生理は女性にとって健康状態のバロメーターでもあります。
生理の基礎知識や、生理中でも快適に過ごすためのセルフケアをご紹介。
茶色い不正出血が出る原因とは?疑われる病気や鮮血との違いについて解説
生理でもないのに茶色い出血やおりものがあると、何か大きな病気ではないかと不安になりますよね。茶色い不正出血は、生理前後の生理現象として起こることもあれば、ホルモンバランスの乱れや婦人科系疾患が原因となっていることもあります。
この記事では、茶色い不正出血が起こる原因や考えられる病気、病院で行う検査方法、受診の目安についてわかりやすく解説します。
もくじ
不正出血とは?
不正出血とは、生理以外のタイミングで起こる性器からの出血のことで、正式には「不正性器出血」と呼ばれます。不正出血にはさまざまな原因があり、大きく「機能性出血」「器質性出血」「中間期出血」の3つに分けられます。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 機能性出血(非器質性出血) | ホルモンバランスの乱れによって起こる出血 |
| 器質性出血 | 子宮や卵巣などの病気が原因で起こる出血 |
| 中間期出血 | 排卵期にみられる少量の出血 |
茶色の不正出血になる原因は?
茶色の不正出血は、出血してから時間が経った血液が体外へ排出されることで起こります。血液は体内にとどまる時間が長くなると酸化し、赤色から茶色へと変化します。
そのため、ホルモンバランスの乱れによる少量の出血や、生理前後にみられるわずかな出血などでは、茶色いおりもののように見えることがあるのです。茶色い出血は古い血液が排出された状態を示しますが、ホルモンバランスの乱れや婦人科系疾患、妊娠に関連する出血など原因はさまざまです。出血が続く場合や繰り返す場合は婦人科を受診しましょう。
i鮮血の不正出血の場合
鮮血の不正出血とは、「出血してから時間が経っていない新しい血液が出ている状態」を意味します。原因としては排卵期出血やストレスによるホルモンバランスの乱れなどが挙げられますが、出血量が多い場合や腹痛を伴う場合は注意が必要です。子宮筋腫や子宮内膜ポリープをはじめ、流産や子宮外妊娠といった緊急性の高いトラブルが隠れている可能性もあります。
また、性交渉後の出血は子宮頸管ポリープや子宮頸がん、閉経後の出血は子宮体がんのサインであることもあります。鮮血だからといって必ずしも重大な病気とは限りませんが、出血量が多い場合や症状が続く場合は注意が必要です。
茶色の不正出血があるときに考えられる病気
不正出血とともに腹痛などの症状が出た際は、何らかの病気である可能性もあります。
不正出血の原因となる主な病気を4つ紹介します。
子宮頸がん
子宮頚がんは子宮頚部に生じるがんで、性交渉によるHPV(ヒトパピローマウイルス)感染によって発症することがあります。
性交渉の経験がある多くの女性がHPVに感染する可能性があり、若い人にも起こりうるがんです。
HPVは基本的には免疫によって自然に排出されますが、長期間感染が持続すると子宮頚がんに進行する可能性があります。
初期症状はほとんどありませんが、不正出血や茶褐色のおりものが症状として現れることがあります。
早期発見・早期治療によって高い確率で完治が期待できるので、定期的な産婦人科での検診がすすめられています。
子宮体がん
子宮体がんは、女性の子宮体部に発生するがんの一種です。女性ホルモンであるエストロゲンの過剰な分泌にともなって発症することが多く、閉経後の女性に起きやすいがんです。
エストロゲン(卵胞ホルモン)が子宮内膜の異常な増殖を引き起こし「子宮内膜増殖症」という段階を経て、子宮体がんへと進行します。
自覚症状として不正出血が現れるため、閉経後に不正出血があったら可能な限り早く病院の診療を受けましょう。また進行すると、性交痛、排尿痛、下腹部の痛みなどの症状が現れることもあります。
ポリープなどの腫瘍
子宮の内部や子宮頚部にできるポリープは、不正出血の原因となることがあります。
ポリープが性交渉や激しい運動により傷つくことで、不正出血が起こり腹痛をともなうこともあります。
良性であることがほとんどですが、不正出血を繰り返す場合や妊娠に影響する場合は摘出が検討されます。
子宮筋腫
子宮筋腫は、子宮の筋肉にできる良性の腫瘍です。30歳以上の女性の4人に1人が発症するといわれるほど一般的な病気であり、不正出血のほか、ひどい生理痛(月経困難症)や貧血などの症状を引き起こすことがあります。症状の現れ方は筋腫の大きさや数、発生する場所によって異なりますが、症状が軽いようであれば、低用量ピルなどを用いたホルモン療法で経過をみることも可能です。
