ピルは怖い?ピルにまつわる疑問や不安を解消しよう

ピル
更新日:2024.10.25
ピルは怖い?ピルにまつわる疑問や不安を解消しよう

ピルに対して、なんとなく「怖い」というイメージを抱いている方もいるのではないでしょうか。ピルは正しく服用すれば女性にとって嬉しい効果を得られる薬です。よく耳にする疑問への回答を見ながら、怖いという気持ちや不安を解消していきましょう。

ピルとは?

ピルは、卵胞ホルモン「エストロゲン」と黄体ホルモン「プロゲステロン」が配合された錠剤です。
配合されているホルモンの量でピルの種類が変わり、以下の4種類に分けられます。

・超低用量ピル
・低用量ピル
・中用量ピル
・アフターピル(緊急避妊薬)

最も服用している方が多い「低用量ピル」は、正しく服用すれば高い避妊効果を得ることができ、副効用として、生理痛軽減や生理不順の改善などの効果もあります。
本記事では主に低用量ピルにフォーカスして説明していきます。(以下ピル)

ピルは誰でも飲める?

ピルは、誰でも飲める薬ではありません。
高血圧の方、肥満の方、喫煙者の方、40歳以上の方、妊娠中・授乳中の方などは、血栓リスクが高くなるため、処方ができなかったり、慎重投与となる場合があります。
詳しい血栓リスクや服用条件については以下の記事でチェックしてみてください。

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副作用はある?

どの薬にも副作用があるように、ピルにもいくつかの副作用があります。具体的には以下のようなものが挙げられます。

血栓症

ピルの副作用のうち、最も深刻なものが血栓リスクの上昇です。ピルに含まれる卵胞ホルモン「エストロゲン」には血液凝固作用があるため、ピルを服用していない人に比べると血栓ができる確率が高くなります。しかし静脈血栓症の発症割合は、ピルを服用している場合は1年間で1万人あたり3〜9人、ピルを服用していない場合は1万人あたり1〜5人で、わずかな差であると言えます。
血栓症になると、血栓ができた体の部位が痺れたり、舌がもつれたりします。最悪の場合、体組織が潰瘍になったり壊死したりすることもあります。

頭痛や吐き気などほかの諸症状

血栓症のほかには、副作用として頭痛・腹痛・吐き気・眠気・胸の張りなどの症状が見られる場合があります。これらの症状はピルの服用開始直後に見られることが多く、しばらく飲み続けると副作用はなくなることがほとんどです。ピルを飲み始めたばかりで副作用が見られる場合は、しばらく様子を見るようにしましょう。

ピルをずっと飲み続けたら体に悪い?

ピルをずっと飲み続けると体に悪影響があるような気がして、少し怖いと思う方もいるのではないでしょうか。しかし、ピルを飲み続けても、体への大きな悪影響はありません。先ほど副作用のひとつとして、血栓症リスクが増加すると説明しましたが、このリスクはピルを飲み続ける期間が長いほど低下します。ピルの飲み始めの時期にリスクが高まる傾向にあるため、ピルの服用中止後、1カ月以上の間をおいての再開を何度も繰り返していると、血栓症になりやすく危険であるといえます。高血圧や肥満など健康上の問題がなく、現在妊娠を望んでいないのであれば、服用期間に関して特に制限はありません。※

※服用の可否や期間については医師の判断に従いましょう

長期服用で不妊になることもない

ピルを長期服用していることで、妊娠しづらくなるといったこともありません。ピルは避妊薬であるため、実際に妊娠を考え始めた際には服用を中止する必要があります。しかし、現在ピルを飲んでいるかどうかが、将来の妊娠可能性に影響を与えることはないとされています。ピルが不妊症の原因になることはないため、安心してピルの服用を続けて大丈夫です。

ピルを飲むと太る?

ピルを飲むと太るという話を聞いて、不安になっている方もいるかもしれません。結論として、ピルと体重の増加には関係性がないとされています。ピルの副作用のひとつにむくみがあるため、それによって体内の水分が増えて太ったように感じられる可能性があります。

ピルを飲むと性感染症になりやすい?

ピルの服用が性感染症の感染リスクを高めるということはありません。しかし、ピル自体には性感染症を防ぐ効果はないため、ピルだけで避妊を行っていると性感染症になる可能性があります。コンドームも併用することで、性感染症もきちんと防ぐことができます。

ピルを飲むとがんになりやすい?

ピルが、がんの発症リスクを高めるかどうかは、がんの種類によるといえます。ピルの服用によって、子宮頸がんと乳がんの発症リスクがわずかに高まるとされていますが、その一方で、卵巣がんや子宮体がんのリスクは低下するとされています。がん検診を受けることで早期発見につながるため、年に1回は定期検診を受けるようにしましょう。

ピルの効果

前述では、ピルに関する疑問や不安に関して説明してきました。ここからは、ピルがもつ様々な効果について紹介していきます。

避妊効果

ピルは経口避妊薬として開発された薬であり、現在も使用目的としてポピュラーなのが避妊効果です。正しく服用することで高い避妊効果を得ることができます。

生理痛の軽減

ピルの副効用として、生理痛が軽減する効果が期待できます。ピルの服用によって排卵が抑制され、子宮内膜が薄い状態に保たれて経血量が減り、子宮から経血を押し出すための収縮が起こりづらくなるため、生理痛が軽減します。

生理周期の安定

ピルは、休薬期間に生理(厳密には消退出血)が起きるため、これまで生理不順だった方でも出血が起きるタイミングが固定されるため、予定が組みやすくなったり、下着が汚れる心配が減ります。

PMSの改善

生理前になると気分の落ち込みやイライラ、むくみや食欲の変化がつらいという方も多いのではないでしょうか。
これはPMS(月経前症候群)の症状のひとつで、原因は解明されていないものの、ピルの服用で改善できる可能性があります。

まとめ

今回の記事では、ピルにまつわる不安や疑問の解消をしてきました。普段の生活の中でピルについて触れる機会はあまり多くないため、最初はどうしても怖いと感じてしまいますよね。ピルはメリットやデメリットを理解して正しく服用することで、避妊や生理痛軽減など嬉しい効果を得られる薬です。服用を検討している場合には、ぜひ一度病院やオンライン診療サービスなどで相談してみてくださいね。

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監修者

成城松村クリニック院長
松村 圭子
1995年広島大学医学部卒。広島大学医学部産科婦人科学教室へ入局し、2010年に成城松村クリニックを開院。 『10年後もきれいでいるための美人ホルモン講座』(永岡書店)、『女性ホルモン 美バランスの秘訣』(大泉書店)をはじめとする多くの著書を執筆。

※1 初月無料は低用量ピルのみ対象となり、別途送料550円(税込)かかります

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