生理は女性にとって健康状態のバロメーターでもあります。
生理の基礎知識や、生理中でも快適に過ごすためのセルフケアをご紹介。
月経移動ピルとは?代表的なプラノバールの服用方法や注意点などを解説
せっかくのお出かけが生理のせいで台無し…なんて経験をした方は多いと思います。実は、ピルを服用することで生理期間をずらすことができるんです。今回は、大事なイベントと生理期間を被らないようにする月経移動ピルについて詳しく解説していきます。
目次
■月経の移動・調整ができる”月経移動ピル”とは?
家族や友人との旅行、大切な試験、スポーツなどのイベントと生理予定日が重なっていると困ってしまいますよね。そんな時は、「月経移動ピル」を服用することで月経を早めたり、遅らせたりして調整することが可能です。また、アスリートにとってもピルは、月経を避けたり、月経後に試合が来るように調整したりするための薬として用いられています。
■代表的な月経移動ピル”プラノバール”
月経移動ピルで代表的なのは、「プラノバール」です。プラノバールは、月経周期をコントロールするノルゲストレル(黄体ホルモン)とエチニルエストラジオール(卵胞ホルモン)という2つの女性ホルモンからできている中用量ピルです。このピルを用いることで、ホルモン量を調整して生理日のコントロールが可能になります。また、生理不順を改善するために中用量ピルを服用して生理を起こしてから、低用量ピルを処方するといった治療目的で服用することもあります。
プラノバールを服用するメリット・デメリット
メリット
1.月経異常の改善
プラノバールを服用することで排卵を止め、子宮内膜が厚くならないようにして生理痛や子宮や卵巣の病気を改善することができます。機能性子宮出血や月経困難症、生理周期が24日以内の稀発月経、生理周期が39日以上の頻発月経、出血量が多い過多月経、子宮内膜症などに効果があるとされています。
2.不妊治療への効果
プラノバールの服用によって、体外受精などの不妊治療を行う際に妊娠しやすい子宮の状態をつくることが期待できます。排卵後に服用することにより、十分な黄体ホルモンを補って着床しやすい環境をつくり、高温期を維持させる働きがあります。しかし、プラノバールは服用方法によっては良い効果を発揮しない可能性があるため、しっかり指示を守って服用しましょう。
デメリット
1.避妊目的での服用はできない
プラノバールは避妊目的のみで処方されることはほとんどありません。一方で、排卵を抑制する作用を利用し、治療目的で処方される場合があります。排卵を遅らせたり着床を防ぐことで妊娠を防ぐとして、緊急避妊の際に用いられることもありますが、プラノバールは緊急避妊薬として認可を受けておらず、医療現場でのみ緊急避妊を目的に処方されることもある薬です。
2.副作用がでやすい
中用量ピルであるプラノバールは、薬に含まれる女性ホルモンの量が低用量ピルや超低用量ピルより多いため、副作用が多いといわれています。
プラノバールの副作用
プラノバールの主な副作用として、吐き気や嘔吐、食欲不振、眠気などが挙げられます。また、ニキビや色素沈着などの肌荒れも起きます。飲み始めは特に、吐き気やだるさを感じることが多いです。飲み始めの副作用は、薬を服用している間に徐々になくなっていくことがほとんどなので安心してください。他にも副作用として、体重増加や体のむくみがあり、0.1〜5%未満の割合で起こると報告されています。
また、重大な副作用の1つに血栓症があります。血栓症とは、血管のなかに血栓と呼ばれる血の塊ができる病気のことで、突然の足の痛みや腫れ、手足のしびれ、鋭い胸の痛み、突然の息切れ、激しい頭痛、めまい、舌のもつれ、目のかすみといった症状が現れます。ホルモン量の多い中用量ピルは低用量ピルや超低用量ピルに比べ、特に血栓症が起こる確率が高いといわれています。体調に異変を感じたらすぐに病院を受診するようにしましょう。
■月経移動ピル処方のための受診前に確認すべき事項
医師から月経移動ピルを処方してもらう前に確認しておく必要があることは、「最後に生理が始まった日」「次回の生理の開始予定日」「生理を避けたい期間」の3点です。医師はこの情報や受診時の状態から処方するピルを決定し、内服のスケジュールを立てます。
月経移動ピルを処方できないケース
月経移動ピルの処方ができない場合として、診療日が移動したい生理日の直前だった場合が挙げられます。これは、生理日を移動するために十分な服用期間がとれず、生理日を移動させることができない可能性が高いからです。また既往歴や喫煙状況などによっては服用ができない場合があるので、しっかり医師から説明を受けたうえで服用するようにしましょう。
■プラノバールの飲み方《月経を早めたい(前倒し)》
プラノバールは21錠で1シートの中用量ピルです。服用する際は、コップ1杯程度の水またはぬるま湯と一緒に1日1錠飲んでください。ピルを2錠以上飲んでしまった場合は、医師または薬剤師に相談するようにしましょう。服用量や回数は、症状などに合わせて医師が決定するため人によって異なります。月経移動目的の場合は、月経開始日より5日目から夕食後に1日1錠10〜14日間服用します。服用終了日から3〜5日後に、早めのやや少量の月経がきます。
月経を早めるメリット・デメリット
メリット
生理をずらしたい期間にピルを服用する必要がないため、生理が終わって体調が良好な時期に大切なイベントを迎えることができます。イベント中に、ピルを飲み忘れる心配がないので旅行の際などにおすすめですよ。
デメリット
月経を遅らせる方法より成功率がやや低くなります。また月経を早めるためには生理期間も含め、生理を避けたい日の前の生理が終わってから3〜5日後からピルを飲み始めるため、計画的な管理が必要です。
■プラノバールの飲み方《月経を遅らせたい(引き延ばし)》
次の月経開始予定日の5〜7日前から、夕食後に1日1錠服用してください。生理を避けたいイベント終了日まで服用を続けます。月経を早める場合と違って、イベントの最中にもピルを服用する必要がありますが、早める方法よりも成功率がやや高くなります。
月経を遅らせるメリット・デメリット
メリット
プラノバールは効果が高いため、医師の指示通り正しく服用すれば、ほぼ確実にイベント期間の生理を避けることができます。また、月経を早める方法よりも成功率がやや高くなります。
デメリット
イベント期間中の生理を避けることができますが、吐き気、嘔吐、頭痛、倦怠感、胸の張りなどの副作用がイベント期間中に起こる可能性があります。
■現在低用量ピルを飲んでいる場合はどうしたらいいの?
