生理は女性にとって健康状態のバロメーターでもあります。
生理の基礎知識や、生理中でも快適に過ごすためのセルフケアをご紹介。
月経困難症を正しく知って適切に対策
生理前後に動けない、何もできないほどの心身の不調を感じたことはありませんか?
普段はとても元気なのに生理前に体調が悪くてなにもできない…..、生理になるとお腹が痛くて会社にも行けない、など生理のせいで日常生活が思い通りに行かず悩んでいる方も多いと思います。
この記事では、月経困難症について詳しく解説していきます。
まずは月経困難症について知ることで少しでも辛い生理周期が楽になるかもしれません。
もくじ
月経困難症とは?
月経困難症は、生理周期に起こる身体的・精神的な症状で、日常生活に支障をきたす状態を指します。主な月経困難症の症状は、月経痛、腰痛、頭痛、吐き気、むくみ、下痢、気分の落ち込みやイライラ、月経不順などがあります。
実際日本では、約900万人の月経困難症の患者がいるといわれておりそのうち、医療機関を受診して治療を受けている人は約55万人、全体の約6%だったことが2011年度の調査で報告されています。このように数字で見ると、たくさんの女性が月経困難症による症状で悩まされていることがわかりますね。
月経困難症の原因は、プロスタグランジン、子宮の形、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症、卵巣の腫れ、ストレスなどだといわれています。
月経困難症の治療方法は、薬物療法、手術、心理的支援などがあります。治療法も人によって様々で、症状の重さや原因によって変わってきます。
月経困難症のよくある症状
月経困難症の主な症状は月経痛、腰痛、頭痛、吐き気、むくみ、気分の落ち込みやイライラなどがあります。また、下痢や便秘が起きたり、いつもよりもトイレに行く回数が増えるなども1つの症状です。子宮内膜症や子宮筋腫では性交時の痛みによって性欲が低下したりすることなどがあります。
月経困難症には2種類ある
月経困難症には原因が明確ではない機能性月経困難症と、子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣嚢腫、子宮腺筋症、子宮内膜ポリープなど病気が原因で起こる器質性月経困難症があります。
機能性月経困難症(原因疾患無)
原因が明確ではない月経困難症を機能性月経困難症と呼びます。
明確な原因はありませんが、子宮の内膜から出るプロスタグランジンという物質が子宮の筋肉や血管を強く収縮させたり、子宮の出口が狭い方は経血が上手く排出できなくなってしまうことから、月経困難症を引き起こしていると言われています。また、生活面や月経に対するストレスも影響を与えることがあるともいえます。
では、原因がわからない機能性月経困難症はどうやって診断されるのでしょうか?
機能性月経困難症は、生理周期の記録や生理痛の有無、月経量などの情報を基に、医師がくわしいことをヒアリングしたりしながら診察を行います。場合によっては、超音波検査やMRI検査、血液検査などを使って診療を行うこともあります。
月経困難症の治療法は、生活習慣の改善(睡眠を十分にとる)、ストレスの軽減、ストレッチや適度な運動(血流をよくする)、鍼灸、漢方薬、貧血の予防に鉄分などの栄養補助食品など様々な選択肢があります。低用量ピルやIUD(子宮内避妊器)などのホルモン療法は、月経痛や月経量を減らすことができます。医師と相談しながら自分に合った治療法を試したり実践することがとても大切です。
器質性月経困難症(原因疾患有)
器質性月経困難症は、月経以外の疾患が原因で引き起こされる月経困難症のことです。
主な原因としては、子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣嚢腫、子宮腺筋症、子宮内膜ポリープ、先天性子宮奇形などがあげられます。
原因の子宮、卵巣に関わる病気によって、月経痛、出血量の増加などを引き起こします。
治療法は、原因疾患に応じた治療が必要です。具体的には、手術や低用量ピルなどのホルモン療法などが行われます。早期発見・治療がとても重要で、定期的な婦人科検診を受けることが大切です。
次の章では器質性月経困難症の原因になる疾患について詳しく説明します。
器質性月経困難症の原因疾患①:子宮内膜症
