生理は女性にとって健康状態のバロメーターでもあります。
生理の基礎知識や、生理中でも快適に過ごすためのセルフケアをご紹介。
不正出血が茶色になる原因とは?ストレスや病気、ピルが原因かも?
普段の生理とは違う不正出血が起こると、不安になる人も多いでしょう。この記事では、不正出血が起こる原因と、考えられる病気の可能性について紹介しています。なるべく早めに病院を受診し、原因を突き止めることが体の不調の解決につながります。
もくじ
不正出血が茶色になるのはなぜ?
ホルモンバランスの乱れにより不正出血が起こり、体外に排出するまでに時間がかかると茶色に変化します。
女性の体は、ホルモンによる卵子の成長と、子宮内膜の代謝が周期的に行われます。
通常であれば毎月の生理によって、成長しきった子宮内膜と卵子は血液とともに排出されます。
しかし何らかの原因でホルモンバランスが乱れることで、卵子の成長が遅れ、子宮内膜の正常な成長サイクルが失われることがあります。
この状態で生理が始まると、出血は少量で、体外に排出するまでに時間がかかります。
長時間体の中にに血液が止まり続けることになるため、血液は体内で酸化し、茶色い色を帯びて排出されるのです。
不正出血とは何か
不正出血とは、通常の生理周期とは関係のない時期に起こる性器からの出血のことで、正しくは「不正性器出血」といいます。
女性の性器は内性器と外性器とに分けられます。内性器は子宮、卵巣、卵管、腟などを指し、外性器は外陰部と膣の一部を指します。
何らかの原因でいずれかから出血すると、不正出血が起こります。
不正出血が起こる原因
まず、不正出血(不正性器出血)を識別する上で一度初めに行うのが、妊娠をしているかどうかを確認しましょう。
妊娠初期の症状として、茶色少量の出血であることが多いです。
それを踏まえた上で、妊娠でなかった場合、不正出血がおこる原因は、主に3つに分けられます。
ホルモンの分泌が乱れて出血をおこすことを「機能性出血」、何らかの病気が原因で出血していることを「器質性出血」といいます。
また体質やそのときの体の状況によって、排卵とともに「中間期出血」が起こることもありますが、こちらは体の異常ではありません。
それ以外にも、膣の外傷などでも出血するケースがあります。
機能性出血
(非器質性出血) |
ホルモンバランスの乱れによる出血
(血液凝固異常・排卵障害・子宮内膜機能異常・ 医原性〔子宮内避妊具や内服等〕・その他) |
器質性出血
(カタチの異常を 伴うもの) |
子宮頚がん、子宮体がん、子宮筋腫、子宮内膜症、膣炎、
子宮膣部びらん、子宮頚管ポリープなどによって起こる出血 |
中間期出血 | 排卵期にともなう少量の出血 |
不正出血の色
不正出血では生理でもないのに鮮やかな出血が続いたり、茶色や黄色っぽい血がおりものに混じっていたりします。
血液は出血してからすぐに体外に排出されれば鮮やかな赤い色ですが、酸化すると徐々に茶色に変化します。色のついた不正出血は生理による出血とは別で、長い時間体内にとどまったことで酸化してから排出された血液だと考えられます。また、不正出血の色から原因の特定はできません。少量の鮮やかな色の出血でも、検査をしてみると病気が見つかることもあります。
茶色の不正出血がある時に考えられる病気
不正出血とともに腹痛などの症状が出た際は、何らかの病気である可能性もあります。
不正出血の原因となる主な病気を6つ紹介します。
子宮頸がん
子宮頚がんは子宮頚部に生じるがんで、性交渉によるHPV(ヒトパピローマウイルス)感染によって発症することがあります。
性交渉の経験がある多くの女性がHPVに感染する可能性があり、若い人にも起こりうるがんです。
HPVは基本的には免疫によって自然に排出されますが、長期間感染が持続すると子宮頚がんに進行する可能性があります。
初期症状はほとんどありませんが、不正出血や茶褐色のおりものが症状として現れることがあります。
早期に発見することで完治可能ですから、定期的な産婦人科での検診がすすめられています。
子宮体がん
子宮体がんは、女性の子宮体部に発生するがんの一種です。女性ホルモンであるエストロゲンの過剰な分泌にともなって発症することが多く、閉経後の女性に起きやすいがんです。
