ピルと生理の関係は?意外と知らない関係性をこれで理解

ピル
更新日:2024.06.27

「ピルを飲むと生理にどんな影響が出るの?」「ピルを飲み続けると本当に生理が来なくなるの?」と、ピルと生理の関係が気になる方は多いと思います。ピルは避妊のために作られた薬ですが、最近では女性ホルモンをコントロールし、生理痛を緩和したり、生理不順を改善したり、月経リズムを整えるためにも活用されています。

今回はピルと生理の意外と知らない関係性について、より詳しく解説していきます。

ピルと生理を正しく理解する

ピルはきちんと服用すれば99.7%と、100%に近い確率で避妊することができ、妊娠したくなったら服用をやめればいいという、安全で確実な避妊法です。まずは、ピルと生理それぞれの基本的な知識について学んでいきましょう。

ピル(避妊用)とは

コンドームを使用した場合の妊娠率(避妊を失敗した率)が2~15%程度であるのに対し、ピルを正しく服用すれば100%に近い避妊効果があります。経口避妊薬である低用量ピルを使用すると、主に排卵を抑制することで安全に避妊することができます。他にも、精子が子宮に入りにくくする働きや、着床しにくくする効果があり、最も確実に避妊効果を得られます。ピルを服用することによって不妊になる心配はなく、ピルの成分が体内に蓄積されることもありません。

低用量ピルは、月経の1日目から1日1回1錠を同じ時間に服用する必要があります。初めて服用する場合には、通常月経の初日から飲み始めます。毎日飲み忘れることなくしっかり服用すると、毎月規則的に月経がくるようになるため、いつ月経が来るか予測しやすくなります。

また、排卵を抑制して子宮内膜が厚くならないようにするので、結果的に毎月の経血量も少なくなります。その理由についてはこのあと詳しく解説していきます。

ピル(治療用)とは

避妊以外の低用量ピルの効果として、生理痛などの月経困難症、過多月経、生理前のイライラなどの月経前症候群(PMS)といった症状の緩和や、月経不順の改善が挙げられます。また、海外では若い女性からニキビの治療薬としても使用されており、最近では避妊目的以外にもピルを使用する女性が増えています。長期期間の服用による子宮体がんや卵巣がんに対する予防効果も認められています。ピルの服用によってからだとこころを整えましょう。

生理とは

女性のからだは約1ヵ月に1回、卵巣から卵子を排出します。この排卵に合わせて子宮内膜を厚くし、受け入れ態勢を整えて受精卵を待ちます。しかし、卵子が受精しなかった場合は準備した子宮内膜が必要なくなり、はがれ落ちて体外に排出され、これが生理となります。

生理のリズムは、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)という2つの女性ホルモンの分泌によって生まれます。

生理周期は通常約4週間(28〜30日)を1サイクルとし、次の生理が始まるおよそ14日前に排卵が起こります。精神的なストレスやホルモンバランスの乱れによって1週間ほど周期にずれが生じる場合もありますが、生理の期間が8日間以上続いたり、レバー状の大きなかたまりが出たりする過多月経の場合や、出血して3日以内で月経が終わったり、生理が3ヵ月こないなど生理に異常がある場合は早めに婦人科を受診しましょう。

ピルが生理に与える効果

次は、実際にピルが生理にどんな効果を与えるのか解説していきます。ピルを飲むと、以下の3つの効果が期待できます。

経血量を減らす効果

ピルを服用すると、生理の時に排出される経血量が減少します。

通常、生理が始まって数日間は経血量が多いものですが、ピルによって全体的に経血量を減らすことができます。それでは、なぜ経血量を減少させることができるのでしょうか?

ピルの服用によって経血量が減るのは、子宮内膜の増殖を抑制できるからです。通常時の生理では、排卵に向けてエストロゲンの分泌量が増加します。しかし、ピルにはエストロゲンが配合されているため、服用時には脳がエストロゲンの分泌をしなくてもいいと判断するのです。脳からの卵胞刺激ホルモンや黄体化ホルモンが分泌されなくなると、排卵が止まります。そして、通常なら排卵後には子宮内膜を厚くするためにプロゲステロンが分泌されます。しかし、ピルを服用している間は排卵していないため、プロゲステロンも分泌が減少し、子宮内膜は厚くならずに経血量が減少します。

そのため、経血量が多いことで悩んでいる方にも多く使用されています。

生理不順や生理痛を緩和する効果

動けないほどの激しい生理痛に苦しんでいる方や、周期通りに生理が来ないことで不安になっている方は多いと思います。生理不順には排卵が、生理痛には子宮内膜が関係しており、ピルの作用で排卵を抑制し内膜を薄くすれば、排卵痛の軽減、月経出血量の減少、生理痛の軽減などに効果が期待できます。

生理痛が起こる原因は、プロスタグランジンの分泌によるものです。分泌量が多いと、経血を排出する時に必要以上に子宮をはじめとした身体の臓器の平滑筋という筋肉を収縮させるため、痛みが起こります。