子宮内膜症は、子宮内膜に似た組織が子宮の外にできてしまう疾患です。子宮の外にできた内膜が月経困難症の原因となることがあります。子宮内膜症が原因で、子宮の外にできた内膜は、子宮内の内膜と同じく生理周期に合わせて成長していき、生理周期の終わりに生理の経血として剥がれ落ちるため、子宮外にある内膜も出血や痛みを引き起こす可能性があります。
子宮内膜症による月経困難症は、子宮外の内膜が傷跡のようになってしまうことで、月経血による炎症や癒着(他の臓器とくっついてしまうこと)が原因となっています。また、はがれた内膜が腸や膀胱などの近くに広がってしまうことで、排尿や排便に影響を与えたり、下腹部痛や性交時の痛みを引き起こすこともあります。
器質性月経困難症の原因疾患②:子宮腺筋症
器質性月経困難症の原因疾患である子宮腺筋症は、子宮内膜に似た組織が、子宮の筋肉のなかにできる病気です。子宮の筋肉の中にできた組織が生理周期の際に出血をおこし、子宮の筋肉が厚くなることが原因で、月経困難症を引き起こします。
生理周期の際には、出血が多くなり、痛みも強くなることがあります。治療法には、低用量ピルなどのホルモン療法や手術療法があります。
器質性月経困難症の原因疾患③:子宮筋腫
子宮筋腫は、子宮筋層にできる良性の腫瘍(筋肉のかたまり)です。子宮筋腫の大きさや位置によって、月経困難症を引き起こすことがあります。
生理周期の際には、出血が多くなり、長く続くことがあります。子宮筋腫は、体内のエストロゲン量が多い場合に発症しやすく、閉経後に自然に小さくなることもありますが、サイズが大きい場合や症状が強い場合、不妊症の原因になっている場合には、ホルモン療法や手術による治療が必要になることがあります。
月経困難症の考えられる原因
上記では、器質性の月経困難症の原因について説明してきましたが、この記事では、機能性月経困難症に対しての考えられる原因を解説していきます。
機能性月経困難症には主に3つの原因があると言われています。
①プロスタグランジンが過剰分泌されている
月経困難症の原因の一つであるプロスタグランジンの過剰分泌は、それ自体は子宮内膜から放出され、経血を子宮の外に出すように子宮を収縮させる物質ですが、過剰に分泌されると痛みや出血の増加などの症状を引き起こすことがあります。
治療には、非ステロイド性抗炎症薬などの症状緩和薬や、低用量ピルなどのホルモン剤によって子宮内膜を薄くしたり月経を止めることが行われます。
②子宮口が狭い
子宮口が狭いということも月経困難症の原因の一つであるといわれています。
子宮口が狭いと、排出される生理の血が子宮口を通る際に抵抗が起きてしまうことで月経困難症を引き起こしてしまいます。
子宮口の狭さは先天的なものや、子宮頸部狭窄症、子宮内検査や処置後の瘢痕などの後天的な疾患によることもあります。
子宮口が狭いと生理の血の排出がスムーズに行われず、痛みや出血が強くなるなどの月経困難症の症状が現れたりします。子宮口の狭さが月経困難症の原因となっている場合は、子宮口拡張術や子宮頸部形成術などの手術療法をしたり、非ステロイド性抗炎症薬などの症状緩和薬や、低用量ピルなどのホルモン剤によって子宮内膜を薄くしたり月経を止めることが行われます。
③心理的要因・ストレス
心理的要因も月経困難症の原因と考えられています。ストレスや不安、うつ病などが生理の痛みを強くしたり生理周期の不調に繋がってしまうこともあります。
また、急激な体重の増減や過度な運動などによる栄養不足、体力の低下も生理不順に繋がることがあります。心理的要因が原因となる場合は、リラックスできる状態を調整したり、心理療法やストレスマネジメントなどの方法が治療に取り入れられます。
月経困難症の診断について
ここでは月経困難症はどのように診断されるのか解説していきます。
原因や症状は本当に人によって様々です。どうして自分が月経困難症とわかるのかどうか疑問に思われる方も多いかと思います。
月経困難症の診療では、まず症状のヒアリングが行われます。その後、診察が行われ、子宮や卵巣の状態を確認します。場合によっては血液検査や超音波検査、MRI検査などで身体の状態を見ることがあります。生理周期や生活習慣、ストレスの有無についてもヒアリングがされます。月経痛や生理の症状が、生活や学校・仕事に大きな悪影響を与えている女性は多いです。また、原因によっては不妊症になるリスクもあるため、産婦人科医に相談し、月経困難症の検査を受けてみるのがよいでしょう。治療をすることにより、より生活がラクになる可能性があります。
