血栓症ってどんな病気?ピルの服用によって発症する原因や症状、予防方法まで解説

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更新日:2024.10.07

血栓症ってどんな病気?ピルの服用によって発症する原因や症状、予防方法まで解説

低用量ピルを服用することで、継続的な避妊効果をはじめとし、生理痛やPMS(月経前症候群)の緩和、生理不順の改善などといった多くのメリットがあります。その一方で、血栓症のリスクが上昇することが知られています。この記事では、低用量ピルの服用によって引き起こされる可能性のある血栓症に焦点を当て、どのくらいの確率で起こるものなのか解説し、前兆となる症状や予防方法について紹介しています。

血栓症とは

血栓症は、血管内に血の塊ができることによって引き起こされる病気です。血の塊のことを血栓といいます。血栓が血管内で詰まることで血液の流れが阻害され、それが原因でさまざまな問題が生じます。
また体内には多くの血管が走っており、血栓がどこにできるかによって症状は異なります。

血栓症には、主に次の2つのタイプがあります。

動脈の中で血栓ができることを「動脈血栓症」といい、心筋梗塞や脳卒中などが引き起こされ、胸痛や麻痺などの症状が現れます。
一方、静脈内に血栓ができることを「静脈血栓症」といいます。特に下半身の静脈に発生することが多く、足のむくみなどの初期症状を引き起こします。重症化すると足の血栓が肺に流れ、肺の血管が詰まる肺塞栓症を引き起こす可能性があります。

低用量ピルの服用で血栓症のリスクが高まる?

避妊や生理痛を軽くしてくれる効果のある低用量ピル。始めてみたいと思って調べてみると、効果だけではなく副作用もあることがわかってきます。低用量ピルの副作用としては、服用を始めて間もないうちに現れる吐き気や頭痛、めまいや少量の不正出血などがありますが、これらの症状は服用を継続することで徐々に現れなくなってきます。長い場合でも2〜3か月程度で症状はほとんどなくなります。また、そのほかに知っておくべき副作用として、血栓症のリスクが高まることがあります。

低用量ピルによる血栓症のリスクは、妊娠・産後よりは低い

血栓症は低用量ピルを服用する上で、知っておくべきリスクです。しかし実際に起きる可能性はそれほど高くありません。
血栓症は低用量ピルの服用以外でも妊娠や出産が原因となることもあり、低用量ピルの服用によって起こる可能性よりもずっと高いことがわかっています。
海外で行われた調査によれば、低用量ピルを服用していない女性の静脈血栓症の発症リスクは1万人あたり年間1~5人です。それに対し、低用量ピルを服用している女性では3~9人とわずかに上昇します。低用量ピルを服用している女性の方が、血栓症のリスクがわずかに高まる可能性があることを示しています。
妊娠中の女性や分娩後12週間の女性における静脈血栓症の発症リスクは、それぞれ年間1万人あたり、妊娠中だと5〜20人、出産後で40〜65人となっています。このことから、低用量ピルを服用して血栓症が発症する可能性は、妊娠中や分娩後の女性に比べてかなり低いことがわかります。
また深刻なケースになることも少なく、カナダ産婦人科学会の調査では、静脈血栓症による致死的な結果は100人あたり1人です。低用量ピル使用中の死亡率は、10万人あたり1人以下と報告されています。
以上のことから、低用量ピルの服用で血栓症が発症する確率は、他の要因に比べてそれほど高くないということがわかります。
ちなみに、これらの調査は海外の女性に対して行ったものです。血栓症のリスクはアジア人の方が低いことがわかっており、日本における血栓症のリスクはこの調査結果よりもさらに低いものとなります。

低用量ピル服用時に血栓症リスクが高まる原因

低用量ピルの副作用のひとつとして、血栓症が発症する可能性がありますが、さらにリスクを高めてしまう要因もあります。身体の状態や禁忌事項に該当している場合には、ピルの処方を受けられなくなることもあります。

喫煙

低用量ピルの服用中で喫煙の習慣がある人は、血栓症が発症するリスクが増加します。そのため35歳以上で1日に15本以上のタバコを吸う人は、血栓症のリスクが低用量ピル服用のメリットを上回ることから低用量ピルの処方を受けることができません。タバコの本数が増え年齢が高くなるほど、血栓症を引き起こすリスクが高まります。

