子宮内膜症が不妊の原因になる理由、症状や治療法をレクチャー

ピル
更新日:2024.06.27

20~30代の女性に発症することが多い「子宮内膜症」。子宮内膜症を放っておくと、不妊の原因になる可能性があります。この記事では、子宮内膜症の病態や症状について解説します。また子宮内膜症が不妊の原因となる理由や、子宮内膜症性不妊の治療法もご紹介します。

子宮内膜症と不妊は関係あるの?

子宮内膜症と不妊にはどのような関係があるのでしょうか。まず子宮内膜症の概要を解説し、それから子宮内膜症が不妊の原因になる理由や治療法についてご紹介します。

子宮内膜症とは

子宮内膜症は、子宮内膜に似た組織や子宮内膜そのものが、子宮ではないところに出来てしまう病気です。20代~30代での発症が多いといわれており、特に30~34歳が最も多いとされています。子宮内膜は、生理周期に合わせて厚くなっていく特徴があります。生理の時に経血が排出されずに体内に溜まったり、周りの臓器と癒着を起こしたりします。これらが様々な症状を引き起こす原因といわれており、不妊を引き起こす原因としても知られています。

子宮内膜症に関連した病気

子宮内膜症は、いくつか関連する病気があります。それぞれの病気を解説していきましょう。

卵巣チョコレート嚢胞

卵巣チョコレート嚢胞とは、子宮内膜症の一種で、本来子宮の内側にあるはずの子宮内膜が、卵巣にできてしまうことをいいます。卵巣で子宮内膜症が起きると、卵巣内に経血が溜まります。その経血が古くなるとチョコレートのように見えることから「卵巣チョコレート嚢胞」と呼ばれています。

子宮腺筋症

子宮腺筋症は、子宮内膜に似た組織が子宮の筋肉のなかにできる疾患です。女性ホルモンであるエストロゲンの影響を受けて、子宮筋層内で組織が増殖と剥離を繰り返します。子宮腺筋症の病変があると子宮筋層が肥厚し、子宮自体が大きくなることがあります。

腹腔内(腹膜など)の炎症や癒着

子宮内膜症は、炎症や癒着がおもな病態です。組織が炎症を起こすと癒着し、痛みが生じるのです。なお、子宮や卵巣の周囲にある腹膜は、癒着が起こりやすい組織です。その部分の、腹膜に炎症や癒着が起きると、腹痛・腰痛・性行為痛・排便痛などの痛みを感じやすくなります。卵巣チョコレート嚢胞がある場合は、卵巣周囲や腹膜の癒着がよく見られます。さらに卵巣と卵管の間、子宮の後壁、直腸といった腸管との間にも癒着が起きることがあります。

子宮内膜症の症状

子宮内膜症の症状はさまざまです。自身に以下のような症状がないかチェックしてみてください。

生理痛・腰痛

子宮内膜症は、組織が炎症や癒着することで痛みを生じることがよくあります。その多くが月経痛や腰痛で、月経痛は子宮内膜症患者の約90%に見られる症状です。癒着が進行すると、月経のとき以外にも痛みが現れるようになります。

思春期や若い女性でも子宮内膜症は発生します。生理痛が強くて生活に支障が出る、薬を飲んでも効かないなどの症状がある場合は、子宮内膜症の疑いがあるため、産婦人科の受診をおすすめします。

過多月経・過長月経

子宮腺筋症の場合によくある症状が、過多月経や過長月経です。子宮の収縮には止血の効果がありますが、それが阻害されることにより経血量が増えるのです。また、過長月経は、8日以上出血が続く状態を指します。過多月経による貧血が見られることもあります。

骨盤痛

骨盤痛も子宮内膜症の症状のひとつです。骨盤内の臓器に癒着が生じることで痛みが出ます。この痛みは、月経時以外のときにも生じることがあります。

排便痛・排尿痛・性交痛

月経痛や骨盤痛以外の痛みには、排便痛や排尿痛、性交痛もあります。排便痛や排尿痛は、直腸や膀胱の近くで癒着が起きることで生じます。性交痛は、子宮と直腸の間が癒着することが原因です。

