ピルの休薬期間に生理がこないのはなぜ?避妊効果と出血の理由について医師が解説

ピル
更新日:2025.10.22
ピルの休薬期間に生理がこないのはなぜ?避妊効果と出血の理由について医師が解説

避妊だけでなく、月経困難症やPMSなどの改善にも用いられる低用量ピルは毎日1錠の服用を続けていくことで効果を発揮しますが、休薬期間と言って服用をお休みする期間が必要になる薬でもあります。今回は、休薬期間に起こる症状や期間、出血について詳しく解説していきます。

ピルの休薬期間とは?

ピルの休薬期間は、服用をお休みする期間のことを指します。低用量ピルは21錠もしくは28錠で1シートが構成されていますが、いずれも休薬期間は7日間です。
21錠の場合はすべてが実薬(ホルモンが含まれているもの)のため、ご自身で7日間を数えて、その間は新しいシートを服用しないようにしてください。
28錠の場合は、21錠の実薬と7錠の偽薬(ホルモンが含まれていないもの)のため、22日目からは偽薬を7日間服用してください。偽薬はホルモンを含まないため、飲み忘れても避妊効果に直接影響はありません。ただし、飲み忘れが続くと次のシートの開始が遅れる可能性があるため、毎日決まった時間に服用することを心がけましょう。

偽薬(プラセボ)がある28錠タイプとない21錠タイプの違い

(追加)
低用量ピルには、21錠タイプと28錠タイプの2種類があります。21錠タイプは有効成分入りの錠剤を21日間服用したあと、7日間休薬します。一方、28錠タイプは21錠の有効成分入りに加え、7錠の偽薬(プラセボ)が含まれ、休薬期間も毎日服用を続けられる仕組みです。

タイプ 特徴 メリット デメリット
21錠タイプ 21日間服用+7日休薬 薬の数が少なく経済的 休薬開始を忘れやすい
21錠タイプ 有効成分21錠+偽薬7錠 服用習慣が途切れない 薬の数がやや多い

ピル初心者には、毎日飲み続ける習慣がつけやすい28錠タイプが適しているといわれています。

ピルに休薬期間が必要な理由

低用量ピル服用中に休薬期間が必要な理由は2つあります。

消退出血を起こし、子宮内膜の状態を整えるため

低用量ピルは排卵を抑制することで高い避妊効果を発揮しますが、休薬期間を設けることで一時的にホルモン投与を中断し、消退出血(生理のような出血)を起こさせます。これにより、子宮内膜の過剰な増殖を防ぎ、子宮の状態を健康に保つとともに、自然な月経周期に近い体のリズムを維持する目的があります。

避妊の成功を確認できる

ピルは正しく服用することで高い避妊効果を得ることができますが、100%ではありません。そのため、休薬期間中に出血がない場合は妊娠の可能性があります。もしも休薬期間中に出血がなければ市販の妊娠検査薬で確認するか、産婦人科を受診して検査するようにしてください。

ピルの休薬期間中に起こる主な症状

ピル服用中は、ピルに含まれる一定のホルモンを人工的に摂取していますが、休薬期間中はピルの服用がないため、ホルモンバランスに変化がある可能性もあります。そのため、以下のようなPMS(月経前症候群)に近いような症状が出ることもあります。

・気分の落ち込み、イライラ
・下腹部痛
・吐き気
・頭痛 など

ピルの休薬期間中、何日目に生理が来る?

ピルの休薬期間中には、生理のような出血である「消退出血」が起こります。
一般的には、休薬を開始してから2〜3日を目安に出血が起こります。出血期間は生理と同じように5日間ほど続き、出血量も生理より少ないことが多いですが、期間や出血量には個人差があります。

出血が来るタイミングに個人差があるのはなぜ?

休薬期間中の出血は、ホルモン剤を中断することで子宮内膜が剥がれ落ちる「消退出血」です。しかし、出血が始まるタイミングには個人差があります。
まず、体質によってホルモンの代謝速度や子宮内膜の厚さが異なるため、出血が早い人・遅い人がいます。次に、年齢によっても差があり、10〜20代の若い世代はホルモンバランスが比較的安定しているため出血が規則的に来やすく、30代以降は変動が大きくなりやすいといわれます。さらに、ピルの種類(一相性か三相性か)によっても出血開始の時期に違いが出ます。
出血が数日遅れても、服用をきちんと続けていれば問題ないケースが大半です。ただし、1週間以上出血がない場合や不正出血が続く場合は、妊娠や別の病気が隠れている体調異常の可能性があるため注意が必要です。

ピルの休薬期間に出血が起こらない原因

ピルの休薬期間中に出血が起こらない場合には、以下の5つの原因が考えられます。

休薬期間を設けていない

21日間の服用後に休薬期間を設けずに服用を継続していると、消退出血は起こりません。
また、不自然な出血が起こるリスクもあるため危険です。

ストレスがかかっている

心身ともに強いストレスがある状態だと、ホルモンバランスに影響が出て、出血が起こらなくなることがあります。また、過剰なダイエットや加齢によっても出血が遅れたり起こらない可能性があります。適度なストレス発散、ダイエットを心がけ、40歳以降のピル服用については医師へ相談するようにしてください。

