生理は女性にとって健康状態のバロメーターでもあります。
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【医師監修】着床出血とは?いつ起こる?サインや生理との違いを解説|メデリピル

妊娠を望んでいる方にとって、着床出血の有無は気になるところですよね。また避妊を希望している方にとって、いつもと違うタイミングで出血が起こると「着床出血かも?」と不安に思うこともあるでしょう。
今回は着床のサインについて、そもそも着床とは何か、着床した場合にはどのような症状がいつ頃現れるか、その後どうすれば良いかなどについてを詳しく解説します。
もくじ
そもそも着床とは
着床とは、性行為後に精子と卵子が受精してできた受精卵が細胞分裂を繰り返しながら1週間〜10日位の期間をかけて胚となり子宮に辿り着き、子宮内膜にもぐりこむことを指します。着床することで、妊娠が成立します。
着床完了のサイン
全員に必ず見られる着床完了のサインというものはありません。着床が起こる頃に、感じることがある症状はいくつかあります。たとえば、おりものの量や色が変わった、頭痛がある、お腹が張る、吐き気がする、熱っぽく感じる、眠気を感じるなどの症状です。
無症状だからといって着床していないと言い切ることもできません。着床完了時に見られるサインとして最も多いものは、出血やおりものの変化、下腹部痛などです。
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着床完了のサインが出るタイミング
着床完了のサインは、妊娠3週~4週の時期に現れます。「性行為の日から考えると、3週間も経っていないのでは?」と思う方もいらっしゃるかと思いますが、これは妊娠週数の数え方と関係があります。
妊娠週数を数えるときには、受精(性行為後)から数えるのではなく、最終月経の開始日を「妊娠0週0日」として数えます。月経開始から数えて2週間ほどで排卵が起こりますので、受精した時点ですでに妊娠2週となっています。そこから1週間ほどで着床が起こりますので、着床時点では妊娠3週ということになるのです。
着床の時期にみられる主な症状
受精だけでなく、着床時期の女性の体にもさまざまな変化が起こります。ここでは、着床の時期にみられる特徴的な体の変化を解説します。
おりものの変化
おりものは、ホルモンの影響で量や性状が変わります。受精が完了すると妊娠維持のために、女性ホルモンであるエストロゲンが分泌され、おりものの量が増えやすくなります。おりものの色は半透明から乳白色や薄茶色に変化し、いつもよりも水っぽくサラサラとした状態へと変化します。
着床出血
着床出血とは、妊娠初期に起こる出血のことです。受精卵が着床する際に子宮内膜を傷つけてしまい、出血としてあらわれることを指します。これは受精卵が子宮内膜に定着するための出血であり、胎盤を形成するための工程です。 着床前後の1〜2日にかけて少量の出血があれば、着床出血を疑います。
出血があるとびっくりしたり、心配になったりする方も多いですが、決して異常な出血ではありません。着床出血は着床のあとに起きやすい症状の1つともいわれていますが、必ずしも全員に起こるわけではありません。
着床出血がないからといって「着床していない」ということではありません。他の兆候も見逃さないようにしましょう。
着床出血と生理の違いは?
