【医師監修】ピルを飲み忘れてしまったら?時間別対処法を徹底解説!

ピル
更新日:2024.10.25

低用量ピルの飲み忘れは休薬期間明けに起きやすく、服用習慣がついている方でも珍しくありません。

低用量ピルを飲み忘れた際の対処法はWHOや日本産科婦人科学会などからも公表されており、状況に応じて推奨される対処法は異なります。この記事では、低用量ピルの飲み忘れが判明したときの対処法、不正出血が起きた際の対処法について具体的に解説します。

ピルを飲み忘れた場合の服用方法

飲み忘れた日数 飲み忘れに気づいたときの対応
1日(1錠分) 気づいた時点で飲み忘れた錠剤を服用
残りの錠剤は予定どおりに服用
2日(2錠分)以上 気づいた時点で飲み忘れた錠剤を服用
残りの錠剤は予定どおりに服用

※2錠連続して飲み忘れた場合も同じ服用方法ですが、7錠以上連続して服用するまでコンドームを使用するか、性交を避けるようにします
※1日3錠以上は服用されないようにご注意ください

※Day1スタートピルの28錠タイプにセットされているプラセボは偽薬で薬の成分が入っていないため、飲み忘れても問題ありません

参照:低用量経口避妊薬,低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬ガイドライン2020年度版 

1日飲み忘れた場合

低用量ピルを1日飲み忘れた場合、基本的には気づいた時点で1錠を服用して問題ありません。飲み忘れに気づいたタイミングが翌日の服用時刻前であればすぐに1錠服用し、翌日分も通常どおりのタイミングで服用します。

翌日の服用時刻になって飲み忘れに気づいた場合、前日分と合わせて2錠まとめて服用します。1日に2錠服用しても重大な副作用が起こったという報告はありません。なお、低用量ピル2錠分に含まれているエストロゲン量は中用量ピル1錠分と同量程度とされています。

※プラセボは偽薬で薬の成分が入っていないため、飲み忘れても問題ありません

※低用量ピルの休薬期間前後に飲み忘れがあった場合、服用を再開してから7日間連続で服用するまでの間は避妊効果が低下するリスクがあるので注意

2日以上飲み忘れた場合

2日以上の飲み忘れに気づいた場合も同様の飲み方となり、基本的には気づいた時点で前日分の1錠を服用して問題ありません。飲み忘れに気づいたタイミングが服用時刻前であればすぐに1錠服用し、服用時刻にも通常どおり服用します。

3日以上飲み忘れた場合

3日以上飲み忘れてしまうと生理が来てしまうことがほとんどとされています。
もしも飲み忘れによって生理が来てしまっている場合には、服用中のシートは使用できなくなるため、次回の生理初日から新しいシートを服用するようにしてください。
それまでの間は別の避妊方法を使用し、新しいシートを服用しても7日間連続で飲み終わるまでは別の避妊方法を併用するようにしましょう。

2日以上ピルを飲み忘れた場合の避妊の注意点

低用量ピルを飲み忘れた場合、避妊効果への一時的な影響があります。飲み忘れが何日分か、服用開始から何週目なのかによって具体的な影響は異なる点に注意が必要です。WHOによる「OCの飲み忘れに関する指導」によると、飲み忘れが1~2日分の場合は、気づいた時点で直ちに服用するように医師が指導しても問題ないとされています。つまり、2日分までは服用方法を調整することで、飲み忘れによる避妊効果への影響を抑えられるということです。

飲み忘れた週 緊急避妊(アフターピル)の必要性
1週目 飲み忘れの直前5日以内に性交を行った場合には、緊急避妊を検討します。
3週目 休薬期間を設けず、現在のシートの実薬を終了したらすぐに次のシートを始めます。

参照:低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤ガイドライン2020年度版

飲み忘れが3日以上ある場合は、飲み始めから何週目に判明したかによって推奨される対応が変わってきます。一般的なケースとして、飲み忘れのタイミングが1週目、2週目、3週目の場合における避妊効果への影響をタイミング別に解説します。

1週目の場合

1週目は休薬期間明けのタイミングなので、2日以上飲み忘れがあった場合は避妊効果が低下するリスクがあります。休薬期間に卵巣は活動するようになり、1週目の飲み忘れで休薬期間が7日を超える場合は、排卵が起きることがあります。

基本的な避妊対策としては、飲み忘れが判明してから低用量ピルを7錠分以上連続で服用するまでは避妊具を使用する、もしくは性交渉自体を避けるなどが挙げられます。飲み忘れの直前5日以内に性交渉があった場合、緊急避妊薬(アフターピル)の服用を検討しましょう。

2週目の場合

直前1週間、7錠分の低用量ピルを正しく服用していればアフターピルは必要ないとされています。低用量ピルを7錠分正しく服用している状態であれば、卵巣の活動が適切な形で抑制されていると判断するのが一般的です。つまり、2週目に飲み忘れがあったとしても、直ちに避妊効果への影響が生じるわけではありません。

