生理は女性にとって健康状態のバロメーターでもあります。
生理の基礎知識や、生理中でも快適に過ごすためのセルフケアをご紹介。
着床出血はいつ起こる?生理や不正出血との違いを紹介
「生理だと思ったら着床出血だった」「着床出血であってほしいけど、生理と区別がつかない…」
実際、生理と着床出血はとてもよく似ていて、はっきり区別できている方は意外と多くありません。
妊娠を望んでいる方にとっては「これってもしかして…?」という期待が膨らむ瞬間でもあり、一方で妊娠を望まない方にとっては「妊娠していたらどうしよう」という不安につながることもあります。
だからこそ、生理と着床出血の違いを正しく理解しておくことは、自分の体の変化を冷静に判断するための大切なヒントになります。
「出血の量や色で本当に見分けられるの?」「着床出血は少量って聞くけれど、実際はどうなの?」
この記事では、こうした疑問に答えながら、見分けるポイントをわかりやすく整理して解説していきます。ぜひ参考にしてみてくださいね。
もくじ
着床出血とは
着床出血とは、受精卵が子宮内膜に着床する際に起こる少量の出血のことです 。受精卵が子宮内膜にもぐり込む過程で細い血管が傷つくことで生じると考えられています。
着床出血は妊娠した人全員に起こるわけではなく、経験する人は一部に限られます。また、起こる時期は生理予定日の数日前〜当日ごろと、生理の時期と重なりやすいのが特徴です。
そのため、「生理が始まったと思ったら妊娠していた」「いつもの生理だと思っていたら着床出血だった」というケースもあります。ただし、出血の有無だけで妊娠を判断することはできないため、気になる場合は妊娠検査薬を使用するか、医師へ相談しましょう。

着床出血は必ず起こる?
着床出血は、妊娠したすべての方に起こるわけではありません。実際に経験するとされるのは妊婦の約20%程度で、出血がなくても妊娠が順調に進むケースがほとんどです。
着床出血が起こるタイミング
着床出血は、受精卵が子宮内膜に着床する時期に起こる出血です。一般的には排卵から約1〜2週間後、生理予定日の数日前〜当日ごろにみられることが多いとされています。
そのため、着床出血のタイミングは通常の生理開始時期と重なりやすく、「生理が始まったと思ったら妊娠していた」というケースもあります。
生理並みの着床出血が起こることはある?
結論からいうと、生理並みの出血があったとしても着床出血である可能性はあります 。
着床出血というのは、基本的には生理よりも出血量が少なく期間も短いと言われていますが、個人差があるものなので一概に量で決めることはできません。
下着が少し汚れる程度の人もいれば、ナプキンが必要になる人もいます。
生理と着床出血の共通点
生理と着床出血では、出血があることに加えて、ほかにも共通する症状があります 。
まず「精神的な症状」では、生理前のPMS(月経前症候群)と同じように、妊娠初期にもイライラや憂鬱な気分といった気分の浮き沈みが見られます。同様に「身体的な症状」でも、下腹部痛や頭痛、腰痛、だるさ、眠気など生理前と同様の症状が妊娠初期にも出てきます。
このように、両方の症状が非常に似ているため、妊娠のサインを「いつもの生理が来るサインだ」と誤解して見逃してしまう方もいます。
生理と着床出血の違い、見分け方
生理と着床出血はよく似ていますが、見分けるためのポイントを知っておけば、慌てずに対応できます。ここでは、出血の色や量、期間、痛みの違いなど、自分で判断するためのチェックポイントをわかりやすく整理しながら解説します。
血の色
着床出血と生理の出血の色には違いがあります 。着床出血と生理の違いを見た目で判断する際のポイントを見ていきましょう。
着床出血の色には個人差があり、ピンク色のおりもの、鮮やかな赤、または茶色など、さまざまな色が考えられますが、血の塊が出ることはありません。
一方、生理の経血は、多くの場合赤から暗赤色です。生理では血液の塊が出ることもありますが、着床出血の場合はサラサラとしていて、血の塊は出ないのが大きな特徴です。
腹痛
着床出血による腹痛は、生理痛よりも軽いことが多く、「おなかの奥がチクチクするような痛み」と表現されます 。生理痛のように激しく痛んだり、強い痛みが長時間続いたりすることは少ないでしょう。
長さ
着床出血と生理の大きな違いは、出血が続く期間です 。生理は通常3日~1週間程続きますが、着床出血は1~3日程度で終わることがほとんどです。いつもの生理よりも出血が早く終わった場合は、着床出血の可能性があります。
もし、着床出血が生理並みの期間で長く続く場合には、何らかの異常が起こっている可能性が高いため、速やかに婦人科へ相談してください。
また、基礎体温の変化も判断材料の1つです。妊娠していない場合の生理では、出血が始まると基礎体温は下がります。一方で、妊娠した場合は、出血したあとも基礎体温は下がらず、高い状態をキープするのが特徴です。
出血量
着床出血の量は、生理の経血量よりも少ないという特徴があります 。生理の場合は、出血が始まってから経血量がだんだんと増えていきますが、着床出血は少量で終わることがほとんどです。出血量はショーツが少し汚れる程度であることが多く、パンティライナー(おりものシート)で対応できる場合が多いでしょう。もし、生理並みの量で、ナプキンを頻繁に変える必要があるほど出血が多い場合は、着床出血ではない可能性が高くなります。
性交渉から何日後に着床出血がみられる?