生理の開始予定日とほぼ同じくらい、もしくは少し早いくらいの時期に起こるので、出血を見たときに「生理が来たのかもしれない」と勘違いする方も少なくありません。着床出血と着床出血と生理痛の大きな違いとしては、通常、出血の量や色、持続期間などが異なります。
着床出血 | 生理 | |
色 | 血が混じったようなピンク、茶色、鮮血色 | 赤から暗赤色 |
量 | 少量 | 多量 |
腹痛の程度 | 軽い生理痛程度、お腹の奥がチクチクする感じ | 人によっては激しくお腹が痛むこともある |
以上のように違いはあるものの、人によっては生理と区別がつかないような真っ赤な経血があり「いつも通りの生理がきた」と思ったら、それは着床出血で実は妊娠していた、ということもあります。
着床出血が続く期間
着床出血の場合の出血は大体の目安にはなりますが、着床出血は1〜2日程度と短く、長くても4日ほどで出血が止まります。「少し出血したと思ったらすぐに止まった」という人もいれば、「3日間くらい少量の出血が続いた」という人もいるので、かなり個人差があるといえます。
着床痛
医学的に証明されているものではありませんが、着床時期に感じる痛みを着床痛と呼ぶことがあります。また、痛みの感じ方は人それぞれです。生理痛とは少し違う「チクチクピリピリ」「ズキン」とした腹痛や腰痛を感じる方が多いですが、生理痛と同じような鈍痛である場合もあります。その他、胃痛や恥骨の痛み、さらにお腹や胸の張りや違和感などを感じることもあります。
たちくらみやめまい
妊娠初期には、立ちくらみやめまいなどを起こすことがあります。これらの症状は、ホルモンバランスの乱れがや血液の増加による赤血球の割合の減少が影響しています。血は潜在的な症状であることが多いため、普段よりも息切れがしやすい、顔色が悪いなどの体調の変化がある場合は無理をしないようにしましょう。ふらつきがでたときは、無理に立っていると頭から倒れたり、頭を打つなど怪我の原因にも繋がってしまいます。まずは落ち着いて、座るか横になるようにしましょう。
風邪に似た症状
妊娠が成立すると、女性ホルモンである黄体ホルモンの量が多くなります。プロゲステロンが増えると、眠気やだるさを引き起こすこともあるといわれています。着床後になんとなく風邪っぽい、微熱が出る、だるい、寒気があるといった症状を感じるのはこのためであると考えられています。
また、妊娠を希望する場合は基礎体温を計測することをおすすめします。低温期が続いたあと、いったん体温が下がり、その後急激に体温が上昇している時期があれば、そのときに排卵があったと推測できます。基礎体温を計測することで、自分の生理サイクルが分かるようになり、月経初日から何日後に排卵が起こるか予測できるようになるでしょう。
精神的な症状
着床時に見られる可能性のある症状の一つに、情緒不安定があります。着床、すなわち妊娠が成立すると、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンが増加します。これらのホルモンの影響で、人によっては、イライラしたり、わけもなく憂うつになったりといった精神的な症状が出やすくなります。
ただし、妊娠していなくても生理前は精神的に不安定になりやすいので、妊娠初期症状なのかどうか見分けにくいのも事実です。他の妊娠初期症状が現れていないか、あわせてチェックしてみましょう。
着床出血がみられたら妊娠検査薬で確認できる?
着床出血があって「妊娠しているかもしれない」と思ったら、妊娠検査薬で確認したくなる方も多いでしょう。ただ、検査薬はあまり早くに使うと結果がきちんとでません。検査薬には色々なタイプがありますが、一般的には陽性反応が出るのは生理予定日の1週間後あたりからです。早期妊娠検査薬であれば、生理開始予定日から使用が可能ですが、精度にばらつきがあるため、参考程度に使うようにしましょう。正しい時期に試してみて、もし陽性が出たら早めに産婦人科を受診しましょう。
体外受精の場合の着床について
近年、不妊治療として注目されているのが「体外受精」です。この項目では、体外受精の概要や流れ、注意点、そして通常着床と体外受精の着床症状の違いなどを解説していきます。