模造品のピルを服用している

海外からの輸入品などのピルには、本来の成分が含まれていない模造品であるリスクがあります。また、日本においてピルは医師の処方が必要な薬です。必ず産婦人科やオンライン診療サービスにおいて医師から処方してもらいましょう。

ピルの作用で子宮内膜が薄くなっている

通常、女性の体は妊娠に備えて子宮内膜を厚くしますが、ピル服用中は子宮内膜を一定の厚さに保つことができます。服用を継続していると、子宮内膜が薄くなり、休薬期間においても出血しなくなったり出血期間が短くなる場合もあります。休薬期間を過ぎても出血がみられない際は、産婦人科を受診するようにしてください。

妊娠している

ピルを正しく服用していれば高い避妊効果が期待できますが、100%ではありません。また、飲み忘れなどが生じると避妊効果は低下していくことから、休薬期間中に出血がない場合は妊娠の可能性も視野に入れましょう。

4日以上経っても出血がない場合は注意が必要?

休薬から4日以上経過しても出血がない場合、いくつかの対応が必要です。
まず、服用忘れがなかったか確認しましょう。飲み忘れや服用時間のズレがあるとホルモンバランスが崩れ、出血が遅れることがあります。次に、妊娠の可能性をチェックすることも大切です。性交渉の有無やタイミングによっては、妊娠の可能性を否定できないため、市販の妊娠検査薬で確認しましょう。
また、子宮内膜が薄く保たれているために出血が起こらないケースもあります。これはピルの効果の一部であり、避妊効果が失われたわけではありません。
ただし、休薬期間を過ぎても出血がない場合や、不正出血や体調不良を伴う場合は、早めに婦人科を受診することが推奨されます。

まとめ

ピルの休薬期間中の出血は、ホルモン変化による消退出血であり、自然な生理とは異なります。出血の時期や有無には個人差がありますが、正しく服用していれば避妊効果は維持されています。出血が4日以上ない場合は飲み忘れや妊娠の可能性を確認し、不安があれば医師に相談しましょう。

ピルの休薬期間に関するよくある質問

最後に、ピルの休薬期間についてよくある質問に回答していきます。

ピルの休薬期間中の避妊効果は?

低用量ピルは毎日1錠を同じ時間に正しく服用することで避妊効果を発揮することができるため、休薬期間にも避妊効果は持続します。

休薬期間あけにピルを飲み忘れたときは?

飲み忘れたタイミングで対処方法が異なります。

・1日(1錠)飲み忘れた場合
→気づいた時点で飲み忘れた前日分のピル1錠を服用します。当日分も通常通り服用します。

・2日(2錠)以上飲み忘れた場合
→気づいた時点で飲み忘れた分のピルのうち、前日分の1錠を服用します。当日分も通常通り服用します。

ピルは1日に2錠までしか服用ができません。1日3錠以上服用しないようにしましょう。また、性交渉の際は別の避妊方法を併用するか、7錠以上連続して服用するまで性交渉は避けましょう。直前5日以内に性交渉を行った場合には、緊急避妊を検討してください。不安な場合は医師に相談するようにしてください。

ピルを休薬しないとどうなる?

ピルには休薬期間が必要です。休薬期間を設けずに服用を進めると、予期せぬ出血が起こる可能性が高まりますので、必ず休薬期間を設けて正しく服用をしてください。

ピル服用中の生理は何日間?

ピル服用中の生理のような出血(消退出血)は、個人差はあるものの5日以内で終わることが多いとされています。ピルの効果で、子宮内膜が薄く保たれることから出血量が少なくなる傾向にあります。

生理が来ないピルはある?

生理痛が重いなどの生理トラブルを抱えている方で、日常生活に影響が出ている場合は月経困難症である可能性があります。月経困難症などの治療目的で、一部の超低用量ピルや、「黄体ホルモン製剤」が、休薬期間を設けずに連続して服用する用法で使用されることがあります。あくまで治療目的として処方が前提になるものの、生理がつらく悩んでいる場合には医師に相談するようにしてみてくださいね。
また、自費診療にはなりますが避妊目的で連続投与したい場合にはミニピルとして「黄体ホルモン製剤」の処方が可能です。

ピル服用中はきちんと休薬期間を設けよう

ここまでピルの休薬期間について詳しく解説してきました。低用量ピル服用中の休薬期間は、卵巣や子宮の活動を保つためにも大切な期間です。21錠タイプを服用している方はピルの服用がない期間となるため、カレンダーやリマインダー機能などを活用して服用再開を忘れないようにしてみてください。ピルの服用が初めての方は28錠タイプの偽薬の服用で休薬期間を過ごすのもおすすめです。きちんと休薬をして、正しくピルの効果を得るようにしましょう。

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監修者

日本医科大学武蔵小杉病院 助教
海渡 由貴
2015年日本医科大学医学部卒業後、2年間の初期研修を経て、2017年より日本医科大学産婦人科学教室に入局。 大学病院、市中病院、クリニックなど幅広く勤務を経験。 日本女性医学会、日本生殖医学会、日本周産期・新生児学会に所属し、日々最新の知識を習得し、現在は日本医科大学武蔵小杉病院にて助教を務める。 2024年にメデリピルにてオンライン診療によるピル処方を開始し、2025年からmederi magazineの記事監修を担当。

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