生理は女性にとって健康状態のバロメーターでもあります。
生理の基礎知識や、生理中でも快適に過ごすためのセルフケアをご紹介。
授乳中にピルは飲めない?お母さんと赤ちゃんのために知っておきたいピルと母乳の関係性
産後にピルを再開したいけど、授乳中にピルを飲むことで赤ちゃんに影響はないのか母として気になるところです。ここでは、ピルを飲むことでどのような影響が起きるのかを詳しく説明していきます。
ピルとは?
ピルとは、黄体ホルモン「プロゲステロン」と卵胞ホルモン「エストロゲン」の2種類の女性ホルモンが含まれた錠剤のことです。長期的な避妊や生理痛軽減に効果があり、世界中で多くの女性に服用されています。
ピルとは?
ピルとは、黄体ホルモン「プロゲステロン」と卵胞ホルモン「エストロゲン」の2種類の女性ホルモンが含まれた錠剤のことです。長期的な避妊や生理痛軽減に効果があり、世界中で多くの女性に服用されています。
授乳中にピルを飲むとどうなる?
授乳中にピルを飲むと、お母さんと赤ちゃんそれぞれに影響が出る可能性があります。
ピルがお母さんに与える影響
ピルにはエストロゲンという卵胞ホルモンが含まれており、このホルモンの影響で母乳の量が減ったり質が悪くなったりする可能性があります。場合によっては、母乳が完全に止まり授乳ができなくなってしまうこともあります。
そのほかに気をつけるべきなのは、血栓症です。出産は多量の出血を伴うため、普段以上に体内の血液凝固作用が働いている状態になります。その分血栓もできやすく、妊娠中〜産後は血栓症の発症リスクが高くなっています。ピルに含まれるエストロゲンという卵胞ホルモンにも血液凝固作用があるため、産後すぐピル服用を再開すると血栓症リスクがさらに高まってしまうのです。
産後すぐ授乳を始める方も多いかと思いますが、ピルを再開する際は医師から問題がないことの指示があってからはじめましょう。
ピルが赤ちゃんに与える影響
授乳中はピルの服用を控える必要があります。なぜなら、お母さんがピルを飲むと母乳にもその成分が混入し、最終的に赤ちゃんの体内に入ることになるからです。生まれたばかりの赤ちゃんは体内に入ってきたピルの成分を上手に分解できない可能性があり、黄疸や乳房肥大が生じることもあるとされています。
ピルは産後いつから飲んでいい?
産後のピルの服用は、母乳育児をしている場合としていない場合で変わってきます。
それぞれ見ていきましょう。
母乳育児をしている場合
授乳において母乳を与えている場合は、一般的に産後6か月経過していて医師が許可を出せばピルの服用を再開できるとされています。しかし前述の通り、ピルを服用しながら母乳での授乳を行うと赤ちゃんにもピルの成分が行き渡ってしまう可能性があります。そのため、授乳が終了するまではピルの服用を控えておいた方がより安全だといえます。
なお、自己判断でピルの服用を再開すると血栓症リスクが上がってしまう可能性もあるため、服用を再開したい場合は一度医師に相談しましょう。
母乳育児をしていない場合
授乳において母乳ではなく粉ミルクなどを与えている場合、母乳を使用することがないため、母乳育児している場合に比べて早期にピルの服用を再開することができます。具体的には、産後3〜6週間経過すれば服用が可能とされています。しかし母乳育児をしていない場合でも、産後直後で血栓症リスクが上がっていることに変わりはありませんので、服用再開を検討している場合は必ず一度医師に相談するようにしましょう。
授乳と生理の関係性
授乳をしている期間は生理が止まるとされていますが、これは、母乳を作るために体内で分泌されるプロラクチンというホルモンが、排卵を抑制するためです。授乳を終えてしばらくすると生理が再開するとされていますが、これには個人差があり、授乳中に生理が再開する人もいます。
また、かつて出産前に悩んでいた生理不順や重い生理痛が、出産後の生理で解消していたという場合もあります。このように、産後の生理が始まる時期やその様子は人それぞれです。すぐに生理が再開しなくても心配せず、何か不安なことがあれば医師に相談してみましょう。
産後に控えたほうが良いこと
まず、出産を経て体はかなり傷ついているため、産後1か月は性交渉を控えるようにしましょう。この期間に性交渉を行ってしまうと、会陰部に痛みを感じたり、体外から雑菌が侵入し感染症にかかったりする可能性があります。
また、同様に飲酒や喫煙を再開するのも控えましょう。授乳中の場合、母乳を通して赤ちゃんに影響を与えることになります。アルコールによって赤ちゃんが発育不全を起こす可能性があり、たばこにはさまざまな悪影響がありながらも特に乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクが増大するため、どちらも授乳を優先して控えるようにしてください。
授乳中に避妊をしたい場合は?
産後ある程度の期間が経過して避妊ありの性交渉を行いたい場合は、もしまだ生理が再開していないとしても、それまでと同じく適切な方法で確実に避妊を行うことが必要です。基本的に授乳中は排卵が止まるとされていますが、生理再開前に排卵が起きていることがあり、妊娠する可能性は十分にあるといえます。
母乳育児をしている方が避妊方法としてピルを使用するのは、お母さん・赤ちゃん双方にとってあまり良くないので、コンドームや、今後はずっと避妊希望jの場合はミレーナ(子宮内避妊器具)を使用するのが現実的です。
母乳育児をしていない方は、コンドームやミレーナのほか、生理再開後であれば産後3〜6週間経過後を目安にピルを服用することができます。ただしピルを使用する場合は、血栓症リスクなども考慮する必要があるため、服用開始前に必ず医師に確認するようにしましょう。
まとめ
今回の記事では、ピルと授乳の関係性について解説しました。ピルは母乳やその母乳を飲む赤ちゃんに影響を与えるため、十分注意が必要です。また、産後は血栓症リスクが高まっているため、ピルの服用については慎重に検討していくことが大切です。ピルと授乳について何か不安なことがあれば、まずは医師に相談してみましょう。
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