【産婦人科医監修】低用量ピルの避妊効果は99.7%!仕組みと妊娠の確率について解説

ピル
更新日:2025.10.27
【産婦人科医監修】低用量ピルの避妊効果は99.7%!仕組みと妊娠の確率について解説

低用量ピルとは、女性ホルモンを組み合わせて作られた錠剤で、高い避妊効果がある薬です。その避妊効果の高さから、WHO(世界保健機関)も若い世代の避妊法として推奨しています。しかし、飲み忘れや間違った服用方法により、避妊効果が落ちてしまうこともあるので、低用量ピルの正しい知識を身に付けて、確実な避妊を実践しましょう。

低用量ピルの避妊効果は99.7%

低用量ピルは、1日1錠正しく服用することで99.7%(※)の避妊効果があると言われています。各種避妊方法の避妊率は以下のとおりです。

避妊方法 正しく使用している場合の避妊率 飲み忘れを含め一般的に使用した場合の避妊率
低用量ピル 99.7% 92%
アフターピル 24時間以内:99%
48時間以内:98%
72時間以内:97%
コンドーム 98% 85%
ミレーナ 99.8%
殺精子剤 82% 71%
リズム法 91~99% 75%
女性避妊手術 99.5% 99.5%
男性避妊手術 99.9% 99.85%
避妊なし 15% 15%

※参考:「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン(改訂版) 」(日本産科婦人科学会)

※一般的なデータであり効果を保証するものではありません。

低用量ピルの種類と避妊効果の違い

日本国内において、超低用量ピルと低用量ピルとでは、避妊目的での使用に明確な違いがあります。低用量ピルは、正しく服用すれば99.7%という高い避妊効果が期待できる医薬品であり、避妊を主な目的として使われます。一方で、超低用量ピルは日本国内で避妊目的での使用が承認されていません。これは避妊効果に関する臨床試験が行われていないためです。そのため、超低用量ピルは、月経困難症や子宮内膜症などの治療薬として位置づけられています。したがって、避妊を希望する場合は、必ず避妊薬として承認されている低用量ピルを医師の処方で服用する必要があり、超低用量ピルを避妊目的で服用することは不適切であるといえます。また、この2つのピルの主な違いは、有効成分の量にもあります。低用量ピルはホルモン量が30〜40μg含まれているのに対し、超低用量ピルはさらに少ない20μg台に抑えられています。ホルモン量が少ない超低用量ピルは、吐き気や頭痛といった副作用がより出にくい傾向があるため、ピルを初めて服用する方や副作用が心配な方によく選ばれています。

避妊目的で飲めるピル(OC)と飲めないピル(LEP)

ピルは、その服用目的によってOC(Oral Contraceptives)とLEP(Low dose Estrogen Progestin)の2種類に明確に分けられます。OCは避妊を目的とするピルです。 そのため、避妊を目的とした処方には保険が適用されず、全額自己負担の自由診療となります。避妊を目的として処方されるOCは、毎日服用することで排卵を抑制し、高い避妊効果が期待されるでしょう。一方で、LEPは月経困難症や子宮内膜症などの治療を目的とするピルです。 治療目的であることから、保険が適用され、OCよりも安価に手に入ります。ただし、LEPは避妊を目的として処方されることはありません。避妊目的でピルを探す際は、必ずOCを選び、治療目的で症状の改善を目指す場合はLEPが適切な選択肢といえます。どちらのピルを選ぶにしても、服用を開始する前には必ず医師の診療を受け、自分の体や目的に合ったピルを見つけることが最も大切です。

低用量ピルの避妊効果を最大化するポイント

低用量ピルで高い避妊効果を維持するには、正しい服用方法を守ることが最も重要です。避妊効果が下がる主な要因としては、服用時間のズレや飲み忘れがあります。毎日決まった時間に服用し、体内のホルモン濃度を一定に保つことが、避妊効果を持続させる上で不可欠といえます。飲み忘れを防ぐための具体的な工夫も多数あります。例えば、毎日のスマートフォンのアラーム設定や、目につきやすい場所にピルシートを置いておくことも効果的でしょう。また、ピルケースを活用して一週間分を事前に用意しておく、毎日の歯磨きや就寝前など、決まった習慣と結びつけてしまうのも有効な方法といえます。

低用量ピル服用中の中出しはハイリスク?

