mederiでは「女性の生きやすさ」の実現を目指し、さまざまな年代・性別の方々へ、女性の身体について正しい知識を共有するセミナーを実施しています。今回は昨年度に続いて2回目の開催となった、相模女子大学中等部での出張授業をレポートします。

実施背景

相模女子大学中学部では、昨年6月にもmederi出張授業を開催しており、今回は2回目の開催となりました。「中学生は心身の変化に戸惑いを感じる時期であり、その過程で自分の体を理解することは心の支えになるため専門家を招聘して性教育を実施したい」という担当教諭の想いのもと、今回新たに、保護者を対象に自分自身が成長期だったころの悩みや生理についての事前アンケートを実施。その内容を授業内で生徒向けにmederiドクターの解説を交えながら紹介しました。

これまで事業活動を通して日ごろから「性教育の不足」を社会課題の一つとして捉えてきたmederiでは、思春期を迎え、体の変化に戸惑いや不安を覚える時期に体に関する正しい知識を身に付けることで自分の体に関して正しい選択ができたり、選択肢が広がるのではないかと考えています。また、正しい体に関する知識や生理との付き合い方を知ることで、未来の女性のキャリア、ジェンダー平等などの社会課題解決に繋がると期待し、今年も授業を実施しました。

開催概要

テーマ：「生理に関する特別授業」
日時：2024年5月18日（土）
場所：相模女子大学中等部
対象：中学1年生・2年生の女子生徒90名とその保護者
1.体/心の変化と生理のしくみについて
2.思春期の変化の間違いやすい知識
3.生理とうまく付き合っていくために
4.ライフプランを考えよう
5.質疑応答

登壇者プロフィール

郡 詩織氏／mederiドクター

産婦人科専門医、がん治療認定医
山形大学医学部卒業後、東京医科歯科大学病院、総合病院土浦総合病院、青梅市立総合病院を経験。mederiではオンラインのピル処方や、妊活サポート事業など幅広く事業に関わっている。

坂梨 亜里咲 / mederi 代表取締役（モデレーター）

明治大学卒業後、ECコンサルティング会社を経て、女性向けwebメディアのディレクター、COO、代表取締役を経験。自らの4年に渡る不妊治療経験からmederi株式会社を設立。オンラインピル診療サービス「mederi Pill」、妊活サポートプロダクト「mederi Baby」を展開する。

授業レポート

授業では、mederi代表の坂梨がモデレーターを務め、産婦人科医でmederiドクターの郡詩織先生にゲスト登壇いただき、「生理のしくみと体の変化について」をテーマにお話しました。

まずはじめに、郡先生から「体/心の変化と生理のしくみについて」の説明から授業をスタート。具体的な体や心の変化の説明とともに、人によって体と心の成長スピードが異なるため、その変化を受け入れ、自分の体と心を大切にしてほしい、とお伝えしました。

その後、「思春期の心や体の変化に悩んでいるのは自分だけではないのでひとりで抱え込む必要はない」というメッセージを込めて、保護者を対象に事前アンケートで集めた、自分自身が成長期だったころの心身の具体的な悩みなどを坂梨が紹介。

続いて、生理のしくみから正常な生理のあり方、生理トラブルが起こる原因を医師の視点から郡先生が解説。生理トラブルが起こる要因の一つとして、過度なダイエットがあることを紹介し、将来の不妊リスクにも繋がる可能性があることを伝えました。思春期で体型の変化が気になる時期だからこそ、過度なダイエットが女性の体に与えるリスクを知っておいてほしいという思いから、「痩せていることが美しいことではない」という点を改めてお伝えしました。

その後、郡先生から生理トラブルを放置するリスクやPMSについて詳しく説明。「体/心の変化と生理のしくみについて」の締めくくりとして、事前アンケート回答をもとに、保護者自身も経験してきた生理に関する悩みや実際に取り組んでいる対策を坂梨から紹介し、「悩んだ時はひとりで抱え込まず、周囲の大人に相談してほしい」ということをお伝えしました。

「思春期の変化の間違いやすい知識」のパートでは、インターネット上やSNSなどでよく目にする体や生理にまつわる噂や、思春期に感じることが多い疑問への正しい回答を、Q&A形式で郡先生から解説しました。

続いて「生理とうまく付き合っていくために」のパートでは、郡先生から生理トラブルとその対策について紹介。バランスの良い食事や質の良い睡眠といった日常の基本的なことから低用量ピルの服用まで、生理トラブル対策の選択肢を幅広くお伝えしました。加えて、少しでも生理期間を快適に過ごすための選択肢として、坂梨がさまざまな生理アイテムを紹介し、郡先生が実物をお見せしながら使い方を実演しました。

最後に「ライフプランを考えよう」では、妊娠には適齢期があるため、産む選択をするかしないかは自由だが、女性が人生設計をする上で子供を望む場合は産みたい人数に合わせて妊活を開始する必要があるということを坂梨からお伝えしました。、郡先生からは、健康な体を維持するために受けておきたい年齢別の健診についても具体的に紹介しました。

授業後の声

＜生徒より＞
「運動中の生理のことをあまり知らなかったので、こういった機会があって本当によかったです。」
「今まで生理で不安になることが多かったのですが、生理中でもお風呂に入ってよいというのが印象的で、お風呂に入れるとリラックスができるのでいいなと思いました。自分のことも含めて、生理について知ることができてよかったです。」
「生理痛は個人差があるとわかっていた上で、自分だけ重すぎると変なのかも知れないと悩んでいたのですが、改めて個人差があると知れて自分だけではないと思いました。」
「習い事でダンスをしており、経血量が多く漏れてしまったり気持ち悪かったりするので、動く時はタンポンや生理用のショーツを使ってみようと思いました。」

＜保護者より＞
「私たちが学生だった時代には、具体的に生理アイテムを見せながらの授業がなかったので、良い経験になりました。」
「私はナプキン以外の生理用品を使ったことがなかったので、自分の子には本人に合ったものを選んで使ってもらえるようにしていきたいです。参考になりました。」
「子どもと一緒に授業を受けたことで、これからは家庭でも生理や体の変化に関する話題を共有できるのではないかと思います。」

mederiでは、今後も様々な年代の男女へ向けて、生理/PMSに対する正しい理解や、ご自身の身体に合わせた選択肢の提供を目指して、女性の健康課題や性教育に関するセミナー活動を実施していく予定です。またオンラインピル診療サービス「mederi Pill」をはじめ、展開する様々なサービスを通して「女性の生きやすさ」の実現を目指してまいります。