ピル服薬中にアセトアミノフェンを飲んでしまったらどうなる?注意が必要な薬を紹介

ピル
更新日:2024.10.07
ピル服薬中にアセトアミノフェンを飲んでしまったらどうなる?注意が必要な薬を紹介

低用量ピルの服用中に頭痛や腹痛がひどいと市販の鎮痛剤(痛み止め)で痛みを和らげたいという方も多いのではないでしょうか。
しかし、鎮痛剤に配合されている鎮痛成分によっては低用量ピルとの併用に注意が必要なものもあるため、詳しく説明していきます。

低用量ピルと鎮痛剤を併用しても大丈夫?

結論、低用量ピルと鎮痛剤を併用しても問題ありません。
市販薬として売られている、ロキソニンも併用可能です。
ただし、鎮痛剤に含まれている成分によっては注意しなければなりません。
特に、「アセトアミノフェン」という成分は、低用量ピルの作用を増強させて副作用が出やすくなり、反対にアセトアミノフェンの作用を弱めてしまうといわれています。低用量ピルとの併用自体は禁止されていませんが、併用する場合には薬剤師や医師に確認しておくとよいでしょう。

低用量ピルと併用する際に注意が必要な薬

先ほど説明した「アセトアミノフェン」以外にも、低用量ピルとの併用で注意が必要な薬があります。
低用量ピルを服用する上で知っておきましょう。

【併用後の変化一覧】

低用量ピルの効果が

弱まる薬

低用量ピルの効果が

強まる薬

低用量ピルと併用すると

効果が弱まる薬

低用量ピルと併用すると

効果が強まる薬

抗てんかん薬 フルコナゾール モルヒネ(医療用麻薬) 三環系抗うつ薬
抗結核薬 ボリコナゾール Gn−RH誘導体(子宮内膜症等の治療薬) ステロイド(肺炎、アレルギー疾患などの治療薬)
HIV治療薬 イトラコナゾール スルフォンアミド系薬剤(抗菌薬) シクロスポリン免疫抑制剤)
ボセンタン(肺高血圧の薬) 抗てんかん薬 セレギリン塩酸塩
(パーキンソン病の治療薬)
モダフィニル(精神刺激薬) 血糖を下げる薬 テオフィリン(ぜんそく治療薬)
抗生物質(細菌感染症の治療薬など) オメプラゾール(胃酸抑制薬)

低用量ピル服用中に注意が必要な飲食物

低用量ピルを服用する上で、注意が必要なのは薬だけではありません。
薬と同じように一部の食べ物や飲み物も低用量ピルの服用中に摂取することで、低用量ピルの効果が十分に発揮できないことがあるのです。
以下で詳しく説明していきます。

お酒(アルコール)

低用量ピルはアルコールと同じように肝臓で分解されます。そのため、アルコールを同時に摂取してしまうと、肝臓はアルコールの分解を優先的に行うことから、低用量ピルの成分の分解に遅れが生じてしまうことがあります。
最終的に低用量ピルの血中濃度が上がることで効果が増強してしまい、副作用が強く出ることもあります。
このような事態を避けるためにも、アルコールを摂取する場合には時間を空ける、適量にとどめるを意識しておくとよいでしょう。
また、低用量ピルをアルコールで服用することはやめましょう。

炭酸水

炭酸水には名の通り、炭酸=気泡が含まれています。この気泡が低用量ピルの吸収に影響を及ぼすとされています。
低用量ピルを服用する際には、同じ水であっても炭酸の入っていない水で飲むようにしましょう。

グレープフルーツ(ジュース含む)

グレープフルーツには、フラノクマリンという成分が含まれていますが、この成分が酵素の働きを阻害することから、低用量ピルに限らずさまざまな医薬品で併用に注意が必要になります。
薬の効果が増強する可能性があるので、低用量ピルと一緒に摂取しないようにしましょう。

カフェイン(コーヒー・お茶など)

カフェインは低用量ピルと同時に摂取することで、カフェインの血中濃度が高くなる可能性があるといわれています。
ただし、先ほど紹介してきた飲食物と比較すると、そこまで気にしすぎなくても問題ありません。
今はノンカフェインのコーヒーやお茶も増えているので、控えられるときはノンカフェイン飲料を選んでみることを意識してもよいでしょう。

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まとめ

ピルを継続服用していて体調を崩した場合、薬を併用できるのかどうか不安になりますよね。
しかし、病院を受診した際に、医師にピルを服用していることを伝えておけば、事前に飲み合わせを考慮して薬を処方してもらえるので安心して服用することができます。
アセトアミノフェン以外の薬剤においても医師や薬剤師へピル服用中の旨を伝えることは大切になるため、必ず確認してから併用するようにしてください。
自己判断はせずに、正しい用法を守って治療していきましょう。

監修者

成城松村クリニック院長
松村 圭子
1995年広島大学医学部卒。広島大学医学部産科婦人科学教室へ入局し、2010年に成城松村クリニックを開院。 『10年後もきれいでいるための美人ホルモン講座』(永岡書店)、『女性ホルモン 美バランスの秘訣』(大泉書店)をはじめとする多くの著書を執筆。

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