体外受精とは?妊娠するまでの流れ
体外受精とは不妊治療のひとつで、排卵直前に体内から取り出した卵子を体外で精子と受精させ、できた受精卵(胚)を子宮内に戻す治療のことです。
「体外受精は何回も受ける必要があるの?」と疑問を持つ人は少なくありません。大まかなスケジュールとして、体外受精をすると決めてから妊娠に至るまで、約1~2か月かかります。しかし、1回目の採卵と胚移植で妊娠できなかった場合には、さらに期間が延びることがあります。体外受精の流れは、排卵誘発、採卵、採精、受精、胚培養、胚移植といった流れになります。
最初のステップは、排卵誘発となりますが、通院が必要です。生理開始3〜10日頃に排卵誘発剤を使用します。
次のステップは採卵と採精です。こちらも通院が必要となります。生理開始11〜14日頃に卵子を採取します。採卵当日は、朝8時〜10時頃に行われ、所要時間は数分から数十分程度です。採卵日当日には、精子の採取も行います。
体外受精(受精、培養、分裂)は、採卵日当日に行います。受精してできた受精卵は細胞分裂を起こし、「胚」になります。胚はさらに細胞分裂して育っていきます。体外受精を行った後、インキュベーター内で2〜6日間、培養を行います。卵巣刺激法の種類、ホルモン値、子宮内膜の厚さなどを診断したのち、採卵した周期に胚移植が行われます。
胚移植は、育てた胚を、胚移植用のカテーテルを子宮腔内に進めて、胚を子宮に移植します。胚移植には、採卵した周期の新鮮胚(分割期胚または胚盤胞)を使用する場合と、凍結融解した胚(分割期胚または胚盤胞)を使用する場合があります。胚移植後の約2週間後に、血液検査あるいは尿検査のどちらかで妊娠判定を行います。妊娠により増えるhCGホルモンを測ることで、妊娠しているかが確認できます。
以上のようなスケジュールで体外受精は進められていきますが、要する期間や体外受精の成功状況には医療機関で異なり、個人差があるといえます。また、体外受精にはパートナーの協力も必要となるため、相談しながら治療を行うことが大切であるといえます。
通常の着床と体外受精による着床の違い
体外受精だからといって、通常の着床時と違いがあることはありません。症状に関しても、自然妊娠の時と同様に無症状の場合もあれば、着床出血や着床痛が起こることもあります。
体外受精の場合の、着床までの過ごし方
体外受精の移植後は「しっかり着床できているか」「受精卵が流れ出てしまうのではないか」など心配する人も多いでしょう。しかし、よほど激しすぎる運動などをしない限りは普通に生活していても妊娠率に影響をする問題はありません。移植後は、不安な気持ちが出てきたり、ストレスの多い時期ではありますが、普段通りの生活を心がけ、リラックスして過ごすように心がけていきましょう。
着床出血かもしれないと感じたら
出血が着床によるものの場合は、お腹の中で胎盤ができはじめ、赤ちゃんがお母さんから酸素をもらい始める時期となります。
赤ちゃんが無事に育つように見直すべき生活習慣があります。たばことアルコールは胎児の発育に悪影響を与えるため、妊娠を希望するタイミングでやめることが望ましいです。またカフェインの過剰摂取は避けるようにしましょう。1日1~2杯程度にとどめるか、カフェインレスの飲み物を用意しておくと良いでしょう。着床出血があり妊娠の可能性がある場合は、規則正しい生活を意識して過ごせるよう意識してみてくださいね。
着床出血以外の出血
着床出血と生理以外でも出血が起こることがあり、これを「不正出血」と呼びます。たとえば妊娠初期であれば、着床出血以外に子宮外妊娠や前置胎盤、切迫流産などの症状で出血することがあります。また妊娠していない場合も、排卵期出血、子宮頸管ポリープ、子宮がんなどの症状として出血が現れることもあります。
出血があった場合は落ち着いて出血の状態をチェックし、記録しておいて医師に相談しましょう。特に妊娠している場合はかかりつけ医に連絡し、指示を仰いでください。以下では、不正出血の症状が起きた場合に考えられる病気について解説していきます。
子宮外妊娠