一方で、筋腫の位置や大きさによっては妊娠に影響を及ぼす(不妊や流産のリスクになる)こともあるため、現在妊活中の方や将来の妊娠を希望されている方の場合は、医師の判断のもとで手術による摘出が検討される場合もあります。
生理前後に茶色い不正出血が出る場合
生理前後にみられる少量の茶色い出血は多くの場合、生理に伴う自然な現象です。
茶色く見えるのは、少量の血液が体内にとどまる間に酸化するためです。生理前は子宮内膜が剥がれ始めることで、生理後は子宮内に残った経血が排出されることで起こります。通常は、生理が始まったり数日で出血が治まったりするため、過度に心配する必要はありません。
ただし、出血が長引く場合や量が増える場合、腹痛などの症状を伴う場合は注意が必要です。子宮筋腫や子宮がんなどの病気が原因となっている可能性もあるため、気になる症状があれば婦人科を受診しましょう。
不正出血が出る場合の検査方法
不正出血の原因を特定するため、症状や年齢、出血の状況に応じてさまざまな検査を行います。
内診
外陰部や腟、子宮の状態を確認する検査です。視診や触診(双手診)によって、炎症や裂傷の有無、子宮・卵巣の腫れ、痛みなどを調べます。
子宮がん検査
不正出血の原因として、子宮頸がんや子宮体がんなどの病気が隠れていないかを確認する検査です。特に原因不明の出血が続く場合は、早めの受診が重要です。
超音波検査(エコー検査)
超音波を使って子宮や卵巣の状態を観察します。子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜ポリープなど、不正出血の原因となる疾患の有無を確認します。
おりもの検査
腟内のおりものを採取し細菌や真菌による感染、炎症の有無を調べる検査です。腟炎や子宮頸管炎などが原因となっていないかを確認します。
性感染症検査
クラミジアや淋菌などの性感染症の有無を調べる検査です。性感染症による炎症が不正出血の原因となることがあります。
妊娠反応検査
妊娠による出血の可能性を確認するための検査です。妊娠初期の出血や切迫流産、異所性妊娠(子宮外妊娠)などの鑑別に役立ちます。
血液検査
女性ホルモンや甲状腺ホルモンなどを測定し、ホルモンバランスの乱れがないかを調べます。無排卵性出血などの原因を確認する際に行われます。
不正出血に関するよくある質問
ここでは、不正出血に関する質問にお答えします。ぜひ参考にしてみてください。
40代で茶色の不正出血が出るのは病気?
40代の茶色い不正出血は更年期によるホルモン変化が原因の場合もありますが、病気が隠れていることもあります。特に子宮筋腫や子宮内膜ポリープ、子宮体がんなどのリスクが高まる年代のため、出血が続く場合は婦人科で検査を受けましょう。
生理から2週間ほど経つと茶色の不正出血が出るのは正常?
生理開始から約2週間後の少量の茶色い出血は、排卵期出血(中間期出血)の可能性があります。排卵期はホルモンバランスが一時的に変化するため、病気がなくても出血することがあります。出血量が少なく数日で治まる場合は、過度に心配する必要はありません。
ただし、出血が長引く場合や腹痛を伴う場合は、婦人科系疾患が原因の可能性もあるため、婦人科を受診しましょう。
茶色の不正出血はストレスが原因?
茶色の不正出血は、ストレスによるホルモンバランスの乱れが原因で起こることがあります。強いストレスや睡眠不足、過労が続くと生理周期が乱れ、不正出血がみられることもあります。症状が続く場合は婦人科を受診しましょう。
茶色の不正出血は妊娠している?
茶色の不正出血は、妊娠初期の着床出血である可能性があります。生理予定日前後に少量みられることがありますが、出血だけで妊娠かどうかは判断できません。生理が遅れている場合は妊娠検査薬で確認してみましょう。
不安なときは医師の診療を
不正出血が続く場合や、腹痛、性交渉時の痛み、排尿痛などを伴う場合は、早めに婦人科を受診しましょう。不正出血の原因はホルモンバランスの乱れだけでなく、婦人科系疾患や妊娠に関連するトラブルである可能性もあります。早期発見・早期改善につなげるためにも、気になる症状がある場合は医師に相談しましょう。
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監修者
2013年杏林大学医学部卒業後、慶應義塾大学病院で研修。 愛育病院、国立成育医療センターを経て、2018年より六本木レディースクリニックで不妊治療を行う。 現在は六本木レディースクリニック非常勤。
2024年よりメデリピルにてオンライン診療によるピル処方や、mederi magazineの記事監修を担当。
不定期で企業講演を行う。主に卵子凍結や、体外受精、治療に対する会社のサポートについて発信
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