生理は女性にとって健康状態のバロメーターでもあります。
生理の基礎知識や、生理中でも快適に過ごすためのセルフケアをご紹介。
生理1週間前と妊娠超初期症状の違いを紹介
「もうすぐ生理かな?」と思ったら眠気が強くなったり、下腹部がチクチクしたりと、体調の変化を感じることがありますよね。一方で、妊娠を希望している方や妊娠の可能性がある方は、「妊娠のサインかも」と気になることもあるでしょう。
生理前の不調と妊娠超初期症状はよく似ているため、症状だけで見分けるのは簡単ではありません。しかし、それぞれの特徴を知ることで、自分の体の状態を判断するヒントになります。
この記事では、生理前に現れやすい症状やその原因、妊娠超初期症状との違いをわかりやすく解説します。ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
生理予定日の1週間前にありがちな前兆
生理の1週間前ごろから、女性の体は変化していきます。この時期に現れるさまざまな心身の不調は、主に「PMS(月経前症候群)」によるものです。生理前に共通して現れやすい代表的な前兆をチェックしてみましょう。
下腹部痛やお腹の張りがある
生理が近づくと、子宮を収縮させて経血を押し出そうとする物質「プロスタグランジン」が分泌され始めます。そのため、生理が始まる前から下腹部にギューっと引っ張られるような痛みや重さを感じることがあります。
また、生理前は腸の動きが弱まりやすく、便秘やガスが溜まる原因にもなります。これにより、お腹がぽっこり張ったり、下腹部がチクチクと痛んだりするのも生理前によくある前兆です。
胸が張る、乳首が痛む
生理前は、女性ホルモンの影響で乳腺(母乳を作る器官)の発達や、体内に水分を溜め込もうとする働きが活発になります。そのため、胸が張るような感覚を覚えることがあります。
特に乳頭の感覚が過敏になりやすく、下着や洋服が少し触れたり、こすれたりするだけでチクッとした痛みや違和感を覚えるのも、生理が近づいている代表的なサインです。
肌が荒れやすくなるのトラブルがある
生理前になると女性ホルモンのバランスが変化する影響で、ニキビや吹き出物ができやすくなったり、肌の乾燥やベタつきが気になったりすることがあります。特に黄体期は皮脂の分泌が増えやすく、普段は肌トラブルが少ない方でも不調を感じることがあります。
感情が不安定になる
生理前は女性ホルモンのバランスが急激に変動するため、脳内の神経伝達物質にも影響が及び、気持ちのコントロールが難しくなりがちです。
ささいな言葉にイライラしてしまったり、急に悲しくなって涙が出たり、気持ちがどっと落ち込んだりするのもホルモンの影響です。「自分が悪いのかな」と責めすぎず、この時期は心身をゆっくり休ませることを最優先にしてくださいね。
頭痛がある
生理の1週間前くらいになると頭がズキズキと痛んだり、頭全体が重く締め付けられるように感じたりすることがあります。
生理前は、増え続けていたエストロゲンという女性ホルモンが急激に減少します。この変化によって脳の血管が拡張したり、自律神経のバランスが乱れたりするため、頭痛が出やすくなるのです。痛みがあるときは無理をせず、静かな部屋でリラックスしたり、痛む部分を冷やしたりしてケアしましょう。
腰痛がある
生理前は、骨盤まわりの筋肉や靭帯を緩めるホルモンが分泌されるため、骨盤に負担がかかって腰痛を引き起こしやすくなります。
痛みを感じる場所には個人差があり、腰全体が重だるくなったり、片側だけが痛んだり、尾てい骨付近に違和感が出たりとさまざまです。生理痛の前触れとして、どんよりとした重みやだるさを感じる人が多いのが特徴です。
食欲旺盛または食欲不振になる
生理前になると、身体が次の周期や妊娠に備えてエネルギーを蓄えようとするため、いつも以上に食欲が旺盛になる傾向があります。特に甘いものやジャンクフードが無性に食べたくなったり、食べても食べても満腹感を得られなかったりします。
反対に、ホルモンの影響で胃腸の消化能力が落ち、胸焼けや胃もたれのような症状が出て食欲が落ちてしまうというケースもあります。
強い眠気やだるさがある
排卵が終わってから生理が始まるまでの期間は、プロゲステロン(黄体ホルモン)という女性ホルモンの分泌量が増加します。このホルモンには強い眠気を引き起こす作用があるため、日中にしっかりと睡眠をとっていても、頭がぼーっとしたり、抗えないほどの眠気に襲われたりします。
