生理は女性にとって健康状態のバロメーターでもあります。
生理の基礎知識や、生理中でも快適に過ごすためのセルフケアをご紹介。
ピルで女性らしくなる?バストアップなどのメリットとは?
PMSや月経困難症の改善、避妊効果などが期待できるピル(低用量ピル)。本来なら女性の日常生活を過ごしやすくする薬として使用されるものですが、「ピルでバストアップする」といった口コミが散見されるようです。この記事では、実際にピルがもたらす変化や、注意が必要な副作用について紹介します。
もくじ
ピルで女性らしくなるの?
「女性らしい」の定義は人それぞれですが、ピルは女性の身体にさまざまな変化を与えるといわれています。「ピルで女性らしくなる」と噂される所以をみていきましょう。
ピルで女性らしくなるのは女性ホルモンが主成分だから
ピルを服用すると女性らしい身体つきになるといわれている理由は、主成分が女性ホルモンのお薬のため、ホルモンの影響で体に変化が起こる可能性があるためです。ピルに含まれる女性ホルモンは、「卵胞ホルモン」と「黄体ホルモン」の2種類があります。
2種類の女性ホルモンは、生理周期の中で分泌量の変化を繰り返します。生理周期は「卵胞期」「排卵期」「黄体期」「月経期」の4つに分けられ、前半に卵胞ホルモンの分泌量が増えて子宮内膜が増殖したり、後半に黄体ホルモンの分泌量が増えて子宮内膜が成熟して妊娠しやすい状態に整えられます。妊娠しなかった場合は、子宮内膜が生理として体外に排出されます。この「月経期」を経ると「卵胞期」が繰り返される仕組みです。それぞれの女性ホルモンには、分泌量が増加することで下記のような作用があります。
ホルモンの名称 | 作用 |
卵胞ホルモン | 乳腺の発達を促す コラーゲンの生成を促進し、肌のツヤやハリを保つ 骨を形成する |
黄体ホルモン | 体温を上げる 体に水分を溜め込む 食欲を増進させる |
ピルを内服すると、体の外から女性ホルモンを取り入ることになるため、脳が「女性ホルモンが十分にある状態」だと判断します。これによってホルモンの分泌量が少なくなり、排卵が起こらなくなります。ピルの種類によっては、避妊、生理痛の緩和、子宮内膜症の改善などさまざまな効果が期待できます。
ピルとバストアップサプリの併用は危険
結論、ピルとバストアップサプリの併用は危険です。
バストアップサプリには女性ホルモンと同様の働きをする成分が含まれているため、ピルと併用することでホルモンバランスが乱れて、頭痛や吐き気を催したり不正出血が起きる可能性があり、危険といえます。
バストアップサプリを服用している方で、これからピルの服用を検討している方は診察時に医師に服用中の薬を必ず伝えて確認をとるようにしてください。
また、すでにピルを服用中で、バストアップサプリの服用を検討している場合も同様に医師へ確認をとってから服用しましょう。
このように、バストアップサプリだけでなく、他の薬剤を新しく服用するときも同様に医師への自己申告が大切になります。
ピルを服用するとバストアップする?
バストアップ目的でピルは処方してもらえない
ピルを服用すると、バストアップしたように感じる方がいるかもしれません。しかし、ピルはバストアップ目的で処方することを想定していません。バストアップの仕組みについて解説していきます。
胸が大きくなる仕組み
先に述べた通り、ピルには卵胞ホルモンと黄体ホルモンといった2種類の女性ホルモンが含まれています。このうち、卵胞ホルモンには乳腺を発達させる働きがあります。乳腺とは乳房の内部にある組織のことで、母乳を作る働きのある機能です。その周りを脂肪が包んで保護している状態です。
乳腺が多いと胸が成長しやすい傾向にありますが、これには乳腺の細胞を増殖させるための成長因子が必要となります。大人になると成長因子も激減していくため、ピルの服用がバストアップに繋がるとはいい切れません。また、卵胞ホルモンは水分を体に溜め込む性質があるため、副作用として胸の張りを感じることがあります。ピルの服用でバストが大きくなったと感じる理由には、この副作用による可能性ということも考えられます。
ピルで女性らしくなる効果
ピルに含まれる2種類の女性ホルモンは、それぞれが持つ作用により肌質や身体に変化を与えるといわれています。詳しくみていきましょう。
②肌質の改善
ピルの服用が肌に与える影響 |
・皮脂の過剰分泌を抑える ・肌の水分保持力を高める ・コラーゲンの生成を促進する |
種類によっては、肌荒れやニキビの改善に効果を期待できるピルがあります。肌荒れやニキビが発生する原因はさまざま考えられますが、「ホルモンバランスの乱れ」や「男性ホルモンの過剰分泌」が関係していることも少なくありません。
低用量ピルは服用することで、ホルモンバランスを一定に整える働きがあります。また、卵胞ホルモンを増加させることで男性ホルモンが抑制され、ニキビの原因となる皮脂の過剰分泌を防ぐことができます。卵胞ホルモンには肌の水分保持力を高める効果もあり、結果として肌のバリア機能が保たれ、ニキビをはじめとした肌荒れが起こりにくい状態を維持しやすくなります。さらに、肌の弾力を保つコラーゲンを生成を促進する働きもあり、継続して服用することで肌のハリや弾力のアップも期待できるかもしれません。
ピルの服用で起こる副作用は?