たしかに、低用量ピルは高い避妊効果が認められていますが、その効果が100%発揮されるとは限りません。どんな避妊方法にも完璧なものはないからです。ピルは避妊効果が99%以上と非常に高いものの、飲み忘れや、他の薬との飲み合わせによって効果が弱まる可能性があります。また、ピルには性感染症(STD)を防ぐ効果はありません。性感染症は、HIVや梅毒、クラミジアなど、深刻な病気を引き起こす可能性があります。そのため、妊娠を避けたい場合だけでなく、性感染症のリスクを避けるためにも、コンドームと併用することが非常に重要です。

飲み忘れたときの対応方法

万が一飲み忘れてしまった場合は速やかに以下の対応をとってください。

1錠

飲み忘れた場合:気が付いた時点で飲み忘れた錠剤を服用し、その日の分も通常どおりに服用しましょう。

2錠

連続して飲み忘れた場合:同じ服用方法です。1日3錠以上は服用されないようにご注意ください。

※Day1スタートピルの28錠タイプにセットされているプラセボは偽薬で薬の成分が入っていないため、飲み忘れても問題ありません。

※ピルを2日以上飲み忘れてしまうと避妊効果は下がるため、連続して7日実薬を飲むまでは他の避妊法を行ってください

低用量ピルとアフターピルの併用は可能?

低用量ピルとアフターピルは併用しても問題ありませんが、低用量ピルだけで避妊効果があるため避妊効果は変わらないと考えられます。ただし、低用量ピルを飲み忘れて「ゴムなしで性行為をしてしまった」「膣内に精子を出す性行為をしてしまった」場合では、併用が有効です。

アフターピルを服用した後に低用量ピルを飲み始める場合は、アフターピルを服用した翌日からか、または出血が起こるのを待ってから低用量ピルを開始することができます。 アフターピルの避妊効果をより高めるには、アフターピルを服用した翌日から低用量ピルを始めることをお勧めします。出血を待ってから飲み始める場合、普段の生理とほぼ同様の出血量であれば、出血開始3日目から、低用量ピルを服用開始します。出血の量が少ない場合や、アフターピル服用後3週間経っても出血が起こらない場合は、妊娠している可能性があるので妊娠検査をおすすめします。

よくある質問

ここでは、低用量ピルに関するよくある質問に回答しています。

ピルはいつからコンドームなしで避妊できますか?

生理が始まった初日からピルを飲み始めた場合、その日から避妊効果が期待できます。しかし、生理開始日以外から飲み始めた際は、避妊効果が安定するまでに7日間程度かかることが一般的です。そのため、効果が安定するために必要な期間は、他の避妊方法と併用が必要です。また、性感染症予防の観点からも、ピル服用中であってもコンドームの併用は不可欠です。

ピルを飲んでいたらコンドームはしなくていい?

ピルは妊娠を防ぐための高い避妊効果がありますが、性感染症(STD)の予防効果はありません。ピルを飲んでいるからといってコンドームを使用しないのは、HIVや梅毒、クラミジアといった感染症に罹患するリスクを高めてしまいます。性感染症は深刻な病気につながる可能性もあるため、注意が必要です。また、ピルの避妊効果が100%発揮されるとは限らないため、安全な性交渉のためには、ピルとコンドームを必ず併用することが重要です。

まとめ

低用量ピルは、正しい服用方法で99%以上の高い避妊効果が期待できる医薬品です。ただし、避妊目的で服用できるOCと、治療目的で使われるLEPがあることには注意が必要です。低用量ピルの避妊効果を最大化するには、毎日決まった時間に服用し、飲み忘れに注意することが不可欠です。万が一飲み忘れた場合は、対処方法が複数ありますので、ピルを処方されたクリニックに相談しましょう。また、ピルには性感染症を防ぐ効果はないため、安全な性交渉には常にコンドームとの併用が重要となります。服用開始のタイミングやアフターピルとの併用など、不安な点は専門医師に相談することが大切です。

