生理は女性にとって健康状態のバロメーターでもあります。
生理の基礎知識や、生理中でも快適に過ごすためのセルフケアをご紹介。
PMSの薬は市販と病院どちらを選ぶ?種類や費用を紹介
生理前になるとイライラや頭痛、むくみがつらくて、「薬でどうにかできないかな」と思うことはありませんか。PMS(月経前症候群)に使える薬には、ドラッグストアで買えるものと、病院やクリニックで医師の診察を受けて処方されるものがあります。この記事では、それぞれの種類と選び方、費用の目安、気をつけたい副作用までを紹介します。自分に合う対処法を見つけるヒントにしてみてください。
もくじ
PMSの薬は市販薬と病院で処方される薬がある
PMS(月経前症候群)の薬は、ドラッグストアで買える市販薬と、病院やクリニックで医師の診察を受けて処方される薬の2つに分けられます 。市販薬は自分の判断ですぐ試せる手軽さがあり、処方薬は症状や体質に合わせて医師が選ぶという違いがあります。それぞれ対応できることが異なるので、確認してみましょう。
| 項目 | 市販薬 | 処方薬 |
|---|---|---|
| 入手方法 | 薬局やドラッグストアで購入 | 医師の診察を受けて処方 |
| 主な種類 | 西洋ハーブ配合薬、漢方薬、鎮痛薬 | 低用量ピル、超低用量ピル、漢方薬、鎮痛薬、精神症状に用いる薬 |
| 費用 | 全額自己負担 | 保険適用となる場合と自費の場合がある |
| 医師の関与 | なし(薬剤師や登録販売者に相談) | 診察のうえで医師が判断 |
| 向いているケース | 症状が軽めな方、まず試してみたい方 | 日常生活に支障がある方、市販薬で変わらない方 |
市販薬で対応できること
市販薬は、生理前の乳房の張りや頭痛、イライラといった症状を和らげる目的で使われます。西洋ハーブを配合したものや漢方薬タイプのものがあり、症状が軽めで「まずは気軽に試してみたい」という方に向いた選択肢です。ただし、市販薬でPMSの原因そのものを取り除けるわけではありません。3か月ほど使用しても変化を感じないときは、我慢せずに産婦人科や婦人科へ相談してみましょう。
病院で処方される薬で対応できること
病院では、低用量ピルや超低用量ピル、漢方薬など、市販では手に入らない薬を医師の判断で処方してもらえます。「仕事や学業を休むほどつらい」「気分の落ち込みが強い」といった場合は、症状に合わせた薬を選んでもらえるのがメリットです。診察では症状の出る時期や程度を伝えると、治療の方針が決まりやすくなります。
PMSの症状を和らげる市販薬の種類と選び方
いざドラッグストアに行ってみても、種類が多くどれが自分に合うのか分からず迷ってしまう…という経験をしたことがあるかもしれません。市販薬は「PMS(月経前症候群)全体に働きかけるタイプ」と「つらい症状をピンポイントで抑えるタイプ」に分けて考えると選びやすくなります。
PMSの症状を和らげる市販薬は、ドラッグストアや薬局で手軽に購入できます。なかでも、 チェストベリー(西洋ハーブ)を配合した製品は、胸の張りや頭痛、イライラ、気分の落ち込みなどの改善に効果が期待されています 。
PMS症状を全体的に和らげるならチェストベリーを配合した市販薬
生理前の乳房のはりや頭痛、イライラ、怒りっぽさ、気分の変調といったPMS症状を全体的にバランスよく和らげたいときに選ばれるのが、西洋ハーブであるチェストベリーを配合した市販薬です 。1日1回1錠を毎日続けるタイプの製品が薬局やドラッグストアで販売されており、1か月程度続けることで効果が期待できるとされています。
ただし、18歳未満の方や授乳中の方は服用できない製品があります。また、チェストベリーは女性ホルモンに作用するハーブのため、低用量ピルや超低用量ピルの効果に影響を与える可能性があります。ピルを服用中の方は、併用は避け、購入前にパッケージの記載を確認したり、薬剤師や登録販売者に相談したりしましょう。
体質から整えるなら漢方薬タイプの市販薬
生理痛や生理不順、頭痛、冷え、肩こりといったPMSで引き起こされる症状を、体質から整えていきたいときに選ばれるのが、漢方薬タイプの市販薬です 。複数の生薬を配合した製品が広く販売されています。
漢方薬は飲んですぐに変化を感じるものではなく、1〜2か月ほど続けて様子を見ることが大切です。年齢制限が設けられている製品もあるため、服用できる年齢かどうかを確かめてから使用しましょう。