また、基礎体温が上がって体内に熱がこもりやすくなるため、体全体にだるさを感じることも珍しくありません。
めまいや立ちくらみが起こる
生理前はホルモンバランスの変化に引っ張られて、自律神経が乱れやすくなります。そのため、血圧のコントロールが上手くいかなくなり、急に立ち上がったときにクラッとめまいや立ちくらみが起きることがあります。
また、生理前に向けて骨盤まわりに血液が集中するため、一時的に脳への血流が減り、頭がクラクラすることもあります。
嗅覚が敏感になる
生理前から生理中にかけては、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という2つの女性ホルモンが大きく変化します。その影響で自律神経が乱れたり、脳の嗅覚が敏感になったりするため、普段よりにおいを強く感じやすくなることがあります。
この嗅覚の変化は、体が有害なものを避けようとする防御反応の1つとも考えられています。特に、タバコやニンニク、柔軟剤などの人工香料、体臭や生活臭に敏感になりやすく、においによって吐き気や頭痛、ストレスを感じることもあります。
こうした変化は生理周期に伴う自然な反応です。PMSの症状が出てきやすい生理日の10日~1週間ほど前になったら、いつも以上に自分の心と体の声に耳を傾け、無理せず過ごすことが大切です。
生理の前兆が起こる原因とは?
生理前になると、少しずつ体調に変化が出てくる原因はPMS(月経前症候群)です。
PMSとは、生理前に3〜10日ほど続く、身体的・精神的な不調のことです。女性ホルモンのバランスが急激に変化することが原因とされており、通常の場合生理が開始すると少しずつその症状が治っていきます。
PMS(月経前症候群)の対策・予防方法
PMS(月経前症候群)の症状を和らげるためには、生活習慣を整えることが大切です。PMSは女性ホルモンの変動が主な原因とされていますが、睡眠不足や運動不足、ストレス、食生活の乱れなども症状に影響すると考えられています。
たとえば、栄養バランスの偏った食事やカフェインの過剰摂取は、不調を強める要因になることがあります。また、慢性的な疲労やストレスが続くと、心身の不調が現れやすくなることもあります。
十分な睡眠を確保し、適度な運動を取り入れながら、規則正しい生活を心がけましょう。生活習慣を見直すことは、PMS対策だけでなく、日々の健康維持にもつながります。症状が強い場合は無理をせず、婦人科で相談することも検討しましょう。
妊娠超初期症状と生理の前兆
生理前の症状とよく似ていて、間違えやすいのが「妊娠超初期症状」です。ここでは、妊娠している可能性が高いときに現れる特有のサインや、生理との見分け方について解説します。
妊娠超初期症状とは
妊娠中は初期、中期、後期に分けられます。妊娠16週までを「妊娠初期」と呼びますが、そのなかでも妊娠0週~3週までを「妊娠超初期」と分けて呼ぶことがあります。妊娠0週0日とは、妊娠前最後の生理の初日を指します。そのため、妊娠超初期は実際に妊娠していない時期も含まれているのです。この時期はまだ妊娠検査薬が反応しにくいため、正しい反応が確認できません。
しかし、体の中では受精卵の着床が進んでいるため、人によってはちょっとした症状や体調の変化を感じることも。このような妊娠超初期に見られる症状を「妊娠超初期症状」と呼びます。
妊娠初期に現れる特有のサイン
生理予定日から1週間ほど経っても生理が来ない場合は、妊娠の可能性も考えられます。以下のような、生理前にはない「妊娠初期特有の症状」がないかチェックしてみましょう。
高温期が続く
基礎体温の高温期が3週間以上続く場合は、妊娠の可能性があります。
基礎体温とは、朝起きてすぐの安静な状態で測る体温のことです。通常は、生理開始から排卵までの「低温期」と、排卵後から次の生理までの「高温期」に分かれています。
妊娠が成立すると、基礎体温を高く保つ働きのあるプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が続くため、高温期も維持されます。そのため、高温期が普段より長く続き、生理予定日を過ぎても高温の状態が続く場合は、妊娠のサインの1つと考えられます。

少量の出血(着床出血)がある
