エストロゲンとは?女性ホルモンと上手く付き合っていく方法

生理
更新日:2024.06.27

エストロゲンは、エストロン、エストラジオール、エストリオールの3種類からなる、女性ホルモンのひとつです。
女性ホルモンは主に、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)からなります。
女性の心身の変化に直接的に関与する女性ホルモンについて、生きていく上で理解を深めておくとよいでしょう。
中でも、エストロゲンとはどのような作用があるのか?上手な付き合い方をご紹介いたします。

女性ホルモンとは?

女性ホルモンとは、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という二種類のホルモンのことを指します。
女性ホルモンを分泌しているのは「卵巣」になります。
主な流れとして、「脳」から指令を出すことにより「卵巣」から女性ホルモンが分泌されます。
なので、女性の脳は常にホルモンの分泌量をチェックしており、減りすぎたり増えすぎたりしないように調整をしています。
脳といっても幅広いですが、司令塔として働いているのは「間脳の視床下部」になります。
簡単に言うと、ホルモンを調整するための場所です。女性ホルモンに限らず、さまざまなホルモンと操っています。
ただ、視床下部というのは非常にストレスに弱く、その影響で視床下部が働かなくなると、体調や生理時の状態にも多大な影響を及ぼします。
自身の身体のために、日頃から、なるべくストレスをためないような心がけが必要ですね。

エストロゲンの働き

エストロゲンは生殖機能に限らず、身体の健康状態の維持にも関わっています。
それでは、エストロゲンは、どういった働きをしているのかを、ご紹介いたします。

・受精卵が子宮に着床する準備(妊娠する準備)
・コレステロールや中性脂肪の調整、骨量の維持
・女性らしい丸みのある体形づくり(乳腺の発達等含む)
・肌を美しく保つ(うるおい、艶など)
・代謝アップ
・精神状態の安定化を助ける  

主にこのような働きをします。
簡単に言うと、女性らしさを作るホルモンとなりますね。
また、女性にとってはなくてはならない働きをしてくれるホルモンです。
女性の1か月の心身状態にも直接影響するので、エストロゲンが多く分泌される卵胞期は心身ともに元気でいられる時期ともされています。

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月経周期とホルモンの関係

女性にとっての1か月は、下記の4つの時期に分けられます。

・卵胞期
・排卵期
・黄体期
・月経

前回の月経が終わると、「卵胞期」と呼ばれるエストロゲンが増えていく時期に入ります。
「卵胞期」は、女性の1か月の中で一番心身ともに調子が良いと感じる時期になります。
仕組みとしては、卵巣内にある、原始細胞という卵子の元になる細胞が成熟することにより、エストロゲンが大量に分泌されるのです。また、その影響で子宮内膜が厚くなります。

その次に、「排卵期」と呼ばれる時期に入ります。
この中で「排卵」は、一番聞き馴染みのあるワードではないでしょうか。
排卵期とは簡単に言うと、「一番妊娠しやすい時期」と言われています。
卵巣から卵管に卵子が放出されることを「排卵」と呼び、仕組みとしては、黄体化ホルモン(LH)の変化によって卵巣から卵子が飛び出すのです。それが受精の手助けをしているので、妊娠しやすいと言えるでしょう。

次回の月経前の時期は「黄体期」と呼ばれる時期になります。
世間的に、「生理前」と呼ばれる時期です。
精神的に不安定になったり、体のむくみが気になったり、肌荒れが起きたり、体温がいつもより上昇したり、乳房の張りや痛みを感じるので、女性にとっては心身ともに不調を感じやすい時期であります。
仕組みとしては、先ほどまでと違い、エストロゲンではなく「プロゲステロン」と呼ばれる女性ホルモンが多く分泌されます。プロゲステロンを分泌することにより、受精卵が着床する手助けをしています。

「黄体期」が終わり、妊娠が成立していない場合は「月経」が起きます。
子宮内膜に受精卵が着床することにより妊娠が成立します。
妊娠をしていない場合は、黄体ホルモンの分泌が止まり、不要になった子宮内膜がはがれて血液とともに体外に排出されます。
これを「月経(生理)」と呼びます。

女性の身体は、脳の視床下部と卵巣が常に連携しておりコントロールをしています。
そのため、無理なダイエットや過度なストレス、睡眠不足など身体に負担がかかると、女性ホルモンの分泌が止まります。
それは、月経周期の乱れや月経が止まってしまう原因に繋がるので、注意しましょう。

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エストロゲンと女性の一生

エストロゲンは身体の成長に合わせて分泌する量が変わります。
生殖器官を発達させ、維持する働きをしているのです。
女性のライフステージによって変わるエストロゲンの量と、起こりやすい病気や身体の不調をご紹介いたします。