頭痛や腹痛、吐き気などの症状別にに使う市販薬
生理前の頭痛や腹痛には鎮痛薬、吐き気には吐き気止めというように、つらい症状に合わせた市販薬を選ぶ方法もあります 。これらはPMSそのものを治す薬ではなく、出ている症状を一時的に抑える対症療法にあたります。
毎月のように強い吐き気が続く場合や、妊娠している可能性がある場合は、自己判断で市販薬を使わず産婦人科に相談してください。生理前の吐き気は妊娠初期の症状と似ていることもあり、見分けがつきにくいためです。
市販薬を選ぶときに気をつけたいこと
市販薬には、服用できる年齢が定められています。高校生の年代でも使える製品はありますが、18歳未満は服用できないものもあるため、パッケージの記載を必ず確かめましょう。不安なときは、保護者や薬剤師に相談してから使うと安心です。
また、低用量ピルやサプリメントを飲んでいる方は、併用して良いかを自分で判断せず、処方元の医師や薬剤師に確認してください。
病院で処方されるPMSの薬
市販薬を試しても変わらないときや、毎月のつらさで予定を諦めてしまうときは、医師に相談するタイミングかもしれません。病院では、症状や体質に合わせて次のような薬が検討されます。
低用量ピル・超低用量ピル
低用量ピルや超低用量ピルは、ホルモンバランスを整えることで、生理痛の軽減や肌荒れの改善などの効果が期待できる薬です 。

また、服用すると排卵が抑制され、生理(消退出血)の経血量が減るため、生理痛や腰痛を軽減するほか、生理周期が安定しやすくなります。処方には医師の診察が必要ですが、毎月のつらい症状に悩んでいる方にとって、有効な治療の選択肢の1つです。
正しく服用すれば高い避妊効果が期待でき、生理開始の1~5日目に飲み始めれば、その日から効果が得られます。生理5日目以降に内服を開始した場合は、連続7日間ピルを服用した後に避妊効果が得られるとされています。
PMS(月経前症候群)の軽減が感じられるまでの期間には個人差がありますが、服用開始から2~3か月ほどで実感できることが多いので、まずは最低3か月続けて様子を見てみましょう。
超低用量ピルは、女性ホルモンの一種であるエストロゲン(卵胞ホルモン)の量が30㎍未満と、とても少ないのが特徴です。主に月経困難症や子宮内膜症の治療に使われ、病院で処方される際は保険が適用されます。低用量ピルよりもホルモン量がさらに少ないため、副作用が起こりにくい反面、不正出血が見られることもあります。
ミニピル
ミニピルはプロゲスチン(黄体ホルモン)だけを含む薬で、エストロゲンを含まないタイプのピルです。 エストロゲンによる血栓症のリスクを避けたい方の選択肢として用いられることがあります 。
ミニピルはPMS治療における第一選択肢となることは少ないですが、、血栓症のリスクによって低用量・超低用量ピルを処方してもらえない方にとって、貴重な代替選択肢となることがあります。
ミニピルは排卵を抑えたり、子宮の中を妊娠しにくい状態に変えたりして避妊を助けます。ただし、低用量ピルと比べて毎日きっちり同じ時間に飲む必要があるので、飲み忘れに注意が必要です。服用できるかどうかは、体の状態をふまえて医師が判断します。
漢方薬
漢方医学では、人間の体は「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」の3つの要素で構成されており、このいずれか1つでもバランスが崩れると不調が出ると考えられています。PMSも同様で、漢方によって「気」「血」「水」のバランスを良くし、症状を改善することが期待されています。
PMSの改善に用いられる主な漢方薬には、以下のようなものがあります。
| 漢方薬 | 期待できる効果 |
|---|---|
| 加味逍遙散(かみしょうようさん) | イライラ、不安感、気分の落ち込み、のぼせ |
| 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) | 冷え性、むくみ、生理不順、貧血傾向 |
| 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん) | 生理痛、下腹部痛、肩こり、冷えとのぼせ |
| 桃核承気湯(とうかくじょうきとう) | イライラ、怒りっぽい、便秘を伴うPMS |