受精卵が子宮内膜に着床する際に起こる少量の出血を「着床出血」といいます。生理予定日前後にみられるため生理と間違えやすいものの、一般的に1〜3日程度でおさまり、出血量も生理より少ないことが特徴です。出血の色はピンク色や茶色、鮮血などさまざまで、個人差があります。
ただし、排卵期に起こる「排卵時出血」の可能性もあるため、着床出血だけで妊娠を判断することはできません。
おりものが変化する
妊娠するとエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌量が増加し、おりものの量が増えやすくなります。粘度は通常よりも水っぽく、サラサラしている場合が多いです。半透明だった色が乳白色や黄色っぽくなったり、酸っぱいにおいが強く感じやすくなることも。
おりものの変化は個人差が大きいため、妊娠していてもおりものに変化を感じない場合も珍しくありません。また妊娠していない場合でも、排卵後はおりものの変化がみられることがあります。
生理が始まらない
生理が安定している人にとって、分かりやすい妊娠の兆候が生理の遅れです。妊娠すると生理が止まるため、予定日から1週間ほど経っても生理が始まらない場合は妊娠している可能性があります。
しかし、ストレスや生活習慣の乱れなど、少しの変化でいつもどおりに生理が来ない場合があります。妊娠の可能性がある場合は、生理予定日から1週間以降など、適切な時期に妊娠検査薬で確認しましょう。
妊娠初期の出血と生理の違い
妊娠初期には、受精卵が子宮内膜に着床する際に「着床出血」が起こることがあります。すべての人に起こるわけではないですが、一般的な生理と比べて「色」「量と期間」「痛み」の特徴に違いが見られます。
ただし、着床出血と生理は症状だけで正確に見分けるのが難しいものです。妊娠の可能性がある場合は自己判断せず、生理予定日の1週間後以降を目安に妊娠検査薬で確認してみましょう。出血が長引く場合や強い痛みを伴う場合は、早めに婦人科へ相談することをおすすめします。
色と性質の違い
生理の経血は赤〜暗赤色で、血の塊が混じることがあります。
一方、着床出血は淡いピンク色や茶色っぽい色になることが多く、血の塊が出ることはほとんどありません。鮮血がみられる場合もありますが、量は少ないことが一般的です。
量と期間の違い
生理は通常3〜7日程度続き、ある程度まとまった量の経血が出ます。
着床出血は量が少なく、1〜2日程度で終わることが多いのが特徴です。長くても3〜4日程度でおさまることが一般的です。生理と同じくらいの量の出血が続く場合は、着床出血以外の可能性も考えられるため注意が必要です。
痛みの違い
生理痛は下腹部が強く締め付けられるような痛みを感じることが多いですが、着床出血に伴う痛みは比較的軽く、「チクチクする」「違和感がある」程度の場合が一般的です。
ただし、感じ方には個人差があり、生理前の腰の重さや下腹部の違和感と区別しにくいこともあります。
妊娠の兆候がある場合に気をつけたい生活習慣
妊娠の兆候がある場合、普段以上に生活習慣に気をつける必要があります。特に注意すべき内容をチェックしてみましょう。
喫煙
喫煙は胎児の発育に影響を与える可能性があるため、妊娠の可能性がある場合は禁煙を心掛けましょう。妊娠の兆候が出てすぐに禁煙すれば特に影響はないとされていますが、場合によっては胎児の成長に支障が出る可能性があります。自分が喫煙していなくても、受動喫煙による影響があるため、副流煙にも注意が必要です。
アルコール
アルコールも胎児の発育に影響を及ぼす可能性があります。一般的にアルコール度数の高いお酒ほど、影響の程度は大きいとされています。妊娠の可能性がある場合は、飲酒を控えることが望ましいでしょう。
カフェイン
カフェインの過剰摂取は、胎児への影響だけでなく、不眠や高血圧、つわりの悪化につながる可能性があります。なお、妊婦の1日におけるカフェイン摂取量の目安は約200mgまでとされており、これはコーヒーや紅茶でいえば1〜2杯分にあたる量です。カフェインを摂取する場合は量に注意し、カフェインレス飲料を選ぶのもよいでしょう。
薬の服用
妊娠に気づく前に服用した薬が必ずしも胎児へ影響するわけではありませんが、薬の種類によっては注意が必要です。持病がある方や継続して服用している薬がある方は、妊活を始める前に主治医へ相談しておくと安心です。
激しいスポーツ