現在既に低用量ピルを服用している場合はどうすればよいのか疑問に思った方もいますよね。低用量ピルを服用している場合でも、生理日を移動することは可能です。現在飲んでいるシートの21錠目まで服用後、すぐに22錠目以降の偽薬期間にうつらずに、新しいシートを生理が来てほしくない日まで服用します。生理が来てほしくない日まで服用したら、偽薬期間を7日間設けて、残っているシートまたは新しいシートを飲むようにしてください。
しかし、低用量ピルには一相性ピル(ファボワール/マーベロン)と三相性ピル(ラベルフィーユ/トリキュラー/シンフェーズ)があり、月経移動で異なる点があるため注意が必要です。一相性ピルの場合は新しいシートの1錠目、三相性ピル漸増型(ラベルフィーユ/トリキュラー)の場合は12錠目から、三相性ピル中間増量形(シンフェーズ)の場合は8錠目から飲んでください。
低用量ピル服用による月経移動について、より詳しく知りたいという方は下記リンクをチェックしてください。
(低用量ピルで生理日を移動!生理日を遅らせる・早める方法は?)
■月経移動ピルに関する注意事項
月経移動ピル服用時の注意事項についてご説明します。
・ホルモン濃度を保つために、毎日同じ時間に内服しましょう。できるだけ時間の誤差も1〜2時間に収めてください。
・吐き気止めも処方してもらえるので副作用が心配であれば、事前に医師に相談しましょう。
・長期内服の場合は血栓症のリスクが少し上がるため、注意が必要です。できる限り長期内服を避け、血栓予防のために水分を多くとったり、長時間同じ姿勢でいることを避けるようにしてください。
・喫煙者は血栓症のリスクが通常よりも高くなるため、服用期間中は禁煙し、どうしても難しい場合は喫煙本数を減らすようにしてください。
■メデリピルは月経移動に関するご相談も受け付けております
メデリピルでは、月経移動を目的としたピルの処方や、月経移動に関するご相談も気軽に医師にすることができます。月経移動が目的でない場合でも、日常的に低用量ピルを服用することで、無理なく生理日を移動することができます。メデリピルでは中用量ピルと低用量ピルの同時処方も可能です。予約、診療、ピルの発送まで全てオンラインで完結することが特徴です。
メデリピルの利用は、LINEの診療予約から始まります。まずは好きな診療時間を選択し、名前や配送先などの基本情報、最後に事前問診に回答していきます。診療時間は土日祝含めて10時から23時まで、当日予約も受け付けています。15時までの診療であれば最短当日に発送されるため、迅速にアフターピルを受け取りたい場合も安心です。東京23区内にお住まいの方はバイク便の利用も可能です。
診療を担当するのは、医療機関に勤めている現役の産婦人科医です。スピーディーかつ丁寧な診療で、ビデオ通話または音声電話が選択可能です。ビデオ通話が難しい環境や、医師と顔を合わせることが不安な方でも安心して診療を受けることができます。診療後は、最短翌日に指定のご住所へお届けします。ピルの受け取りはポスト投函のため、わざわざ薬局に行く必要はありません。配送時は中身が分からないように梱包されるため、安心してお受け取りください。
■まとめ
月経移動ピルを服用することで、大切なイベントと生理が被る心配をする必要はなくなります。また、低用量ピルを服用することで、日頃から生理日を管理することも可能です。一方で、正しい服用方法を守らないと、血栓症のリスクが高まったり、十分な効果が発揮されなかったりする場合もあります。医師としっかり相談した上で服用するようにしましょう。
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