子宮内膜症の治療法

子宮内膜症の治療法には、「手術療法」と「薬物療法」の2つがあります。それぞれの詳細を解説します。

手術療法

卵巣チョコレート嚢胞のように、病巣が明確になっている場合には手術を考えます。ただし妊娠を希望するかしないかによって、手術内容は異なります。妊娠を望んでいる場合は、病巣部のみを切除します。望まない場合は、病巣部の摘出に加え、子宮・卵巣および卵管なども摘出するケースがあります。

薬物療法

子宮内膜症による痛みには、鎮痛剤を使います。鎮痛剤でも痛みを抑えられない場合には、低用量ピル、プロゲスチン製剤、GnRHの拮抗剤などを用いるホルモン療法を行うことがあります。ホルモン療法では女性ホルモンの分泌を抑えたり、病巣に直接作用させたりして症状を和らげることが可能です。

子宮内膜症が不妊の原因になる理由

ここでは、子宮内膜症が不妊の原因になる理由を解説します。

骨盤内の臓器の癒着

骨盤内の臓器には、子宮、膀胱、直腸があります。これらの臓器が子宮内膜症により、子宮後面と直腸、卵巣と卵管、卵管と子宮などが癒着すると、骨盤内の臓器の位置が異常となり、排卵、卵管への卵子の取り込み、卵管による卵の輸送などが阻まれます。その結果、不妊を引き起こしてしまうのです。

骨盤内の炎症

骨盤内の慢性的な炎症により、骨盤内に水が溜まることを「腹水」といいます。腹水が溜まると、免疫担当細胞や炎症物質サイトカインが増加します。その結果、卵胞の発育が悪化したり、卵の質の低下を招いたり、受精率や妊娠率が低下したりすると考えられています。また卵巣チョコレート嚢胞は卵巣機能を低下させることから、不妊につながるとされています。

子宮内膜症性不妊の治療法

ここでは、子宮内膜症性不妊の治療法について解説していきましょう。

待期療法

待期療法とは、これといった治療はせずに自然妊娠を待つ方法です。子宮内膜症の患者さんが必ず不妊であるとはいえません。排卵のころにタイミングよく性交し、自然妊娠することもあります。

ホルモン療法

ホルモン療法は、GnRH agonist製剤(リュープロレリン™など)や黄体ホルモン製剤(ジエノゲスト™)を3~6ヵ月間用います。これにより子宮内膜症を縮少させ、その後妊娠を待ちます。

腹腔鏡下手術

腹腔鏡下手術により、不妊の原因となっている卵巣チョコレート嚢胞や癒着を取り除く方法もあります。この手術によって、術後に20~35%の女性が自然に妊娠するという報告もあります。

体外受精

子宮内膜症性不妊に有効な方法として、体外受精があります。ただし、子宮内膜症の進行度や不妊期間などを鑑み、手術を先にするか、体外受精を先にするか、十分に検討する必要があります。

もしかして子宮内膜症と思ったら、早めの検診を

子宮内膜症は不妊の原因となります。妊娠を望まない場合でも、子宮内膜症の症状が該当するようなら、早めに検診するようにしましょう。また低用量ピルを服用することで、辛い生理痛を緩和することもできます。妊娠を希望しない期間であれば、低用量ピルを日常的に服用することで子宮内膜症の進行を抑えることができるといわれています。子宮内膜症なのか否か、自分で判断することは難しいので激しい生理痛や気になる症状があれば、早めに検診を受けましょう。

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淀川キリスト教病院 産婦人科専門医
柴田 綾子
世界遺産15カ国ほど旅行した経験から母子保健に関心を持ち産婦人科医となる。 2011年群馬大学を卒業後に沖縄で初期研修し2013年より現職。著書:患者さんの悩みにズバリ回答!女性診療エッセンス100(日本医事新報社)、明日からできる! ウィメンズヘルスケア マスト&ミニマム(診断と治療社)など。

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