エストロゲンが子宮内膜の異常な増殖を引き起こし「子宮内膜増殖症」という段階を経て、子宮体がんへと進行します。
自覚症状として不正出血が現れるため、閉経後に不正出血があったら可能な限り早く病院の診療を受けましょう。また進行すると、性交痛、排尿痛、下腹部の痛みなどの症状が現れることもあります。特に閉経後の出血で注意が必要です。
ポリープなどの腫瘍
子宮の内部や子宮頚部にできるポリープは、不正出血の原因となることがあります。
ポリープが性交や激しい運動により傷つくことで、不正出血が起こり腹痛をともなうこともあります。
良性ではあるものの、着床障害が起きる場合や、稀に子宮体がんに進行することもあるため、症状がある場合は早めの摘出をおすすめします。子宮頚部にできるポリープのほとんどは、無痛での摘出が可能です。
子宮筋腫
子宮筋腫は、子宮にできる良性の腫瘍です。不正出血の他にも月経困難症や貧血の症状が現れることが知られていますが、筋腫の大きさや場所、数によってそれぞれ症状が異なります。
30歳以上の女性の4人に1人が子宮筋腫にかかっているといわれているほど一般的な病気です。症状が少ないうちはピルを使ったホルモン療法でも対処も可能ですから、取り除かないケースもあります。
しかし妊娠の妨げになることもあるため、妊活中の場合は医師の判断により摘出することもあります。
子宮内膜症
子宮内膜症は子宮内膜が子宮以外の場所に生じる病気で、激しい生理痛や腰痛、不正出血、排尿痛、性交痛などの症状が現れることがあります。非常に重い生理痛として自覚症状が現れやすく、不正出血も起きやすくなります。
クラミジア感染症
クラミジア感染症は「クラミジア・トラコマチス」という細菌に感染することで引き起こされます。
性交によって感染し、日本では最も多い性感染症として知られています。
クラミジアは子宮頚管炎を起こし、おりものの増加や膿による異臭などを発生させます。また、不正出血が起こる可能性も高まります。ただし自覚症状がないことも多く、進行すると骨盤内炎症性病気を引き起こす危険性もあります。
自然治癒することはないため、投薬によって治療します。
茶色の不正出血のその他の原因
不正出血が起こるそもそもの原因には、どのようなものがあるのでしょうか?
ストレスや生活習慣の乱れ
女性の体はとてもデリケートです。そのため、普段の生活の中でストレスが続いたり、睡眠不足だと、不正出血や生理周期の乱れが起きる場合があります。もし心当たりがある場合は、一度しっかりと休息をとるようにしましょう。十分な休息をとってもなお、不正出血が続く場合は、原因となっている病気が隠れている可能性もあるため、病院の受診も検討してみましょう。
ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスの乱れによる「卵巣機能不全」でも、不正出血が起こることがあります。卵巣の機能低下により生理の頻度が少なくなり、生理間隔があいたり、生理が停止したりする症状が現れます。生理が遅くなることで、排出されるはずだった血液が体内に蓄積されて、ある時に不正出血となります。
反対に、月経時のサイクルが異常に短くなる「月経異常」も不正出血にあたります。
経血の酸化
生理周期にともない子宮内膜が剥がれて排出される際、出血量が少ないと血液はすぐに体外に排出されずに体内にとどまり、酸化して茶色くなることがあります。
これも生理前後に起こりやすい、不正出血の原因です。
腫瘍や炎症
不正出血は体質やピルの副作用として起こることもありますが、時には病気の兆候として現れます。
子宮内に腫瘍や炎症が存在する場合、出血が起こることがあります。
不正出血が長期間続く、出血量が多い、異臭や色の異常が見られるといった場合には、婦人科で診療を受け、重大な病気がないか確認することが重要です。
タンポンの抜き忘れ
タンポンの抜き忘れでも、不正出血の原因になります。
タンポンのヒモを一緒に押し込んでしまうと、タンポンを入れていることをつい忘れてしまい、出血を引き起こします。色は茶色になることもあります。
またタンポンの抜き忘れは細菌の繁殖につながり、臭いや健康に影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。
着床出血
「着床出血」は、妊娠初期に起こる不正出血のひとつです。