月経困難症の治療法
では、月経困難症の治療がどのように行われるのでしょうか。
器質性月経困難症のように原因疾患がある場合は、原因疾患の治療が最も重要です。子宮内膜症が原因である場合は、ホルモン療法による治療や手術による病巣摘出が行われます。
子宮腺筋症が原因である場合は、ホルモン療法や病巣摘出、子宮全摘出手術などで治療することがあります。また、子宮筋腫が原因である場合は、ホルモン療法や子宮筋腫の摘出手術、子宮全摘出手術が行われます。
辛い症状を和らげることを目的に治療をする場合は、痛み止めや抗炎症薬、低用量ピルなどのホルモン剤などのお薬による薬物療法が行われます。
また、漢方薬や鍼灸などの代替療法も効果的です。症状を和らげることを目的に手術療法を行うこともあります。具体的には子宮口を広げる手術や子宮内膜症の病巣や子宮筋腫の切除手術などが行われます。手術をすることでも月経困難症の症状の緩和が期待できます。
低用量ピルは月経困難症の治療にとても有効です。低用量ピルは、生理の周期を調節し、痛みや月経量を減らす効果があります。また、子宮内膜症の進行を抑える効果もあるとされています。月経困難症だけでなく、器質性月経困難症の原因である子宮内膜症にも同時にアプローチできるという点から、治療の一つとして検討してもよいでしょう。
処方には医師の診療が必要になるため、まずは医師への相談をおすすめします。
月経困難症に関するよくある質問
月経困難症の症状は閉経するまでずっと続くの?
機能性月経困難症か器質性月経困難症のどちらに分類されるかで変わります。
機能性月経困難症の場合、年齢とともに、また、妊娠・出産によって、症状が軽くなることもありますが、器質性月経困難症の場合には、閉経するまで続くことが多いため原因となっている病気を治療することが必要です。治療により症状が改善する可能性があります。
市販の鎮痛剤(痛み止め)が効いていれば大丈夫?
鎮痛剤(痛み止め)というのは、一時的な痛みを抑えるのに効果的な薬剤です。ですが、鎮痛薬を飲んでも痛みが治まる気配がなく、痛みがひどくて鎮痛薬の量が増えてきたりしている場合は、婦人科にて医師の診療を受けることをおすすめします。
また、器質性月経困難症の場合、原因となる病気を治療する必要があります。
今まで婦人科を受診したことが無い方も、この機会に一度相談してみるとよいでしょう。
月経困難症をそのままにしてると、「がん」や「不妊」になる?
器質性月経困難症を引き起こす病気のひとつである子宮内膜症は、不妊との関わりも深いことがわかっています。必ずしも全てが不妊の原因となるわけではありませんが、病状が進むと妊娠しにくくなる可能性がある為、早めの治療が大切になります。
また、子宮内膜症そのものは、痛みがある場合でも、良性の病気なので、命に関わることはありません。しかし、子宮内膜症が悪化し、チョコレートのう胞という病変が卵巣に発見された場合は、まれにがんになる可能性がありますので、定期的に検査を受け、適切な治療を行うことをおすすめします。
薬で治療する以外に、日常生活でできることは?
薬剤で治療する以外にも、日常生活において工夫することで月経困難症を和らげることもできます。
お風呂に入る際はシャワーだけでなく、しっかりとお湯に浸かることや、使い捨てカイロの使用などで身体を温め、冷やさないことが大切です。
また、適度にストレッチや運動を行うこともよいでしょう。日常でリラックスできる時間をつくることも大切です。
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まとめ
ここまで月経困難症についてたくさん解説してきました。
ひどい生理痛、生理前、生理中の不調に悩んでいたり、自分も月経困難症に当てはまるかもしれないという方は多くいらっしゃると思います。
自分1人で抱え込まずに、産婦人科を受診してみたり、自分の身体に合いそうな治療方法を試して見るとつらい月経困難症が緩和されるかもしれません。
自分の身体を大切にして毎日快適に過ごしましょう。
監修者
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