基本的には直近に服用する予定だった1錠分を早めに服用しましょう。残りの錠剤は通常どおりの用法で問題ありません。ただし、飲み忘れの直前から低用量ピルを1週間継続して服用していない場合、十分な避妊効果が見込めない可能性があります。必要に応じて他の避妊対策を検討するようにしましょう。

3週目の場合

休薬期間を設けず、現在のシートの実薬を終了したら次のシートに移って問題ないとされています。基本的には1周期当たり7日間の休薬期間が必要ですが、3週目の飲み忘れは例外的に休薬期間を設けません。この飲み方によって、避妊効果への影響を抑える効果が見込めます。

ピルを飲み忘れた場合のリスク

ピルを飲み忘れてしまうと、いくつかのリスクを伴います。

・不正出血がある
→ピルを飲み忘れてしまうことにより不正出血が起きやすくなる可能性があります。特にシートの後半で飲み忘れてしまった場合にはより不正出血が起きやすいとされています。

・避妊効果が弱まる
→1〜2日の飲み忘れであれば避妊効果が著しく弱まるということはありませんが、3日以上飲み忘れてしまうと飲み忘れがないときに比べて避妊効果が期待できなくなる可能性があります。飲み忘れが発生した際には、必ず別の避妊方法を併用するようにしてください。

ピルを飲み忘れて生理がきたらどうするか

低用量ピルを内服していない場合、目安として2日程度続けて飲み忘れがあると生理がくるとされています。出血が起きた場合も上記飲み忘れた場合の対応をとってください。実薬を飲んでいるうちに出血は徐々に落ち着いていくと考えられます。

ピル飲み忘れと不正出血の関係・対処法

低用量ピルを飲み忘れた際には、体内の女性ホルモン量が減少することによって不正出血が生じるリスクがあります。通常は休薬期間やプラセボ期間に消退出血(生理のような出血)が起きますが、飲み忘れがあった場合、通常とは異なるタイミングで出血が生じるリスクがあるのです。低用量ピルの飲み忘れが原因で不正出血が起きても少量の出血であれば、飲み忘れた分も合わせてピルの服用を継続しましょう。副作用の場合は飲み続けていくことで次第に症状が改善していきます。しばらくしても出血がおさまらない場合は医師へ相談するようにしてください。

低用量ピルの正しい飲み方については下記の記事で詳しく説明しているので、あわせてチェックしてみてください。

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ただし、服用を再開してから症状が1ヶ月以上治まらない、重度の腹痛があるなどの症状がみられる場合は妊娠もしくは子宮関係の病気などが考えられます。上記の症状がみられた際は、低用量ピルの処方を受けたクリニックに相談しましょう。

ピルを飲み忘れても落ち着いて対処を

低用量ピルを飲み忘れた場合、飲み忘れがあったのが何日間か、服用開始から何週目かによって適切な対処法が異なります。2錠分まではまとめて飲んでも問題ないとされますが、2日間以上飲み忘れていた場合は避妊効果の低下、不正出血などの問題が起きるリスクが生じます。飲み忘れが判明した際は、服用を再開するタイミング、他の避妊対策の必要性などを適切に判断することが大切です。

また、不正出血については下記の記事で詳しく説明しているので、こちらもチェックしてみてください。

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こんな人はピルの飲み忘れに注意!

ピルは毎日同じ時間に飲む薬ですが、飲み忘れが起きる要因として生活スタイルや過去の服用経験も影響する可能性があります。
飲み忘れが起きやすい人の特徴を一部紹介していきます。

仕事がシフト制で不規則

仕事がシフト制で休憩時間や帰宅時間がバラバラの方は飲み忘れる可能性が高まります。
固定で仕事が無い時間を、ピルの服用時間に設定したり、仕事中でも飲み忘れがないようにアラームやリマインダー機能を設定するなど工夫するとよいでしょう。
また、外出先でも服用できるようにピルケースを用意して、持ち歩くようにしましょう。

継続的な服用をすることが少ない

これまで継続的に薬を服用したことない人は、毎日決まった時間にピルを飲むことを忘れてしまう可能性があります。
そういった場合は、スマホのリマインダー機能を活用したり、カレンダーに記載する、スケジュール帳に書くなどの工夫をしてみましょう。

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※メデリピルは医療機関とユーザーを繋ぐプラットフォームです
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監修者

産婦人科専門医、がん治療認定医、mederiドクター
mederiドクター
産婦人科専門医、がん治療認定医 女性のヘルスケアアドバイザー(女性医学会認定)、F U S E certificated personnel(米国内視鏡外科学会認定)、JOHBOC研修終了(日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構) 大学病院に入局し高度周産期センター、婦人科腫瘍専門施設で研修・修練後、総合病院で良性疾患の腹腔鏡手術や、不妊治療、女性内分泌・更年期障害など幅広く女性診療を行う。米国への留学を経て、現在はmederiドクターとして、メデリピルのオンライン診療や体調相談を担当している現役産婦人科医。

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