着床出血が起こるタイミングは、性交渉からおよそ14日前後が目安となります 。
これは、排卵が起こり、精子と卵子が受精してから、受精卵が子宮内膜にたどり着き、着床が完了するまでに約12日程度かかるためです。着床出血は、この着床が始まった直後から完了するまでのタイミングで起こります。
ただし、排卵日や性交渉のタイミングには個人差があるため、この14日前後という日数はあくまで目安として考えておくとよいでしょう。
着床出血以外の着床のサイン
妊娠が成立し、受精卵が子宮内膜に着床する際には、出血(着床出血)以外にも、さまざまな変化が現れることがあります。ここでは、着床時に見られるサインについて紹介します。
絨毛膜下血腫
絨毛膜下血腫は、胎嚢の周りに溜まった血液のことを指します 。
妊娠初期に見られる症状で、発症原因は解明されておらず、超音波検査で発見されます。
妊娠中期までに自然消滅する場合がほとんどですが、消滅しない場合には流産のリスクが高まるため、医師の指示を仰ぎ、適切な対処を行いましょう。
子宮外妊娠
子宮外妊娠は、受精卵が子宮腔(子宮内膜)以外に着床してしまった状態を指します 。
妊娠超初期〜妊娠初期には(4〜5週)には特徴のある症状はなく、妊娠5週半~6週にかけて超音波検査で子宮内に胎嚢が確認できない場合に疑われます。
早期診断も可能になってきており、暗めの赤色の不正出血が出ている場合には、まずは病院を受診しましょう。
胞状奇胎
胞状奇胎は、子宮内に少量のブドウの房状のつぶつぶのようなものが大量にできる病気です 。
また、重度な吐き気と嘔吐、出血が伴います。
奇胎が存続していたり、広がっていたりする場合、化学療法が必要となることがあります。胞状奇胎妊娠の摘出後12か月間は必ず避妊をし、妊娠を避ける必要があります。
切迫流産
胎児がお腹の中にいるにも関わらず、流産寸前の状態を切迫流産といいます 。
妊娠12週までの切迫流産は薬剤治療ができません。ただ、切迫流産の場合は妊娠を継続できる可能性もあるので、医師の指示を仰ぎましょう。
早期流産
妊娠12週未満の初期に流産してしまうことを指します 。
また、妊娠12週未満の早い時期での流産が8割と言われています。この時期に起こる流産は、そのほとんどが赤ちゃん自体の染色体異常などが原因と言われており、お母さんの行動や生活が原因ではないことがほとんどです。
着床出血かもしれないときの対処法や注意点
では実際に着床出血かもしれない出血があった際にどう対処すればよいのか、適切な対処方法と注意点を説明していきます。
妊娠検査薬で確認する
着床出血が疑われる出血があった場合は、妊娠検査薬を使用して妊娠の有無を確認するのも1つの方法です 。
ただし、妊娠検査薬は生理予定日の1週間後を目安に使うものがほとんどです。
あまり早い時期に使用しても適正な結果は出ないため、説明書に記載の使用できる時期を確認してから試してみましょう。
陽性反応がでた際には、すぐに病院を受診しましょう。
婦人科に相談する
着床出血が疑われる出血の量があまりにも多く、ほかにも症状が見られる場合には、早急に婦人科を受診しましょう 。
出血の量だけでなく色や、ほかに症状や異常がみられないかどうかも確認しておき、受診時に医師に伝えましょう。
場合によっては緊急性のある出血である可能性もあるため、どうしても自身で判断できない場合には病院へ電話をし、指示を仰ぎましょう。
生活習慣を見直す
着床出血の可能性がある時期は、もし妊娠していたとしても問題がないように、生活習慣を整えることが大切です 。
特に、たばことアルコールは胎児の発育に悪影響を与えるため、妊娠を希望している方は止めるようにしましょう。またカフェインの過剰摂取は避けるようにして、代わりにカフェインレスのコーヒーやカフェラテ、お茶などを選ぶのがおすすめです。ただし、気分転換に、1日1〜2杯程度であれば問題はありません。なるべく規則正しいリズムを意識して過ごすことが、体調の安定につながります。
着床出血や生理と似ている「不正出血」とは
不正出血とは、着床出血でも生理でもない出血を指します 。これは、妊娠している場合の子宮外妊娠や切迫流産などの症状で起こる出血のほか、妊娠をしていない場合でも子宮頸管ポリープや子宮がんなどの病気のサインとして現れることがあります。
出血がみられた際には、出血の状態を冷静に記録し、医師に相談しましょう。早期発見することで対処法の幅が広がる場合もあります。自己判断ではなく、必ず医師の判断を仰ぐことが大切です。
生理が1日で終わった場合、妊娠の可能性がある?
