「生理について正しい情報を知る機会を広げたい。身体/心の変化との付き合い方」KYOTO TANGO QUEENS

インタビュー
更新日:2023.11.30

mederiスポーツアンバサダーは、スポーツに取り組む女性アスリートが抱える生理/PMSをはじめとした女性の健康課題を年間サポートすることを目的に、一般公募で決定した6チームが参画しています。今回は、KYOTO TANGO QUEENSの二宮早紀さんへ「競技に取り組む想い」「スポーツと生理/PMSの課題」「メデリスポーツアンバサダーの活動」についてお話を伺いました。

二宮早紀

KYOTO TANGO QUEENS 背番号8/キャプテン

ポジションはFW。大学卒業後、みずほ銀行に就職しサッカーは一度引退したものの、2022年5月に退職し、京丹後市に移住。KYOTO TANGO QUEENSで6年ぶりに選手として復帰。現在は選手兼スタッフとして活動しています。

KYOTO TANGO QUEENS
京都北部中心に活動する女子サッカークラブ。「選手の人生を見据えたクラブ設計」というコンセプトを掲げ、心理的安全性を重視。勝敗を超えた価値を見出し、愛されるクラブを目指します。

【1】サッカー活動について

・現在のチーム活動について教えてください

KYOTO TANGO QUEENSは、京都北部にある京丹後市を拠点に活動しています。年齢層は13歳〜30歳までと幅広く、現在は社会人が6名、中高生が16名の26名のチームです。練習は月曜日〜日曜日まで週5回あります。シーズン中は日曜日が試合のため、前日の土曜日も練習します。平日は19時から21時、土曜日は午前10時から12時まで2時間行っています。
活動場所は、拠点である「京丹後市」と、京丹後市から車で1時間ほどの「福知山市」になります。京丹後市では水曜日と土曜日に、福知山市では火曜日と木曜日に練習しています。

・チームとして大切にしていることはありますか?

私たちはスローガンに「楽勝」を掲げ、メリハリを持って楽しんで勝つということを大切にしています。
代表の吉野と私は高校の先輩後輩にあたり、全国大会で優勝をする強豪校にいました。ハイレベルな環境でプレーをすると「勝つこと」を優先しがちです。勝つことに集中して純粋にサッカーが好きという気持ちが薄れてしまったり、好きなプレイができず辞めてしまったり、傷ついてしまうことも。もちろん、厳しい状況でしか経験できないこともあると思いますが、「まずはサッカーを楽しむこと、自己表現の場であることを大切にしたい」という代表吉野の想いが、KYOTO TANGO QUEENSのベースにあります。やる時はやる、楽しむ時は楽しむというメリハリを持って活動しています。

・二宮選手がサッカーをはじめたきっかけを教えてください

サッカーをやっていた兄の影響と、周りの人に誘われたことがきっかけで、小学1年生から始めました。 幼稚園の頃から活発で運動はできたので自信はありました。中学生の頃は男子サッカー部で活動しながら、住んでいる山口県から電車で約1時間かけて広島県の女子クラブチームへ通っており、この頃から選抜や全国大会に出場するなど経験を重ねていました。高校では地元を離れて、宮城県の常盤木学園へ進学。しかし、高校には全国から選手が集まってきて、プロを目指している人も多く、自分の中で天井が見えた気がしました。その後、慶應義塾大学に進学し、大学まではサッカーを続けましたが、卒業後はプロではなく就職を選択。法人営業の仕事に約6年間従事しました。その中で、2021年1月頃からKYOTO TANGO QUEENSに運営として1年間携わり、2022年4月頃から京都に引っ越して選手としての活動も再開しました。

・なぜ再度選手として活動しようと考えられたのですか?

「サッカーに対して抱いていたネガティブな印象を払拭したい」と思ったことが選手として復帰したいと思った理由の一つです。大学時代もサッカーの活動の中でつらい想いを経験し、メンバーは好きなのにサッカーが楽しいとは思えず、「やりきったら終わろう」という辞め方でした。しかし、運営として携わっていたKYOTO TANGO QUEENSの中学生の真っ直ぐなプレーを見る中で、選手たちに「もっと成長してほしい」「もっとサッカーを好きになってほしい」「楽しんでくれたらいいな 」と、自分の中でサッカーに対する想いが大きくなっていきました。このままコーチとして携わろうとも思いましたが、選手たちに言語化して伝えられることにはやはり限界があります。常にプレーは動き続けているので、私も体が動くのであればプレーを実際に見せて伝えたいという想いがあり、選手として活動を再開しました。

・ご自身の選手としての一番の強みを教えてください

「がむしゃらさ」がセールスポイントです。チームの中ではキャリアがあるので状況判断なども行いますが、本質的には「誰よりも走る」などテクニック以外の部分で頑張るタイプのプレーヤーだと思います。
サッカー以外の部分では、長所でもあり短所でもありますが、「先を見据えて行動する」ことが自分の強みです。「将来こういうことがしたいから、今はこうしよう」と考える癖がついています。何か問題が起きた時に、感情的になることもありますが、一旦、感情と状況を分けて「次にどうするか」を考えています。それが良い方向に行く時もあれば、考えすぎて動けない時もあります。

・サッカーにおける現在の目標はありますか?

チームとしては、関西2部から関西1部への昇格を目指しています。去年は11位で昇格争いに関係のない順位にいたのですが、今年はもし勝てば昇格できる順位だったので、昇格争いをできたこと自体が進歩だと感じます。来年も昇格を目指してさらに頑張りたいと思います。
個人的なサッカーにおける目標は、とても身近なことですが、足が攣らないようにしたいです。プレーしているとラスト10分ほどで筋肉の状況が厳しくなってきます。大学生の時まで試合で足が攣ることはなかったのですが年齢もあるのかもしれません。足が攣らなければそれなりのプレーができるので、今の1番の目標です。

【2】スポーツと生理/PMSの課題について

・スポーツ現場で生理/PMS時に関して課題と思うことはありますか?

