキビの専門医に相談するようにしてください。
ピルの種類が合わない場合もあるため、3か月以上継続しても改善の兆しが見えないようであれば医師の診断を仰ぐようにしましょう。

低用量ピルの服用で生理前や生理中のニキビを改善

ホルモンバランスの乱れによるニキビは、食事や外からのケアではなかなか改善できず、「体質のせいだから」と諦めている人も多いのではないでしょうか。

生理前や生理中に肌荒れがひどくなるな、という実感のある方は、今回ご紹介した低用量ピルで改善が見込めるかもしれません。

もちろん低用量ピルは「薬」ですので、効果が実感できる反面、副作用の心配もあります。医師としっかり相談をしながら自分の体質に合う低用量ピルを探してみてください。

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※メデリピルは医療機関とユーザーを繋ぐプラットフォームです
※診療やピルの処方等は保険適用外・自由診療であり、医療機関に所属する医師が行います

監修者

産婦人科専門医、がん治療認定医、mederiドクター
mederiドクター
産婦人科専門医、がん治療認定医 女性のヘルスケアアドバイザー(女性医学会認定)、F U S E certificated personnel(米国内視鏡外科学会認定)、JOHBOC研修終了(日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構) 大学病院に入局し高度周産期センター、婦人科腫瘍専門施設で研修・修練後、総合病院で良性疾患の腹腔鏡手術や、不妊治療、女性内分泌・更年期障害など幅広く女性診療を行う。米国への留学を経て、現在はmederiドクターとして、メデリピルのオンライン診療や体調相談を担当している現役産婦人科医。

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