また、ホルモンバランスが崩れることによって、生理不順が起こります。ピルの服用で、ホルモンバランスが一定に保たれるため、生理周期を整えることができます。

しかし、生理不順が起こる原因は子宮や卵巣の病気が関係している場合もあるため、ピルを服用しても生理不順が改善しない時は、医師に相談してみましょう。

月経前症候群(PMS)緩和の効果

生理が始まる3~10日前くらいから現れる身体面・精神面の不調のことを、月経前症候群(PMS)といいます。頭痛、腹痛、むくみ、胸の張りなどの身体面の不調だけでなく、イライラ、不安、集中力の低下などの精神面にも不調が起きるため、多くの女性を悩ませています。また、自律神経系の症状としては、食欲の変化やめまい、身体のだるさ、倦怠感などの症状も見られます。

しかし、ピルを服用することで、PMSの症状が緩和されます。ピルには、少量の女性ホルモンが含まれています。ピルを服用することで、からだから出るホルモンの量を抑え、女性ホルモンのゆらぎを落ち着かせる効果があるため、症状緩和に繋がります。

PMSは⽣理前に女性ホルモンが急激に変動することや、女性ホルモンの一種であるプロゲステロンが増えることで起こるとされています。そのため、プロゲステロンの分泌量を抑えて、PMSの症状を緩和させることができると考えられています。

ピル服用中に生理(消退出血)が来るタイミング

低用量ピルには、21錠タイプと28錠タイプがありますが、 いずれも28日を1サイクルとしています。21錠タイプは21錠飲み終わったら7日間の休薬期間を設けます。28錠タイプは全て飲み終わったら翌日から次のシートの服用を開始します。1日目~21日目まではピルを服用し、 22日目~28日目までの7日間が休薬期間となっています。休薬期間が終わった29日目を新たな1日目として次のシートに移り、以降は同じように服用を続けていきます。

ピルの服用中に生理(消退出血)が来るタイミングは、休薬期間です。この休薬期間では、通常の生理と同じように子宮内膜が剥がれ、 2~4日後に出血が起こります。

ピルを飲んでいるのに生理が来ない場合の原因

1%未満と非常に低い確率ですが、 ピルを飲んでいるのに生理がこない人もいます。ピルを飲んでいる間も休薬期間中は消退出血があるため、生理がこなくなった場合は注意が必要です。休薬期間に入っているのに、生理が来ない原因として考えられるのは、ピルの効果と妊娠の可能性の2つが挙げられます。

①ピルの効果

ピルを飲んでいると子宮内膜が薄くなり、生理(消退出血)が少なくなってきます。しばらくピルを飲んでいると、出血がほとんど出なくなり生理がなくなってくる人もいます。この場合は、低用量ピルの効果で生理がなくなっているのであり、異常ではありません。ピルを飲むのを止めれば生理がもどってきます。

稀に、女性ホルモンの異常で生理が来ない周期がある人もいます。原因のひとつとしてストレスが考えられます。恋愛、仕事、勉強などのストレスがからだに出やすいという方も多いですよね。生理はこういったストレスが大きく影響し、ストレス性無月経を引き起こす場合もあります。また、無理なダイエットによって生理が止まってしまったという方も多いです。ダイエットだけでなく、激しいスポーツによって無月経になることもあります。体脂肪を落とすことが求められるようなスポーツを続けていると、からだが生命活動に直接影響のない生殖機能をストップさせて、他の臓器を守ろうとします。まずは、標準体重に戻すことで生理がもどってくることが多いです。しかし女性ホルモンや卵巣に異常が隠れていることもあります。3ヵ月以上生理(消退出血)がこないときは産婦人科を受診しましょう。

②妊娠の可能性

ピルの服用中でも休薬期間中に出血が起きない場合は、妊娠の可能性が考えられます。ピルを服用しても、性交渉により妊娠する可能性はゼロではありません。ピルは、1日1錠決まった時間に毎日服用を続けていれば、100%近い避妊効果があります。しかし、飲み忘れや嘔吐、下痢でピルが体外から出てしまった場合には避妊効果が弱まります。

ピルの服用を止めたら生理はどうなる?

ピルの服用を辞めると、ピルを服用する以前の状態に戻ります。そのため、以前から生理不順だった人は、生理周期が不規則になったり、来なくなったりする場合があります。

また、生理痛やPMS、PMDD(月経前不快気分障害)、ニキビや肌荒れなどの月経随伴症状があった人は、再び以前と同じような症状が出るケースもあります。他にも、分娩後の脱毛のように抜け毛が増える場合がありますが、自然に症状が改善されることが多いです。

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まとめ

ピルと生理の関係についておわかりいただけたでしょうか。

生理は女性が妊娠するために必要な現象ですが、女性が生きていくうえで身体的・精神的負担となってしまうこともあります。低用量ピルを服用することで、避妊だけでなく辛い生理痛や、生理前のイライラを緩和することができます。ピルと生理について正しい知識を身につけ、生理とうまくつきあっていきましょう。

監修者

産婦人科専門医、がん治療認定医、mederiドクター
mederiドクター
産婦人科専門医、がん治療認定医 女性のヘルスケアアドバイザー(女性医学会認定)、F U S E certificated personnel(米国内視鏡外科学会認定)、JOHBOC研修終了(日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構) 大学病院に入局し高度周産期センター、婦人科腫瘍専門施設で研修・修練後、総合病院で良性疾患の腹腔鏡手術や、不妊治療、女性内分泌・更年期障害など幅広く女性診療を行う。米国への留学を経て、現在はmederiドクターとして、メデリピルのオンライン診療や体調相談を担当している現役産婦人科医。

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