| 温経湯(うんけいとう) | 冷え、生理不順、更年期症状 |
| 補中益気湯(ほちゅうえっきとう) | 倦怠感、眠気、疲れやすい |
| 抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ) | 神経過敏、不眠、不安感、イライラ |
病院で処方される漢方薬は、症状や体質を医師が確かめたうえで選ばれます。市販の漢方薬と成分が重なることもあるため、すでに飲んでいるものがあれば診察時に伝えましょう。
精神症状に用いられる薬
気分の落ち込みや不安が強く、日常生活に支障が出ている場合には、心療内科や精神科で薬による治療が検討されることがあります 。特に、イライラや気分の落ち込みなどの精神症状が強く、日常生活に支障をきたすPMDD(月経前不快気分障害)の場合は注意が必要です。通常のピルでは十分な効果が得られないこともあり、精神安定剤やSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が用いられることがあります。
どの薬を使うか、そもそも薬を使うかどうかは、症状の経過を確かめたうえで医師が判断します。生理前だけ症状が強くなるという経過を伝えると、診察の助けになるでしょう。
痛みやむくみに用いられる薬
生理前の頭痛や腹痛には鎮痛薬、強いむくみには利尿剤が用いられることもあります。これらは出ている症状を抑えることを目的とした薬で、ホルモンの変動そのものに働きかけるものではありません。
なお、 生理前の頭痛や下腹部痛を和らげるために鎮痛薬を使用する場合は、痛みが強くなる前のタイミングで我慢せずに服用するのが効果的です 。薬は痛みの原因物質(プロスタグランジン)が作られるのを抑える働きがあるため、痛みがひどくなってからでは薬が効きにくくなってしまいます。
症状が毎月繰り返されるようであれば、対症療法だけに頼らず、根本的な対処法を医師と相談してみましょう。
PMSの薬にかかる費用と保険適用の考え方
保険が使えるかどうかは、薬の種類ではなく「何の治療として処方されるか」で決まります 。PMS(月経前症候群)そのものを目的とした処方は自費となることがある一方、月経困難症などの治療として処方される場合は保険が適用されることがあります。
市販薬の値段の目安
市販薬は全額が自己負担で、1か月分でおよそ1,500〜3,000円程度が目安です。製品の種類や店舗によって価格は異なるため、実際の金額は購入先で確かめてみましょう。
続けて使う前提の製品では、1か月あたりいくらかかるかを計算しておくと、無理のない範囲で試しやすくなります。
病院で処方される薬の値段の目安
病院でかかる費用は、診察料と薬代の合計です。保険が適用される場合は窓口での支払いが3割負担となり、自費の場合は医療機関が定めた金額を全額支払います。
低用量ピルは、自費であれば1シートあたり2,000〜4,000円程度を目安とする医療機関が多いようです。初診料や再診料が別にかかることもあるため、受診前に医療機関のホームページで確かめておくと安心です。
目安として、メデリピルのオンライン診療で処方を受ける場合の料金は、低用量ピルの料金ページと超低用量ピルの料金ページで確認してみてください。一部の漢方薬や鎮痛薬、利尿剤も処方しています。
i保険適用になるケースとならないケース
ピルは、服用する目的によって、以下のように保険の取り扱いが明確に分かれています。
| 分類 | 主な目的 | 保険の扱い |
|---|---|---|
| OC(経口避妊薬) | 避妊 | 適用外(自由診療) |
| LEP(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤) | 月経困難症や子宮内膜症などの治療 | 医師の判断により適用される場合がある |
月経困難症や子宮内膜症の治療として処方される低用量ピル・超低用量ピルは、保険適用となる場合があります 。一方、避妊を目的とした処方は保険の対象外で、一律で自費診療となります。
PMSの症状で受診したときにどちらの扱いになるかは、診察のうえで医師が判断します。気になるときは、診察のときに費用の見込みも合わせて聞いてみましょう。
通院が難しいときのオンライン診療
