ピルとホルモン剤はどう違う?代用してもいい?2つの違いについて解説

ピル
更新日:2024.08.09

ピルには女性ホルモンが含まれていますが、ホルモン剤とは何が違うのでしょうか?ピルをホルモン剤で代用してもいいのでしょうか?今回の記事では、ピルとホルモン剤の違いについて解説していきます。

ピルとは?

ピルとは、卵胞ホルモン「エストロゲン」と黄体ホルモン「プロゲステロン」の2種類の女性ホルモンが含まれている経口避妊薬です。長期的な避妊効果があり、副効用として生理痛軽減・肌荒れ改善・生理周期の安定などの効果も期待できます。

ホルモン剤とは?

ホルモン剤とは、基本的にはホルモンを含む薬剤を全て包括するので、ピルもホルモン剤のひとつとなりますが、更年期障害に対するホルモン補充療法(HRT)や、一部の月経困難症に対する治療などで使われるお薬のことをホルモン剤と呼ぶことが多いです。女性は40代半ば頃から体内のエストロゲンが減少し、のぼせ・体の冷え・肩こり・疲労感などの更年期障害が見られるようになります。
また月経困難症については、通常だと低用量ピルや超低用量ピルを用いて治療を行うことが一般的です。しかし、これらのピルには血液凝固作用のあるエストロゲンが含まれており、年齢を重ねるとともに血栓症リスクが上がってしまいます。また、喫煙や持病の有無によっても異なりますが、おおよそ40歳頃になるとピルが慎重投与や処方不可になる場合が多いです。

合わせて読みたい!関連記事

ピルは何歳まで服用できる?やめる年齢や代替策を紹介

2024.07.16

ホルモン剤の種類

このような更年期障害や月経困難症の治療で役立つのがホルモン剤です。ホルモン剤は、含まれているホルモンの種類から大きく以下の3つに分類できます。

エストロゲンと黄体ホルモン両方が含まれたホルモン剤

更年期障害の治療において多くの場合に使用されるホルモン剤は、ピルに比べてエストロゲン量が少量です。更年期障害はエストロゲンの減少によって引き起こされるため、治療ではエストロゲンのみを投与すれば良いように思えます。しかしエストロゲンには子宮内膜を厚くする作用があるため、エストロゲンのみを投与すると子宮内膜増殖症や子宮体がんのリスクが上がってしまいます。そこで、エストロゲンの分泌を抑えて子宮内膜を薄くする作用がある黄体ホルモンを一緒に投与することで、エストロゲンを取り入れつつも子宮体がんなどのリスクを軽減させることができます。
含まれているホルモン量はピルに比べて少量であるため、ピルの服用が難しくなった年齢の方であっても、ホルモン剤を用いた治療は受けることができるとされています。

エストロゲンのみ含まれたホルモン剤

こちらも更年期障害の治療において使用されることがあるホルモン剤です。
これまでに何らかの理由で子宮を全摘出された方は、エストロゲンを投与しても子宮内膜増殖症や子宮体がんを発症するリスクがないため、エストロゲンのみのホルモン剤を投与する場合があります。黄体ホルモン投与によって見られる可能性がある消化器症状などの副作用を考慮すると、むしろエストロゲンのみの投与の方が良いと言われることもあるようです。

黄体ホルモンのみ含まれたホルモン剤

40歳以上の方の月経困難症治療や副作用や禁忌に該当し低用量ピルが使用できない方、子宮内膜症や子宮筋腫の治療目的では40歳以下の方に使用されることがあるホルモン剤です。
エストロゲンが含まれていないため、体内のエストロゲン量が少なくなり更年期障害のような症状が出る可能性があるほか、黄体ホルモン製剤の副作用である不正出血が見られる可能性が高いです。しかし、黄体ホルモンは子宮内膜を薄く保つ作用が強いため、月経困難症の原因である子宮内膜症などへの効果が大きく、毎日飲むことで生理も来なくなります。また、エストロゲンが含まれていないため、ピル服用時には注意が必要であった血栓症のリスクがほとんどなくなります。40歳以上で月経困難症に悩んでいる方にとっては、非常に便利なホルモン剤であると言えます。