ピルをはじめるならメデリピル

産婦人科医に相談できるオンラインピル処方

産婦人科医が100%診療

専門的な知識を持った現役産婦人科医が診療を担当をするので、生理やカラダに関する不安や疑問を安心して相談することができます。

再診料がずっと無料だから何度でも医師に相談できる

ピル飲み始めの不安や疑問、副作用などについて気軽に相談できます。
副作用について心配な方は副作用緩和薬も同時に処方可能です。希望する場合は診療時に医師へお伝えください。

低用量ピルなら初月ピル代無料

低用量ピルの定期便プランなら5種類のピルが初月無料※対象!
まずは試してみたい方にもおすすめです。
※低用量ピルは、3シート目お受け取りまで解約は不可となります(種類変更はいつでも可能です)

月経移動ピル・アフターピルなら送料無料

生理日を移動する際の中用量ピルや、アフターピルは送料無料!
また、低用量ピルと同時処方で診療代も無料になります。
最短当日発送だから、お薬をすぐに服用したい方も利用しやすい◎
東京23区内にお住まいであれば「当日お届けプラン」※もお選びいただけます。
希望する方は診療時に医師へお伝えください。
※別途送料3,850円(税込)、診療時間によって、当日中にお届けが出来ない場合もあります
※お住まいの地域によってはお届けまでに数日かかる場合があります

予約から診療までオンラインで完結

公式LINEから24時間いつでも診療予約OK!スマホから診療・処方後は自宅までピルをお届けするため、忙しい方にもおすすめです。

※メデリピルは医療機関とユーザーを繋ぐプラットフォームです
※診療やピルの処方等は保険適用外・自由診療であり、医療機関に所属する医師が行います
※医師の診療は必須となり、薬が処方された場合に発送いたします

監修者

成城松村クリニック院長
松村 圭子
1995年広島大学医学部卒。広島大学医学部産婦人科学教室へ入局し、2010年に成城松村クリニックを開院。 2021年より、メデリピルのサービスやmederi magazineの監修を担当。

※1 初月無料は低用量ピルのみ対象となり、別途送料550円(税込)かかります

※2 低用量ピル/超低用量ピルのみ対象となります

mederi Delicate Wash
気になるキーワードで
検索しよう!
検索

カテゴリ一覧

生理

生理は女性にとって健康状態のバロメーターでもあります。
生理の基礎知識や、生理中でも快適に過ごすためのセルフケアをご紹介。

記事一覧をみる

ピル

ピルは世界で1億人以上の女性が服用している女性ホルモンを含む医薬品です。
ピルの種類や効果、副作用について詳しくご紹介。

記事一覧をみる

インタビュー

mederiのサービスに携わっているメンバーや有識者の方々が、よりユーザー様と近い距離から「mederiならでは」の情報をお届け。

記事一覧をみる

漫画

こんな経験”あるある!”と思わず頷いてしまう?mederiユーザーからの体験談に基づいた、mederiオリジナル漫画シリーズです。生理やピル・女性の健康に関して、楽しく学んでみましょう!

記事一覧をみる

占い

「ご自愛」をコンセプトに、毎月の運勢を12星座別に占うコンテンツ。ご自身の心を高める「ご自愛アイテム」もお伝えしています。

記事一覧をみる

出張授業

mederi出張授業のレポート記事をお届け。
生理のしくみやからだについての理解を深め、男女ともに正しい性の知識を提供しています。

記事一覧をみる
  1. オンラインでピルの診療・処方・相談|メデリピル
  2. mederi WEBマガジン
  3. ピルに関する医師監修記事一覧
  4. 【産婦人科医監修】低用量ピルの避妊効果は99.7%!仕組みと妊娠の確率について解説