仕事や家事で通院の時間が取りにくい方は、オンライン診療という選択肢もあります。スマートフォンで自宅やお好きな場所から産婦人科医の診察を受けられるため、移動や待ち時間の負担を減らせます。

オンライン診療では、医師が顔色や表情を確かめることで、声だけでは気づけない体調の変化を把握するため、ビデオ通話での受診がルールとなっています。なお、医師の判断によりピルを処方できない場合もあります。
※参考:「オンライン診療について 国民・患者の皆様へ」(厚生労働省)
PMSの薬の副作用と使うときに気をつけたいこと
どの薬にも、体質との相性があります。飲み始めに起こりやすい変化と、すぐに相談したほうが良い変化を分けて知っておくと、落ち着いて対処できますよ。
低用量ピルで起こることがある副作用
低用量ピルはホルモンの働きを調整する薬なので、服用を始めた初期のころは体が慣れるまで一時的に副作用が起こることがあります 。主な副作用は、以下のとおりです。

これらの症状は、飲み続けるうちに軽くなっていくとされています。ただし、症状が強く続くようであれば、無理せず早めに医師に相談し、薬の種類を変えるなどの対応をしてもらいましょう。
血栓症のサインと受診の目安
低用量ピルは、まれに血栓症のリスクを高めることがあります。 特に喫煙者や高血圧の方は注意が必要ですので、服用前には必ず医師の診察を受けましょう 。次のような症状が現れた場合は、服用を中止して速やかに受診してください。

なお、ピルの効果を安定させるためには、毎日ほぼ同じ時間に服用することが大切です。飲み忘れや服用時間の大きなずれがあると、PMSの改善や避妊の効果が十分に得られなくなるため、毎日続けやすい工夫をしながら、無理なく服用しましょう。
ピルを使用できない方・注意が必要な方
低用量ピルは、持病や体の状態によっては服用ができない、または注意が必要なケースがあります 。服用できるかどうかは、診察のうえで医師が判断します。
服用できないとされているのは、次のような方です。
- ・過去に血栓症になったことがある方
- ・乳がんや子宮体がんと診断された方・あるいは疑いのある方
- ・ホルモン依存性の腫瘍がある方
- ・現在、妊娠している可能性のある方
- ・前兆(目の前がチカチカするなど)のある片頭痛のある方
- ・手術を受ける1か月前の方
また、次のような方は服用に注意が必要とされています。
- ・35歳以上で1日15本以上の喫煙者
- ・母乳育児中の方
- ・持病がある方
- ・片頭痛がある方
- ・血圧が高い方
喫煙中の方の場合、エストロゲンを含まないミニピルであれば処方可能なケースがあります。このように、「禁忌に当てはまるからピルは飲めず、つらいPMS(月経前症候群)と付き合っていくしかないんだ…」と自己判断で諦めず、気になる症状やご自身の状況を医師に伝えて相談してみましょう。
市販薬や漢方薬でも気をつけたいこと
市販薬にも、発疹やかゆみ、吐き気、下痢といった症状が現れる可能性があります。服用して体調に変化を感じたときは、続けずに医師や薬剤師へ相談してください。
漢方薬は、同じ生薬を含む製品を重ねて飲むと成分を摂りすぎてしまうことがあります。ほかの薬やサプリメントと合わせて飲みたいときは、自分で判断せず医師や薬剤師に確認するようにしましょう。
i海外通販・個人輸入は選ばない
医師や薬剤師が関与しない通販サイトや、海外からの個人輸入を利用してピルや薬を入手することは、以下のような危険を伴うため絶対に避けてください。

インターネット通販では医師の診療や処方、薬剤師の適切な指導が一切ありません。安全に服用するためにも、正規の医療機関で入手するようにしてください。
※参考:「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」(厚生労働省)
PMSの薬が効かないと感じるときに考えられること
ピルや漢方薬によるPMS(月経前症候群)の改善効果を判断するには、最低3か月(3シート)は様子を見る必要があります。 3か月ほど続けても変わらないときは、薬が体質に合っていない可能性と、PMS以外の不調が隠れている可能性の両方を考えてみましょう 。
薬の種類が体質に合っていない
ピルには種類がたくさんあります。それぞれ含まれる女性ホルモンの種類や配合量が異なるため、処方されたピルが自分に合っていないと、3か月以上服用しても十分な効果を感じられないことがあります。その場合は、ピルの種類を変更することで症状が和らぐケースもあります。