ピルとホルモン剤の違い

それでは改めて、ピルとホルモン剤の違いについてまとめてみましょう。具体的な違いとしては、以下に挙げる3つがあります。

ホルモンの種類の違い

ピルにはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)が含まれていますが、ホルモン剤にはエストロゲンか黄体ホルモンのどちらかしか含まれていないものがあります。両方のホルモンが含まれているホルモン剤もありますが、そのようなホルモン剤に含まれている黄体ホルモンは、ピルに含まれるエストロゲンの含有量が少ないことが特徴です。

ホルモン量の違い

ホルモン剤に含まれるホルモン量は、ピルに比べて少量である場合がほとんどです。そのため、ピルが慎重投与や処方不可となる40歳以上の方でも、更年期障害の治療を行うことができるとされています。

用途の違い

ピルは避妊や生理痛軽減、肌荒れ改善などを目的として服用することがメインです。それに対してホルモン剤は、更年期障害の治療や、40歳以上の方の月経困難症治療などで使用されることが多いです。

ピルとホルモン剤のメリットは?

ピルとホルモン剤のメリットは、それぞれ以下のようなものになります。なお、40歳という年齢はあくまで目安であり、喫煙や持病など他の条件によっても変わるため、ピルやホルモン剤を使用するにあたっては必ず医師に相談するようにしましょう。

ピルのメリット

・正しく服用すれば99.7%の避妊効果がある
・生理不順の改善が期待できる
・生理痛や月経困難症の症状軽減が期待できる(40歳未満の方)

ホルモン剤のメリット

・更年期障害の治療に効果が期待できる
・閉経後骨粗しょう症の治療に効果が期待できる
・生理痛や月経困難症の症状軽減が期待できる(40歳以上の方)

ピルとホルモン剤は代用できない

ほとんど成分が変わらないピルとホルモン剤ですが、それぞれを代用することは避けましょう。ピルとホルモン剤では含まれているホルモン量が異なるため、ホルモン剤の代わりにピルを飲むと、本来よりも多くのホルモンを体内に取り入れてしまうことになります。また、ホルモン剤にもある程度の避妊効果がありますが、その効果はピルほど強くありません。ピルと同じように避妊目的でホルモン剤を使用しても、きちんと避妊できない可能性があるため、必ず他の避妊方法も併用するようにしましょう。
また、ピルが禁忌で使用できないことから黄体ホルモン製剤が処方されている方は代用しないように注意しましょう。

ピルとホルモン剤はどこで手に入る?

ピルとホルモン剤は、どちらも医師の診療を受けてから処方してもらう薬です。なお、これらの薬は病院やオンライン診療サービスで処方してもらうことができます。ご自身のスケジュールなどに合わせて、病院とオンライン診療サービスを上手く活用してみてくださいね。

まとめ

今回の記事では、ピルとホルモン剤の違いについて解説しました。一見同じように見えるピルとホルモン剤ですが、含まれているホルモン量や用途は異なります。ピルが避妊や生理痛軽減を目的として処方されるのに対し、ホルモン剤は含まれているホルモン量がピルより少なく、更年期障害や40歳以上の方の月経困難症治療の際に処方されるものです。代用はせず処方されたものを適切に使用し、服用中に不安なことが生じた際には医師に相談するようにしましょう。

ピルをはじめるならメデリピル

ピルの服用経験がなく、ピルを飲んでみたいけど、安心して信頼できる方法で始めたいという方に、オンラインピル診療・処方サービスのメデリピルがおすすめです。
メデリピルでは、現役の産婦人科医が診療から処方までをオンライン上で行い、自宅にピルが届くので、オンラインでも安心してピルを始めることができます。
メデリピルでは、ご自身に合ったピルを医師と相談しながら決めることができ、サービス利用期間中であれば診療代はずっと無料なので、服用中の不安なことや悩みを、いつでも医師に相談することができるサポート体制が整っています。
また、低用量ピル定期便 ※1 の場合、初月ピル代0円 ※2 で始めることができます。まずは試してみたい!という方におすすめです。