着床出血は受精卵が子宮内膜に着床する際に起こる出血で、通常は妊娠の初期段階に発生します。
受精卵が子宮内膜に着床する過程で、子宮内膜が傷つくことによって引き起こされます。
着床出血は妊娠4週間ほどで起こり、生理のタイミングと重なりやすいため混同されることもあります。
ただし出血期間は長くても3日ほどで、いつもの生理と比べて短いことから妊娠に気がつく人もいます。
妊娠の兆候を見逃さないようにすることも大切です。
低用量ピルの副作用
低用量ピルの副作用として、不正出血が起こることもあります。
低用量ピルは女性ホルモンのバランスをコントロールするため、体内環境が変わることで不正出血を引き起こします。
通常、不正出血は休薬期間やプラセボ期間に生じ、避妊効果には影響ありません。
ただし出血量が多かったり出血が長く続いたりする場合は、子宮筋腫や子宮頚がんなどの病気の可能性も考えられます。
そのため、低用量ピルの服用中に不正出血が起こったら、医師に相談しましょう。低用量ピルの副作用については関連記事もご覧ください。
更年期
女性は40代後半頃になると、更年期を迎えます。更年期には閉経に向けてホルモンバランスが急激に変化し、生理周期がバラバラになりがちで、不正出血も見られやすくなります。更年期のホルモンバランスの乱れに伴う不正出血はごく自然なものなので、過度に心配しなくても大丈夫です。ただし、40代頃は子宮体がんや子宮頸がんになりやすい時期でもあります。それらの病気によって不正出血している可能性もあるため、年に1回はがん検診を受けるようにし、症状が続く場合は早めに婦人科を受診しましょう。
不安なときは医師の診療を
不正出血が続く、不正出血以外にも痛みやその他の症状をともなって不安な場合は、迷わず医師の診療を受けましょう。
特に1週間以上不正出血が続く場合や、いつもの生理周期と異なる出血パターン、腹痛、性交時の痛み、排尿痛、異常な月経痛などが現れる場合は、早急に産婦人科に相談しましょう。診察をしてみない限り原因はわかりません。
これらの症状は重大な病気の自覚症状である可能性もあり、早期の診断と治療が大切です。
不安を感じたらためらわずに病院を受診し、病気を早い段階で発見することで、多くの女性特有の病気は完治させることができます。
特定の病気の初期の段階では自覚症状がないことも考えられるため、定期的な受診をおすすめします。
不正出血に関するよくある質問
不正出血が1週間以上続いています
1週間以上にわたって不正出血が続いている場合、何らかの異常が起こっていることが考えられます。すぐに医療機関で診療を受けましょう。出血の原因はさまざまですが、早期の診断が問題の早期解決につながります。
経血から異臭がします
経血から異臭がする場合、感染症の可能性が考えられます。迅速な治療が必要ですので、なるべく早めに婦人科専門医に相談しましょう。感染症は放置すると合併症を引き起こすことがあり、さらには人に感染する可能性もあります。
どれくらい不正出血が続いたら病院に行くべきですか?
期間にとらわれず、不安を感じたらすぐに受診しましょう。不正出血は病気の兆候かもしれません。様子を見るのではなく、早めの医療専門家の診断が必要です。
力むと鮮血が出るのは病気ですか?
生理の可能性もあり一概に病気であるとはいえませんが、正確な診断のためには病院で診療を受ける必要があります。また血液の量が多い場合は、何らかの異常があることも考えられます。婦人科を受診し、適切な治療を受けましょう。
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不正出血は、様子を見ず医師の診療を
不正出血が起こった際に、考えられる原因や病気について解説してきました。
不正出血がさまざまな原因によって体内にとどまることで、茶色く変色します。
また、不正出血は女性特有の病気の兆候であることも考えられます。
不安を感じたら、なるべく早めに病院で診療を受けましょう。
早めに診断を受け治療を行うことで、重大な病気であっても完治させることができます。
もちろん病気ではない可能性もありますが、楽観視せずに対応しましょう。
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