生理が来ない原因は妊娠、ストレス、病気?受診目安や対処法も

生理
更新日:2024.10.22
生理が来ない原因は妊娠、ストレス、病気?受診目安や対処法も

「お腹が痛いのに予定日を過ぎても生理が来ない」。そのような場合、妊娠をイメージする方もいらっしゃるかと思いますが、生理が来ない理由は他にもさまざまあります。この記事では、お腹が痛いのに生理が来ないときの原因やその対策法、考えられる病気、お腹の張りの予防法など、女性にとって気になる症状に関する情報を詳しくご紹介していきます。

生理の仕組み

ここでは、生理はどのような周期でどれくらいの期間、出血が起こるのか。経血量や不正出血の基準など、生理の基礎知識から説明していきます。
また、生理が毎月安定して来ない…などの、いわゆる生理不順で悩まされている方は少なくありません。生理について正しい知識を得ておきましょう。

まず生理とは、分厚くなった子宮内膜が剥がれ落ちて体外に排出されることです。排出される際、子宮を収縮させるためにプロスタグランジンという物質が分泌され、この物質が生理痛の原因となっています。
生理と深く関係しているのは、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という2種類の女性ホルモンです。エストロゲンには子宮内膜を分厚くする作用があり、プロゲステロンには子宮内膜の厚さをキープする作用があります。
排卵が起きるとプロゲステロン分泌量が増加し、受精卵が着床できるように子宮内膜を分厚くふかふかにします。しかし妊娠が起こらないと、次第にプロゲステロン分泌量が減少し、分厚くなった子宮内膜が剥がれ落ちて生理が起こるのです。

生理周期とは

女性の身体は、おおよそ25〜38日の周期で生理が訪れます。
生理周期は、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンの分泌によって調整されているため、人によって周期はバラバラなのです。
正常と呼ばれている生理期間は4〜7日間であり、2日以下は「過短月経」と呼ばれ、はたまた8日以上続く場合は「過長月経」になります。このように生理期間が短すぎたり長すぎたりする背景には、何らかの病気が隠れている可能性があります。
一般的に、経血量は2日目が一番多く、3日目を過ぎると徐々に減っていく傾向にあります。

一方で「不正出血」は量やにおいで見分けがつきません。「生理期間以外の出血はすべて不正出血」と考えましょう。何らかの異常が起きている可能性があります。不正出血が2週間以上続いた際には産婦人科を受診するようにしましょう。
特に注意が必要なのが、出血量が多かったり腰痛や腹痛、デリケートゾーンのかゆみ、性交時痛・排尿痛を伴う場合です。不正出血以外の症状がある場合は、必ず医師に伝えるようにしましょう。

生理不順とは

「毎月生理が来ない…」「生理が来ないと思っていたのに突然来てしまい下着が汚れてしまった」などで悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
実は生理の悩みで一番多いとされているのは「生理不順」です。
基本的に前述でもあったように25〜38日の周期で生理がきていれば正常といわれており、生理予定日から1週間ほどズレる程度であれば問題ないといえます。
いわゆる、生理不順と呼ばれるものには種類がいくつか存在します。25〜38日よりも短い周期で生理が起こることは「頻発月経」といい、一方で39日以上で生理が来ることを「稀発月経」といいます。3か月以上も生理が来ないのであれば、「無月経」となりますので、これらに該当する場合には産婦人科を受診するようにしてください。

生理が来ない理由が妊娠の場合

お腹の痛みや生理の遅れは、妊娠の可能性を示唆する兆候とされますが、妊娠初期症状なのか生理前症状なのか、「腹痛」「下腹部痛」「胸の張り」「眠気」など体に表れる症状に共通点が多く、判断が難しいところです。しかし、違いを理解することで、ある程度判断することはできます。

見分ける一番のポイントとしては、基礎体温があります。通常、生理前の体温は高く、生理予定日を過ぎると低くなります。しかし、妊娠していると生理予定日を過ぎても体温が下がらず高いままを維持します。ですので、3週間以上体温が高い状態が続く場合には妊娠している可能性が高いといえるでしょう。

また、生理の遅れや熱っぽさ以外の妊娠初期症状としては、頭痛・腹痛・便秘・強い眠気・吐き気・胸の張り・むくみ・めまい・嗅覚過敏などがあります。これらの症状が見られた場合は、一度妊娠検査薬を使ってみることをおすすめします。もし検査の結果陽性だった場合は、すぐ産婦人科を受診するようにしましょう。

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妊娠以外で生理が来ない場合に考えられること

生理が来ないと、もしかして妊娠しているのではないか?と不安になる方も多いですよね。
ですが、必ずしも妊娠だけが要因ではなく、身体の不調などのサインである可能性もあります。
生理が来ない場合に妊娠以外で考えられる要因について紹介していきます。