結論から言うと、生理が1日で終わってしまうのは、着床出血の可能性があるため、妊娠の可能性は否定できません 。着床出血は、通常1~2日程度の短い期間で起こり、次回の生理予定日ごろ(妊娠4週目前後)に現れるため、通常の生理と区別がつきにくいのです。
もし妊娠の可能性があって不安な方は、性交渉の約3週間後から使用できる市販の妊娠検査薬で確認してみましょう。検査薬で陽性が出た場合は、着床出血と考えてほぼ間違いありません。
いずれの場合でも、自己判断せずに婦人科を受診すると安心です。妊娠しているかどうかの確認や、不正出血のケアについて相談しましょう。
妊娠を希望していない場合
現時点で妊娠を希望されていない方で、日常的に性交渉がある場合、避妊具の破損や使い方への不安から、「妊娠してしまったかもしれない」と心配になることもあるかと思います。
自身でできる対策の1つが、低用量ピルを継続して正しく服用することです 。低用量ピルは、正しく使えば約99.7%(※)という非常に高い確率で妊娠を防ぐことができます。毎日1錠決まった時間に服用するだけで自ら避妊することができ、性交渉のたびに妊娠を心配するストレスを大きく減らすことができるでしょう。
ただし、正確な方法で服用しなければ避妊効果は得られません。低用量ピルには、生理周期の安定やPMS、肌荒れに効果があるといった副効用もたくさんありますので、医師と相談して自分に合ったピルを見つけましょう。
※一般的なデータであり、効果を保証するものではありません。
着床出血についてよくある質問
ここでは、着床出血に関する質問にお答えします。ぜひ参考にしてみてください。
生理予定日を過ぎてから着床出血が出ることはある?
生理予定日を過ぎていたとしても着床出血が出る可能性はあります 。
ただし、出血の色がすぐに排出された着床出血とは違い、茶色のおりものに近いことが多いです。
すぐに排出された着床出血はピンクや鮮血などの色をしていることから、同じ着床出血でも色の違いがあります。
着床出血が生理並みの量や期間になることはある?
個人差はありますが、生理に近い量や期間の出血がみられることもあります。
着床出血は一般的に少量で短期間とされていますが、出血量や期間には個人差があります。
そのため、出血量だけで生理か着床出血かを判断することはできません。妊娠の可能性がある場合は、ほかの症状や経過もあわせて確認しましょう。
生理並みの出血があったのに、後から妊娠が判明することはありますか?
生理だと思っていた出血が着床出血だったケースもあります。
着床出血は生理予定日前後に起こることが多く、生理と区別がつきにくい場合があります。そのため、「生理が来たと思っていたら妊娠していた」というケースも珍しくありません。
特に、いつもより出血期間が短い、基礎体温が高温のまま続いているといった場合は、妊娠の可能性も考えられます。不安な場合は妊娠検査薬を使用し、必要に応じて婦人科を受診しましょう。
まとめ
この記事では、着床出血と生理の違いについて説明してきました。
妊娠を希望している方も妊娠を希望していない方も、着床出血と生理の違いや見分けるポイントを知っておけば、出血が見られた際に、落ち着いて対処することができますね。
生理並みの出血量があったとしても着床出血の可能性もありますので、量だけでは決めつけずに、出血の期間や、ほかの症状がないかどうかも記録して、医師に相談しましょう。
何事も不安な症状がある場合には、医師の判断を仰ぐことが大切です。
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監修者
日本医科大学武蔵小杉病院 助教
2015年日本医科大学医学部卒業後、2年間の初期研修を経て、2017年より日本医科大学産婦人科学教室に入局。
大学病院、市中病院、クリニックなど幅広く勤務を経験。
日本女性医学会、日本生殖医学会、日本周産期・新生児学会に所属し、日々最新の知識を習得し、現在は日本医科大学武蔵小杉病院にて助教を務める。
2026年1月に医学博士取得。
2024年にメデリピルにてオンライン診療によるピル処方を開始し、2025年からmederi magazineの記事監修を担当。
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