子宮外妊娠の症状の1つに出血があります。子宮外妊娠とは、本来なら子宮内膜に着床するはずの受精卵が、子宮内膜以外で着床することをいいます。正式には「異所性妊娠」とも呼び、全妊娠の1〜2%の割合で発生する確率があります。超音波検査(経膣超音波検査)で子宮以外の場所に胎児が確認できた場合、子宮外妊娠となります。大変残念ですが妊婦の身体にも危険があるため、妊娠の継続はできません。
胞状奇胎
胞状奇胎とは何らかの原因で受精がうまくいかず、胎盤を作る組織の絨毛が、つぶつぶのように変化する疾患です。ぶどうの粒のように増殖することから、「ぶどう子」と呼ばれていたこともあるようです。頻度は全妊娠の500-1000回に1回程度といわれています。こちらも残念ながら妊娠の継続はできません。症状として性器出血や腹痛があり、週数が進んだ場合は高血圧、浮腫、蛋白尿などの症状がある場合もあります。
絨毛膜下血腫
絨毛膜下血腫とは、子宮内膜と絨毛膜(子宮の隣にある、外側の胎児膜)の間や、胎盤自体の下に血液が溜まることで、妊婦の4~22 %程度に見られると報告されています。絨毛膜下血腫の症状には性器出血と子宮収縮があり、超音波検査で絨毛膜下血腫の大きさを確認します。多くの場合が安静を保つことで妊娠中期頃には自然に吸収されて改善することが多いです。
子宮内膜症
子宮内膜症とは、本来なら子宮の内側の壁を覆っている子宮内膜が、子宮の内腔以外の部位(卵巣や腹膜、子宮の壁の中など)に発生し、発育を続ける疾患です。20~30代の若い世代の女性に発症することが多いとされています。女性の約10%程度が子宮内膜症というデータもあります。出血以外にも、月経痛や下腹部痛、腰痛や、排便痛、性交痛などの症状があります。年齢や妊娠希望に合わせて、薬物療法や手術などを選択します。低用量ピルを服用して、出血量や生理痛を軽くするという治療もあります。内膜症の予防という意味でも低用量ピルは有効なので、月経が重く悩んでいるという方は、ピルを選択肢にいれてもよいでしょう。
参照:子宮内膜症|公益社団法人 日本産科婦人科学会 (jsog.or.jp)
子宮筋腫
子宮筋腫とは、子宮の筋肉組織由来の良性腫瘍で、若い方から閉経後の方まで高頻度に見られる疾患です。症状の程度はそれぞれで、不正出血や腰痛、月経過多や月経痛などがあります。子宮筋腫は不妊や早産の原因にもなります。内診や超音波検査、MRI検査などで診断します。経血の量や生理痛の強さに違和感を感じた場合は医師に相談しましょう。
子宮頸がん・子宮体がん
子宮頸がんや子宮体がんなどの悪性腫瘍にも、不正出血の症状が見られる場合があります。その他排尿時痛や性交時痛、下腹部の痛みなどの症状がある場合もありますが、無症状の場合もあり、症状には個人差があります。子宮頸がんや子宮体がんの初期症状として最も多い自覚症は不正出血です。 出血の程度は、おりものに血が混ざり、褐色になるだけのものもあります。 他には、排尿時の痛みや排尿のしにくさ、性交時の痛み、下腹部の痛みなどの症状があり、進行した場合は腹部膨満感(おなかが張る感じ)があらわれることもあります。子宮頸がんは特に20代での進行が早いといわれています。1年に1回の子宮頸がん検診をお勧めします。
生理じゃないのに子宮が痛いのはなぜ?正しく知って正しく対処を|メデリピル
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まとめ
今回の記事では、着床出血についてだけではなく、体外受精の着床についても解説していきました。着床出血は生理予定日の前に起きる少量出血です。妊娠を希望している時の出血は、不安になると思います。しかし、着床出血は胎盤を形成するための過程であり、異常な出血ではありません。「着床時出血かも」と思ったら、5日後に妊娠検査薬でチェックしてみましょう。一方で、妊娠を希望しない場合は低用量ピルの継続的な服用がおすすめです。妊娠を希望するまで飲み続け、妊娠を考え始めた時点でピルをやめて効率的に妊娠を目指す使い方もあります。
着床出血・生理の出血・不正出血など膣からの出血はどのような場合でも心配ですよね。それぞれ特徴があるものの、自分で見分けることが難しいこともあります。そのような場合は1人で抱えず医師に相談してみるといいかもしれませんね。