さまざまな嬉しい効果が期待できる一方、ピルの服用には副作用のリスクが伴います。ここでは、服用開始後によくみられる副作用や、重大な副作用について解説します。
副作用
・頭痛、腹痛、むくみ、胸の張り、気分の落ち込み、眠気
ピルを飲み始めたタイミングは、体内のホルモンバランスが一時的に乱れることで、上記のような副作用が出やすくなることがあります。2~3ヶ月服用し続けることでホルモンバランスは安定するため、症状が徐々に落ち着くことがほとんどです。もし日常生活に支障が出たり悪化する場合は、一度医師に相談してみましょう。副作用を緩和するお薬も併用できるため、事前に医師に相談して一緒に処方してもらうこともおすすめです。
・不正出血
不正出血は副作用の中で最も多い症状で、ピル服用者の約20%が経験するといわれています。継続して飲み続けることで落ち着くことがほとんどのため、まずは3ヶ月(3シート)服用することをおすすめします。ただ、出血量が多い場合や長期間続く場合は、子宮や卵巣の病気が原因かもしれません。念のためピルを処方してもらった医師に相談するようにしましょう。
・吐き気、下痢
吐き気から嘔吐したり水っぽい下痢を繰り返す場合は、薬の成分が十分に体内に吸収されず、薬の効果が薄れてしまう可能性があります。ピルを飲んでから3時間以内の早い段階で嘔吐や下痢をしてしまった場合は、すぐに処方してもらった医療機関を受診することをおすすめします。対処法として同じピルをもう一度服用することがあります。<吐き気がひどい場合は、吐き気止めも一緒に処方してもらうことが可能です。 ・血栓症 血栓症とは、血液の一部が固まることで血管が詰まってしまう病気です。血栓ができると、詰まる場所によっては脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす可能性があります。ただ、実際にピルの服用で血栓症を発症するリスクは非常に低いと考えられています。
10,000人あたりの年間の血栓症発症者数 | |
ピル服用者 | 1~5人 |
ピル非服用者 | 3~9人 |
また、喫煙者、肥満体型の方、高血圧の方、前兆のある片頭痛がある方などは血栓症のリスクが高くなるため、ピルの処方を受けられないことがあります。
・病気のリスク
ピルを服用するリスクとして、乳がんや子宮頸がんの発症リスクを高める可能性があります。これは、黄体ホルモンの含有量が多いことによるとされていますが、発症率の差はごくわずかです。乳がんと子宮頸がんともに検診による早期発見が可能なため、年に1回の定期検診を受けることを推奨します。
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ピルを服用するには、医師による診療を受けた上で処方してもらう必要があります。婦人科や産婦人科などの医療機関を受診するか、クリニックなどが展開するオンライン診療を利用して処方してもらう方法があります。
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※医師の診療時に処方された場合、最低3シートは服用いただいた上でご自身に合っているか判断していただきたいため、3シート目受け取りまでは解約は不可となります
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※診療やピルの処方等は保険適用外・自由診療であり、医療機関に所属する医師が行います
まとめ
「ピルを服用するとバストアップする」と噂される理由について理解いただけましたでしょうか。ピルで胸が大きくなったように感じる方がいるのは、ピルの副作用がもたらす「胸の張り」であることが否定できません。
そもそもピルは医薬品であるため、バストアップ目的の服用は受け付けない医療機関がほとんどです。継続的な避妊目的で使用したい方、PMSや月経困難症などで悩まれている方は、必ず医師に相談したうえで自分の症状や体質に合ったピルを処方してもらいましょう。
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