ストレス

ストレスが原因で生理がこなくなってしまうことはあります。
女性の身体は、過度なストレスが加わると生理周期を調整している女性ホルモンに影響を及ぼし、ホルモンバランスが崩れて生理が止まってしまうのです。
適度な運動や、デジタルデトックスなど日頃からストレスを発散させることが大切です。

ダイエット

過度なダイエットをすることで生理が来ない原因となる可能性もあります。
注意すべきなのは、食事制限のダイエットです。短期間での急激な体重減少によって、ホルモンの分泌に影響を及ぼし排卵が抑制されることから生理が止まってしまいます。ダイエットをする際には、1日3食バランスよく食事を摂る上で行いましょう。

太りすぎ(痩せすぎ)

肥満になると、排卵しにくくなります。そのため、体重が増えたり、BMIが18をきると、先ほど説明した稀発月経(月経周期が35日以上)や無月経(生理が約3か月以上来ない)になる可能性があります。
ご自身の適正体重を正確に把握することが大切になります。
日頃からバランスの良い食事や適度な運動を心がけ、体重が急激に増えてしまった際にはライフスタイルを改善していきましょう。

甲状腺の病気

甲状腺ホルモンの過剰分泌や分泌の低下が起きる「バセドウ病」や「橋本病」では、ホルモン量のコントロールができなくなるため、生理が来ないことがあります。
元々、甲状腺の病気を患っている場合には、かかりつけの医師に相談しましょう。

早発卵巣不全

一般的な閉経の平均年齢は、50歳前後です。そのため、それ以前で周期的な生理がこなくなった場合は閉経ではなく、別の要因である可能性が高いです。特に、40歳未満で4か月以上の無月経は「早発卵巣不全」と呼ばれています。
40歳未満の方で4か月生理が来ない場合には早発卵巣不全の可能性もあるため産婦人科を受診して診てもらいましょう。

薬の影響

普段、常用している薬で「抗うつ薬」や「胃腸薬」がある方は、副作用のひとつとして、下垂体からのホルモン調整の変化・異常が起きる場合があります。これらの要因で、生理が止まったり、遅れたりすることがあります。
すでに服用していて、月経異常がある際は、内服薬が原因となっている場合もあるため、必ず受診時に医師に伝えるようにしましょう。

生理が来ないときに考えられる病気

生理が遅れる中でお腹が痛む状況は、さまざまな疾患の兆候かもしれません。病院で医師の診断を仰ぐべき症状や疾患を紹介していきます。少しでも異常を感じたときは迷わず受診するようにしましょう。

子宮内膜症

子宮内膜症は、子宮内膜に似た組織が子宮の外に広がり、生理周期ごとに炎症や組織の異常を引き起こす疾患です。

通常、子宮内膜は生理周期に合わせて厚くなり、生理時に排出されます。しかし、子宮内膜症の場合、内膜組織に似た組織が子宮外に存在するため、生理の時に排出されずに組織が炎症を起こし、お腹の痛みや張りなどの症状を生じることがあります。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、卵巣に多くの小さな嚢胞が形成される状態を指します。

これにより、卵巣が正常に機能せず、ホルモンバランスが乱れます。主な症状には生理不順、無月経、不正出血、体毛の増加、ニキビ・肌荒れ<などがあります。また、代謝異常や生殖能力の低下も見られることがあり、不妊の原因となることもあります。

卵巣機能不全

卵巣機能不全は、卵巣が十分な量の卵胞を発育させることができず、ホルモンの分泌が減少する状態を指します。

症状は、生理不順や不正出血などが一般的です。卵巣機能不全はさまざまな要因によって引き起こされる可能性があり、先天的な要因、自己免疫疾患、治療や手術による影響などが考えられます。

どれくらい生理がこなかったら受診すべき?

生理予定日から1〜2週間経っても生理が来ない場合は、産婦人科を受診するようにしましょう。特に、もともと生理不順ではないのに生理がかなり遅れているという場合は、何か原因が隠れている可能性があるため注意が必要です。

生理が来ない場合の対処法

予定日を過ぎてもなかなか生理が来ないと、どうしても不安になってしまいますよね。ここでは、生理が来ない場合の対処法をいくつか紹介します。

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妊娠検査薬を使用する

生理がきておらず、少しでも妊娠の可能性がある場合は、市販の妊娠検査薬を使用して妊娠の有無を確認してみるようにしましょう。結果が陽性になった場合は、早めに産婦人科を受診するようにしてください。また陰性であった場合でも、生理がこない原因として何か病気などが隠れている可能性もあるため、産婦人科で医師に相談してみましょう。

ストレス発散を行う

ストレスの影響でホルモンバランスが乱れ、それによって生理周期が不安定になることがあります。日頃からストレスを溜め込むことがないように、定期的な息抜きを心がけましょう。