加齢・肥満

40歳以上の女性は、低用量ピルの服用による血栓症のリスクが高まるため処方を制限されます。年齢が上昇すると卵巣機能やホルモンバランスが変化し、血栓などの血管障害が増加するリスクが高まるためです。また肥満や高血圧などの持病がある場合も、血栓症のリスクが増加します。

水分不足

体内で水分が不足すると、血液が濃縮され血栓のリスクが高まります。特に低用量ピルの服用中は血が固まりやすくなっているため、こまめな水分摂取が必要です。

運動不足

長時間同じ体勢で過ごすことで、血流が滞り血栓症のリスクが増加します。軽めのストレッチを挟んだり、十分に水分をとって眠るときは足をあげるなどの対策をしましょう。

低用量ピル服用時に注意すべき血栓症の症状

低用量ピルの服用中に以下の症状が現れた場合、服用を中止し、低用量ピルを処方してもらった医師に相談をしましょう。

激しい頭痛

脳で血栓症が発生すると、激しい頭痛が現れることがあります。この頭痛は突然発症し、非常に強烈であり、圧迫感やめまいをともないます。

手足のしびれ

血栓症による神経圧迫や血流異常、脳血管障害のサインとして手足のしびれや感覚の異常が現れることがあります。

ふくらはぎのむくみ

下肢の深部静脈血栓症になると、初期症状としてふくらはぎの腫れやむくみが現れることがあります。

激しい胸の痛み

静脈血栓症のなかでも、肺塞栓症が発生すると、息苦しさや激しい胸の痛みとなって現れます。

視覚の変化・舌のもつれ

脳血栓症や脳塞栓症の場合、見えにくいところがあったり視野やいつもと異なる、舌がもつれるなどの症状が現れます。場合によっては意識障害や失神を引き起こすこともあります。

低用量ピル服用時に意識したい血栓症の予防法

血液が凝固することで血栓は発生します。低用量ピルの服用中は血液が固まりやすい状態ですから、生活習慣に気を配り血流をよくすることが大切です。

水分をこまめに摂る

血栓症を予防するためには、こまめに水分を摂取しましょう。長時間のフライトやドライブ、スポーツ観戦時など長時間同じ体勢でいる際に水分が不足すると血液がドロドロになって、血液の流れが悪くなることから血栓症のリスクを高めます。このような場合には十分な水分を摂って、下肢の運動を心がけるようにしましょう。

禁煙

喫煙は血栓症のリスクを増加させます。基本的に低用量ピル服用中の喫煙は避けましょう。

BMI30を超えないようにする

BMIが30を超えると血栓症のリスクが増大します。健康的な体重を維持するために、バランスの取れた食事と運動を組み合わせて減量を行います。

中止・再開を繰り返さない

4週間以上の休薬期間後に服用を再開すると、そのタイミングで血栓症のリスクが高くなるといわれています。ピルは服用開始から3か月が最も血栓リスクの高い時期でありますが、それ以降の継続で血栓リスクは低下していきます。そういったことから妊娠希望がない場合には休まずに服用を継続していくことで血栓リスクを上げることなくピルの服用を続けていくことができます。また、低用量ピルを再開する際には、必ず医師に相談するようにしましょう。

ピルによる血栓リスクは医師に相談を

低用量ピルを服用することで血栓症のリスクは高まるものの、妊娠や出産などそのほかのリスクと比較すると低いといえます。
ただし一度ピルをやめて再開する場合は、血栓症のリスクが高まることがわかっています。必ず専門医に相談して、再開するようにしましょう。

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監修者

産婦人科専門医、がん治療認定医、mederiドクター
mederiドクター
産婦人科専門医、がん治療認定医 女性のヘルスケアアドバイザー(女性医学会認定)、F U S E certificated personnel(米国内視鏡外科学会認定)、JOHBOC研修終了(日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構) 大学病院に入局し高度周産期センター、婦人科腫瘍専門施設で研修・修練後、総合病院で良性疾患の腹腔鏡手術や、不妊治療、女性内分泌・更年期障害など幅広く女性診療を行う。米国への留学を経て、現在はmederiドクターとして、メデリピルのオンライン診療や体調相談を担当している現役産婦人科医。

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