※1 3シート目受け取りまで解約不可
※2 別途送料550円


メデリピルは、いつでもスマホから簡単に受診できる、「誠実」と「続けやすい」を大事にしたオンラインピル診療サービスです。初月ピル代無料、診療代はずっと無料。国内最安クラスで提供しています。
※医師の診療時に処方された場合、最低3シートは服用いただいた上でご自身に合っているか判断していただきたいため、3シート目受け取りまでは解約は不可となります

メデリピルについて詳しく知る
→低用量ピルの料金について詳しくはこちら

メデリピルの5つのこだわり

1ヶ月無料のお試し期間

ピル初心者の方でも安心して服用いただけるよう、低用量ピルは初月無料でお届けします。
※医師の診療時に処方された場合、最低3シートは服用いただいた上でご自身に合っているか判断していただきたいため、3シート目受け取りまでは解約は不可となります

診療担当するのは現役の産婦人科医

専門的な知識を持った現役産婦人科医が診療を担当をするので、生理やカラダに関する不安や疑問を安心して相談することができます。

何度でも診療・再診無料

服用中の体調や副作用など、産婦人科の専門医にいつでも気軽にご相談ください。

予約から診療までLINEで簡単

診療予約や、予約日・配送日やプラン変更など、LINE一つで行うことができます。

正しい知識をお届け

ピルや女性のカラダに関する知識を定期的にお届けしています。

※メデリピルは医療機関とユーザーを繋ぐプラットフォームです
※診療やピルの処方等は保険適用外・自由診療であり、医療機関に所属する医師が行います

監修者

産婦人科専門医、がん治療認定医、mederiドクター
mederiドクター
産婦人科専門医、がん治療認定医 女性のヘルスケアアドバイザー(女性医学会認定)、F U S E certificated personnel(米国内視鏡外科学会認定)、JOHBOC研修終了(日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構) 大学病院に入局し高度周産期センター、婦人科腫瘍専門施設で研修・修練後、総合病院で良性疾患の腹腔鏡手術や、不妊治療、女性内分泌・更年期障害など幅広く女性診療を行う。米国への留学を経て、現在はmederiドクターとして、メデリピルのオンライン診療や体調相談を担当している現役産婦人科医。

※1 初月無料は低用量ピルのみ対象となり、別途送料550円(税込)かかります

※2 低用量ピル/超低用量ピルのみ対象となります

気になるキーワードで
検索しよう!
検索

カテゴリ一覧

生理

生理は女性にとって健康状態のバロメーターでもあります。
生理の基礎知識や、生理中でも快適に過ごすためのセルフケアをご紹介。

記事一覧をみる

ピル

ピルは世界で1億人以上の女性が服用している女性ホルモンを含む医薬品です。
ピルの種類や効果、副作用について詳しくご紹介。

記事一覧をみる

インタビュー

mederiのサービスに携わっているメンバーや有識者の方々が、よりユーザー様と近い距離から「mederiならでは」の情報をお届け。

記事一覧をみる

漫画

こんな経験”あるある!”と思わず頷いてしまう?mederiユーザーからの体験談に基づいた、mederiオリジナル漫画シリーズです。生理やピル・女性の健康に関して、楽しく学んでみましょう!

記事一覧をみる

占い

「ご自愛」をコンセプトに、毎月の運勢を12星座別に占うコンテンツ。ご自身の心を高める「ご自愛アイテム」もお伝えしています。

記事一覧をみる

出張授業

mederi出張授業のレポート記事をお届け。
生理のしくみやからだについての理解を深め、男女ともに正しい性の知識を提供しています。

記事一覧をみる
  1. オンラインでピルの診療・処方・相談|メデリピル
  2. mederi WEBマガジン
  3. ピルに関する記事一覧
  4. ピルとホルモン剤はどう違う?代用してもいい?2つの違いについて解説