適切な睡眠や栄養バランス

睡眠不足になっていたり、栄養バランスの良い食事をとれていなかったりすると、ホルモンバランスや生理周期に影響が出てしまいます。寝る前にスマホを見るのをやめる、食事の際に副菜をもう1品取り入れるなど、小さなことから意識して生活改善につなげてみましょう。

生理が来ないときに行う検査とは

生理が来なくて医師に相談したいと思っていても、実際に病院で、どのような検査を受けるのか分からないと不安ですよね。参考までに、産婦人科では以下のような検査を行うことが一般的です。

問診・基礎体温チェック

これまでにかかった病気や現在服用中の薬を聞かれたり、体重測定や普段の生理周期の確認を行ったりします。また、日々の基礎体温を記録して持っていくと、卵巣機能などについてチェックできる場合もあります。

血液(ホルモン)検査

血液検査を行うことで、ホルモンの値を確認します。調べるホルモンは、女性ホルモンのほかに下垂体ホルモンや甲状腺ホルモンなども含まれる場合があります。

超音波検査

超音波検査では、子宮や卵巣の状態を確認し、異常が見られないかどうかを調べます。膣から機器を入れて検査しますが、性交渉の経験がない場合はお腹の上から機器をあてたり肛門から入れる方法に変更できる場合もあります。

生理が来ないときにお腹が張る理由

生理が来ないときにお腹が張ってしまう原因として考えられるのは、PMS(月経前症候群)です。PMSは、生理が始まる10日前~3日前に現れる身体的な不快感や精神的な変化のことを指します。腹部の痛みや張り、頭痛、倦怠感、イライラなどが一般的な症状で、生理がくると治ったり緩和されることが特徴です。

PMSとして下腹部痛や便秘などの症状が起きることがあります。特に生理前はホルモンバランスの変動で体がむくみやすくなっています。腸内もむくみやすくなり、お腹にガスが溜まりやすくなっているので張りを感じると考えられます。

生理前の腹痛やお腹の張りの予防法・対処法

生理前の腹痛やお腹の張りは多くの女性が経験する不快症状ですが、日常から予防していくことで、そのつらい症状を軽減できることがあります。
ここでは、生理前の腹痛やお腹の張りの予防法や対処法を紹介していきます。お悩みの方はぜひお試しください。

適切な食生活

バランスの取れた食事を摂ることが重要です。食物繊維を豊富に含む野菜や果物、整ったタンパク質の摂取を心がけましょう。

カリウムは余計な塩分を排出してくれる働きがあるので、お腹の張りやむくみを抑えてくれます。バナナ、トマトなどに多く含まれています。食塩やカフェインの摂り過ぎには注意しましょう。

お酒、喫煙を控える

お酒や喫煙は控えましょう。お酒は体内のホルモンバランスに影響を及ぼし、痛みや不快感を悪化させる可能性があります。
喫煙は血行を悪化させ、子宮内への血流が低下し、痛みを増幅させることがあります。これらの要因を避けることで、生理前の不快な症状を軽減できる可能性が高まります。

運動習慣

軽い運動やストレッチは血流を良くし、腸に刺激を与えて痛みや張りを和らげる助けとなります。ウォーキングやヨガなど、自分に合った適度な運動を取り入れましょう。

ストレスの軽減

ストレスは生理痛やその他の生理周期に伴う症状を悪化させる可能性があります。趣味や運動、お風呂にゆったりつかるなど、自分のリラックスする方法を見つけ、ストレスを軽減することが大切です。

ピルの服用

近年、ピルは避妊手段としてだけでなく、ホルモンバランスの調整を通じて生理前の不快な症状を和らげる効果にも注目を集めています。
さらに、最近ではニキビ治療にも応用され、また子宮体がんや卵巣がんの予防にも一定の効果が示されており、その応用範囲が広がっています。

ピルの使用によって、生理前のお腹の痛みや張りが軽減される可能性もあります。医師に相談のうえ、適切に使用していきましょう。

ただし、ピルを服用しているにもかかわらず生理が来ない場合には、服用上の問題などの問題が考えられるため、下記の記事も参考にしてみてください。

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痛みや生理が来ない原因を理解して適切に対処しましょう

女性にとって生理の症状は日常生活に大きく影響を及ぼすこともあり、その原因や対策を理解することはとても大切です。生理前のお腹の痛みや張り、また生理が予定日通りに来ないことが続くようであれば、医師の診療の元、ピルの服用を検討してみても良いでしょう。

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成城松村クリニック院長
松村 圭子
1995年広島大学医学部卒。広島大学医学部産科婦人科学教室へ入局し、2010年に成城松村クリニックを開院。 『10年後もきれいでいるための美人ホルモン講座』(永岡書店)、『女性ホルモン 美バランスの秘訣』(大泉書店)をはじめとする多くの著書を執筆。

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