接触や転倒のリスクが高いスポーツは、体への負担が大きくなるため注意が必要です。体を動かしたい場合は、軽いウォーキングやストレッチなど無理のない運動がおすすめです。
不規則な生活
妊娠中の健康維持のためにも、規則正しい生活を心掛けましょう。栄養バランスの整った食事と十分な睡眠を意識することが大切です。
刺激の強い洗剤・殺虫剤
洗剤や殺虫剤は適切に使用すれば過度に心配する必要はありませんが、使用時は換気を十分に行いましょう。また、妊娠中は肌や粘膜が敏感になりやすいため、使用方法を守ることが大切です。使用する際は、マスクや手袋を着用し、できるだけ刺激を避けるよう心掛けましょう。
生理前にありがちな症状を抑えるための過ごし方のコツ
ここでは、生理前に現れる不快な症状を抑え、なるべく快適に過ごすためのコツをお教えします。
生理前はスケジュールを詰め込まない
生理前は心身ともにつらい症状が出やすいです。なるべく予定を入れすぎないようにし、余裕を持って自分自身を労わるような日々を過ごすように意識しましょう。
適度な運動をする
適度な運動は血行を促進し、気持ちを安定させるホルモンであるセロトニンを放出してくれます。気分が沈んだときは、ストレッチや散歩など無理のない範囲で行える運動を取り入れ、気分転換できると良いですね。
食事を見直す
カフェインの摂りすぎや、野菜が不足していたり、そもそもきちんとした食事がとれていなかったりすると、ホルモンバランスが乱れやすくなってしまいます。普段からバランスの良い食事をとるように心掛けましょう。
アロマテラピー・リラクゼーションなどでリラックスする
アロマなどの香りを嗅ぐと、脳の働きで自律神経やホルモンバランスが整えられ、リラックスすることができます。生理前にはぜひアロマキャンドルやお香を使い、良い香りの中で落ち着ける空間を作ってみましょう。
低用量ピル
PMS(月経前症候群)の症状がつらい場合は、低用量ピルの服用も選択肢の1つです。低用量ピルにはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)が含まれており、排卵を抑えることで女性ホルモンの急激な変動を緩やかにします。
その結果、ホルモンバランスの変化によって起こるイライラや気分の落ち込み、頭痛、腹痛などのPMS症状の軽減が期待できます。なお、低用量ピルは医師の処方が必要なため、気になる症状がある場合は婦人科へ相談してみましょう。
漢方薬の服用
漢方薬も、PMS(月経前症候群)や生理に伴う不調の改善に用いられることがあります。漢方では「気・血・水(き・けつ・すい)」のバランスが崩れることで不調が起こると考えられており、一人ひとりの体質や症状に合わせて処方されます。
冷えやむくみ、イライラ、頭痛など、さまざまな症状への効果が期待できるため、西洋薬が合わない方にも選ばれています。ただし、効果の現れ方には個人差があるため、自己判断で服用せず、医師や薬剤師に相談しながら取り入れることが大切です。
まとめ
生理前の眠気やイライラ、お腹の張りといった心身の不調は、多くの女性が経験する自然な身体の反応です。まずは無理をせず、睡眠や食事など生活習慣を整えることを心掛けましょう。
一方で、妊娠の兆候も生理前の症状と非常によく似ていて、症状だけで正確に見分けるのは難しいものです。もし妊娠の可能性がある場合は、基礎体温を記録するなど、日頃から自分の体の変化に意識を向けることが大切です。生理予定日を1週間以上過ぎても生理が来ない場合や、日常生活に支障が出るほどつらい症状があるときは、一人で悩まず、早めに産婦人科を受診して医師に相談するようにしてくださいね。
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監修者
2013年杏林大学医学部卒業後、慶應義塾大学病院で研修。 愛育病院、国立成育医療センターを経て、2018年より六本木レディースクリニックで不妊治療を行う。 現在は六本木レディースクリニック非常勤。
2024年よりメデリピルにてオンライン診療によるピル処方や、mederi magazineの記事監修を担当。
不定期で企業講演を行う。主に卵子凍結や、体外受精、治療に対する会社のサポートについて発信
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