漢方薬も同じで、体質に合うものに変えると変化を感じられることがあります。
PMS以外の不調が背景にある
PMS(月経前症候群)以外の病気であれば、薬の効果を感じにくいこともあります。たとえば、PMSと似た症状が出る貧血、甲状腺機能異常や更年期障害、うつ病、妊娠などです。また、イライラや気分の落ち込みなどの精神症状が極めて強く、日常生活に支障が出ている場合は、PMSの重症型である「PMDD(月経前不快気分障害)」の可能性もあります。
3か月以上続けても症状が改善されない場合は、ほかの不調が背景にある可能性もあるため、産婦人科や婦人科で相談し、症状に応じて内科や精神科、心療内科などの受診も検討してみてください。
飲み方や生活習慣が影響している
コーヒーやアルコール、タバコなどの嗜好品はPMSを悪化させるといわれています 。これらを過剰に摂取していることが、不調を強めている原因かもしれません。なお、カフェインがピルの効果を直接下げるという明確なデータはありませんが、薬の吸収に影響を与える可能性は否定できません。影響が気になる場合は、ピルを飲んでから2〜3時間の間隔をあけてカフェインを摂取することをおすすめします。
薬を選ぶ前に知っておきたいPMSの基礎知識
自分の症状がPMS(月経前症候群)なのかどうか、あらためて確かめておくと、薬を選ぶときの判断がしやすくなります。ここでは、PMSの症状やしくみを解説します。
PMSとは、生理が始まる3~10日前くらいから現れる、体と心の不調のことです 。生理開始とともに症状が和らいだり、治ったりすることが特徴で、「月経前症候群」とも呼ばれます。
PMSの主な症状
PMSの症状は、以下のように体と心とそれぞれに症状が出ます 。

精神的な症状では、仕事がいつもどおりにできない、人と口論になるといったように、日常生活に支障が出ることもあります。
体に現れる症状でも、痛みやめまいで仕事や学業などで日常生活に支障が出ることもあります。
PMSが起こるしくみ
PMSが起こる明確な原因は、まだ解明されていません。 生理前に黄体ホルモン(プロゲステロン)をはじめとする女性ホルモンの分泌量が変化し、脳内の神経伝達物質に影響することが要因の1つと考えられています 。
生理がある方であれば、年齢を問わずPMSは起こりうるものです。「気の持ちよう」ではないので、つらいときは我慢せず医師に相談してみましょう。
月経困難症やPMDDとの違い
PMSと混同されやすい症状に「月経困難症」があります。 PMSと月経困難症の大きな違いは、症状が現れるタイミングです 。PMSは生理前に症状が始まり、生理が始まると軽快していきます。

一方、月経困難症は生理の開始とともに症状が現れ、生理中に強くなるのが特徴です。上記に当てはまるものがないかチェックしてみましょう。
また、「PMDD(月経前不快気分障害)」とは、生理1~2週間前から日常生活に支障をきたすレベルで、深刻な精神的症状が現れる状態のことを指します。PMSの精神面の不調と似ていますが、症状の強さと生活への影響の大きさが異なります。
薬と一緒に取り入れたいPMSのセルフケア
薬は選択肢の1つで、日々の過ごし方を整えることも支えになります。無理のない範囲でできることから試してみましょう。
食事と栄養で整える
PMS(月経前症候群)の症状を少しでも和らげるためには、毎日の食事や生活のリズムが大切です。忙しいとついファストフードやコンビニ食に頼ってしまうこともありますが、なるべくお肉や魚(主菜)と、野菜(副菜)を組み合わせたバランスの良い食事を意識してみてください。カルシウム、マグネシウム、ビタミンB6はPMSの症状を和らげるといわれています。
また、カフェインやアルコール、タバコは症状を悪化させることがあるため、排卵日あたりから生理までの時期は少し控えめにすると、体もラクになります。
睡眠と軽い運動でリズムを整える
寝不足はホルモンのリズムを乱しやすいため、ゆったり休める時間をつくることが役立ちます 。ウォーキングやストレッチ・ヨガ・ピラティスなど、無理のない運動で筋肉をほぐすと、PMSの症状が和らぐ傾向があります。少しずつでも、自分の体を大切にする時間を作ってあげてくださいね。
症状を記録して自分のパターンを知る
