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ピルを服用すると血栓症のリスクが高まるのはなぜ?気になる初期症状や予防法も解説

低用量ピルには、最も重篤な副作用として血栓症があります。しかし、なぜピルを服用すると血栓症の発症リスクが上がってしまうのでしょうか。ここでは、血栓症が起こる理由や初期症状、血栓症を引き起こさないための予防法などについて詳しく解説していきます。
もくじ
血栓症とは?
血栓症は、血管の中に血栓(血の塊)ができてしまい、血液が詰まってしまう疾患です。
血栓症には2種類あり、動脈血栓症と静脈血栓症に分けられます。ピルの副作用として挙げられるのは、静脈血栓症です。主に下肢(ふくらはぎや太ももなど)に血栓ができてしまい、最悪の場合は肺の静脈に血栓が移動し、死亡の危険性もあります。
参考:低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤ガイドライン(案)平成 27 年 3 月
ピルの副作用でなぜ血栓症が起こる?
低用量ピルの主成分は、女性ホルモンである卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の2種類です。
そのうちの卵胞ホルモン(エストロゲン)には、血液が固まりやすくなる「凝固作用」という作用があることから、ピルを服用することで血栓症の発症リスクが高まります。
加えて、ピル服用中は水分不足や長時間同じ姿勢でいることも危険といえます。体が脱水症状になると血液がドロドロとした状態になり、長時間同じ姿勢でいると下半身の血流が悪くなり血栓ができやすくなるため注意しましょう。
ピルにより血栓症が発症する確率
ピルにより血栓症が発症する割合は、年間1万人中3人から9人という調査結果があります。
また、ピルを服用していない人が血栓症を発症する割合は、年間1万人中1人から5人となっています。かなり稀ですが、ピルを服用することで発症リスクがわずかに高まるといえます。
参考:低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤ガイドライン(案)平成 27 年 3 月
ピルの服用で引き起こされる血栓症の初期症状例
次に、ピル服用中に血栓症が発症した場合の初期症状について解説していきます。
強い腹痛
お腹に強い痛みを感じた場合は腹部あたり(下大静脈)に血栓ができている可能性があります。
強い胸痛、息苦しさ、押し潰されるような痛み
押しつぶされるような胸の痛みや、呼吸がしづらいなどは、肺に血栓ができている(肺血栓塞栓症)可能性があります。
強い頭痛、視野が狭くなる、舌がもつれて話しにくい、失神などの意識障害
強い頭痛や、視野が狭くなるなどの視覚障害、しゃべりにくくなるなどの言語障害、失神するなどの意識障害がみられる場合は、脳にある静脈もしくは動脈に血栓ができている可能性があります。
ふくらはぎの痛み、むくみ、しびれ、熱感増加や皮膚発赤
突然のふくらはぎ(片足が多い)の痛みや、しびれ、腫れ、熱をもっている、皮膚が赤くなるなどの症状が現れたら、下肢に血栓ができる深部静脈血栓の可能性があります。
いずれも症状が現れたら、速やかにピルの服用を中止して病院を受診してください。
ピルによる血栓症のリスクが高まる原因
ピルの服用によって、血栓症の発症リスクが高まる原因は主成分の卵胞ホルモン(エストロゲン)の影響だけではありません。
服用する人の体の状態によっても、更にリスクが高まります。
発症リスクが高い人の特徴を見ていきましょう。
肥満
BMIが30以上の肥満体質の人は、血管にある脂肪から血液を溶解する働きを阻害する成分を分泌するようになります。よって、ピルの服用が重なると血栓リスクが高くなります。
加齢
40歳以上は、血管年齢も上がります。そのため、心血管系障害を発症する可能性が高くなることから、血栓症の発症リスクも高まります。
喫煙
タバコに含まれるニコチンには、血液をドロドロにして血栓を形成させる作用があります。
ピルに含まれる卵胞ホルモン(エストロゲン)と相まって、血栓症の発症リスクが高くなります。
また、35歳以上で1日15本以上の喫煙習慣がある人はピルの処方ができない場合がほとんどです。