私の場合は生理痛もそこまで重くないので、生理/PMSが重なった時にパフォーマンスが悪くなることは少ないかもしれません。生理1日目や2日目に腰が痛い・体が重い日もあれば、平気な日もあります。どちらに転ぶかわからないので多少のストレスはありますが、あまり気にしすぎない心持ちでいます。どちらかと言えば、生理の2週間前の方が体が重く感じることが多いですね。
他のメンバーでは腹痛を訴える人は多いです。ですが、特に中学生に対しては安易に痛み止めを勧めて良いのかわからないこともあり判断が難しいです。メンタル面で落ちてしまう人も結構いるので、周りがサポートをしてうまく付き合えたら良いなと思います。無理をさせないように、できることがあればスタッフ間で共有できればと考えています。

・チーム内で生理/PMSなどの相談はしやすいですか?

代表が女性ということや、年齢層が中学生から社会人まで幅広いこともあり、生理/PMSに対しては寛容に対応できていると思います。人それぞれですが「私、今日生理なんです」と言えたり、逆にいつもと雰囲気が違ったらスタッフから声をかけるようにしています。男性スタッフも含めて理解のあるチームなので、お腹が痛い選手がいたらすぐに休ませることもします。生理の話も気軽に聞いたり、話しやすい雰囲気を作る努力はしています。

・身体の変化、心の変化と付き合う上で心がけていることはありますか?

生理期間に関わらず、メンタルとの付き合い方ではフラットでいることを心がけています。できないことを他人に求めすぎたりしてイライラしたり、落ち込んだりすることはプレーをする上でプラスに働かないということは明確なので、なくす努力をしました。KYOTO TANGO QUEENSに来てからは、年齢を重ねて大人になったということもありますが、何か問題が起こった時に、「どうしてそれが起きたのか」をスタッフと話したり、自分と向き合って紐解くことで、気持ちが整理されて、他人に求めすぎないようになりました。
先日の最終戦は結果次第で昇格できるかどうかが決まるのでとてもプレッシャーがあり、1ヶ月前くらいから緊張して、試合をやりたくないとも思いました。しかし、いかに自分やチームの皆の気持ちを持っていくかを考えた結果、当日はとても良いモチベーションで試合に入ることができました。多少のアップダウンはあるのですが、向き合って対応する、気づいた上で一旦置いておくなど、上手く対応できるようになったと思います。

・生理の日に体調面で気をつけていることはありますか?

生理の日は、カフェインをとらないようにしたり、出来るだけ睡眠時間をとるようにしています。私の場合、生理前は眠たくなるので無理せず寝たり、お風呂に入って休んでいます。また日々の生活でも食事面は気をつけているのですが、生理期間は貧血にならないように鉄分の入っているヨーグルトを食べています。
結婚しているので、生理であることは旦那にも伝えています。上手く受け止めてくれていますね。

【3】オンライン診療、ピル処方、セミナーについて

・mederiスポーツアンバサダーをご利用いただいていかがですか?

セミナーやオンライン診療、ピル処方など、まずそういった仕組みがあることをありがたく感じます。私が学生の頃はこういったサポートを受けたことは一度もなかったので、悩んでいることを相談できるだけでも大きいですね。またYoutubeにアーカイブが公開されている第3回のセミナーを試聴したのですが、元オリンピック選手がゲストで登壇されていて、トップアスリートから伺うお話はアスリート目線で刺さる部分があり関心が高かったです。対談企画やアスリートがゲストで登壇するセミナーは個人的にはとても良いなと感じました。

・ピルに対するイメージの変化などはありましたか?

これまで、ピルに関する知識が足りない部分があったと感じています。mederiスポーツアンバサダーのセミナーでピルの説明をされていて、ピルは生理が重い人だけが使うものというイメージがありましたが、海外では日本に比べてもう少し身近なお薬であることを知りました。
ピルは選択肢の一つですが、日本では服用に至るまでにやはり少しハードルがあるとも感じます。チームには生理痛が重くなかったり、生理/PMSによるパフォーマンスの変化に対して意識が向いていない中学生もいるので、オフラインでの接点があると、より行動に移しやすくなるのではないかと思います。SNSなどでも情報が得られる世の中ですが、情報源がどこかわからなかったりもするので、正しい情報を中学生たちに伝えられたら嬉しいです。

・mederiスポーツアンバザーを通して伝えたいことを教えてください

女性にとって、生理は長い期間付き合っていくものです。特にスポーツに本気で向き合うアスリートであればあるほど、生理期間における気持ちの揺れ動きや体の状態が気になると思うので、mederiスポーツアンバサダーのような気軽に相談できるサポートはとても良いことだと感じます。より行動に移せるように、これからはオフライン・オンラインの両面でも取り組めればと思います。
また個人的には、現役選手を何歳でやめて、何歳で子どもをつくるのか考えることもあります。恐らく妊娠出産を考えるタイミングで産婦人科に通い出すかと思うのですが、その前に知っておくべきことや、やっておいておいた方が良いことなども知っていきたいです。

mederiでは、女性の生理/PMSに関する悩みを多くの方に知っていただくとともに、環境に左右されずに安心してスポーツに取り組むことのできる機会の提供を目指しています。今後も、スポーツに打ち込む女性アスリートたちの健康をサポートし、ますますの活躍を応援してまいります。

mederiスポーツアンバサダー
https://mederi.jp/sportsambassador/

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