思春期の特徴

思春期と呼ばれるのは10歳~18歳で、平均12歳ごろに「初潮」を迎えます。
性成熟期に向かってエストロゲンが徐々に増えていく時期にあたります。
生理が定期的に来ない「月経不順」や、下腹部痛や腹痛などの一般的に生理痛と呼ばれる「月経痛」に加え、お腹が張ったり、吐き気や頭痛、疲労感、食欲不振、イライラ、憂鬱、下痢などの症状が起きる「月経困難症や月経前症候群」などの月経トラブルが出てくる方もいる時期です。

性成熟期の特徴

エストロゲンは性成熟期分泌量のピークを迎えて、量も安定してきます。
性成熟期は18歳~45歳の時期にあたります。
月経も安定し、心身ともに安定しやすい時期と言えます。
ただ、エストロゲンの分泌が盛んなことから、エストロゲンのちょっとした変化でも身体に影響が出やすいです。
不正出血や月経痛が重くなったり、過多月経など月経トラブルに加え、子宮内膜症や子宮筋腫などの女性特有の疾患が起きやすくなるのも性成熟期です。
また、20代後半くらいから子宮頸がんなども起こる可能性が出てきます。
酷い月経痛や身体の不調は放置しないようにしましょう。

プレ更年期の特徴

医学的な病名ではありませんが、40代前半から「プレ更年期」と呼ばれることがあります。
主に「更年期」に入る手前の時期を指します。
プレ更年期に入ると、卵巣の機能の低下が始まり、エストロゲンの分泌量が少しずつ減り始めます。
月経の周期や日数が短くなったり長くなったり、自律神経が乱れる方も増えていきます。
自律神経が乱れると、だるさ、肩こり、睡眠障害、動悸、めまい、ほてり、異常に汗をかくなどの身体的症状が出てきます。
プレ更年期にあたる方は、仕事が波に乗ってきたり、子育てに奮闘していたりと比較的、人生の中でも多忙な時期になるので、自律神経が特に乱れやすいのです。
以前に比べて、調子が悪いと感じることが多くなったり、疲れやすくなったと感じる方も多いはずです。
仮に症状が無かったとしても、女性特有の病気にかかりやすい時期でもありますので、定期的に婦人科で超音波検査や子宮がん検診を受けることで、病気や疾患の早期発見に繋がります。
また、かかりつけの婦人科を見つけることで、何かあったときにすぐに相談できる医療機関を確保しておくことも大切です。

更年期の特徴

世間でよく耳にする「更年期」は、人によって違いますが約45歳~55歳までの「閉経前後」にあたる10年間を指します。
エストロゲンの分泌量はこれまでに比べて、大幅に減少します。
エストロゲンの分泌が減ることによって、身体にさまざまな不調が起きやすくなり、これを「更年期症状」と呼びます。更年期症状が酷くなり、日常生活に支障をきたす場合は「更年期障害」となるのです。
おもに、更年期症状はのぼせ、異常発汗、めまい、倦怠感、不眠、頭重感、ゆううつ、動脈硬化、高血圧、骨粗しょう症などの不調を指します。
もちろんエストロゲンの分泌が減ることが原因でもありますが、ストレスや身の回りの環境の変化、元々の性格なども関与してくると言われます。
対処法としては、医療機関への受診をし、しっかりと医師に問診をしてもらうことが大切です。そのほか、生活習慣の改善や心理療法も効果があります。。
主に、HRTと呼ばれる「ホルモン補充療法」や「漢方薬」「向精神薬」などの薬物療法を行います。
また、閉経後の老年期に向けて、高血圧や脂質異常症、動脈硬化、骨粗しょう症などの予防も、この時期から始める必要があります。

月経回数の増加と月経関連疾患

最近では、月経回数が昔に比べて増えている女性が多いという現状があります。
理由としては、昔よりも出産をする女性が減っているという背景から、妊娠をしない=月経が来る というサイクルで、月経のある期間が長くなっています。
月経の期間が増えると、それに伴って「月経困難症」や「子宮内膜症」などの病気も発症するリスクが上がります。
月経が順調に来ている方でも、月経痛が重いなどのトラブルがある方は、エストロゲンとプロゲステロンの女性ホルモンの量を「ピル」の服用などで調節して、排卵を抑えるなどの対策をして、月経の痛みや月経量を減らすというのも手段のひとつです。
次に、月経に関係する病気をご紹介いたします。

月経前症候群(PMS)

