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アフターピルは何時間以内に飲むといい?避妊効果がわかるのはいつ?

ピル
2023.09.14

緊急避妊薬として知られるアフターピルは、避妊に失敗したときなどに服用して妊娠率を下げる薬です。そんなアフターピルは、何時間以内に飲めばいいのでしょうか?アフターピルで避妊できる仕組みや種類から、アフターピルの飲み方、気になる副作用などについてご紹介します。

アフターピルとは

アフターピルとは、緊急避妊薬のことです。妊娠を希望していないのに避妊に失敗したときなど、緊急時に使用します。アフターピルには黄体ホルモンという女性ホルモンの一種が主な成分として含まれ、性交渉の後に服用すると妊娠する可能性を大幅に減らすことができるのです。避妊に気を付けていても、低用量ピルを飲み忘れたり、コンドームが破けてしまったりして、失敗する可能性は誰にでもあります。そんなときに利用できるのがアフターピルです。

アフターピルを処方するのはこんなとき

アフターピルを飲むのが望ましいのは、以下のようなケースです。
・低用量ピルを3日以上飲み忘れてしまったとき
・コンドームを使っていたけれど破れた、外れたとき
・正しく避妊しなかったとき(腟外射精など)
・避妊を何も行わずに性交渉したとき
・排卵日の前後に性交渉して妊娠の不安を感じているとき
・性被害にあったとき

女性はこのような場面で「妊娠したらどうしよう」と大きな不安を抱えてしまいます。こんなときには、アフターピルを飲むという選択肢があることを覚えておきましょう。

アフターピルで避妊ができる仕組み

女性の体で妊娠が成立するためには、次のようなプロセスを踏みます。
(1)卵巣から卵子が飛び出し卵管に取り込まれる(排卵)
(2)卵管で卵子と精子が出会う(受精)
(3)受精した卵(受精胚)が卵管から子宮に進んでいく
(4)子宮内膜に受精卵が根をおろす(着床)

アフターピルには黄体ホルモンという女性ホルモンが大量に含まれていて、上記のプロセスのうち、(1)の排卵の抑制や排卵を遅らせる作用があります。そのため、排卵前に服用すれば卵子と精子が出会うことがなくなり、妊娠を避けられる可能性が高くなります。排卵した後の服用でも、(2)の受精や(4)の着床を阻害する働きがあります。

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アフターピルは何時間以内に飲むべき?

アフターピルは、服用するタイミングが重要です。アフターピルの避妊効果は、性行為から時間が経つほど低くなるからです。そのため、できるだけ早く服用するようにしてください。72時間以内の服用が推奨されていますが、早ければ早いほど、避妊効果が上がると知っておきましょう。

「ノルレボ錠」や「レボノルゲストレル錠」というアフターピルなら、性行為後72時間以内の服用で妊娠阻止率は84%とされており、かなり高い確率で避妊できることがわかるでしょう。
アフターピルを飲むならできるだけ早く処方してもらい、すぐ服用することを覚えておきましょう。現在はオンラインで24時間診療を受けられて、すぐにアフターピルを発送してもらえるところもありますので、そのようなサービスを利用するといいでしょう。

アフターピルの種類

アフターピルにはいくつかの種類があります。主に利用されているのは「ノルレボ」と、そのジェネリックである「レボノルゲストレル」の2つです。ジェネリックとは新薬の特許が切れた後に、その新薬を開発した製薬会社とは別の製薬会社が、同じ有効成分を使って作る薬のことです。同じ成分が使われているため、品質や効き目、安全性などに違いはほとんどありません。

・ノルレボ(服用方法:72時間以内に1錠を服用する)
・レボノルゲストレル(服用方法:72時間以内に1錠を服用する)

また、それ以外にヤッペ法というものもあります。「ノルレボ」と「レボノルゲストレル」は72時間以内に1錠を服用すればいいのですが、ヤッペ法では72時間以内に中用量ピルを2回服用します。ヤッペ法の方が吐き気などの副作用が強いため、基本的に「ノルレボ」または「レボノルゲストレル」を処方されることが多いです。ヤッぺ法は避妊率も低いので、緊急避妊法として推奨はされていません。

・ヤッペ法(服用方法:72時間以内に中用量ピルを2回服用する)

アフターピルの効果がわかるのはいつ?

アフターピルを飲んで避妊がうまくいったかどうかは、生理がきたかどうかでわかります。アフターピルを服用すると、3日目から2週間以内に生理がきます。このときの生理は「消退出血」といい、アフターピルの作用によって子宮内膜がはがれ落ち、血液と一緒に排出されます。この消退出血が起きれば、避妊に成功して妊娠していない可能性が高いといえます。排卵前や排卵期にアフターピルを飲んだ場合は、服用後に消退出血が起きて、その後にふだん通りの生理がきます。つまりアフターピルを飲んだ後に消退出血か、翌月の生理がきたら、避妊が成功したサインと判断できるのです。

しかしアフターピルを飲むと生理周期が乱れることがあり、稀に消退出血ではなく不正出血が起きることもあります。消退出血は3~5日間程度で終了し、比較的短期間で終わる特徴があります。アフターピルを飲んでから3週間以上しても生理が来ない場合や、生理予定日から10日以上たっても生理が来ていない場合は、妊娠している可能性があります。市販の妊娠検査薬を使用するか、産婦人科を受診して、子宮の状態を検査してもらいましょう。

アフターピルの飲み方

アフターピルを飲む場合、飲むときや飲んだあとの過ごし方に注意点はあるのでしょうか?

飲むときの注意点

アフターピルは、水と一緒に飲みましょう。カフェイン入りの飲み物やアルコール・炭酸水などは、アフターピルの吸収に影響をおよぼしかねません。避妊効果を下げないために、水で飲みましょう。また決められた用量を守るのも大切です。いくら不安でも、決められた用量以上を服用するのは危険です。

服用してから2時間以内に吐いてしまった場合は、アフターピルの成分も外に出る可能性があります。その場合は、処方してもらった医師に相談しましょう。

飲んだあとの過ごし方

アフターピルを飲んだ後は、2~3週間以内に消退出血が起こります。この出血があれば避妊が成功したことがわかるため、それまでの間は性交渉を避けましょう。次の生理がくるまでは妊娠の可能性がありますから、「アフターピルを飲んだから大丈夫」と頼り切るのではなく、性交渉を避けることが大切です。

アフターピルの副作用

アフターピルの副作用には、吐き気、不正出血、めまい、下腹部痛、乳房痛、だるさ、眠気などがあります。これらの副作用は、服用してから24時間以内におさまることが多いですから、アフターピルを飲んだ後は安静に過ごし、症状が落ち着くのを待ちましょう。

避妊で不安になったらオンライン処方を

「妊娠していたらどうしよう」と不安を抱えながら、次の生理まで待つのはとてもつらいものです。望まない妊娠を避けるためにも、緊急時に服用できるアフターピルの存在を知っておくことはとても大切です。アフターピルは72時間以内に飲むことが必要で、早ければ早いほど避妊の効果が高まります。

また、妊娠を希望していない期間は日常的に低用量ピルを飲んでおくことも選択肢の一つとなるでしょう。メデリピルでは、オンライン診療で各種ピルの処方を行っています。近くに病院がない場合や、日中に病院に行く時間がない方にとってはオンライン診療がライフスタイルに合うのではないでしょうか。

監修者

産婦人科専門医・がん治療認定医
郡 詩織
産婦人科専門医・がん治療認定医を取得。大学病院に入局したのちに、総合病院で勤務。 現在はmederiドクターとして、日々のオンライン診療や監修、セミナーやイベントに登壇。
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