いつ、どのような症状が出ていたのかを記録しておくと、自分の体のリズムが見えてきます。生理周期と重ねて振り返ることで、つらくなる時期に予定を詰め込まないといった工夫もしやすくなるでしょう。
記録は受診のときにも役立ちます。症状の出る時期や程度を医師に伝えられると、治療の方針を決める手がかりになりますよ。
つらさを一人で抱え込まない
ストレスは自律神経や女性ホルモンのバランスに影響することがあります。そのため、生理前には仕事やスケジュールを詰めすぎず意識的に「ホッとできる時間」を作りましょう。
もし可能なら、家族やパートナーにもPMSについて説明し、協力してもらうのもおすすめです。気持ちの落ち込みが続くときは、心理士やカウンセラーに相談する方法もあります。自分をいたわる時間を持つことは、決してわがままではありません。
PMSの薬を相談できる病院と受診の目安
どこに相談すれば良いのか分からず、受診をためらってしまうことはありませんか。相談先の目星がつくと、一歩を踏み出しやすくなりますよ。
産婦人科や婦人科で相談できること
PMS(月経前症候群)の薬について相談したいときの主な相談先は、産婦人科や婦人科です 。仕事や家事で通院が難しい場合は、オンラインクリニックのPMS外来を利用する方法もありますが、この場合もピルの処方に対応しているかを事前にチェックしておきましょう。対面でピルを処方してもらう流れは以下のとおりです。

精神症状が強いときの相談先
精神的な症状が強い場合は、心療内科や精神科で対応でが必要になることがあります。で受診前にピルの処方が可能かどうかをホームページや電話で確認しておくと安心です。産婦人科で相談したうえで、必要に応じてほかの診療科を紹介してもらう流れもあります。
早めに受診したほうが良い症状
次のような状態が続いているときは、早めに産婦人科へ相談してみてください。自己判断で我慢を続けると、つらさが長引いてしまうこともあります。

まとめ
PMS(月経前症候群)の薬は、ドラッグストアで買える市販薬と、医師の診察を受けて処方される薬に分かれます。症状が軽めで「まずは気軽に市販薬を試したい」という場合は市販の漢方薬やチェストベリー配合薬が選択肢となります。日常生活に支障が出ている場合は低用量ピルや超低用量ピルなど、医師が症状に合わせて選ぶ処方薬が選択肢になります。費用は保険適用の有無で変わり、月経困難症などの治療として処方される場合は保険が使えることもあります。
市販薬を3か月ほど試しても変化がないときやつらさが続く際は自己判断で我慢せず、産婦人科や婦人科を受診して医師に相談してみてください。ご自身の症状や体質に合った薬を選び、無理のないケアを始めましょう。また、通院の時間が取りにくい方は、オンライン診療で産婦人科医に相談するという方法もあります。
PMSの薬に関するよくある質問
ここでは、PMSの薬に関するよくある質問に回答します。
PMSの市販薬って高校生でも使って良いの?
製品によって服用できる年齢が決められており、18歳未満は服用できないものもあります。パッケージや説明書の年齢の記載を確かめ、迷ったときは薬剤師や登録販売者に相談してください。市販薬を試しても生理前のつらさが続くようであれば、保護者と相談して婦人科を受診してみましょう。
PMSの市販薬とピルは一緒に飲んでも良いの?
PMS(月経前症候群)の市販薬とピルは、自己判断での併用は避けてください。チェストベリーを配合した市販薬は、低用量ピルの効果に影響を与える可能性があるといわれています。ほかの市販薬やサプリメントについても、飲み合わせに問題がないかを処方元の医師や薬剤師に確認すると安心です。
生理前の吐き気に効く市販薬はあるの?
吐き気を抑える市販薬はあります。ただしPMSそのものを治すものではなく、症状を一時的に和らげる対症療法にあたります。毎月のように強い吐き気が続く場合や、妊娠している可能性がある場合は、市販薬を使う前に産婦人科で相談しましょう。
漢方やピル以外にPMSに使える薬はあるの?
精神症状が強い場合には心療内科や精神科で用いられる薬が、痛みやむくみには鎮痛薬や利尿剤が検討されることもあります。どの薬を使うかは、症状の経過を確かめたうえで医師が判断します。気になる症状があるときは、自己判断せず産婦人科や心療内科に相談してみてください。
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