月経前症候群とは、月経が始まる3~10日前に起こる精神的・身体的な不調を指します。
最近ではよく耳にするようになった「PMS」月経前症候群のことを言います。
月経前症候群(以下、PMS)が起こる原因としては、女性ホルモンである「エストロゲン」と「プロゲステロン」が関与していると言われていますが、実際の原因は、はっきりとわかっていません。
PMSは思春期から発症する方も多いです。ストレスを多く感じていると症状が悪化していく傾向があります。
個人差があるものなので、なる方とならない方がいます。
少しでも不調を感じたら医師に相談をし、最適な対策方法を聞いてみるとよいでしょう。
PMSは「ピル」でも対策をすることができるので、対策方法の一つとして検討してみてください。

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子宮筋腫

子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)」は、筋層と呼ばれる子宮の壁にできる良性の腫瘍のことを指します。
子宮のどこにできるかで種類が変わります。子宮の外側であれば「漿膜下筋腫」、子宮内膜の内側なら「粘膜下筋腫」、子宮筋層の中にできる一般的に一番発症例が多い「筋層内筋腫」の3つに分けられます。
この病気も月経時の血液量が増えたり、レバーのような血の塊が多く出るようになったら注意が必要です。
治療法は大きさや種類によって薬物療法と手術療法に分けられます。
不妊や流産の原因となる場合もあるので、過多月経だけでなく月経痛も酷い場合は警戒しましょう。

月経困難症

月経困難症」は「月経痛」が悪化して日常生活に支障が出た場合のことを指します。一般的に言う生理痛が酷い状態のことですね。
下腹部痛や腰痛に限らず、吐き気やお腹の張り、食欲不振、下痢、頭痛などの身体的症状からイライラや憂鬱、不安感などの精神的症状もあります。
原因は、子宮の内膜から出されるPGと呼ばれるプロスタグランジンという物質がさまざまな臓器の平滑筋を収縮させることで起きます。他にも、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症などが原因になっていることがあります。
無排卵月経では月経困難症は起きないと言われており、ピルの服用で排卵を止め子宮内膜を薄くすることで月経痛が改善します。
低用量ピルの一部の製剤は月経困難症の治療薬として保険適用薬となっています。

子宮内膜症

子宮内膜症」は子宮内膜に似た組織が、子宮内腔以外の場所(腹膜、卵巣、卵管、腸など)にできてしまい、通常の子宮内膜と同様に女性ホルモンの影響を受けて増殖する病気です。子宮内膜症では、出血した血液を外に出せないことからお腹の中に古い血液がたまってしまいますが、卵巣の中にたまると「卵巣チョコレート嚢胞」というものに変化し、最悪の場合「卵巣がん」が発生する危険性があります。
年々、月経痛が酷くなったりした場合は我慢せずに医師に相談しましょう。

子宮腺筋症

子宮腺筋症」は子宮の筋肉内に子宮内膜に似た組織ができて、子宮全体が大きくなる良性の病気です。
子宮内膜症と同じく女性ホルモンの作用によって発症します。
主に30代後半から40代の方に多いですが、最近では20代から30代前半の方にもみられます。
過多月経や月経期間の長い方、月経痛が酷い方は注意が必要ですので、医師に相談しましょう。

月経関連疾患の仕事への影響

上記のグラフを見てみましょう。
2020年に株式会社エムティーアイが取ったアンケートでは、働く女性の約8割の方が生理やPMSが仕事に影響していると回答しています。
そして、約半数の女性が仕事のパフォーマンスが下がると回答しています。
現代では一生の間で働く時間が長い女性が増えていますが、生理やPMSのせいでつらい思いをしながら働くのは自分自身も会社側にも良い結果を招きません。
「低用量ピル」の服用なども検討し、対策できることから始めて行きましょう。

月経が重い場合は医師に相談しよう

最近、月経時の出血量が多いな、月経痛が酷くなってきたなという場合は、速やかに医師に相談しましょう。
必ず対策できる方法があります。また、隠れている疾患が見つかる可能性もあります。
まだ、かかりつけの婦人科が無いという方も、これを機に相性の良い先生や病院を探してみてください。
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まとめ

この記事では、女性ホルモンのひとつである「エストロゲン」が原因で、日常生活に支障をきたす疾患などを紹介いたしました。
女性の身体はライフステージによって、ホルモンの量や起きやすい病気は変わってきます。
ご自身の身体の不調を常日頃から気にしてあげると、もし病気が隠れていても、早期発見に繋がります。
特に過多月経で月経時の出血量が多い方や、月経痛(生理痛)が酷い方は、我慢せずに早めに医師に相談しましょう。

監修者

淀川キリスト教病院 産婦人科専門医
柴田 綾子
世界遺産15カ国ほど旅行した経験から母子保健に関心を持ち産婦人科医となる。 2011年群馬大学を卒業後に沖縄で初期研修し2013年より現職。著書:患者さんの悩みにズバリ回答!女性診療エッセンス100(日本医事新報社)、明日からできる! ウィメンズヘルスケア マスト&ミニマム(診断と治療社)など。

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