高血圧や糖尿病
高血圧でピルを服用すると、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まります。また、糖尿病はコレステロールが多く蓄積し、プラークという塊を血管内に形成します。プラークは血管内にできるだけでなく、破裂を起こして血管を塞いでしまうこともあります。これらのことから、高血圧や糖尿病の人はピルを服用すると血栓症の発症リスクが高くなります。
長時間同じ姿勢でいる
長時間同じ姿勢でいることで、血流が悪くなり、血行不良になります。
特にピル服用中は、卵胞ホルモン(エストロゲン)の作用で血液が固まりやすい状態のため、血栓症を発症するリスクが高くなります。
血栓症の予防方法
では、血栓症を予防することはできるのでしょうか。
ここでは、血栓症を引き起こさない・早期発見のための方法を紹介していきます。
定期的に検診を受ける
強制ではないものの、半年から1年に1回は血液検査を受けることで、血液の状態を確認することができます。
血栓症が発症しているかどうかを確認することはできませんが、血液がドロドロになっていたりなどのチェックはできるため、ピル服用中は積極的に受けるようにしましょう。
水分をしっかりとる
水分不足になり、脱水状態になると血液がドロドロになってしまいます。
水分をしっかりとることで、血流改善にもなり、血栓症の予防に繋がります。
また、ピル服用中はお酒(アルコール)やコーヒー(カフェイン入り)は利尿作用が強くなるため、ほどほどにしましょう。
適度な運動をする
血行促進のためにも、適度な運動やストレッチ、ヨガなどを日常生活に取り入れるとよいでしょう。
また、適正体重を保つためにも運動習慣があるとよいです。
また、デスクワークなどで長時間同じ姿勢でいる場合は定期的に立って少し歩くようにするようにしてください。
喫煙を控える
喫煙習慣のある人は、血栓リスクを上げないために、ピルを服用する際に禁煙するようにしてください。
着圧ソックスを履く
着圧ソックスには、むくみを軽減する効果があります。足の静脈への血栓発生を抑制できるため、動きの少ないデスクワーク中に履くことがおすすめです。
血栓症の可能性がある場合はすぐに医師に相談しよう
前述で挙げた初期症状に当てはまる症状が現れた場合は、速やかに病院を受診するようにしてください。婦人科でも問題ないですが、可能であれば血管外科や循環器内科など専門医のいる総合病院が望ましいです。
時間帯的に、病院が開いていない時間帯の場合は近くの救急病院に相談するようにしてください。
ピルと血栓症に関するよくある質問
ここではピルと血栓症に関する質問に回答していきます。
血栓症を招くリスクは検査でわかる?
通常の血液検査では血液の状態しかわからないため、血栓症が発症しているかどうかは判断ができません。しかし、人間ドックでは血管の状態を見る検査ができるため、定期的に受けるようにしましょう。
ピルの服用によって血栓症が起こりやすいタイミングは?
ピルを飲み始めの頃に起こるマイナートラブルという軽めの副作用と同様に、血栓症もピルを飲み始めたばかりの頃に起こりやすいといわれています。主に、服用開始から3か月程度の間です。
ピルの服用中、血栓症以外で注意すべき副作用は?
服用初期に見られる副作用として、不正出血や吐き気、頭痛、下腹部痛などの副作用があります。
ピルの服用による血栓症の発症リスクは非常に稀である
ここまで、ピルの服用と血栓症の発症リスクの関係について解説してきました。
ピルには血液を固めてしまうホルモンが配合されていますが、実際にはそれだけでは血栓症の発症リスクがすごく高いわけではありません。そこに肥満や喫煙、高血圧などの体の状態が加わることで発症リスクを高めるということになります。
きちんと、適正体重を保ち、禁煙する、健康的な食事をするなどをした上で、ピルを服用すれば血栓症の発症リスクは下げることができます。
ピルそのものは怖いものではなく、継続的な避妊ができ、生理トラブルにも効果が期待できる薬です。
ピルのメリットを最大限に受けるためにも、まずは生活要因を見直してみましょう。
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